HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

暑中お見舞い申し上げます

2013-08-01 01:20:47 | BRASIL

今、長期休暇をとって伯剌西爾にいます。初めての海外が伯剌西爾になるとは
思いもよりませんでした。

嘘です。ダラダラと日本でカレンダー通りに仕事をしています。(笑)

4月からボスが変わったのだが、今度のボスはあまり仕事熱心ではないようで
土・日の臨時出勤も土壇場で「所用ができたから。」とか言って、私が出勤する
機会が多くなった。あのねぇ、近所の祭りなんてのが所要なら、俺は毎日毎週、
ロックン・ロール・カーニバルだっての。

で、あんまり暑いので、どちらかというとアコースティック色の強いサイケを
求めてブラジル音楽のCDを収納した棚を見渡し、取り出したのが下記の3枚のCD。

     

     どれもルラ・コルテス絡み。

ルラ・コルテスと言えば、ロック者というかサイケ者にはゼー・ハマーリョとの75年の双頭アルバム
が広く知られているが、掲載写真の「SATWA」はそれ以前の73年にギタリストのライルスンと
録音された盤。ブラジル初の自主制作盤とも言われている。ルラのシタールとライルスンの
12弦ギターの絡みが、不思議な効果を出していて地図にない何処かの国を勝手に脳内に
現出させる。軍事政権下での自主制作盤ゆえに、いろいろと難儀したであろうが、
ここではないどこかを目指したことは、聴き手に十分に伝わる。歌と打楽器の類が無いのが
今聴くと新鮮な感じ。

マルコーニ・ノタロの73年のこれも自主制作盤「NO SUB REINO DOS METAZOARIOS」
において、ルラはTRICORDIOという12弦のマンドリンに似た楽器で参加。様々なサウンド・
エフェクトが眩くアルバムに輝きを与える。ほぼ全編でゼー・ハマーリョの12弦ギターが
怪しく鳴っているのも聴き逃せない。ボーカルが時に大雑把なのがちと残念だが、トラックは
面白すぎる。5曲目に突如鳴り響く籠ったエレキ・ギターの音に気が遠くなる。

最後はフラヴィオラと太陽バンドとでも言えばいいのだろうか、バンド名の「FLAVIOLA
E O BANDO DO SOL」がそのままアルバム名でもある76年の盤。
ルラはここではダルシマーも演奏し、いくつか歌詞も提供している。フルートの音が印象的で
先の2枚よりメロディー・ラインがしっかりしているので、より深みにハマった気にさせる1枚。
ずっといい流れでアルバムは進むのだが、最後の最後で何だか場違いのサンバというか
アップテンポな曲が配され、早口の歌唱が色物感というかお笑い感(笑)に拍車をかけ
「これは無くてもよかんじゃない。」なんて思ってしまう。

で、ルラ・コルテスのブラジル音楽における貢献を称えつつ3枚のアルバムを聴き終える
頃には、こんなアルバムを聴きたくなってしまう。

   ガル・コスタが自身の名前を冠した69年の2枚目。

ガルは69年に2枚のアルバムを出し、そのどちらもタイトルが「GAL COSTA」だから
まるであぶらだこ(笑)である。冗談はともかく、このとっつきにくく面倒くさい1枚が、私の
好きなガルのアルバムである。ズバリ、サイケ名盤。


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