Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

2012.04.25 上野優子「モーツァルト・ミュンヘンソナタ集」批評(No.2044)

2012-04-25 23:50:58 | 批評
 現在「日本最高のラフマニノフ弾きピアニスト」と私高本が認識しているピアニスト = 上野優子 が「全モーツァルトプログラム」を、しかも「日本モーツァルト協会例会」で弾いた。「新境地」を開拓する、あまりにも意欲的な演奏会であり、告知されてすぐに私高本は「日本モーツァルト協会会員」になった(← マジ)
 この記念すべき演奏会について忌憚無く述べる。


上野優子の『目指すモーツァルト「ミュンヘンソナタ」理想演奏像』



  1. 「ノンペダル」を多用し、「アーティキュレーション変化」を最前面に置く


  2. 「インテンポ系」で「生き生きとしたモーツァルト」を次の「魅力」に置く


  3. 基本的に「p(ピアノ」と「f(フォルテ)」の2種類だけが『モーツァルト指示の基本』であり、ごく僅かに出る「pp」あり、を忠実に守る


  4. 「上野優子のラフマニノフ」とは全く違う「音響デザイン」を描いている


  5. 「ソナタ形式の呈示部繰り返し指示」は必ず遵守する



 これが全て実現すれば

「イングリッド・ヘブラーのモーツァルト」に近い世界が出現する!


見込みである。
 では実現したのだろうか?


99%以上は暗譜できていたのだが、「1%以下の暗譜飛び」が全プログラム(4曲)に出現してしまった!


である。「イングリッド・ヘブラー の モーツァルト」は録音だけでなく、実演も聴いた。精度の高い「着地点」が印象深い。上野優子 は、「99%は超える暗譜」なのだが、全4曲に於いて「暗譜が飛んだ」演奏になってしまった。アンコール2曲目までも「暗譜飛び」だった。


 はっきり書く。

ショパン以降は暗譜は比較的楽。シューベルト以前は暗譜は難しい。理由は「同じようなフレーズ」が余りに多く押し寄せて来るのが「シューベルト以前」!


だからである。「ラフマニノフがメインレパートリー = 上野優子」だと、理解し難いのだろうなぁ!


 「暗譜飛び」を全部記憶から消し去れるならば、この演奏会は「素晴らしかった」。だが、実際には、全曲で「暗譜飛び」が発生してしまったし、処理も(考えられる範囲内よりも)よく無かった。

 できることならば

「上野優子のモーツァルト」は『譜面を立てて演奏』して欲しい!


 切実な希望である!!

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