HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

FRICTION / DEEPERS

2009-04-02 20:46:58 | 日本のロック・ポップス
待ちに待った人も多いはず、待望と言う言葉がこれほど相応しいCDも
そうはない。「ゾーントリッパー」から15年も間を置いてのフリクションの
新譜がこれだ。

フリクションのデビューから、いや3/3時代からの歴史を俯瞰すると
レックの興味の変遷そのもののように音はどんどん変化してきた。
聴き手にもそれぞれ思い入れのある時代やメンバー構成、サウンドというのが
あると思うのだが、私は以前も書いたがスタジオ録音盤としては
「ゾーントリッパー」が一番好きである。初期のライブ録音の魅力には
抗えないが、なんとなく「ギターが大きな音で鳴っているわかりやすい
フリクション」という位置づけで「ゾーントリッパー」を愛聴してきた。

いいアルバムをつくってライブもしていたのに突如活動を停止し、正直な
ところもうフリクションの名前を見ることもないと思っていたのだが
2006年に中村達也と二人で始動したとの報を聴いて驚いたものだ。
「二人でどんな音が出せるのだろう」と思うのは誰しもそうだったろう。
私はこの布陣での実際の演奏には接していないのだが、テレビで『ゾーン
トリッパー』の演奏を見て、レックの作りこんだベースの音もそうだが
二人のほとんどバトルといっていい演奏に興奮した。
その後ライブ会場で発売されたDVD「LIVE 2006-2007」を見て
「この形態のフリクションでスタジオ録音を残して欲しい」と強く思ったのだが
その思いが今回の5曲入りCDで叶った。

何と表現していいかわからないのだが、持続するような不思議な感覚のベースが
気持ちよく響く。オリジナルが2曲、カバーが3曲の構成でオリジナル曲は
熱心なファンには怒られそうだが、私にとっては15年前に置き忘れた
ノスタルジーも微妙にブレンドされたような感じの曲が、最新型のアレンジで
演奏されるのは実に気持ちいい。カバーもライブで聴けたジミ・ヘンドリックス
や、ストゥージーズに混じってストーンズの「YOU GOT ME ROCKING」を
取り上げているのが嬉しい。60年代や70年代の曲でなく、90年代に
入ってからの曲であるという、その意外性が嬉しいのだ。

尺が短いせいもあるが、もう何度もリピートしている。
できるだけ大音量で聴くことをお勧めする。


コメント (4)
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