パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

渋江抽斎

2020-04-19 | book
森鴎外は、1862年2月17日(文久2年1月19日) - 1922年(大正11年)7月9日)の明治大正期の小説家、軍医。
この森の史伝「渋江抽斎(しぶえちゅうさい)」を読んだ。当時の新聞連載。1940年昭和15年岩波文庫。1999年5月改版。2018年17刷。
鴎外が大正5年に書いた作品。鴎外は大正11年に死去するので、晩年の作品だ。
史伝という形をとり、江戸末期の津軽藩の藩医だった実在の渋江の生涯を前半で。安政5年に54歳で亡くなる。後半は渋江没後の家族の今まで(大正5年)を描いた。

なぜこの作品を読んだか。それは地方新聞に2019年平成31年2月20日から掲載された宮本輝の「灯台からの響き」に、還暦過ぎ主人公、東京板橋に住む中華そばやの康平が高校を中退し、常連客の高校教師から勧められた本の一冊として、そして読む本がないときに手元に置き、繰り返し読む本として紹介されていたのだ。

とにかくたくさんの人物が出てくる。数多くの師たち。学者、医者、芸術家、単にその交友録を読んでいるようで単調だ。抽斎は江戸の後期、文化の時代に生まれ、安政に亡くなる。その子、長唄の師匠、四女の70歳の勝久(かつひさ)、本所に住む。7男の60歳の保(たもつ)。そして著述家の5男の脩(おさむ)の子、画家の孫の終吉、渋谷に住む。が現存していることから物語は始まる。

抽斎の4人の妻たち。その中でも最後の妻、五百(いお)の物語は、全編に及ぶ。武勇伝もあり、江戸から津軽、浜松など家族を守りきる。後半には保や勝久の人生も盛り込まれる。
抽斎には6女、七男の子供たちがあった。しかし、3男5女は亡くなる。
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