裏庭の「シオン(紫苑)」が、咲き始めた。
今朝、裏庭に出て眺めた。最近、よく雨が降り水分が足りて、一気に花びらを開き始めたようだ。私の背丈よりも高く、細い茎が直立している。茎の上部は枝分かれして、たくさんの薄紫の花を乗せている。
<秋だな>と、紫苑の風に揺れるさまを見ながら、思う。
長い長い夏がやっと過ぎ去ろうとしている気配だ。ただただ嬉しい。もう夏はいらない。
別名、「しおに」とか「鬼の醜草(しこぐさ)」とかいうようだ。
辞書を見ると、古今和歌集(物名)に「しをに」とあることが出ている。それから察して、「しおに」は、古語的な言い方が、今に生きている例だろうと思う。
一方、「鬼の醜草」は、名前の由来がよく分からない。なぜ<醜い草>なのだろう? さらに<鬼>の語まで冠してもらう理由が解せない。が、あるいは、この植物の、花や茎とは不釣合いな下葉の大きな形を指していうのかも知れない。茂ると結構処理が面倒だ。昨年の剪定時には、庭師に頼んで、思い切り刈り込んでもらったことを思い出した。
歳時記を読んでいると、
秋口に黄葉(きば)おほきなるしおに哉 円益
という句があった。確かに、大きな下葉の黄ばみは早いし、枯れ葉のさまも仰々しく、醜草ともいえそうだ。
晴れ渡る天に紫苑の色を置く 稲畑汀子
という気に入りの句にも出会った。
今日は、8月31日。雨の予報が出ていたのに、思いのほか、上空にさわやかな青が広がっている。窓越しに、その秋めいた空を眺めながら、間違いなく、四季の移ろいにも、人事にも、終焉のあることを思っている。いささか淋しい思いに駆られながら。
今夕は、地元出身のソプラノ歌手、大庭優子さんのコンサートを聴きにグラントワへ行ってくる予定にしている。ご本人とは面識がないのだが、ご両親、特に父君とは懇意である。
美しい歌声を聴いて、猛暑で疲れきった心身を癒してこよう。
幸い、友人の車で送り迎えしてもらえそうだ。
かくして、8月は終わりぬ!
今朝、裏庭に出て眺めた。最近、よく雨が降り水分が足りて、一気に花びらを開き始めたようだ。私の背丈よりも高く、細い茎が直立している。茎の上部は枝分かれして、たくさんの薄紫の花を乗せている。
<秋だな>と、紫苑の風に揺れるさまを見ながら、思う。
長い長い夏がやっと過ぎ去ろうとしている気配だ。ただただ嬉しい。もう夏はいらない。
別名、「しおに」とか「鬼の醜草(しこぐさ)」とかいうようだ。
辞書を見ると、古今和歌集(物名)に「しをに」とあることが出ている。それから察して、「しおに」は、古語的な言い方が、今に生きている例だろうと思う。
一方、「鬼の醜草」は、名前の由来がよく分からない。なぜ<醜い草>なのだろう? さらに<鬼>の語まで冠してもらう理由が解せない。が、あるいは、この植物の、花や茎とは不釣合いな下葉の大きな形を指していうのかも知れない。茂ると結構処理が面倒だ。昨年の剪定時には、庭師に頼んで、思い切り刈り込んでもらったことを思い出した。
歳時記を読んでいると、
秋口に黄葉(きば)おほきなるしおに哉 円益
という句があった。確かに、大きな下葉の黄ばみは早いし、枯れ葉のさまも仰々しく、醜草ともいえそうだ。
晴れ渡る天に紫苑の色を置く 稲畑汀子
という気に入りの句にも出会った。
今日は、8月31日。雨の予報が出ていたのに、思いのほか、上空にさわやかな青が広がっている。窓越しに、その秋めいた空を眺めながら、間違いなく、四季の移ろいにも、人事にも、終焉のあることを思っている。いささか淋しい思いに駆られながら。
今夕は、地元出身のソプラノ歌手、大庭優子さんのコンサートを聴きにグラントワへ行ってくる予定にしている。ご本人とは面識がないのだが、ご両親、特に父君とは懇意である。
美しい歌声を聴いて、猛暑で疲れきった心身を癒してこよう。
幸い、友人の車で送り迎えしてもらえそうだ。
かくして、8月は終わりぬ!