やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ケンペのブラームス

2005-04-28 | 音楽を
ルドルフ・ケンペ、1976年に66歳で亡くなったドイツの指揮者。
小生の、一番好きな指揮者です。
もし彼が、まう少し生きられたら、その後の音楽は多少変はったものに
なったのかも知れません。

彼の死の直前に録音されたブラームスの交響曲全曲を聴くと、さう思ひます。
当時、決して美音を出すでもないミュンヘン・フィルハーモニーをドライブし、
30年近く経った今も色あせない音楽を残してゐます。

中途半端に艶をもったものは、それが失はれてゆく時は惨めな姿に変はります。
例へれば、目のつんだ木材に、あっさりとステインを塗ったやうな演奏。
パテを幾度も塗り重ね、テカテカに仕上げたやうなカ○ヤンの音楽とは
明らかに違ひます。

昨今の、神経質なまでに細部を造りあげた演奏とは一味違ひます。
それでも、元々オーボエ奏者として出発したせゐでせう、オーボエや
木管の音色はビックリするほど美しく響きます。
ヴァイオリンを左右に配した、旧い配置をしてゐるのも、音の掛け合ひが
目に見へて好ましいものです。(*^-^*)



(写真は、CDのライナー・ノーツから借用)