先日、社内の営業研修に行った。営業最前線にいるわけでもないのだが、人員配置や
指導力(笑)の関係上、私が行くことになった。ここでの指導力は能力ではなく文字通りの
恐怖政治と読み替えていただいて結構。(笑)冗談はさておき、そこで記憶に残った
キーワードは「みなさん」という言葉であった。これは日本人気質を端的に捉えた言葉だと
思う。
「みなさん、既にお持ちですよ。」「みささん、既に始められていますよ。」
皆と同じでないと不安な人たちには有効な囁きかもしれない。自分で最終決定しなければ
ならない場面に直面した時、周りを見たり他人の顔色を窺ってばかりで責任を回避したがる
人にとって「みなさん」は安心のキーワードなのだ。
さて。CDやレコードに限らず物を集める人が好きな言葉が「限定」である。(笑)
他人が所持していないブツを手元に置くだけで、誰に見せたり自慢するわけでもないのに
優越感に浸れるからである。自分でも若干気持ち悪い(笑)のだが、「限定」には弱い。
一定数しか製作されないブツや限られた場所でしか購入できないブツだけに、買い逃した
時のショックも大きいが。
掲載写真右はT. レックスの10インチ・アナログ盤「TAVERNE DE L' OLYMPIA PARIS
1971」。10インチでしかもパープルのカラー・ヴィニールというのが肝である。
12インチでも7インチでもない、というのは如何にも物集めをする人が飛びつきそうな
形体で、私もそんな中の一人。フランスのTV番組用のライブ音源を片面に2曲ずつ収録
してある。この時期のT. レックスは3人編成でドラムスがいない編成ならではの魅力が
凝縮されている。音質は上等。
掲載写真左はティラノザウルス・レックスのCDR「BRONDBY POP-CLUB」。先の
10インチは一般にも流通したが、CDRという商品上の特性(笑)もあってか、
一般には流通せずEasyActionのHPで購入が可能。69年1月25日の演奏がオフィシャルで
登場したのは多分初めてだと思う。音質はそこそこだが、スティーヴ・ペルグリン・トゥック
とのデュオ時代の演奏なんて音源が少ないだけに聴くことができるだけ有り難い。
ま、限定とか言ってもコレらを売り払う時が来た時に大した値段にもならないのは
判りきっている。要は所持している時間は自己の満足感を満たしてくれる、これらのブツを
何度も聴いて楽しむことが肝要であることだけは忘れないようにしたい。