HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

SESSION MAN

2013-04-10 05:18:36 | ROCK

        

ジミー・ペイジのセッション・マン時代の演奏を集めた有名なタイトルに「SESSION MAN」という
のがある。元々は89年に2枚組LPでリリースされたもので、90年には2枚のCDとしてリリースされた。
ここでは63年から68年のレッド・ツェッペリン以前の演奏を聴くことができる。
当然のようにこれらはブートレグである。(掲載写真はCD)

90年のGOLD WAX第三号では、「ALL TIME GREATEST BOOTLEG RECORD 25」にも
選ばれていて、そこではこのレコードに対してこのように書かれている。

「レーベルがまたがっているために、このような編集盤は正規に発売しようがないし、大きな
レコード社員の誰も、このレコードを編集した素人ほど確かな注意を払うことができないだろう。」

確かにその通りなのだ。金銭が絡み権利関係をクリアしないと世に出せないのだから、需要が
あっても正規に供給が出来ない。そのために、こういった盤が登場するのは必然なのかもしれない。

2枚組LPのジャケットは赤い色であったが、LP時代と同じデザインの色違いでCDは登場した。
どれもマスターから落としたものであるわけでなく、アナログ盤からのカウンターフィットであるが
何の不満も感じない好編集盤である。LPは30曲収録であったが、CDは2枚で42曲の収録。
LPに比べて水増し感(笑)があるものの、当時の私は飛びついたものだ。後にこれの数倍の
ボリュームのCDボックスのブートレグが出たが、流石にそこまでは手が出なかった。(笑)

左の「VOL.1」の目当てはジミー・ペイジのシングル『SHE JUST SATISFIES』であった。
同曲や、スニーカーズの『I JUST CAN'T GO TO SLEEP』を聴いた時は、あの疑惑が頭を
もたげたものだ。そう、ジミー・ペイジがキンクスの『YOU REALLY GOT ME』でギターを
弾いたという噂。日本のツェッペリン贔屓の音楽評論家とのやりとりでこんな場面があった。

「貴方がキンクスの『YOU REALLY GOT ME』でギターを弾いたのは本当ですか。」
「僕が、あの場にいたのは事実なんだよ。」

うろ覚えだが、こんなやりとりだったように思う。音楽評論家は「自分の好きな(という表現だったかな)
曲のギターを貴方が弾いているかと思えば、こんな嬉しいことはない。」みたいな文を書いていた。
今ではペイジが件の曲でギターを弾いていないのは常識となっているのだが、今度はタンバリンを
叩いたのがペイジだという話がでてきて笑ったものだ。11年リリースのキンクスのアルバム「KINKS」では
ペイジは『I'M A LOVER NOT A FIGHTER』と『I'VE BEEN DRIVINGON BALD MOUNTAIN』で
アコースティック・ギターを弾いたとクレジットされている。

今では簡単に手に入る、ヤードバーズのBBCライブや、ジェイク・ホルムズによる『DAZED AND
CONFUSED』のオリジナルを聴けたのが当時は嬉しかったし、今改めてミッキー・モストのシングル
『MONEY HONEY』を聴けば、ペイジもヴィンス・テイラーが好きだったんだな、なんて思うわけである。

VOL.1とVOL.2を併せて聴くと、キンクスとプロダクションが同じバンドの仕事が多かったせいか
キンクス・カバーがやたら多いことにも気付くが、「THAT'S 芸能界」って感じでここらのしがらみも
面白いというか、今も昔も変わらないというか。ヤードバーズがアメリカに行った際に知り合った
ローカル・バンド、ザ・スコッティ・マッケイ・クインテットの『THE TRAIN KEPT A-ROLLIN』での
ペイジのソロの熱さが堪らない。この1曲のために「VOL.2」を買う価値がある、といったら言い過ぎか。

板落としのCDなので音質は貧弱かもしれないが、これを編んだ人の熱意は今でも私には
伝わってくる。で、先日の記事の最後につながっちゃうんだな。(笑)

コメント
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