HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

佐野元春 / THE ESSENTIAL CAFE BOHEMIA

2007-01-04 22:26:16 | 日本のロック・ポップス
カフェ・ボヘミアは佐野元春が86年にリリースしたアルバムなのだが
昨年は20周年ということで2枚組CDにDVDを加えた豪華な装丁のものが
リリースされた。86年の私といえば、進行形の洋楽に目配りしながら
ひたすら60,70年代の復習をしている時期であった。
佐野元春の曲はほぼデビュー時から聴いていて「サムデイ」でがっかりし、
「ビジターズ」でざまあみろ、と思った私にとってこのアルバムは発売当時の
タイトルからしてがっかりさせるのに十分なものであった。
アルバムは何となく聴いて棚にしまいこんだきり。
ミュージシャンのこのアルバムに関する発言なども読まずに聞かずに
今にいたった。

20周年もさして感慨も無かったのだが、改めて曲目を見て「あれ、好きな曲が
こんなに多く収録されていたっけ。」と思って、この3枚組を購入した次第。
添付されたブックレットには、佐野自身の言葉でこのアルバムの性格や、当時私を含めた
特に洋楽を聴いているリスナーに与えた「誤解」についての話が掲載されている。
かなり長いインタビューが掲載されているのだが、これを読んでなんとなく
私の中のわだかまりが消えた。何を述べているかはここでは書かない。
このアルバムを好きな人は勿論納得しているだろうし、敢えてもう一度
チャレンジした人に解かればいいことである。
それは精神の問題であり、幾つかのアレンジやスタイルが借り物みたいになったことの
弁明とは捉えていないけれど。
それでも「ワイルド・ハーツー冒険者たち」「インディビジュアリスト」の挑戦的な
態度、「99ブルース」の苛立ちは今でも私を高揚させる。

かつて「仕事も適当に」みんなが待っている店に急いだ若者も、更に数年後には
「仕事がはける」まで責任を全うし、それから「仲間達と罪を重ねる」まで
成長した。あれから20年、私はどのくらい成長しどのくらいダメになったろうか。
そんなことを考えながらこのアルバムを聴くのであった。



コメント (2)
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