HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

SHOWBOAT CARNIVAL & BLUES is A-LIVE

2005-03-05 23:06:12 | 日本のロック・ポップス
このDVDは2枚組で2つの
秀逸なドキュメントが収められている。
1つは76年に録られた「ショーボート」
レーベルのアーティストが日比谷野音で
行ったライブを収録した「SHOWBOAT
CARNIVAL」。もうひとつは同じく76年、
スリーピー・ジョン・エスティスとハミー・
ニクスンのツアーを憂歌団がサポートした
「BLUES is A-LIVE」。

まずは「SHOWBOAT CARNIVAL」。日の高い中、
オレンジ・カウンティ・ブラザーズ、夕焼け楽団が
熱演を繰り広げる。「オレンジ」と「夕焼け」の豊かな
リズムとタフな演奏が場を盛り上げて、小阪忠の登場。
あまりにテンポを落とした「機関車」を演奏するが、
こらえて走らないバンドのリズム・キープは殊勲賞もの。
そして憂歌団。まだ21,2歳というのになんという
素晴らしい演奏力なんだろう。曲も傑作「セカンド・ハンズ」
収録の「マディ・ジャンプス・ワン」「10$の恋」と
嬉しい選曲。内田勘太郎の鮮やかな運指にほれぼれ。

「BLUES is A-LIVE」では二人の老ブルースマンが登場する。
当時、76歳だったスリーピーは再来日はないだろうということで
「フェアウェル・コンサート」といわれて熱狂的な歓迎を
受ける。私自身、この映像はビデオ化された時に未購入
だったので初見だったのだが、枯れた中にも渋い味わいの
映像である。ダンボールのような荒々しい紙質のLP盤、
「スリ-ピー・ジョン・エスティスの伝説」を入手した時の
感動に匹敵する。そのLPジャケではギターにくくりつけた
鉛筆がカポがわりだったが、さすがにそんなシーンはない。(笑)
スリーピーと40年に渡りツアーをしたハミーとの息もぴったりで
ある。まさか極東の島国で孫ほど年の離れたミュージシャンと
共演し、暖かく迎えられるなんて考えもしなかったろう。

勘太郎のスライド・スタイルがおもしろい。「カーニバル」のほうでは
指にはめずに手で握っていたが、「アライブ」では小指にはめている。
ソロやコードを弾く関係上の成り行きだろうが、何れにしろ
惚れ惚れするスライド・プレイである。
スリーピーは翌年他界する。貴重なライブが
映像として記録されたことに感謝せずにいられない。
大推薦!!。
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今よみがえる郡山ワンステップ・フェスティバル1974

2005-03-05 20:58:49 | 日本のロック・ポップス
先にリリースされた4枚組CDが
余りにも濃い発掘盤だったので
勢いで購入してしまった。
テレビ放送用に制作されて
放送されたものの商品化である
ことは知っていたが未見だったので。

結論から言うと、CDの足元にも及ばない。
元がドキュメントなので完奏しない曲が多いのは
まだしも、画と音が合ってないのは興ざめである。
NHKのアーカイブス・シリーズで数年前に放送された
白黒での番組は音と画はあっていた。このDVDに
収録のミカ・バンドの映像と全く同じモノが、これも
BSで放送されたときは音と画は合っていた。(と、思う)
しかし。今回、商品化されたものは元の記録がそうだったと
しても、なんとなくがっかりである。まあ、ハル・アシュビーが
撮影したストーンズの傑作映画「LET'S SPEND THE NIGHT
TOGETHER」でも怪しいところがあったから、こんなもんか。

それでも裕也さんとジュリーのからみは魅力的だし、
かまやつひろし&オレンジの映像も楽しい物である。
ムッシュが、ロッド・スチュワートばりにスタンド・マイクを
扱うところは映像がないと、当然だがその魅力は音だけでは
伝わらない。ムッシュが71年に発表したアルバム「どうにかなるさ」
収録の「喫茶店で聞いた会話」という曲にこういう件がある。
”そりゃそうと、ヨーコは随分遅いじゃないか”
74年のこのフェスのトリを務めるオノ・ヨーコはフェスが始まっても
まだニュー・ヨークにいて「来ないんじゃないか」という
危惧まであったという。
”またせやがってあのバカ”
ムッシュがこう思ったかどうかはもちろんわかりません。(笑)

イエローは只者じゃないヤバそうな匂いを撒き散らせているし、
エンドロールに使われた四人囃子の幻想的な映像など、
完全版のフィルムがあったらと思わずにはいられない。
オノ・ヨーコがパンティを投げるパフォーマンスの最中に
観客がステージに上ってきて、ヨーコの持っていた袋を
ひったくろうとする。係員が取り押さえて事なきを得るが
荒れそうな雰囲気に裕也さんが飛び出してきて、空いている
マイクで観客を一喝するシーンがある。もちろん、音声は
かぶってないのだが、かっこいいぜ、裕也さん。

DVDの最後に当時を語る裕也さんのインタビューが
収録されている。当事者が当時を語るというのは、どんな
ライナーよりも雄弁である。大したことは語ってないと
受け止める方も多いかもしれないが、私はこのインタビューの
収録があってよかったと思う。
結論だが、まずはCD。これを聴いてさらに余裕があれば
DVDというところか。

コメント (7)
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