goo blog サービス終了のお知らせ 

ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

ベトナムからの笑い声「チェーンデスマッチ」@スペース・イサン

2010-12-04 21:29:01 | 演劇レビュー
一体全体何処に行く?>ベトナムよ。

ベトナム社会主義共和国とは関係ありませぬ念のため。

ベトナムからの笑い声という劇団がある。
いや、もう何回もここで書いてるから知っている人は知っていると思うが。
その第28回公演があったので行ってきたのです。

終演後、儂はアンケート用紙に書きましたよ~

「酷い」と!(褒めているつもり)

どんだけ自由やねん?
どんだけ勝手やねん?
どんだけ力技やねん?
どんだけ...どんだけ...

簡単に内容を紹介。
例によって例のごとくオムニバス。
しかも今回は全6話&おまけコーナー
どんだけ盛りだくさん。。。

act1:古代帝国の謎

 みんながどっかでイメージできるような某古代帝国の合コン会場の情景。これを前半日本語版、後半は古代語版で演じる。。。演じきる。

古代語版は。。。すごいな、ちゃんと毎回同じセリフなのだろうか?完全アドリブなのだろうか?どっちにしてもすごい。
にしてもネタは過去のトレンディドラマのパクリとは。。。いや、違うってばこれは儂ら世界からは遠い遠い古代帝国の情景、トレンディドラマのパクリに見えるのはたまたまだってば。。。(+_+)
しかし、焼き直し感はちょっとある。。。
未知の言語で会話するとか、一度演じたものをシチュエーションを変えてもう一度演るとか、アカペラBGMとか。
おなじみのパターンとも言える。だけどやっぱり笑えてしまうのが悔しい。
壁画のモデルとか、奴隷ネタとか。古代っぽいネタでもうちょっと笑いたかったけど。

act2:コント師“東京アンサンブル”

フツーにコント。

普通にコントなのだけど...
ネタで笑えず(つまりつまらない)、キメのどや顔だけで笑わせる力技。
いや、こんなん書いてるけど、ネタ本気やったらゴメン。
しかし、最初からタライが見えているのはどう考えても狙いですよねぇ?

act3:母の愛したバルタン政二と娘の恋した春団治

母(ウルトラの母)が娘(人間)に好きな人が出来たと打ち明ける。その人(バルタン政二)は地球人だと母は言い張るが、どう見てもバルタン星人。

タイトルと、ウルトラの母と、黒川君の演出のトリプルインパクト勝負だけど、はっちゃけたウルトラの母の演技もなんともいえん。
主人公(?)がウルトラの母ということにまつわるくすぐりネタが良い感じ。下ネタ大ウケ。
春団治のくだりについては、とりあえず最初はちゃんとストーリーに入れようと思っていたけど、うまいこと話がまとまらなかったので、あぁいう強引な形で押し切ったということだと邪推してみるが如何なものか?

act4:円周率~ギネスに載り損ねた男~

円周率の暗記をギネス申請すべく、暗誦をする男の様子をドキュメンタリータッチで。

ギネスの記録会場にて、「さん、てん、いち、よん、いち、ご、きゅう・・・・」淡々と始まるが、途中で襲い来る記憶の壁、体調との戦い、華麗なる記憶方法(語呂合わせ)の見せ場、苦悶の表情。これが、なかなかに見ごたえのある内容。セリフを覚える役者と、数字を覚える挑戦者、似ているのかもしれない。でもそれを軽やかに笑いの世界に引きずり出したところがすごい。
そして最後は下ネタオチ。そうくるか!

act5:パン屋のパン子ちゃん

町のパン屋のパン子ちゃんが、おつかいに行くストーリーを教育テレビ風(儂判断)に、しかも役者と話者が別々(つまりアテレコ風)に演じる。パン屋のパン子ちゃんの歌に始まり、セリフは同じことを繰り返し繰り返し。その全てがこれでもかといわんばかりの強い声のトーンで終始。セリフを言う方がそんなんならそれを演じる方は輪をかけてオーバーリアクション、表情も凄い凄い。出演者がかわるがわる前に出てきて演技(当てぶり?)をするのだけど、自分の出番が終われば後ろの椅子に引っ込む。この待ちの間の役者達の気の抜けた虚ろな表情もきっと狙い。演じてる時のハイテンション具合とのギャップが酷過ぎて恐ろしいくらい。きっと演出の狙い通り。

おそらく、今回の芝居で一番酷く、一番盛り上がるact。儂的には一番認めたくないのに認めざるを得ない酷さ。きっと帰り道で脳内エンドレスパン屋のパン子ちゃんだったお客さんは沢山いたにちまいない。
とにかくクドイ。単にクドイと言われるとマイナスポイントでしかないわけだが、そのくどさにくどさを塗り重ね、笑うしかない領域に持っていって、それでいて涼しい顔でもしているのかと思いきや、皆ぐったりして重苦しいというとんでもなくやり過ぎなごてごてact。
こんな芝居、アイディアとして浮かんだとしても、実際に芝居で演じてしまうのはベトナムくらいのものじゃないのか?いや、他はあんまり見てないしわからんが。。。

act6:名作劇場①~キン肉マン編~
こ、これは芝居というよりは。。。。
出演者が出てきて、裸にさせられ、何も言われずにチープな変装用の小道具だけ渡され、イキナリ「Fight!」。
変装用の小道具を身につけると、なんとな~く、キン肉マンぽい感じになるので、それになりきりそのままバトルロイヤル。

筋書きのないドラマ。。。。
ちゃうやん!行き当たりばったりやん!!!
酷い!でもみんな知っているからほくそ笑む。

おまけイベント:奇跡の瞬間
そんなわけで、本編終了。この日はおまけコーナーがあり。
と言っても以前「タショウノハンディキャップハクレテヤル」の時にもやっていた奇跡の瞬間。
この日は黒川君3度の挑戦。いや、蓮舫のネタはなかなか儂的には良かったんだけど、、、拍手とかすればよかったね。ごめんね。今回は彼の作家シリーズに該当するものがなかったので、一番の見せ場と言う事で。。。

いや、しかし。。。。
なんと評して良いのか、上手い言葉が見当たらない。
だから 「ひどい」 なのだけど。

もっともっと「ひどい」のを次回公演に期待してしまっている儂は、もしかして間違っている!?

ベトナムからの笑い声「チェーンデスマッチ」@スペース・イサンの画像



劇団ふくわらい第十五回本公演「 浪花の千両富 」 @ウッディシアター中目黒

2009-08-22 11:52:00 | 演劇レビュー
いやはやしかしなんだ、身内の公演に合わせて帰省の日を決めるっていうのはエライもんではないか。
#あ、いや 決めたのは儂ではないんですけどね。。。。。

そんなわけで東京は中目黒まで出向きましてお芝居を見てきたわけです。

と、芝居の前に。。。
劇場近くのケーキ屋さんでケーキをいただく。
ちゃうで、いもーとさんが勧めるしやで。

野菜ばかりを使ったケーキのお店。
んまー(^◇^)

ケーキ食べた後、まだ時間があったのでお茶でも飲んで。。。
と思って入った店で何故かカレーを食べる。
んまー(●^o^●)

素晴らしき哉、中目黒!(やんややんや)
あやうく、芝居見ずに帰るところやった ((((((((((((^^;

さて、芝居。

もちろん初見の劇団さんであります。
人情時代劇主流の劇団なのだそうです。

お話はですねぇ。
落語の「高津の富」をモチーフにしたお話。
だいぶんと筋も登場人物も違うけれどね。
まぁ、落語のまんまにしてしまうと、前半はひたすらほら話になるからお芝居でするにしてはちょっと辛いわなぁ。

上演中も写真撮ってくださいとおっしゃったので何枚か撮ったけど、携帯で後ろの方の席からだとやっぱり限界があるな。
#その前に撮る人のセンスに問題があるわけですが。。。

軽く感想。

見ていて感じたのは、この劇団の人たちって芝居を自然体でしているみたい、ってことですかねぇ。
もっとわかりやすく言えば、とても慣れている感じがしたのだ。
たとえば、セリフの言い間違いとか順番間違ったりとか結構あったように思うのだ。が、あからさまな間違いと思わせない自然さがあるのね。芝居ではない、日常のやり取りの自然さ、といったらわかってもらえるか。

場数を踏んでいるからかねぇ。確かにみなさん、かなりのキャリアを積んでいるようにお見受けするのだけれど。

そういう雰囲気を感じると安心して見ていられる。
演技の危なっかしさにドキドキしていたら芝居にのめりこめないからね(苦笑)
関西弁もさほど耳につくような感じではなかったし。

成程。
こういう安心な感じの芝居の世界というのもあるもんなんだな。
言ってみれば、水戸黄門を見る安心感のようなものか(違?)

帰りには駅近くのお蕎麦屋さんで東京の蕎麦を食す。
中目黒 んまー!(^^ ♪

劇団ふくわらい第十五回本公演「 浪花の千両富 」 @ウッディシアター中目黒の画像

劇団ふくわらい第十五回本公演「 浪花の千両富 」 @ウッディシアター中目黒の画像

劇団ふくわらい第十五回本公演「 浪花の千両富 」 @ウッディシアター中目黒の画像



空晴 「いってきますの、あと」@東心斎橋ウイングフィールド

2009-07-11 15:23:15 | 演劇レビュー
空晴は元ランニングシアターダッシュのメンバーによって旗揚げされた劇団。
もうダッシュが解散して4年も経つのだねぇ。。。

ダッシュ好きだった儂としては、すぐにでも見に行きたかったのだけれど、ズルズルと行けずにここまできてしまった。

というわけで、初「空晴」デス。

空晴第四回公演
「いってきますの、あと」
作・演出:岡部尚子
大阪/ウィングフィールド 7月7日~7月13日
東京/OFFOFFシアター 7月23日~7月26日

おお、東京はこれからか。
ぢゃ、東京を見に行く人は以下読んじゃダメだよ。
#「読んだからもう見に行かなくていいや」はもっとダメだお

そんなこんなで感想とかなんとかかんとかイロイロ。

まぁ、旗揚げ以降、HPとかは見たりしていたので、今までやってきた芝居の感じとか活動の感じとかでなんとなく分かっていたのだけれど、比較的おとなし目のホームドラマという感じか。ダッシュの代名詞であるスポ根系の展開が激しい熱い芝居とは対極のタイプ(まぁ、その頃からこういう系統もやってなかったわけではないわけだけど)

脚本的には多少ご都合主義的な感じがしないでもない。
だってね、ヘタをしたら誘拐事件やでなぁ。いっくら「知り合いのお兄ちゃんところに行きます」と言っていた所で、父親がその人をしらんかったらもっと取り乱しているのが普通ちゃうんかと。小池さんのセンセイの(センセイとしては)おかしすぎる演技もちょっと違和感があるし。
まぁ、そこはそれ、計画をした主人公たちの浅はかさと、登場人物の性格的な問題として納める事にしよう。(なら言いな!)

でも話的には決して悪くない。
あぁ、あるよなぁ。そういう家族の記憶って。って共感できるホッコリ感は気持ちがいい。
反発したり、嫌な事があったりって事あるけれどもなんだか懐かしくなる大事な瞬間もある。布団おばけとか鼻ティッシュとか一つ覚えの料理とか。上瀧さん扮するお父さんが言うように、決してウチの家が主人公たちの親と似ているわけではないけれど、似たような懐かしさは感じるのだ。ノスタルジーかな。
最後に、父親に対しては反発する気持ちばかりだった弟が、事件を通じてその記憶に辿り着くというのは、ご都合主義かもしれないけれどやっぱり気持ちがいい。平本さんの演技は大学生という設定のわりには幼い感じだけど、逆に良かったのかもしれない。

上瀧さんも岡部さんも久しぶりに見るけどキャラが立っていていいなぁと思う。岡部さんの体を張ったキャラは。。。。。なんとも言えへんけど(そうか、ン0キロはないのか。。。)
上で、違和感があるとは書いたけど、小池さんのいっぱいいっぱいの演技は(小池さんがいっぱいいっぱい、という意味じゃなくって、いっぱいいっぱいになっているおっちょこちょいな感じのセンセイ、の演技っていう意味ね)でもやっぱりこの芝居の中ではいいバランス担っているのかもしれないな。うん。

強烈な印象にはならないので、一般に人気が出るようなお芝居ではないのだろうけれど、でもじんわりとほのぼのと伝わる佳作といえるのかな。

ちょっと贔屓目あるかも♪

空晴 「いってきますの、あと」@東心斎橋ウイングフィールドの画像

空晴 「いってきますの、あと」@東心斎橋ウイングフィールドの画像

空晴 「いってきますの、あと」@東心斎橋ウイングフィールドの画像



おしばい軍団もずくぁんず@築地本願寺ブディストホール

2009-02-22 13:13:50 | 演劇レビュー
何を隠そう(いや、隠しといた方がいいのか?)Pataさんの妹さんは芝居をやっていたりなんかするのです。

まぁそんな血縁の情もあって東京くんだりまで行ったついでに芝居を見たりなんかしたわけです。

場所が築地本願寺って。ほへー、そんなところでやっちゃう?

観劇前に参拝。築地本願寺さん。

うわー、これがお寺さんか!?っつーよーなモダ~ンな石造り。
うひゃー、本堂の中、畳敷きの代わりに椅子がズラーと並んでるよ!
どへー、お寺なのにパイプオルガンだー
#結婚式で使うらしい

うむ、さすが空を飛ぶ街TOKYO(古)。
侮りがたし。。。

ほんでもって芝居。

演目は
「天使は瞳をとじて」 作・鴻上尚史

かつて第三舞台で公演されたお芝居。
そーいえば第三舞台もーすぐ復活だねー。復活。。。。するの?

「天使は瞳をとじて」は、これまた別の劇団(といっても学生劇団です)が演じていたものならば2回見た事がある。

ストーリーはこんな感じ
核で汚染された地球上に透明な膜(見えない壁)で覆われ生きながらえた人類のコロニーがあった。幸せに暮らす人々だが見えない壁の向こうの世界に憧れを抱き、壁の向こうに出られる事を夢見る。人間にあこがれた天使はその人間社会に入るがそこは夢や希望を持ちながらも人間の欲や失望の渦巻く世界。幸せに見えた人間社会は次第にすさんだ閉塞感に苛まれる。
そして、ついに壁は破られる。

20年たったというのに未だに多くの劇団が再演し続けるこの作品。
なるほど色褪せない。
マスコミニケーションに踊らされる民衆と人々のエゴ、夢はいつかかなうという幻想と権力という妄想。

この物語には3人の天使が出てくる。主人公で、退屈な受け持ち区域を見守り続けるのに飽きて人間に憧れ、そして人間になってしまったテンコ。テンコと一緒にこのコロニーに来たが、最後まで見守る存在で有り続けるもう一人の天使。そして2人よりも先に人間になり町の人たちと暮らしていたマスター(おそらくこの地域の担当だった天使)。
この芝居の特徴は、観客はこの天使の視点でおろかな人間たちを見守る、そう見守ることしかできずに、天使と一緒に落胆し、はらはらし、虚しさを覚え、応援してしまうところにある(と思う)。そして、そのおろかな人間は自分自身である事に気づくのだ。
繰り返される天使の報告の言葉のやりきれなさと、見えない天使に呼びかけ拠りどころとする人間の虚しさ。そして天使を想像するイマジネーションも持てなくなった人が頼る先はコーマエンジェル<天使の泪>、なんとも切ない。

まぁ、前置きが長くなったが、芝居の感想を。

開演前。SEで「天使」の曲が流れる。
儂が分かったのはチェッカーズの「裏通りの天使たち」だけだったけど、他の曲も歌詞に「天使」って出てきたから多分そうなのでしょう。なかなか見つからないよね~、そーゆーの探そうと思ってもさ。
単にチェッカーズが聞けただけでテンション上がる儂♪

さてと。
出演者の何人かは声優さんであるらしい。
専門的な事はよくわからんが、声はキャラクターちっくに可愛かったりきれいだったり。ただ声質自体はとても通るのだけれど、どうも腹から声が出ていない人もいるようで、早いセリフまわしだと声がキンキンするばかりで聞き取れなかったり、ステージセットの2階部分に上がると声が籠もったりするのが気になった。そんなに大きな小屋ではないのだけど。

あと、ダンスと歌。
この脚本って、こんなダンスや歌なんてあったっけ?と思っていたらどうやらオリジナルらしい。すごいなオリジナルでこれだけ作るって。基本的に芝居をする時の力のいれ場所のバランスが儂のイメージと違うんだな(苦笑)
相対的に踊りにくそうな曲が多いなと、曲の作り方の問題なのだろうけど。それでも遜色を感じない程度に踊っているのはちょっとすごいと思う。芝居でダンス、というとどうしてもMotherのイメージがある儂からしたらビートがあまり効いてない曲でエエ感じで踊れてしまうというのはちょっとびっくりなのだ。

でもどうなのだろう。この歌とダンスって芝居に必要な要素なのかしらん?
原作は実はミュージカル版もあって、儂はそれを見ていないので何とも言えないが、もしかしたらそのイメージでやっているのかも。とするとちょっと狙いを外している感も否めないではない。

それとテンポだ。
比較的早いテンポで突き抜けるこの芝居。全体的通して特にキャラクター的にテンション高くきゃぴきゃぴした印象が強く、緩急のメリハリに欠ける気がするのだ。見ている方は息をつく場所が少なくてちょっとしんどいかも知れない。
天使の報告のセリフはその流れの中で一息つけるタイミングのように感じるので、そこを上手に使えるともう少し見やすくなるかもなぁー、とは思うのだ。

元々好きな脚本なので、ストーリーを楽しみながら観劇できた。虚しさと清清しさの混じった、見終わった後のなんともいえない心持ちがいい。

なんかね。不思議なのだ。

関西にいて見られるフリンジは、やはりキチンと芝居を志向しているところばかりで、そうするともうキャリアがあってプロな劇団から、学生劇団まで芝居のレベルと言うのが一直線上に並んでいる気がするのだ。
こういった、セミプロというか(失礼!)軸足が芝居に限らないタイプの俳優が集まって芝居もしていると言うのはチョット見る事が無かった。
アマチュアではないけれど、芝居を専門にやっている人たちの演技とは違う。とても上手だったりするのだけれど、演劇っぽくない、みたいなね。

んふ。
よければ今度はオリジナルを見せてくださいな。
ってゆーか、関西で演ってくれ~
#無理か(^^)

おしばい軍団もずくぁんず@築地本願寺ブディストホールの画像

おしばい軍団もずくぁんず@築地本願寺ブディストホールの画像

おしばい軍団もずくぁんず@築地本願寺ブディストホールの画像



ベトナムからの笑い声@東福寺スペースイサン

2009-01-25 12:58:25 | 演劇レビュー
前回の公演は結婚式にぶつかって行けなかったのだ、と言い訳を代表の丸井君にしながら会場に入るのだ。

ちなみに前回の公演から新人さんが入っている。
こんなマニアックな劇団に新人として入る人たち、なんてステキに稀有な人物なのでせう。
それが見られなかったのがちょっと残念であったのが前回。

って、そーいえば、その前々回の公演くらいまで「新人募集!」ってしてたよなー。
ほんでもって「残念ながら新人応募ありませんでしたー」とかいっていたよなー。
募集終わってから新人さん来るとか、ベトナムらしいタイミングだよなー。

まぁ、何がベトナムらしいのか、全く根拠無く言っていますが。。。

さて、今回もオムニバス。
いや、もういっその事オムニバスしかしない劇団という事にしてしまえ(諦)
テーマは「ギリギリ」らしいが、ギリギリじゃなかったことが今まで何回あったのだろう。

じゅんぐりに見て行きますか

ACT;1
「アームストロング将軍」

深夜の悪のアジトでの出来事。将軍が寝返りを打った拍子に手に仕込んだアームストロング砲が暴発。登場人物(怪人)は他に鋼鉄の怪人(重すぎて動けない)、電気女(電気がないと動けないために電源コードをオニのようにぶら下げている)、体中から猛毒を発する怪人(猛毒すぎて点滴をして自分の体を中和しないと自分自身が溶けてしまう)など。改造された為に普通の暮らしが出来ない(というか、より不便な)怪人たちの悲喜こもごも。
この、怪人モノというか悪の秘密結社モノ?好きだねー。いや、見ているコッチも好きだけど。(前々回の公演で「夏恋」再演してくれてありがとう♪) 悪の秘密結社やのにめちゃめちゃ人間くさくて、逆に正義の味方の方が悪者に見えるところがなんとも。
今回のスパイスは淡々と親の七光を多少かざしながら怪人たちの感情を逆撫でする(死神?)博士の息子と、ヒーロー然としながらカワイそうな怪人をいじめるようにしか見えず、高慢ちきな感じが観客たちの感情を逆撫でする美少女戦士。新人さん、まだ、持ち味を十分に発揮してはいないと思うけど、なかなかにいい彩りを添えてくれています。

ACT;2
「バッティングセンター物語(舞台盤)」

一人芝居シリーズの新展開?探偵物語のパクリ?松村君新局面?
バッティングセンターの一角にある探偵事務所と言う設定がわからん、パロディ?低予算の為にドラマ本編はできないので、テーマに併せたストーリーダイジェストにドラマのエンディング部分だけくっつけるという展開はなかなかによろしい。次々ストーリーが進んで行くから、お客さんに疑問を持つ隙を与えないと言う正攻法。
でも御免。野球ネタも探偵物語ネタもあまり分からないの(汗)
とかいいながら3つのアクトの中で一番好きだったのはコレかも。ネタは分からないけど、ナンセンスに突っ走る潔さと悪ふざけ加減はわかります。「盤」の字は誤字?わざと?
一番受けたのは「パッティングセンター物語」

ACT;3
「ギリギリ❤キャッツアイ」

意外とバランスを大切にする(と勝手に儂は思っている)ベトナム。破壊度のデカイ演目はキチンと最後に持ってくる辺りが常識的である。
ってねー、基本この破壊度の高さというのは所謂エログロナンセンスよなぁ(比率としては1:4:5くらいですが、今回の「ギリギリ❤キャッツアイ」の比率がどうかは想像におまかせ☆)。
ご存知美人三姉妹盗賊キャッツアイのその後、そして知られざるその秘密。原作のカッコよさを期待していたら(そしてベトナムがナニモノか、免疫が無ければ)きっと手痛いダメージを受けるであろう内容。なんでも盗み続けていた愛、倒錯している瞳、珍しく内容のインパクトでも十分に勝負。いつもはビジュアルのアクの強さが勝っている事が多いけどね。そのビジュアル担当の泪のインパクトも、力技で押してくる歌のインパクトも突出せずにとてもバランスが良かったのではないかと思う。最後の最後までクールを装う3人の妙演が聞いてるのかもしんまい。
#おそらくこのバランス感覚は世間様とはベツモノです。あは。

おまけ
「奇跡の瞬間」

あれです。修学旅行のバスの中とかでよくやるヤツ。
お客さんが「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「どのように」「どうした」ってカードを別々に作って、ランダムに引いて一つの話を作る。できあがった文に天の声が「何故!?」と聞いて、それに作家の黒川君が答えるという趣向。チラシには「演劇ではなくて演芸です」って書いてあったけど、まさに単なるお楽しみコーナーやなぁ。本気で「芝居」を見たいと思って来た人は怒りかねないかも。まぁベトナムをわかって楽しみに来てる人達は喜ぶね。
因みに儂等の回は1回目がうまく行かなくて2回目でうまい事行きました。
黒川君のしてやったり顔がなかなかににくたらしくってよかったっす。

とまぁ、「ギリギリ」をテーマにしていたわりにはフツーに笑えた今回の公演。
っていうか、ここ最近はフツーに笑える事が多くなってきたと思うのだけど、はたしてそれはベトナムにとって褒め言葉となっているのか疑問だ。
そもそも儂自身の感覚は麻痺していると思うのだが、ツレ(今回初観戦)も面白がってはいたし。

もうそろそろ実験的な事はちょっと休憩して、売り出す方向に持って行く?
#そんな気はさらさらないだろうけど(笑)

ベトナムからの笑い声@東福寺スペースイサンの画像

ベトナムからの笑い声@東福寺スペースイサンの画像