世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

高畑勲展

2019年07月14日 11時39分11秒 | Weblog
昨日の夕方は、思い立って竹橋にある国立近代美術館へ。

「高畑勲展」を観てきた。
夏になると引きこもるので、行けるときに行っておきたいなと思って。
つーか、本当に毎日雨か曇りで嫌になる。
灰色の空、見飽きたよ、マジで。


竹橋の下が一面グリーン。




「アルプスの少女ハイジ」を観て育ち、「火垂るの墓」を観て平和の尊さを知り、思春期に「おもひでぽろぽろ」を観てモヤモヤし、「かぐや姫の物語」を観て死生感を軌道修正された身にはウハウハな内容だった。





入場した瞬間から「かぐや姫の物語」の冒頭の曲が流れていて、思わず涙腺崩壊しそうになった。
高畑さんの初期の作品から遺作になった「かぐや姫の物語」にいたるまでの創作メモや絵コンテなどが展示されていて、見どころ満載。


ハイジたちが暮らす「アルムの山小屋」周辺の景色をリアルに再現した巨大なジオラマもあり、興奮。








ハイジエリアではずっとOPが流れていて、洗脳されそう!!


HD アルプスの少女ハイジ OP



この歌は小学校2年生の時の研究授業で歌ったのでよく覚えている。
市内から偉い人が中央小学校に集まって、教室の背後で見学したあの日。
授業の冒頭、この歌を歌ったのである。
子供心に、得意気に熱唱したのを覚えている。

ハイジと言えばロッテンマイヤーさん。
大人になった今でもけっこうトラウマ。
仲良くなれる自信がない。


グッズ売り場を出た辺りに、山小屋を再現したコーナーもあり、激写。





この作品のために、宮崎駿さんや高畑さんはスイスとフランクフルトのロケに行ったそうだ。
私が少女時代に見たあの風景は、本物の風景だったんだ。
アルプスには20年前に行ったことがあるけど、2月だったので一面真っ白な風景しか覚えていない。

「火垂るの墓」の展示では、高畑さんが原作を切り貼りして構成を練ったノートも展示されてあった。
三ノ宮駅でのロケの写真に興味津々。
そして色指定の資料では全身やけどを負った清太のお母さんの血管の色まで指定されていて、見入ってしまった。


「おもいひでぽろぽろ」は、この歳になってようやくわかってきた。
当時はあまり理解できなかった。
主人公のタエ子って、実はうちの母とほぼ同じ歳の設定なのな。
27歳独身OLが休暇を取って山形に行くことが珍しく思われる時代。
柳葉敏郎と今井美樹の声の演出がぴったり。
紅花を見るとこの作品を思い出す。


「赤毛のアン」などの展示を経て、最後は「かぐや姫の物語」の展示。
この作品はDVDを購入してしまったほど大好きな作品。


The Tale of The Princess Kaguya Official Extended Trailer (2013) - Studio Ghibli Film HD



私の知っているかぐや姫の常識をいい意味で覆してくれた。
かぐや姫のストーリーをベースに、女性の悲しさ、やるせなさが鋭く表現されている。
そして「いつか死ぬんだ」ということをまざまざと感じさせてくれたのも本作品。
ベッドで眠るように死ぬ自分をそれまで想像していたけれども、かぐや姫のように会話の途中で逝くこともあるんだな、死は待ったなしなんだなと本作品で気付かされた。

そうそう、この展示室ではずっとかぐや姫のお迎えBGM「天人の音楽」がエンドレスで流れていてヤバかった。
気を抜いたらお迎え班に拉致されそう・・・!!

膨大過ぎて観るのに3時間ぐらいかかった。
とても見ごたえのある展示だった。


金曜日と土曜日は21時まで開館しているのでゆっくり観ることができた。
帰ろうとしたところ、受付のひとに常設展も観ては?と案内されたので観ることに。
私以外、客はおらず。
ゴージャスな空間だった。




「戯れ」という絵のが好き。


眺めのいい部屋。


帰宅後、コンビニのご飯を食べて風呂に浸かってバタンQ。



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