2011年11月で完結したシリーズ「YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN」。
無謀にも続編を始めようかと思ったのが、つい先日のこと。頭の中には20人ほどのリスト
しかないのだが、見切り発車もいいだろうということで、更に100人と対峙することにした。
というか、このシリーズでないと取り上げられない人もいるし。(笑)何せ、一本気な
ロックンローラ気質なんで。(笑)
前回の第一弾はアン・マーグレットだったので、今回も女優さんがいいだろうということで
登場したのが松坂慶子。遅々として進まない「日本映画100選」を決める上で、もしかすると
最も多く登場する女優になるかもしれないとか思いながら、それはともかく男優が船越英二に
なることを危惧する(笑)今日この頃。
掲載写真は82年11月3日に渋谷エッグマンで収録されたライブ盤「EXPENSIVE 1 弟よ」。
ライブの冒頭のMCで1時間弱のステージであることを松坂が言っているので、おそらくは
当日の全てが収録されているのではないだろうか。
このライブの1か月前にあの「蒲田行進曲」が公開され、風間杜夫、平田満と共に歌った
同名曲のシングル盤も出た。女優として最も脂がのっていた時期のライブであり、また演出を
つかこうへいうが担当したということもあって、今思えば貴重なドキュメンタリーの様相を呈している。
それほど声量があるわけでもなく音程も不安定なところがあるが、声の艶は最高で歌は勿論だが
数多く挿入される語りを聴いているだけで、痺れる。(笑)
選曲がまた絶妙。自身の79年のヒット曲『愛の水中花』、3人で歌う『蒲田行進曲』も良いが
ライブ前半で歌われる『沖縄ベイ・ブルース』『知らず知らずのうちに』『アイム・ジャスト・ア・
フーチー・クーチー・マン』といったダウン・タウン・ブギウギ・バンドのカバーが絶品。
宇崎竜童の歌が持つ世界観を表現者として男女の違いこそあれ、見事に歌いきっていると思う。
ただ、踊りながら歌った『アイム・ジャスト・ア…』以外は比較的スローな曲なので粗は目立たない
のだが、ライブ後半で歌われる『プレイバックPart2』『ロックン・ロール・ウィドウ』といった
ちょっとテンポの速い曲だと、若干もたついているようにも思える。ここで改めて山口百恵の
強力な歌唱力にイヤでも気づかされるわけであるが、それはまた別の話ということで。
ゲストで登場する石丸謙二郎や風間杜夫、平田満とのトークも面白いし、松坂が初めて役名のある
名前をもらったという、あのウルトラセブン出演時のことが自身の口で語られるのも嬉しい。
ライブ後半で、延々と語られる出鱈目な自身の出自やエピソードが笑えるのだが、淡々と
それを語る松坂慶子はきっと美しかっただろう。今は貫禄のある体型であるが、全盛期の
松坂慶子は個人的感覚であるが最も美しい女優であったのではと思うこともある。
本人は「脱ぎ散らかした」と言うのだが、それを含めて美しい女優であったということだ。
ところで、学生時代にとある事情で行くことになった病院が、「蒲田行進曲」で使われた
病院だった時は密かに感動していた。とある事情が何かは、当事者の許諾(笑)が無いので
今は伏せて書くのであったが、あの時はちょっと大変だったよね。(笑)
というわけで見切り発車でスタートした「YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN」、
果たして完遂できるか頓挫するかは、神のみぞ知る・・・か。