86年の衆参ダブル選挙以来の自民党の「歴史的圧勝」だという。自民党はそんなに好きではないが「なんとなくカッコいい小泉純一郎」というイメージだけで投票した人が多いのではないだろうか。彼は「郵政民営化」を争点にしているのだが、それで投票した人はどれだけいるのだろう。「今回は自民党に入れてみよう」くらいの軽い気持ちで投票した人が多いのではないか。それでもこんなに自民党が勝つと怖くなっているのではないか。自分たちは「負け組」あるいは「勝ち組ではない」のに、「勝ち組」の改革派に投票して自分たちの首を絞めているのに気づいていないのではないか。
学生時代に選挙制度の各国比較を学んで、小選挙区制の国は嫌だなあと強く思っていた。小さい政党は国政にほとんど影響力をなくしてしまう、民主主義といっても多数決をはっきりとそれも多数派で争うための制度だ。少数派の声をきちんと反映せずに多数決でつっぱしる方法は民主主義とはいえないのだ。
それが細川政権の時に何か大きな改革をする必要があるという機運が盛り上がって、選挙制度を変えたのだが、日本新党やら社会党やらが自分たちが多数派になれると甘い幻想を持ってしまったために小選挙区制を受け入れてしまった。比例代表制との併用ならなんとかなると思ったんだろうけど、甘い、甘い。一番自民党に有利に働いたのだ。
今の制度だと得票で30数%とれば議席で過半数とれるんじゃないかな?選挙報道で「地すべり的勝利」とか福岡先生が言ってたけど、小選挙区制度はちょっと片方への支持が増えるとそうなるのが特徴だ。少しの差を大きく拡大してしまうのだ。アメリカの大統領選挙にも似ている。
第一次世界大戦後の大不況の末にカッコいいナチスのヒットラーの台頭を招いたドイツに似ていると思う。大不況の不安感から強いリーダーを求めてしまっているのだ。そのリーダーが正しいのかどうかはよくわからなくてもなんとなく支持してしまうことの怖ろしさ。
今もTVで精神科医の香山リカさんが「不安の中で単純な二者択一を迫られた結果ではないか」というようなことを言っていた。「よく考えた末に選ぶことができなかった」ツケはどこに回ってくるのか?
民間活力が最も重要視される社会というのは、弱者にはやさしくない社会だ。社会のどん底に落ちた人はその人が悪いのだから、国などで最低の生活保障などしなくてもいいという考え方をとるアメリカのような国にしたくないのだが...。そういえば今日はアメリカの9.11の日だ。イラク戦争への抵抗はわかるがあのテロが世界を急速にタカ派勢力を勢いづかせてしまった。
これで3年くらい寿命が縮んだ気がする。
何も考えないで投票した人があまりにも多いとしか考えられませんよねぇ。
ところで文楽は如何でしたか?
私も 生の文楽は 吉田玉男が高校に来てくれて以来観ていないので 玉男が元気なうちに一度『曽根崎心中』に出掛けたいと思っています。
レビュー楽しみにしていますね。
東京駅で3~4分違いでこだまを逃したので帰宅は11時頃。選挙速報で愕然としました。今朝の朝日新聞で「自民に入れたけど、憲法9条改正とか消費税UPしないで」というある有権者のコメントに爆発(心の中で)小泉自民に投票=改憲・大増税に賛成したことになるという簡単なことすら考えられないのかと・・・「た~か~いつけをは~ら~った~♪」オペラ座ドンファンの不協和音が頭の中でぐるぐるぐる・・・
それは考えていない人もいたということ?
こんな結果になってしまった。
大事な選挙だったのに。
ところでマスコミというと日本では中立と思っている人が大半ですが、以前に国際的なNGO「国境なみ記者団」が、国別に言論の自由度をランクした結果、日本はイスラエルと同じで何と44番目。それくらい偏った情報の中で日本人は暮らしていることを知っておくことも大切のようです。