ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/04/22 「マリー・アントワネット」2回目はトークショー付き

2007-05-08 22:05:22 | 観劇

4/21の歌舞伎座観劇後のオフ会で参加者5人のうち2人も翌日のトークショー付きの「マリー・アントワネット」を観るということにびっくり。しかしながら翌日どうしても有楽町に行かないといけなくなって、結局は私も「マリー・アントワネット」を当日券で観てしまった!昨年で懲りたという方も、一回はこの凱旋公演を観ることをおすすめしているし、私もあと一回は観ようと思っていたので勢いがついてよかったわけだ。

4/6の帝劇凱旋公演初日の感想はこちら
涼風マリーも笹本マルグリットもますますよくなっているのが嬉しい。しかし、今日はやっぱり新キャストのふたりに目がいく。
今拓哉。初日よりももっと落ち着きが出てきて、もっと大人の雰囲気のフェルセンになっている。涼風マリーはフェルセンにしっかり甘えられるようでふたりのからみがより甘くなっている。今拓哉の低音が響かせられる声と涼風真世の可愛い高い声のバランスのよさに恍惚感さえ感じてしまう。「すべてはあなたに」のフェルセンのテーマになっている半音を使ったメロディがこんなに切なく感じるなんて~。
プログラムの写真映りも今回はいい。それに舞台での憂いに沈む表情に堪らない色気がある。愁眉の八の字眉が似合う役者の第3位に認定している(第1位=仁左衛門、第2位=染五郎)が、洋物では今拓哉が第1位だ。

鈴木綜馬のオルレアン公。映画「デスノート」の死神リュークそっくりメイクは健在だったが、顎を突き出して目を剥いて白目を大きくするのはポイントポイントになっていた。初日のような目でずっと続けていたら目の周りの筋が切れてしまうと心配していたのでホッと安心。「私こそがふさわしい」のソロでは片手の指が客席を青っていた。ショーストップ状態になるのも当然だが、こんなことを綜馬さまがやるということがまた嬉しくなってしまうのだった。

カーテンコールの後のトークショー。けっこう帰ってしまう人もいたのでそんなにこだわってない人も観ていることがわかった。今回のメンバーは鈴木綜馬、笹本怜奈、土居裕子の3人。司会は指揮者の塩田氏。「しおもんた」とか言ってみのもんたをもじったがそこは空振り(笑)この間トークショーも熱心に取り組んでいらっしゃるようでトークの仕切りも軽妙だった。今回の全メンバーへの質問にミュージカル界に入ったきっかけというのがあった。
綜馬さんは英語が活かせる仕事をしようと思っていたのに卒業前に受けることになった劇団四季のオーディションに受かってしまったのだという。一緒に卒業した友人がスーツを着て颯爽としているのに自分はタイツ姿でバレエというのにちょっとまいったという話に笑ってしまった。また「初日は周りの皆さんがマラソンのように走っているのに自分だけ短距離走のように走ってしまった」と言っていて、やっぱり初日だけの特別バージョンを観たのだと納得した。指にはめた指輪は小道具さんのものはちょっとで自前が多いことも判明。ビジュアル面でも役作りに気合が入っているようだ。だって、あのメイク!!!それと塩田さんにソロの時の指についてからかわれていたが、「そちらの指は別の生き物」とのお答えだった。綜馬さんのトークは洒落っ気たっぷりでグッと好感度アップだった。

怜奈ちゃんはディズニーランドが大好きで親に連れていってもらってショーを楽しんでいたら「アニー」を観て同じような年齢の子どもが舞台に立っているのを見て自分もやりたいと言ったのだという。小学校6年生で「ピーターパン」のオーディションに通ったのでもう9年もこの世界にいるし新人ではないんですよとのこと。また「鉄の声帯」と言われているそうで、風邪をひいても喉には絶対来ないという。私は彼女は帝劇サイズの舞台の芯になる女優になると思っているので、ますますその感を強くした。すごく美人というわけではないが、タッパもあるし、芝居の幅も広いので総合すると帝劇の主演女優に育ってくれると思っている。成長が楽しみな女優さんだ。

土居裕子さん。歌のお姉さんの契約更新が打ち切られて無職になりそうだと思っていたらミュージカルの話がきたという。また衣裳がずっとシスターの黒い服と指摘されてマルグリットのボロボロの服でもいいから着たいと言って笑いをとっていた。

チケットにまだまだ余裕がありそうで、そのための販売促進のためのトークショーだと思うが、役者さんたちの舞台にかける意気込みや素顔が垣間見えることで親しみが湧くいい機会だと思った。

あと一回くらい観たい気持ちにはなったが、やりくりはもういっぱいいっぱい。その後、日生劇場で鹿賀版「ジキル&ハイド」の前楽・千穐楽と観て、若手の舞台とベテランの舞台の違いをはっきり感じた。花形歌舞伎と歌舞伎座の大顔合わせの違いと同じような感じだ。私はその両方を大事に観ていきたいと思う。

写真は今回の帝劇凱旋公演のプログラムの表紙。確か初演の時は白地にこのMAのデザインだったように思う。凱旋公演で観るつもりだったのでその時は買わなかった。金色と赤の組合せは大好きなので気に入った。クンツェ×栗山民也、リーヴァイ×甲斐正人(音楽監督)の対談も載っているし、舞台写真もたくさん入っている。読み応え見応えたっぷりのプログラムだ。しかしながらやっぱり毎回買うわけにはいかなくなってきた。昨年の「レミゼ」日生劇場公演は2回観たけれど買わなかった。今年は20周年記念公演だし、ちゃんと買うつもりだ。

追記
塩田さんは劇団四季の「美女と野獣」でも指揮棒振っていたということで、綜馬さんとは1年半一緒だったという。今、聴きこんでいる「ジキル&ハイド」のライブ盤の指揮も塩田さんだし、本当にいろいろ振ってるのね。でも「レ・ミゼラブル」はテンポアップした演出になったのが気に入らない私。だからテンポの速い指揮の塩田さんじゃない日に観たいと思っている(ごめんなさいね)。


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9 コメント

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ありがとうございました。 (CherryCY)
2007-05-08 23:58:31
こんばんは。
トークショーの詳細ありがとうございました。
とても雰囲気がよく伝わってきて
行った気になれました。
笹本さんは将来が楽しみですね。
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綜馬さんのお化粧 (harumichin)
2007-05-09 00:23:31
綜馬さんのお化粧の赤いラインはなんと歌舞伎の隈取だそうですよ。
MAのブログインタビューの中で話されてます。
あげくに試行錯誤だから日々違うと・・。
5分に及ぶインタビュー気に入っております。
私は、今回綜馬さんが、とても素敵で、今までいろいろ素の綜馬さんもお見かけしたのを重ねて、
役者としてだけでなく人間的にも素敵な魅力のある方かな・・っと思っております。
最近東宝もとにかく宣伝しなければ・・とブログUPでインタビューの面白いところUPしてますね。
でもやはり山口氏がメインのようですが・・

文句いいつ・・この4,5月4回も足しげく通います。5月あと2回・・ちゃんといけるかな?
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皆様TB、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2007-05-09 23:09:21
★「You&YouCafe」のCherryCYさま
「MA」のことなら貴女様のブログって感じで私の観たトークショー付き公演の日の記事を探したら、しっかり記事アップされていました。ご覧になっていない公演だったのに、紹介はしっかりされていてリンクから私もいろいろと読むことができました。有難うございますm(_ _)m
せっかくなのでご紹介させていただきますね。
http://plaza.rakuten.co.jp/happycherryCY/diary/20070422/
★「花がいっぱい。」のharumichin様
>綜馬さんのお化粧の赤いラインはなんと歌舞伎の隈取......そうですか。私の書いた「デスノート」の死神リュークも中村獅童が声をやってますから、絶対そういう関係があると思ってたんですけど、インタビューでそうお答えなんですね。それにしてもインパクト強いですよねぇ。プログラムを読んだらオルレアン公もロベスピエールと1年と違わない時期(前だけど)にギロチン処刑されてるんですね。どんな最後だったのか、ちょっと知りたいと思ってしまいました。
>役者としてだけでなく人間的にも素敵な魅力のある方......そう感じ出すともう虜になってますよ。なってください~。私はやっぱり鹿賀さま、市さまです~。このふたり以上にひきつけられる人は今のところミュージカル界にいない!だから歌舞伎に流れたのかしら?!
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Unknown (ひとみ)
2007-05-09 23:28:26
土居裕子さんは音楽座のシャボン玉から観ていて大好きなのに(岡さんとのひめゆりも感動物でした)MAは初演の劇評読んで引いてしまいました。縁がなく残念です。

私の歌舞伎鑑賞は偏ってます。
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★ひとみ様 (ぴかちゅう)
2007-05-10 00:47:40
土居裕子さんと岡さんとの「ひめゆり」、ミュージカル座ですね!東京芸術劇場のミュージカル月間で何年か前に観ました。兵隊役で戸井さんも出ててすごく見ごたえありました。土居さんのアニエスの役、原作で一番好きだった人物でした。舞台化した時にそのアニエスのいいところをみんなマルグリットに注ぎ込んでいるようで、初演の印象はよくなかったです。
ところが今回プログラムを読んで、遠藤周作さんの原作のドイツ語版はないことがわかりました。あくまでもクンツェ・リーヴァイには概要しか伝わっていないのだと思いました。原作というより原案くらいにとどめてもらうとよかったのにという意見は持ってます。
本当にいい舞台だったらいつかまた再演されると思うので、どうぞ気を長く持っていてくださいませ。
歌舞伎は松嶋屋でしたっけ?どこに偏っててもいいと思いま~す。
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こんにちは~♪ (真聖)
2007-05-13 18:31:26
きょうMA観てきました!!

もう、禅ちゃんと土居さんの例の歌に涙ボロボロでした。
最初見たときにはどこにも感動しなかった(←爆弾!)のに今回は見事やられました~

それから、今さん・・・
真聖は久しぶりに「主さんに・・・惚れんした」状態です。
声もビジュアルも切なくて色っぽくて私好みのフェルセンでした。
すっかりファンになっちゃった。
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★真聖さま (ぴかちゅう)
2007-05-13 21:27:30
>今さん・・・「主さんに・・・惚れんした」状態......でしょ?でしょう!!
今さん、レミゼの最初のジャベの公演で出待ちして「公演の間にどんどんよくなってて嬉しかったです~」といういつもの私の単刀直入の物言いにウンウンと自分でもそう思っているみたいなリアクションをされてたんですよ。昨年の日生公演ではカテコで腕を下に曲げたままのガッツポーズされててね、納得のいく役づくりができたんだなぁって、もう見守り状態の私です。
それが今回のフェルセンでしょう。どっちかというと地味っぽいという評価もききますが、私はこの役は今さんぴったりだと思う。
私のフェルセン役者への条件は「目に陰があること」なんです。北欧出身だし実らない恋に一生を託すのだから必須なんです。今までで一番好きだったのは宝塚のベルばら初演の大滝子。それを軽々抜いて今フェルセンがベスト1になりました。
今さんの魅力で盛り上がるお茶会も今度やりましょう!
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盛り上がってますネ (♪~)
2007-06-10 08:29:08
PCを修理中につき、感想UP大幅に遅れてしまいました{/face_gaan/}
頂いたTBすんなりいってよかったです。

『MA』祭りで盛り上げたいところの主催者だったと思いますが、見に行った日はどうもそこまでは、という雰囲気でした。
個々の役者さんはとてもいいのに残念な作品だな、と思っています。
今フェルセンの低音の魅力にはまいりました{/heartss_pink/}
ソーマさんは言わずもがな...

鹿賀様♪、新しい缶コーヒーのCMに出てますね。


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★「Show Must Go On!」の♪~さま (ぴかちゅう)
2007-06-10 19:57:00
「ジキル&ハイド」では2本ともうまくいかなかったTBですが、こちらは一回で成功。なんなんでしょうねぇ。TB返しも有難うございます。帝劇のロビーの気合の入った飾りつけの写真が載っているのも嬉しいですm(_ _)m
帝劇初演から少しずつ演出を手直しして、キャストもふたり入れ替えてきた今回の凱旋公演。けっこう気に入って「大化け」と絶賛してしまいました。そしてトークショー付きの公演で2回目までしっかりと観てしまいました。これでドイツで公演していただいても恥ずかしくないレベルになったと思いました。この演出でドイツキャストでやるとどんな舞台になるのかな。エリザベート」のウィーン版の写真なども見るとけっこうシンプルな舞台装置だし、今回のような舞台は向こうでは受けそうだと思いました。
鹿賀さまの新しいCM、体脂肪が気になる人向けの特定保健食品指定を受けたコーヒーですね。「ムフッ」という笑顔にキャアキャア言ってます。今日歌舞伎座に行く時に乗った電車内の広告にもありました。6/15には東京で最後のジャベールを休みをとって娘とが観にいきます。芝居の中のシリアスなお顔とカテコの笑顔のギャップにまたまたやられてきそうな気がします(^^ゞ
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