「ブリティシュ・ロック・ヴュージアム」と題された6本のDVDが発売された。60~70年代に
ヨーロッパのTV局で放送された貴重な映像を集めたとのふれ込みだが、全6巻中最初の2巻を
除けば、番組別に編集したとかいうものではない。
掲載写真左はVOL.2で、これとVOL.1は「BEAT! BEAT! BEAT!」で放送された番組を
集めている。08年に何本かのDVDで発売された物の寄せ集めだが、08年発売のDVDは
アーティスト毎に発売されたものの、どれも収録時間が20分に満たないもので収録時間的には
不満が残るものだった。当時私は1本あたり5ポンドで買ったのだが買ったのはキンクス、
ヤードバーズ、スペンサー・デイヴィス・グループだけだった。今回は08年のDVDでは
オムニバスにしか収録されていなかった「THE SMOKE」「THE MOVE」「THE CREATION」といった
渋いところも綺麗な画質でみることができる。
ところが。
出典番組が明記されているのはこの2本とVOL.4の一部だけで、残りの3本は何の番組から
もってきたのか明確でない。ブートレグで見たことがある「BRIZEN FESTIVAL」からもってきた
映像が幾つかあるのは判ったが。こういったアーカイブの発売でも最近は人工的な「良い音」と
「良い画質」に補正されるのが常だが、ここではそんなものとは無縁のナチュラル(笑)な映像を
楽しむことができる。ブートレグより画質がいいのは確かだけど。
掲載写真右のVOL.6はソフト・マシーンの映像から始まる。これは「BRIZEN FESTIVAL」の
ブートレグで見たことがあったが、曲が始まる前のインタビューは見たことが無かった。
ほとんどワイアットが受け答えしているのだが、無口なマイク・ラトリッジが例のサングラスを
かけていないというところに価値がある。(笑)勿論、演奏中はグラサン着用である。
「MAN」の客席も盛り上がる熱い演奏や「BRIAN AUGER &OBLIVION EXPRESS」の
スタジオ・ライブも面白い。
さて。悦び勇んでみたVOL.5の「BONZO DOG DOO DAH BAND」。何故期待したかと言うと
先の「BRIZEN FESTIVAL」のブートレグ映像では、その名が表示されたすぐ直後に違うバンドの
映像になり見ることができなかったからである。で、肝心の映像はというと、あれあれ、左上に
『BRITISH ROCK VIEWSEUM』というDVDのタイトルのロゴが被りっぱなしである。
同巻収録の「MOODY BLUES」然り。で、順番をとばして後廻しにしていたVOL.3の「TASTE」を
見て、なぜ馬鹿でかいロゴを画面に表示させているかピンときました。
ロゴの下にはタイム・コードがあるのだ。ブートレグを引っ張り出して確認すると「BRIZEN FESTIVAL」の
「TASTE」と「MOODY BLUES」の映像にはタイム・コードがあった。
う~む。タイム・コードを表示したまま放送するなんてことは無いだろうから、そうするとここらの
画質今ひとつの映像は、どんなふうに権利をクリアしているんだろうなんてことを
考えてしまう訳である。(笑)
そんなことはさておき、70年代初期の英国ロック・ファンには必見の映像であることは間違いない。
私は十分楽しんでいるし、発売された事を喜んでいる。「EAST OF EDEN」とかマーク=アーモンドを
バックに従えた「JOHN MAYALL」なんて好き嫌いはともかく、簡単に見られる映像じゃないし。
それにしても、ここでの「RORY GALLAGHER」はまたしても格好良かった。
今はなきマーキーでの演奏で、熱気がこれでもかと画面から伝わってくる。
好事家の方々には是非見ていただきたい映像集である。
なんてこったい。
最初に予約した店から「入荷しませんでした。」とのメールがきたので
速攻で別ルートを確保したボブ・ディランの限定7インチ「THE TIMES THEY ARE A-
CHANGIN' b/w LIKE A ROLLING STONE」。
今日、最初に予約した店と次のルートから同時にブツが届いてしまった。
見ればみるほど可愛い7インチなので、2枚あっても頬は緩みっぱなしだが
なんとなく最初の店の対応が気に入らないなぁ。
それにしても、やはりシングルというのはいい。
集中して1曲に対峙できるし、気に入れば何度でも針を上げてリピートするという
作業が、いい「間」をつくる。今回のディランのシングルはレッド・ヴィニールというのも
いいなぁ。同時に届いたジミ・ヘンドリックスの10インチはグリーン・ヴィニール。
これは保険をかけて先にCDシングルを押さえていたのだが、やっぱりこれも
アイティムとして嬉しいブツ。
ああ、ダメだ。こうやって徒に物が増えていくのだ・・・。
昨日届いたボスの大箱。78年のコンサートを収録したDVDしかまだ見ていないのだが
装丁といい内容といい、素晴らしすぎる。年末のHARRY'S ROCK AND ROLL VILLAGE認定
ロック大賞発掘部門の1位は、あっさり確定してしまった。
さて、後はボスの7インチを待つだけだ。
遠き山に日はおちて 星は空を散りばめぬ・・・・。
「結局、BLACK FRIDAYのディランとボスの7インチは再注文しなおすことになったよ。」
「入手の目途が立っただけでもよかったじゃないか。」
「全くだ。ところで、グレイトフル・デッドのHP見たか?。」
「唐突になんだ。俺はそんなに暇じゃないのだ。そろそろ煙草の補充に行かなくてはならないし。」
「まあ、まて。DICK'S PICKSの中でまだ買っていないブツがあるのに、デッドのHPのストアーに
在庫が無いんだ。」
「で、後何枚でコンプリートなんだ?」
「後4枚だ。その4枚に限って在庫切れなんだ。」
「気長に探せよ。ではこの辺で。ワーゲン・ワゴンの手入れしなければ。」
「もう少しつきあえよ。もうすぐボスの大箱が到着するんだよ。わくわくするね。」
「それは結構。ところで『明日なき暴走』の日本盤7インチ、売ってくれないか。」
「なんだと、何故俺がそれを持っているのを知っている。煙草の補充の時間じゃないのか。」
「今日、君を呼んだのは、本当はその交渉をするためなのだ。いろいろと買い物ばかりしているようで
金が要り用かと思ってね。」
「馬鹿言ってるんじゃない。誰が売るものか。」
「君が『売る』と言わなくても、相方が『売る』というさ。相方が『売ります』と言えばそれでいいのだ。」
「子供でも『明日なき暴走』を売り渡すヤツなんかいないぞ。おい、お前はメトロン星人じゃないのか。
まさか、メフィラス星人じゃないだろうな。」
「やめよう・・・。いつか私に『売ります』というヤツがでてくるさ。」
「お前、やっぱりメフィラスか。そんなことはさせないぞ。」
「こわいのはお前じゃない。相方だ。」
「なんだ、メトロン星人か・・・。(笑)」
ちなみに私の好きなウルラセブンのエピソード・ベスト5は以下のとおり。
1 狙われた街
2 セブン暗殺計画(前・後篇)
3 必殺の0.1秒
4 第四惑星の悪夢
5 盗まれたウルトラ・アイ
「怪しい隣人」の異次元空間は子供の頃には感じなかったが、大人になって再度見ると
V.U.のブートレグ「ORANGE DISASTER」に使われた写真を、何故か想起してしまうのであった。(笑)
元々の録音があって、そこから音を抜いたりエフェクトを加えたりして「ダブ」ができる。
私が「ダブ」を好きなのは、元の録音から更にリズムが強調されるのが一番の理由だが
過度のエフェクトが宇宙を想起させたり、特撮の効果音のように笑わせてくれたりするのも
大きな理由だ。まあ、いい大人がさんざん遊んでいるというところに最大の魅力があると
いうのが格好良いのだ。
本来は元のアルバムを聴いて、その後にダブを聴くほうが順番的にはいいはずだが
アルバムとの出会いというのは、それほど順序通りに行くものではない。
かのバーニング・スピアーの名盤「MARCUS GARVEY」は先にダブの「GARVEY'S GHOST」を
聴いてしまったのだが、そのダブの完成度の高さに、しばらくは「MARCUS GARVEY」を探すのを
忘れていたほどだった。
掲載写真右はイスラエル・ヴァイブレーションのダブを2イン1で収録したCD。このCDには彼らの
傑作1ST「THE SAME SONG」のダブが収録されている。イスラエル・ヴァイブレーションの1STも
先にダブを聴いてしまったのだが、これまたダブが素晴らしい。しかしながら、今度は掲載写真左の
オリジナルである「THE SAME SONG」を入手するのに時間はかけなかった。
結局のところ、バック・トラックが素晴らしく、それ以上にボーカルやコーラスが素晴らしければ
ダブの魅力より、オリジナルの魅力が優先する。「MARCUS GARVEY」も「THE SAME SONG」も
バック・トラックと同等以上にボーカルに抗えない魅力を感じたので、100選ではダブではなく
オリジナルを選んだ。順番には逆らえないのだ。
おっと、ダブの過激な音遊びがオリジナルより気持ちよく感じた盤もある。
例えばブラック・スレイトの「AMIGO」にはダブ盤「OGIMA」(タイトルを逆にしただけですね)が
あるのだが、彼らは100選にダブを選んだ。理由はきっと飛び道具のように使われる効果音と
深いリヴァーブの遊び心が、歌唱の魅力に勝ったということでしょう。
私の100選はファミリー・ネーム優先のABC順の表記。ちなみにBURNING SPEARは11番目に
登場する。恥ずかしながら数年前に知ったのだが、BURNING SPEARは個人名であると同時に
グループ名でもあるので、早い並びでの登場となる。順番には逆らえないのだ。
そういえば、ALICE COOPERは74年まではボーカリストの名前でありグループ名だったのだが
75年の「WELCOME TO MY NIGHTMARE」以降はバンドとしてではなく個人名として扱われるようになる。
BURNING SPEARがグループ名でなく個人名として扱われるようになるのは77年からだ。
(「MARCUS GARVEY」は75年のアルバム。)
昔からそうなのだが、何か目標とか目的を決めても、それに向かって集中するということが
出来ない。学生の時はテスト期間になると、何故だか部屋の掃除とか模様替えをしたくなって
時間を無駄にしたものだ。昨年末のカバー集作製の時も集中力に欠けたし。
今回は「レゲエ100選」なのだが残り3枚で悩んでいるというのに、「ソウル」や所謂「レア・
グルーヴ」のレア盤のダウンロードに熱中してしまうし。(笑)
ウェイラーズからピーター・トッシュとバニー・ウェイラーが脱退したのは、アルバム「BURNIN'」
発表後。ボブ・マーリーと袂を分かったのは、音楽や思想や様々なことに起因するのだろうが
その後、大メジャー展開するボブ・マーリーを貶める気は毛頭無いし、ピーターとバニーの方が
レゲエの精神を全うしたと言う気も無い。3者3様の王道を歩んだとするのが正解だろう。
バニーの1STソロに、ピーターが参加したがボブは参加しなかったとしてもである。
ビートルズを例えに出すのは間が抜けているが、一つのグループにこれだけの才能が集まったことが
奇蹟なのだ。
「レゲエ100選」は1アーティスト1枚縛り(ちゃんと、抜け道も用意してあるが)なので、
ウェイラーズの3人のようにアルバム数が多く、その中の何枚もが優れているアーティストは
選盤に悩むのは言うまでも無い。掲載写真右はバニー・ウェイラーの1ST「BLACKHEART MAN」。
私は2002年に発売された輸入盤CDで所持するのだが、各曲のクレジットが詳細でほぼ
全編でピーター・トッシュが活躍していることがよくわかる。ギターだけでなくハーモニカや
メロディカまで演奏していることから、かつての同僚を盛り上げようようとする男気が感じられる。
硬派な歌詞を比較的柔和なサウンドで包んでいるのだが、徒に攻撃的である必要はない。
そこのところがバニーのボーカルと共に、レゲエの懐の深さを感じさせる盤で、8分を超える最終曲
「THIS TRAIN」の美しさもあって、100選にはこれを選んだ。
掲載写真左はピーター・トッシュの3枚目「BUSH DOCTOR」。ローリング・ストーンズ・レーベルの
1枚目でもある。ピーターは、その発言や行動が過激で危険なアーティストと認識されていたのだが
そんなピーターを上手くレーベルに引き込んだ、当時のストーンズの戦略は実に冴えていた。
しかしながら同時にピーターは毒気を抜かれたというレゲエ・フリークからの反論があったのも事実。
最初の2枚にあった強烈なメッセージは薄れたかもしれないが、私にはソウル寄りのトラックが音的に
魅力的であること、そして私がストーンズ者であることを合わせれば、100選でこれを落とす理由が
見当たらないのだ。決してストーンズに精気を吸い取られたのではない。ピーターの音作りの変遷は
時代の要請であったこと(楽曲的にも、政治的にも)を理解すべきだろう。
ま、ここでもタイトル曲で「解禁せよ」と歌っていますがね。(笑)
えっ、ボブ・マーリーは何を選んだのかって?。
純粋なレゲエ・ファンには敬遠される「LIVE!」ですよ。
オリジナル・ジャマイカ仕様の「CATCH A FIRE」も素敵だが、単に「CONCRETE JUNGLE」のEm,Amと続く
コード進行が日本人好みなだけじゃないの?という誰に対するでも無い皮肉も書いておきたい気もした。
正にそれは私自身のことなのだから。
何れにしろ、王道なのです。(笑)
シタールという楽器がどういうものなのかを初めて映像で見たのは、エド・サリヴァン・ショーに
出演したローリング・ストーンズが「PAINT IT,BLACK」を演奏するシーンであった。
胡座をかいて座ったブライアン・ジョーンズが抱えていたシタールを見て、「なんだか変わった
形だが面白いな」と思ったものだ。造形的に面白いと今でも思っているし、興味本位で買って
みようかなと思ったこともある。弾けなくても部屋のオブジェにするのも格好良いかなというわけで。
それでも現実的に考えると、「弦はどこで売っているのだろう」「調弦はどんなふうなのか」とか
わからないことだらけで、当然ながら弾きもしないだろうから、暴挙には至っていない。(笑)
それでもシタールの音や、シタール風の音は好きだ。20代の終わりに、ロックの古典をカバーしようと
一人でスタジオに入ってドラムを録音し、そこにベースやギターを被せて遊んだことがある。
取り上げた曲の中にヤードバーズの「HEARTFUL OF SOUL」もあった。そこにシタール風の
ギターを被せようと思ったのだが上手くいかない。そこであの有名なDADGADチューニングが
頭に浮かんだのだが、それすらピンとこない。そこで私は3弦もDにしてDADDADで演ることにした。
4弦と3弦を同じにするのなんてのは、ギターをちゃんと弾ける人には「阿呆じゃなかろうか」と
いうことになるだろうが、3弦を軸に単音でメロディー・フレーズを弾いて残りのほとんどを開放で
鳴らすというのは、なんとなく気持ちが良い感じがした。何にも難しくない奏法なのが
笑いに拍車をかける。(笑)
掲載写真はラヴィ・シャンカールがジョージ・ハリスンのレーベル「ダークホース」からリリースした
70年代の2枚のアルバム、96年録音のアルバム、そして74年のロイヤル・アルバート・ホールでの
演奏を収録したDVDで構成されるボックス。貧弱な「APPLE BOX」の装丁と違い、かなり重厚で
しっかりした作りの箱である。サイズは『9インチ』とでもいえばいいか。
つまり、じゃがたらの「家族百景」より大きくゲンスブールの最初の4枚のレコードより小さい。
何だかくどいな。(笑)つまりは、フリクションの「CRAZY DREAM」と同じ大きさである。
(最初からそう書けって。)
ジョージ・ハリスンの「ダークホース」から出たアルバムといっても、商業的にヒットするようなわけもない
インド音楽なのでCDでの再発は難しいと思っていただけに、今回の再発は驚きである。
初めて聴いたのだが、この手の音楽に造詣が深いわけでもないので簡単に良し悪しの判断を
するのは控えるが、たまに無性に聴きたくなる類の音であるのも事実だ。
シタールよりも、タブラの織りなすメロディーを携えたリズムに魅せられているのかもしれないが。
発声がのるよりも、楽器だけの方が好きなのはマイルスの「BIG FUN」を愛聴盤とする私から
すれば仕方のないことだ。声明を音楽として面白いと思えたら、また楽しみ方は変わるだろう。
DVDの画質はシャープとは言えないが、貴重度は高いだろう。絵的に面白いともいいにくいが
コンサートの最初の数曲では、ラヴィは楽器を弾かず指揮者のようにふるまっていたのが意外で
大勢の演奏者をまとめあげる姿は、落ち着いたフランク・ザッパのようでもある。
勿論シタールを弾く姿は、後でたっぷり見ることが出来る。
何れにしろ、長くは市場に残っていないだろうから、ビートル・マニアのコレクションの一環として棚の
奥底にしまわれる前に、様々な音に興味のある方には一聴の価値がある音と大きく書くべきだろう。
ところで、これを機会に「ダークホース」レーベルの復刻が進むことを期待したいのだがどうだろう。
目当てはヘンリー・マックローなんだけど。(笑)とは言っても、ジョージ以外には11枚しか
アルバムが出ていないにも関わらず、最初の8枚と残りの3枚で発売元が違うのだから
なかなか難しいだろうな。