HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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DETECTIVE LIVE

2013-04-23 21:02:25 | ROCK

        

思えばマイケル・デ・パレスが70年代に率いた2つのバンド、「シルヴァーヘッド」と「ディテクティヴ」には
レコーディング・アーティストとして奇妙な共通点がある。それは、両者ともスタジオ録音のアルバムは
2枚であること、両者ともライブ盤が存在するが、どちらも一般的には入手が難しいこと、である。

08年にCD化されたシルヴァーヘッドのライブ盤「LIVE AT THE RAINBOW(電撃ライブ)」は、発売時は
日本オンリーの発売であったので、それほど多くのプレスされてないだろうから、英米のファンの手に広く
行き渡ったとは言い難いだろう。

ディテクティヴにもライブ盤があるが、こちらは更にレアなプロモ・オンリーの盤。元々は77年12月に
ニューヨークにあるアトランティック・スタジオでラジオ放送用にライブ・レコーディングされたもので
それが後にプロモ盤となった。これはシルヴァーヘッドのライブ盤以上に入手が困難だったのは間違いない。

そんなプロモ・オンリーのライブ盤がオフィシャル・リリースされた。元々のアナログ盤のジャケットは
デ・パレスの後ろに大きくスワン・ソング・レーベルのシンボル・マークが印刷されていたが、今回の
CDではそれが消されている。プロモ盤のジャケットを知っている人の中にはCDのジャケットを見て笑った
方もいるかもしれないが、このスカスカ感(笑)というか外した感じ(笑)がディテクティヴっぽくて
私は気に入っている。

ラジオ放送された音源がブートレグとして登場するのは世の常?で、この音源もブートレグがあり、
私は「HEARTACHE」というタイトルの盤で親しんできた。ファーストとセカンドの曲がバランスよく配され、
黒人ベーシストがいるのが理由ではないだろうが、グラム・ロック終焉後にソウル・ミュージックや
ブルーズを隠し味に仕込んだ彼らの貴重なライブを楽しむことが出来た。ブートレグではバンドの演奏前の
司会者のMCを聞くことができたが、オフィシャル盤ではカットされている。

肝心の音質だが、アナログ盤落としのような感じもする。つまり正真正銘のマスターテープを使用した
わけではなさそうというわけで、あまりいい音ではない。しかし、ブートレグよりはスッキリした音で
70年代のハード・ロックに理解がある方なら十分楽しめる音と演奏だと思う。

ディテクティヴが活動を停止するのは78年。ハード・ロックには辛い時期を生きたバンドであったが、
そのすぐ後に私の全くの興味の範疇外であるが、英国ではNWOBHMと呼ばれる一大ムーブメントが起こる。
彼らの音からソウル、ブルーズ臭が抜けてもう少しハードだったら、この流れにのってバンドは延命できた
かもしれない。いや、レッド・ツェッペリンが解散し彼らが所属したスワン・ソング・レーベルも83年には
活動停止するから、活動を続けていても前途は多難だったか。

レーベル・メイトであったバッド・カンパニーには見られなかったツェッペリンとの近似値的な部分を
探しながら聴くのも一興。短命に終わったバンドであるが、今聴きかえすと実に渋いバンドであったことが
如実にわかるライブ盤である。

コメント
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