世間並みに、休日でした。
溜まってゐた片付けものを済ませ、庭へ出ると、
椿は終りかけ、山吹が鮮やかな色を見せてゐます。
すぐ下の蕗の葉で、蛙が必死の形相でした。
末席でお付き合ひをさせて頂いてゐる山形在住の直木賞作家の先生が、
以前から、「ちあきなおみ、はいいよ」と仰ってゐました。
偶然、アルバムを聴くことがありました。
引退し、すでに、伝説化してしまった彼女ですが、
なるほど、初めて本格的に聴いた彼女の唄には、生きてゆくザマが現れてゐます。
<愛の為に死す>を、アズナブールを除いて、これほど切実に唄へる人は、さう、ざらにゐるものでもありません。
頻繁に聴くには、一寸切ない唄ばかりですが、
来週に、過日亡くなった方の偲ぶ会で先生にお会ひしますので、
拙い小生の感動を伝へるつもりです。