ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/02/06『オペラ座の怪人』をめぐる私の10年

2005-02-09 15:39:06 | 観劇
アンドリュー・ロイドウェバーが自らプロデュースしてつくった映画『オペラ座の怪人』を2月6日(日)に観てきたが、その感想を書く前に、『オペラ座の怪人』にかかわった10年をまず回想し、アンドリュー・ロイドウェバー版ではない2つ=ケン・ヒル版、コピット&イェストン版についての感想を書いておきたい。

今から10年ほど前、教育TVで2夜連続で『オペラ座の怪人』が放映されていて、たまたま2日目を見たのが最初の『オペラ座の怪人』体験だった。翌日、職場の女性上司が2日連続で見ていて二人で盛り上がってしまい、ミュージカル『オペラ座の怪人』を一緒に観ようということになった。
その直後にケン・ヒル版の『オペラ座の怪人』の来日公演があり、二人でチケットをとり、いそいそ出かけて行った。しかしながら同じタイトルなのに話が全く違っていて、二人とも??状態だった。その後、何回も来日公演があって、同じ黒人の俳優さんが怪人をやっているようで、「真珠とり」を歌う彼の艶やかな歌声は今も記憶に残るくらい素敵だった。本場の人の来日公演は初体験だったので、全キャストとも、やはり日本人とは声の出方が違うと感心したが、ストーリーがかなりコミカルで、あのTVのロマンチックストーリーを期待した私たちは裏切られたのだった。すぐに劇団四季の赤坂ミュージカル劇場での『オペラ座の怪人』=アンドリュー・ロイドウェバー版の公演を観にいこうということになった。

気に入るとかなりしつこくいろいろと関連書籍を読む私は、分厚いガストン・ルルーの原作を創元者推理文庫で読み、原作はあまりロマンチックストーリーではないことを知る。ケン・ヒル版に出てきた怪人の兄=謎のペルシア人も原作由来だったこともわかった。

次に劇団四季の『オペラ座の怪人』の公演を観にいく前に、山口祐一郎怪人の四季のCDを入手し、二人ともききこんでから出かけていった。アンドリュー・ロイドウェバー版もストーリーはTVで観たものとは違い、あれは何だったのかという疑問を10年来抱き続けることになったのだが、それは昨年やっと明らかになった。

コピット&イェストン版のミュージカル作品を宝塚が上演権を手に入れて宙組で上演した『ファントム』である。それを観るための準備として『月刊ミュージカル』の特集号を読んでコピット&イェストン版の説明のところで、TV用番組として作られたことがあると書いてあり、10年来の疑問は氷解したのであった。

その3つを比較すると・・・。
1.アンドリュー・ロイドウェバー版
音楽的にもストーリーのまとめ方もダントツである。
2.コピット&イェストン版
原作になかった怪人とオペラ座支配人の親子関係などの設定を上乗せし、怪人の年齢設定は若い青年で、マスクに隠された部分以外はかなり美男子で、クリスチーヌに母を投影しており、最後は警察につかまらないように父に拳銃で撃ってもらい、クリスチーヌの腕に抱かれて死んでいくというかなり甘めのロマンチックストーリーに仕上げていて、宝塚での上演にふさわしい作品だった。気に入って2回観たがこれは主役の和央ようかの魅力によるところも大きい。がっしりとした身体と芝居も歌もうまいという理想的なファントムだった。
3.ケン・ヒル版
オリジナルの曲が少なく、登場人物も少なく、ミュージカル作品としてはこじんまりとしている。怪人のソロなど歌い手によってはききごたえのあるものとなるとは思うが、『オペラ座の怪人』ミュージカルの一つのバージョンという程度のもので、2回目以降観たいとは思わなかった。

写真は映画『オペラ座の怪人』のウェブサイトから。

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5 コメント

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私の (ありす)
2005-02-11 22:42:35
オペラ座の怪人歴 興味深く読みました.最近TVドラマの存在知り見たかった~と.甘々なラブストーリーらしいですね.

私は創元推理文庫→TVで放送された「オペラ座の怪人」ベースの映画→四季の舞台→スーザン・ケイ「ファントム」→宝塚→ALWの映画→再び「海」での四季見てます.宝塚で真珠取りの歌が良かったのでケン・ヒル版を見ようと思ったのですが、ちょっと躊躇させる意見があり高いので止めました.初演の四季にはかなりはまりましたが、山口さん退団後は興味半減.宝塚はこういうのもありかとはまりました.比較できませんがスーザン・ケイ「ファントム」が1番納得できるおもしろさと思ってます.
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Unknown (ぷりん)
2005-02-21 00:36:40
山口さんファントム一度みたかったです。。

私がミュージカルみはじめた時はもう

四季を退団されていたので。。



私のオペラ座の怪人歴は、はじめロンドンで観て

衝撃を受け、その後旅先のデンマークで

デンマーク語で観てまた衝撃を受け

(何いってるかわからなかったけど

ファントムが超かっこよかった)、

で四季をみてブロードウェイをみて、

宝塚のコピットみてストーリーに衝撃を受け、

来日のケンヒル版をみて打ちひしがれ、

で今日映画版をみてきました!



映画はニ幕(後半)がとてもよかったです。

一幕は正直ちょっとつらかった。あっこまで

全部歌っちゃうとは思ってなかったので。。

でも最後の終わり方が好きです。

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コメントをくださった皆さんへ (ぴかちゅう)
2005-02-21 00:59:34
ありす様

スーザン・ケイの『オペラ座の怪人』の本はどちらから出版されているのでしょうか?教えていただけるとうれしいです。



ぷりん様

TBもありがとうございます。

「ザ・ポイント・オブ・ノー・リターン」の官能にはもう本当に魅了されました。ファントムのバトラーのボディランゲージにはロイドウェバーも期待以上だったとか。

最後のキスシーンへの私の思い入れについては、戸田奈津子さんの訳が違うという話もありますが、まあ、一応ブログに書いたように理解しておきたい私です。

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参考になりました~ (熊猫)
2005-02-24 20:30:55
はじめまして。

種類に分けられてたのはとっても参考になりました。私は宝塚の「ファントム」しか知らなかったので見ながらちょっと混乱してしまいました(笑)。他のも観たいなあ・・・。

あ、駄BLOG上で紹介させていただきました。問題あれば即刻対応いたします~。それでは。。。
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こんにちは (PJ)
2005-05-25 13:16:37
TB・コメント、ありがとうございました。



私も、ケン・ヒル版は、ちょっと??な感じでした。

ミュージカルというより『寸劇』っぽい印象。

でも、歌は聴き応えありました。





…また、おじゃまします。



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