角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

似たもの父娘。

2006年09月29日 | 実演日記
今日の草履は、8月28日、千葉県柏市からお越しくださった奥様のオーダー草履です。
『緑系であとはお任せっ!』がこちらになります。ほんとにお待たせしました、本日の便で出発しています。

秋晴れが戻った今日の角館、またまた気持ちの良い一日となりました。散策のお客様も笑顔が多いのが良く分かります。やはりこの天気というもの、人間の感情に大きく影響するんでしょう。

秋田市からお越しの嫁姑ペアさん、北蔵レストランでお食事を終え、米蔵に入って見えました。姑さんが私の草履に関心が高く、説明を聞いて「欲しい」が上昇していました。すかさずお嫁さん、『お母さん、私がプレゼントしますよ~!』。
姑さんに、『なんてイイお嫁さんですかねぇ~』と言うと、『そりゃあ、ウチの嫁だものぉ~!』。
今度は、『きっと息子さんが良く出来てるんでしょうねぇ』と言うと、『そりゃあ、私の息子だものぉ~!』。とにかく幸せな姑さんでした。

二泊三日の体験学習を終えた三女が帰ってきました。柄にもなく班のリーダーを仰せつかった三女は、家へ着くなり倒れるように眠りにつきました。相当疲れたようです。
三女の性格はよく分かります。おおよそ人の上に立つ能力はありませんが、生来のノリの良さと責任感で、リーダー職を全うしたんだと思います。自らのキャパを知ってか知らずが、おそらく限界をはるかに超える心理負担だったと思います。

今日西宮家から戻ると、一通のFAXが届いていました。数日前にもFAXがあり、それは『もしかしてどっかにいっちゃったか心配しております』という内容でした。すぐに、『風邪で体調を崩し、少し遅れ気味です。あと数日で送れますからもう少し時間をください』とご返信した方でした。こちらの草履は、つい先日発送しています。
今日のFAXは、『布巻草履届きました。赤いかわいいリボンで結ばれて、しばらく飾ってながめてから使おうかな~っと楽しんでおります。ありがとうございました、お体お大事になさってください』。

こうした通信をいただくと、嬉しさのあまり柄にもなくジ~ンと来ます。今年の夏季実演は、おそらく私のキャパを超えていたと思います。それでも毎日お訪ねいただくお客様とおしゃべりし、そしてご注文をいただくことが「責務」のように思っていました。

三女も週明け学校に行って、班のともだちから『楽しかったね!』と言われたら、この苦労が報われる喜びを味わうことでしょう。
「人に喜ばれる」ということは、相応のエネルギーを費やすことです。でもそれは、何倍にも増して自らのエネルギーとなって帰ってきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする