ベルグルンドがフィルハモニア管を指揮してのシベリウスの交響詩集。
彼がヘルシンキ・フィルと録音した交響曲全集と、バルビローリの全集が棚にありますが、小生には、シベリウスの演奏では、それで充分、です。
渡邉曉雄の演奏が懐かしく思はれますがー(都響時代、彼のシベリウスやマーラーを、宝をみるやうな思ひで、文化会館の中で聴いてゐました)、すこし時代が変はってしまひました。
とても勁くて、芯が一本貫かれたやうな演奏、です。
カラヤンのシベリウスも、強靭な美しさを見せるものですが、フィールドが違ふ演奏です。
小生が私淑した先輩は、デザインの勉強のために北欧の街を見て歩いてゐた、さうです。その先輩のデザインは、派手さはないものの、いつも新鮮なイメージを見せてくれました。
成る程、さうか、とベルグルンドの演奏を聴くと、納得させられるものです。
「悲しき円舞曲」が、ヌメッとした演奏にならず、この演奏だけとっても、このディスクの素晴らしさがわかります。