DVDで、『二人日和』といふ映画をみました。
若い頃の激しい恋は去り、今は、筋肉が萎縮してゆく妻を、なすすべなく見守るだけの古都の装束職人の、無骨なまでの姿が胸を打つ。
その老いた職人の姿を、久しぶりに見た栗塚旭が好演してゐる。
すっかり薄くなった頭は、けれど見事な存在感に色を添へてゐる。
日本にも、まだ、こんな素晴しい役者さんがゐたことがひどく嬉しい。
淡々と、深深と病が進むさまが、逆にリアリティを感じる。
そして、櫻の下の、車椅子の藤村志保の何と美しいことか!
公式サイトはこちらにありました。