ぶらぶら人生

心の呟き

水仙の里へ

2007-01-28 | 身辺雑記
 夜明けに霙が降ったようだ。
 草原などに、その名残があって、寒々とした朝なので、散歩を中止した。

 今朝は、NHK教育の新日曜美術館「カラバッジョVS.レンブラント ▽殺人と破産・賞賛と追放▽作品と人生の光と影」を興味深くみた。
 番組案内の表現からでも、二人の画家に迫るための視点が読み取れる。
 映画監督、山本晋也氏をゲストに迎えての番組だった。
   カラバッジョ(1573~1610)イタリアの画家
   レンブラント(1606~1669)オランダの画家
 画業だけでなく、その背景にある生き方や生涯についても語られる、そこが、この番組の面白いところだ。

 スポーツには全く縁のない人間なのに、マラソンには関心がある。
 42・195キロへの挑戦には、ドラマがあるから魅力を感じるのだろう。
 今日は「2007大阪国際女子マラソン」が行われた。
 「渋井が軸に 原らにも勝機」と、朝日新聞の見出しにあった。
 渋井陽子さんしか名前を知らないので、渋井さんに頑張って欲しいと思った。
 が、マラソンは難しい。この度も、渋井さんはうまくゆかなかった。完走はしたが、10位に終わった。万全の形でレースに臨んだらしいのに、マラソンという過酷なレースには、想定外のことが起こりやすいのだろう。
 原裕美子さんが、2時間23分台の好タイムで優勝した。素人目にも、立派な走りだった。精神的にも強そうな人だ。実力はありながら、怪我のためブランクがあったらしい。
 2時間あまり、ただマラソンを見ていたわけではない。その間、確定申告を作成した。昨日やっと必要な書類のすべてが届いたので。
 いずれしなくてはならない申告書類の作成から、少しでも早く解放されたくて、毎年1月のうちに完成することにしている。今年は添付の必要書類が遅れて届いたので、書類作りも少し遅くなった。
 明日は、税務署の窓口へ届けようと思っている。

 マラソンと確定申告の書類作成が終わったところで、散歩に出かけた。
 日が差して風もなく、穏やかなお天気になったので。
 すぐ近くに、「水仙の里」がある。
 朝の散歩では、この道を歩くことを避けてきた。水仙の里や天然記念物の蛇岩のある地点に辿りつくまでには、樹間はるかに海を見下ろしながら、長い林道を歩かなければならない。一人で歩くには少々物寂しいのだ。老女だからといって安心できないのが今の世の中。心無い人に、海に向かって投げ込まれて命を失うのはいやだ。熊や猪が出ることはなさそうだが、やはり一番薄気味悪いのは人間や車に出会うことである。
 午後の3時過ぎ、この時間なら大丈夫だろうと、いつもの不安を払拭、水仙の里に向かって出かけた。
 途中、私を追い越す数台の車があった。
 水仙の里への道は、初めてではない。友人や妹と歩いたことはある。初夏には、町内会の仕事として、空き缶拾いの作業で通る道でもある。
 今日歩いてみて、林道が意外に明るいのに驚いた。周りの木々が、最近、伐採されたのだろうか。
 道の両側にも、水仙が植えられ、水仙の里の名に恥じない環境が、十分に整えられている。目的地に着くまでの道中も、水仙の香に浸りながら散歩を楽しめるようになっている。この環境整備には、沢山の人々の労力が注ぎ込まれているのだろう。
 先日、スーパーで出会ったご夫婦が、水仙を見てきたと話しておられた。広島からわざわざ来られたのだという。見事なものだと話しておられた。
 そのときから、機会を作って出かけたいと思っていた。
 そのチャンスが今日訪れたのだった。
 日曜日だし、お天気は回復したし、ということで、車で来られた人がかなりあった。駐車場には、10台あまりの車が止まっていた。

 駐車場近くの水仙の丘に、女の子が立っていた。(写真)
 「写真を撮らせて」
 と言ったら、その幼子は、丘から降りかけていた足を止め、被写体になってくれた。
 少々ぬかるみ気味の斜面を怖々降りて来る子に手を貸し、
 「ホラ、ちゃんと写ってるでしょ」
 と、写真を見せると、
 「ささき みほ」
 と、いきなり大きな声で自己紹介をしてくれた。
 「みほちゃんなの! お利口ね。…どこから来たの?」
 と、尋ねると、
 「わかんない」
 との返事。傍から様子を見ていたお父さんらしい人が、
 「益田です。きぬやの近くなんです」
 と代わって答えられた。すると、みほちゃんも、
 「きぬやの近く」
 と、お父さんの言葉を繰り返した。
 家族で水仙を見に来られたらしい。

 水仙の里までの散歩を楽しんだ上に、可愛いみほちゃんにも出会えて、いいひと時を過ごせた。
 蛇岩に降りることはやめた。そこまで行けば、もっと沢山の水仙に出会えることは分かっているのだが、海に向かって急な坂をくだるのは、一人ではいささか心細い。
 また機会があれば、ということにして、緩やかだが起伏の多い林道を引き返した。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする