HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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SERGE GAINSBOURG / LA HORSE

2009-04-04 20:29:04 | THIS SONG
春の訪れに気を緩ませて、ぼんやりと過ごしていると日々のチェックも
甘くなり、ついつい買い逃しをしてしまう。
Philippe Nicaudの「Erotico... Nicaud 」のCDが発売されるという
アナウンスも束の間、CDは販売中止になってしまい「な~んだ。」と
がっかりしていたら、しっかりLPでの復刻が成されていた。
「あのジャケならLPサイズがいいな。」なんて思っていたはずなのに
すっかりチェックが遅れてしまった。

しかしながら、ゲンスブールの7インチ再発は見逃さなかった。
今回は「MISTER FREEDOM」と「LA HORSE」の2枚が再発された。どちらも
ゲンスブール名義のオリジナル・アルバムを全て購入しても聴くことは
できない。2001年にゲンスブールが携わった映画音楽を3枚のCDに
収録した「LE CINEMA DE SERGE GAINSBOURG」がリリースされた。
これが重要な曲をほとんど収録した優れもので、私自身先の2枚の
7インチに収録された曲はそれで初めて聴いた。

一般的には、そのジャケットがピチカート・ファイブのシングルのモチーフに
なったこともあって「MISTER FREEDOM」のほうが、ジャケ買いの対象に
なるだろうし、映画自体もこちらのほうが知られている。
しかしながら私の好みは「LA HORSE(麻薬)」だ。
昨年ブログでとりあげたジャン・クロウド・ヴァニエとの共作で、アレンジは
ジャンの手によるもの。もともとプロモ盤のみのためジャケットは今回の
再発にともなって製作されたようだ。地味なジャケだが、映画のポスターを
流用しても購買意欲の湧くものにはならなかったろうから、これはこれで
良しとすべき。ハープシコードを中心に弦楽器が怪しげに曲を彩ったかと
思えばファンクとカントリーが顔を覗かす楽しいタイトル曲以上に魅力的なのが
B面の「L'ALOUETTE」。「俺はクラシックにコンプレックスなんざ持って
無いぜ。」と聞かれてもいないことをつい口走りそうなイントロから、
派手に盛り上げ、意味ありげに何度も繰り返されるブレイクが格好いい。

夜、桜の花が散る夜。
そんな光景を見ながら脳内にこのシングルの両面をリピートさせれば
麻薬なんかは必要ない。


コメント
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