世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

2日目 (3)広島平和記念資料館

2006年08月12日 15時31分58秒 | Weblog
平和公園を歩いていると、61年前、この地を水を求めてさまよい、やがてなくなっていった人々の声が聞こえてきそうで、やりきれなくなる。

資料館で、こんなことがあった。

被爆して亡くなった男子の学生服(血痕がついていてボロボロ)を
私の隣で小学2年生位の男の子が見ていた。
ケースに喰らい付くように、見ていた。

すると、その子の父親らしき人が「あんまり見ると怖くなるねんから、見ん方がええよ」と、男の子の手を引いていった。
手を引かれつつも男の子は学生服をずっと見ていた。

平和教育について述べられるほど、私は勉強をしていないし、子供なんて全くもって興味がない。この先、人の親にもならないだろう。こんな私が他人の子供の教育に口を挟むのは私の流儀ではないのだが、子供が知りたいと思うことについて真っ向から否定するって、どうだろう…。
たしかに目を背きたくなる展示物ばかりだ。
しかし、しっかり目を見開いてかつてあった「あってはならないこと」と、その悲惨さを胸に刻み、二度とあのような過ちをしないよう次世代を導くことは、現代の大人に課せられた義務だと私は思う。


地下では特別展示が行われていた。
体験者が描いた絵、その一枚一枚には原爆が投下されたときの様子が鮮明に描かれていた。

倒壊した家の下敷になり、動けない母親。
その前に女の子が「お母ちゃんを助けて」と泣いている。
男3人で手を尽したが家はピクリとも動かない。
やがて火が近付いてきたので泣く泣く「許してください」と手を合わして、私は逃げるしかなかった。…描いた人の解説が添えられていた。

こんなことがあっていいのだろうか。
絵の前で動けなくなった。
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