Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

2011.10.16岡原慎也リサイタル批評 前編(No.1941)

2011-10-29 19:15:06 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也

シューベルトイ短調ソナタD845終楽章に新境地を切り拓き、ムソルグスキー「展覧会の絵」で『1958年ソフィアのリヒテルの再現』を果たした岡原慎也



 完全に脱帽するしか無いシューベルト演奏を久しぶりに聴けた。このイ短調ソナタD845は「作品42」として「シューベルトのソロピアノソナタとして初出版」の曲でり、当然のこととして「極めて力作」である。マンガ「のだめカンタービレ」にて「シューベルトの代表ピアノ曲」として紹介されてから注目が上がっているのだが、過去の演奏も新規の演奏も私高本を満足させるものがなかった。ここで(小さな声で)告白すると

  1. 以前の関西に於ける岡原慎也の演奏
  2. 以前の東京文化会館に於ける佐伯周子の演奏

も含めてである。以前の岡原慎也の演奏会は私高本は全くタッチしていないので責任は無い。佐伯周子の演奏会は主催したのだから責任の一端は(50%か10%か1%かは即断出来ないが)あることはある(泣


何が「納得度を低めるか?」ははっきりしていた。

終楽章=第4楽章がこれまでの全ての演奏が「変」なのだ!




 岡原慎也の演奏が始まる。茫洋とした音の群れが次第に纏まっていく。第2楽章の天国的な伸びやかな変奏曲。ここで聴いた第45~48小節の補筆はかつて1回も(岡原慎也の演奏も含めて)聴いたことが無かったので、

「第2楽章の補筆は岡原さん自身の補筆ですか?」と質問したところ、「そうだ。」との回答を得られた。過去の補筆の内、バドゥラ=スコダ補筆に並ぶ名補筆!



 暗く突き刺す「第3楽章:スケルツォ」。そして、信じられない第4楽章が来た。『のっそり』来た感じ。あぁ、D850-D960 を知っている私高本ならば、「即同意」する遅いテンポだ。
(後編は近日中に掲載します。)

コメント
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