デュエイン・オールマンのギターやドブロの演奏を集めた7枚組アンソロジー、「SKY
DOG」がリリースされた。収録された129曲中、9曲が未発表曲。このボリュームで
未発表曲が9曲しかないとすれば、コアなファンはともかく、ある程度のデュエイン参加盤を
収集している人は手を出しにくいボックスかもしれない。
以前も書いたが私はデュエインのアンソロジーは「1」も「2」も所持していないし、特にデュエインが
参加しているからという、それ目的で盤を買ったこともないので、今回のボックスはてっとり早く
デュエインのセッション・ワークを楽しめるという意味で重宝することになるだろう。
アレサ・フランクリンやウィルスン・ピケットにローラ・ニーロ、勿論デレク&ザ・ドミノスなんてところは
アルバムを所持しているが、デュエインの参加を意識して買ったものではない。
オールマン・ブラザーズが89年に出した4枚組ボックス「DREAMS」が出たときは、豪華箱物の
走りということもあって、手にした時は本当に豪華な一品を手にした気になったが、時代が進んで
買い手の要求も高くなってきたわけで、正味な話今回のボックスにどれほどの需要があるのか
計りかねる。
今更既発のオールマン・ブラザーズの音源やドミノスをこの箱で聴かされても、というのも正しい
意見だろうし、逆にデュエインの短いながらも華麗な足跡を網羅するなら、母屋であるオールマン・
ブラザーズや名を上げたドミノスを外すわけにはいかない。
私のようなデュエイン門外漢(笑)にしてみれば、例えアルバムを所持しているアレサやウィルスン・
ピケットにしても、「あっ、この曲にデュエインが参加しているのか。」といちいち気づかせてくれるし
ロニー・ホーキンスやハービー・マン、ルルやジョン・ハモンドといった人達のレコーディングでの
演奏をてっとり早く聴けて便利なことこの上ない。丁寧な装丁の箱は上品だし、とりあえずは
入手できてよかったと思わせる箱であった。
ただ・・・。ギターの弦を入れる袋を模したCD収納紙が、出し入れしにくいのが難点。
酔っ払っているとき(笑)や、気が立っている時なんかに聴くと、もしかしたらイラついて袋を
破ってしまうかもしれない。(笑)まあ、その時はその時だ。
さて、次はフェンダーのケースを開けようかな。
いやいや、このデュエインの箱について書くときは、これを必ず記そうと思ったのだ。
「そのうち、ライ・クーダーやクリス・スペディングのセッション集が出るといいのになぁ。」
デュエインと違うのは、両者ともレーベルやレコード会社をまたいだセッションが多岐に渡りすぎることである。
セッション集なんてのは、きっと永遠にリリースされないだろう。
そして、気の利いたマニアなら私家盤(笑)を作って楽しんでいるのだろう。
私には、そんな気力は無いけれど。(笑)