やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

『孤独な木』

2005-04-20 | 絵をみる
ドイツ・ロマン主義の画家、カスパール・D・フリードリヒの
『朝の田園風景(孤独な木)』です。
今、東京の国立博物館にをいて「ベルリンの至宝展」に出てゐる作品です。

30年ほど前、「フリードリヒとその周辺展」(確かー)といふ展覧会があり、
当時、金もないのに二度見に行きました。
いつかまた見たい、と思ってゐましたが、バブルの頃になっても、それらの絵が
ドレスデンから日本へ来ることはなかったやうです。

20代半ば(さして先も見へない、貧しいときでしたが)の若造には、
分かるはずもない絵でした。
今、逆に、そろそろ先も見へはじめ、相もかはらずの貧しい生活の中で、
フリードリヒの絵に逢へたら心に染み込んでくるやうな気がします。

自ら”人生のはかなさを描く”と云った、孤独で奇人の画家フリードリヒは、
43歳で結婚し、20年に満たない幸せな家庭生活を脳卒中で止められ、
やがて絵筆を持つことも出来なくなりました。
まう一度、彼の作品をゆっくり見たいと思ってゐます。