あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

赤子の微衷 (一) 北一輝と西田税

2020年03月30日 20時41分03秒 | 赤子の微衷 1 西田税と北一輝 (聴取書)

昭和維新情報第一報 
二月二十六日午後七時現在
二月二十六日 早朝四時 維新皇軍東京部隊 大擧蹶起し 皇城を奉じて
維新の大義を宣明し 反維新勢力の元兇、首脳を粉砕討滅せり。
概況左の如し
一、主力  皇道維新派 歩一、歩三の大部隊其他、近歩、豊橋部隊
一、配備  皇城を守護し奉り、丸ノ内各省官衛、大銀行、新聞社等を完全に占拠す。
一、斬奸  西園寺 ( 生死不明 ) 牧野、齋藤 ( 實 ) 岡田、高橋、後藤、渡邊教育總監、鈴木 ( 貫太郎 )
  小栗警視總監、川島 ( 參内の途中行方不明 )
一、反應  内閣總辭職、後藤内閣不明、陸軍首脳部混亂、海軍一致維新軍支持、
  芝浦に軍艦二艘入港、陸戰隊上陸
一、對策  維新軍の赤誠を上聞に達し 御親裁御嘉納を仰ぐべく工作進展中 ( 好望 )
  國民的意思表示の要あり。
全國同志奮躍興起すべきは唯是千載一遇の今にあり。
各位不退轉の決意を以て大義に參ぜよ、先づ 環境に應じて左の處置を執られたし。
A、各地 皇軍の奮起を促進すべし。
B、大擧實力を示威し、地方長官に面接昭和維新に賛せしめ、維新内閣出現の國民的翹望も上奏傳達せしむ。
C、侍従武官府宛 維新内閣出現の國民的翹望を上申すべく 電報書信の急霰を注ぐこと。
D、各地に聯絡すべきこと。
E、其他 適宜可能なる一切の手段を盡すこと。
以上
( 續報 ) 臨時首相大角大將、其他閣僚は其の儘、
維新同志会同人

・・・
澁川善助 ・ 昭和維新情報
・・・ 澁川さんが來た

赤子の微衷 (一)
北一輝と西田税
目次

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北一輝 (憲聴取1) 『 今回ノ事件ニハ西田ハ直接關係ハナイ 』  昭和11年3月2日
・ 北一輝 (憲聴取2) 『 譬ヘ逆賊ノ汚名を被セラルモ、 此ハ正義ノ行ヒナリ 』  昭和11年3月3日
北一輝 (憲聴取3) 『 彼等ノ行フコトハ正義デアル 』  昭和11年3月6日
・ 
北一輝 (憲聴取4) 『 實ハ西田税ガ、二月二十七日ヨリ同月二十八日迄私方ニ居リマシタ 』  昭和11年3月8日
 
北一輝 (憲聴取5) 『 二十七日午後、安藤大尉ヲ電話ニ呼ビ出シテ、「 〇ガアルカ 」 ト尋ネタコトガアルカ 』  昭和11年3月13日
・ 北一輝 (憲聴取6) 『 外部カラ蹶起部隊ニ對シテ好意的ナ助言ヲシタ 』  昭和11年3月15日
・ 北一輝 (憲聴取) 『 西田は、同志と生死を共にしようと決心した 』  昭和11年3月27日
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北一輝 (憲聴取7) 『 國家改造運動ノ經緯ニ就テ 』  
昭和11年4月17日

・ 
北一輝 (警聴取1) 『 是はもう大勢である 押へることも何うする事も出來ない 』  昭和11年3月17日
・ 北一輝 (警聴取2) 『 仕舞った 』  
昭和11年3月18日
・ 北一輝 (警聴取3) 『 大御心が改造を必要なしと御認めになれば、 百年の年月を持っても理想を實現することが出來ません 』
昭和11年3月19日
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北一輝 (警聴取4) 『 柳川では遠い 』
  昭和11年3月20、21日


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西田税 (警聴取1前) 『 経歴 』 昭和11年3月8日
・ 西田税 (警聴取1後) 『 私は諸君と今迄の關係上自己一身の事は捨てます 』  昭和11年3月8日
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西田税 (警聴取2) 『 僕は行き度くない 』
  昭和11年3月9日
・ 西田税 (警聴取3) 『 私の客観情勢に対する認識 及び御維新實現に關する方針 』
  昭和11年3月10日

・ 西田税 (憲聴取1) 『 貴方から意見を聞かうとは思はぬ 』
  昭和11年3月16日
・ 西田税 (憲聴取2) 『 萬感交々で私としては思ひ切って止めさせた方が良かったと思ひます 』
  昭和11年3月17日
・ 西田税 (憲聴取3) 『 石原は相変らず、皇族内閣などを云って、國體違反だ 』
  昭和11年3月18日
・ 西田税 (憲聴取4) 『 若い者が起ちました、其収拾に御盡力をお願ひ致します 』
  昭和11年3月20日
・ 西田税 (憲聴取5) 『 眞崎大將をして時局収拾せしめたいと鞏調しました 』
  昭和11年3月22日
・ 西田税 (憲聴取6) 『 昭和維新への道程 1 』
・・前  昭和11年4月11日
・ 西田税 (憲聴取6) 『 昭和維新への道程 2 』
・・後  昭和11年4月11日

西田税、北一輝 ・ 捜査経過 ( 昭和11年2月28日~昭和12年8月19日 )

日本の國體は一天子を中心として萬民一律に平等差別であるべきものです。
夫れでは如何して此の改造を實現すべきかの手段を申上げます。
此の改造意見は日本に於いてのみ行はれ得るものであります。
即ち
聖天子が改造を御斷行遊ばすべき大御心の御決定を致しますれば
即時出來る事であります。
之に反して
大御心が改造を必要なしと御認めになれば、
百年の年月を持っても理想を實現することが出來ません。
此点は革命を以て社會革命をなして來た諸外國とは全然相違するので、
此点は私の最も重大視して居る処であります。
・・・北一輝