世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

興福寺創建1300年記念「国宝 興福寺仏頭展」

2013年09月06日 23時59分31秒 | Weblog
成人病検診のあと、一旦帰宅して、上野へ出かけた。
今日は有給休暇を取得したんだから平日をエンジョイしないと!!

東京藝術大学大学美術館へ。
興福寺創建1300年記念「国宝 興福寺仏頭展」



これ、超よかった。
展示数は少ないのだが、あの「銅造仏頭」がそれをカバーするぐらい感動した。
展示物の前で涙を流したのは「日光月光菩薩」以来だ。


3階の奥にそれは佇んでいた。
「銅造仏頭」



「銅造仏頭」の表情は、静かな威厳に満ちていた。
失った体や頭の一部なんて気にならない。
むしろ失ったことによる不完全さが、この仏様が辿った運命を感じさせる。
また、その上でこのような慈愛に満ちた美しさを感じさせることの不思議さ、強さを感じた。

この大きさの仏頭なのだから体があったらもっと下から見上げる感じになっていたのだろう。
そうすると、今、この視線で眺めると言うことは、当時では空中に浮きながら仏様に対峙していることになるのだろうか。
様々なことを思いめぐらしながら1時間ほど観賞。

直線的な目、眉、鼻梁。
しかし首や唇には柔らかな曲線があることを発見。
視線は遥か遠くを眺めているっぽい。我々の行く末を見ているのだろうか。
今回の展示では後ろからも眺めることができる。失われた後頭部が痛々しい。
当時の火事の威力を感じた。

吸い込まれるように観賞していたら涙が出て来て困った。

平原綾香の「Jupiter」が似合うなと個人的に思った。



他の展示物も素敵だった。
仏頭の前に並ぶ「木造十二神将立像(鎌倉時代)」

応永18年(1411)の落雷による興福寺の東金堂火災で、仏頭は所在不明となった。
昭和12年(1937)に本尊台座内で発見されてからも今日まで仏頭と「木造十二神将立像」がそろって並べられることはなかった。
それが今回は、主従の600年ぶりの再会。


「木造十二神将立像」


頭に十二支の動物を乗せている。
シュール。

ネズミを乗せている彼のポーズ及び表情が可愛い。


ファッション(みうらじゅん曰く「ブッション」)もお洒落。
衣の襞もさることながら、靴までかっこいい。


地下の展示室。
「板彫十二神将像」
レリーフ。
しかし躍動感は半端ない。
12人の中で特に「迷企羅大将像」が好き。
足の指、筋、掌の筋まで精緻に表現されていた。
顔の表情は怖いのだけどポーズがややファンキー。
「怒ったど~」
って言ってそう。



「木造十二神将立像」と「板彫十二神将像」が興福寺を出てオールスター状態になったことは今まで無かったらしい。


いや~、本当良かった。

教科書でしか見たときから印象的だった仏頭。
やっとあなたに会えた。

祈りながら観賞、感動。
心の洗濯ができた。



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