やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

伝説の…

2012-08-18 | 音楽を
動画で、マルケヴィッチ/日本フィルの《春の祭典》を見つけた。

Stravinsky Le Sacre du Printemps - Igor Markevitch - Live in Japan 1968 (video)


すは、あの伝説の演奏の映像があったのか?! と思ったら、再々来日の時の映像でした。
すこし調べましたら、名だたる巨匠と日本フィルとのきはめて貴重な演奏の模様がDVDになってゐて、それがUPされてゐたらしい。

1960年の初来日での《春の祭典》は、まさに伝説となってゐますが、この1968年の時の演奏も、とても素晴らしい!

画面は一寸こころもとないモノクロですが、えっ! と思ふほど、音質がよい。
かぶせたのかしらん? と思ったのですが、すべてのタイミングが合ってゐて、さうではなく、驚異的な高音質で残されてゐる。

演奏が、とても、素晴らしい。
マルケヴィッチの眼光するどい(柔道だけではなく、眼光鋭いひとは、素晴らしい結果をだすものですー)指揮姿も魅力的で、それに十二分に応へるオーケストラもまた素晴らしい。

当時、日本のオーケストラの最強を誇ってゐた分裂前の日本フィルの実力に改めて舌をまく。
この時点で、現在は国内最右翼のNHK交響楽団も及ばなかったはずです。

多少のミスなども見受けられますが、何よりも、ストラヴィンスキーの作品の原始的なパワーをフルに出してゐる。

こののち分裂をし、日本フィルと新日本フィルに別れた両者は、経済的に厳しい時代を過ごし、新日本フィルは小澤征爾を迎へ、そして、この10年後の1978年、日本フィルは渡辺暁雄を迎へて、記念として、やはり伝説的なマーラーの《復活》を演奏した。
小生は、その演奏を上野の文化会館で聴いてゐましたが、たしかに、ただならぬ雰囲気でした。

とまれ、この国名を冠した名オーケストラが今は厳しい状況にあるといふ現実は、ある意味、日本といふ国の、文化的な貧しさの象徴でもあるやうな気も致します。