ぶらぶら人生

心の呟き

子犬の<ゆきちゃん>

2013-02-25 | 身辺雑記
 月末の集金常会に備え、先日来、団地の人たちからお金が届く。
 それを受けとるために、かなり拘束はされるけれど、近所の人々に接するチャンスには恵まれる。

 昨日は、Rさん宅の母子が、子犬を連れてこられた。
 小学校3年生の菜央ちゃんの希望で、飼われ始めたらしい。
 <ゆきちゃん>という名の、雌の子犬。
 「あら、私と同じ名前ね。漢字? ひらがな? それともカタカナ?」
 と、尋ねた。
 「ひながな」
 と、菜央ちゃん。
 「ひらがなにこだわっているみたいです」
 と、菜央ちゃんのお母さん。
 (内心で、黒田夏子さんみたいね、と呟く。)

 「抱いて!」
 と、菜央ちゃんにいわれ、<ゆきちゃん>を抱っこした。
 子犬のせいか、まだ、人を選ばない。
 私に抱かれても、親愛の情を示してくれた。
 まだ自我(?)を持たぬ子犬は、人懐っこくて、かわいらしさだけが目立つ。

        

     
 団地ができたばかりの30年前には、若いご夫婦が多く、犬を飼っておられる家が、数軒あった。
 ところが、近年、団地に犬が絶えていた。
 久々の、子犬の登場である。
 2012年11月25日生まれという。

 撮った写真を編集し、今朝、菜央ちゃんに届けた。
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『abさんご』を読む

2013-02-23 | 身辺雑記
 過日、山口に出かけた折、今、話題の書を求めた。

 『 a b さんご』 (黒田夏子著 文芸春秋刊)

 本の帯に、<前代未聞のリバーシブル本!>と記されているとおり、異なるタイプの小説が、一冊にまとめられている。

           
                左表紙(帯写真 篠山紀信) 
    
           
                     右表紙


 店頭で本を手にし、裏(左)側からページをくったとき、読了しないかもしれないな、と思った。
 芥川賞受賞作として紹介されたときから分かっていたことだが、横書きの小説であるうえ、表意文字である漢字を極端に省き、ひらがな表記が多い。
 しかも、切れ目の少ない長文である。
 さらに、横書きのせいか、句読点も、洋文の記号(コンマ<,>やピリオド<.>)が使用されている。
 一般的な句読点(。や、の区切り符合)に慣れた者には、些細なことだが違和感を覚えた。
 すべては意図的なことであろうけれど、私にはずいぶん読みづらく思えた。

 
 表(右)側には、作者の初期作品3篇(「毬」「タミエの花」「虹」)が掲載されている。
 これらは、ごく常識的な形式で書かれた作品である。漢語表現も、決して少なくはない。
 
 第148回芥川賞受賞者・黒木夏子という作家の、若き日の作品だけでも読んでみようと思い買い求めた。

 予想通り、受賞作には、すぐ飛びつく気になれなかった。
 最初に読んだのは、昭和38年に<第63回読売短編小説賞>を受賞した「毬」であった。
 いい作品である。
 「タミエの花」も「虹」も、好短編であった。
 作者は、私より5歳若い。
 が、その昔、同時代に作品を書くことに腐心していた私にとっては、興味深い作品であった。
 やはりうまいな、と脱帽の思いだった。
 素質的に、雲泥の差があることを認めざるを得なかった。

 私の場合、20代、30代は、かなり熱心に書くことに挑んだ。
 たまに、「文学界」の同人雑誌評や新聞に取り上げられることもあり、がんばり続ければ、世に認められる作品を生めるのでは? と自らを過信する日もあった。
 が、40代にもなると、体力的にも職業との両立が難しくなり、書く能力の限界にも気づき始めた。
 そして、必要最小限の文章しか書かなくなった。
 私のペンネームを知る人の大方は、すでにこの世の人ではなくなった。
 職を退いた後は、校正の仕事を手伝ったりもした。(黒田さんと、その点も似ているのだが…)
 終生、創作を続けられた黒田夏子さんには、ご褒美の賞が与えられた。
 非凡と凡才の差異!?


 『a b さんご』は、かなり苦労しながらも、読了した。
 (題名の中の<a>は、筆記体になっているけれど、私のパソコン技能では、表題どおりの表記ができない。)
 題名の意味も、勝手な解釈しかできない。
 <さんご>は、珊瑚 産後 三五 参伍 のいずれなのか、いずれでもないのか?
 < a b >は、固有名詞の代わり?
 題名の解釈からして、むずかしい。

 作者の、独特な感性で綴った、<生い立ちの記>とも読める。
 小説というよりも、随筆の趣である。
 私自身は、<ひらがな>表記の読力のなさにも驚いた。
 同じ箇所に、幾度も視線を走らせ、やっと納得して次に進むという苦労があった。
 (最近、とみに視力の弱りがあり、読みづらさを倍加させた一面もある?)

 随所に、表現のおもしろさ、うまさは感じた。
 私なら<蚊帳>と書いておしまいにするところだが、昔懐かしい、あの夏の夜を思い出させる蚊帳は、<やわらかい檻>と表現される。
 作品の最後に記された<Contents>15中の一つが、<やわらかい檻>であり、蚊帳の話で掌編が出来上がっている。
 <傘>や<行李(梱)>などの言い回しなども納得できたが、部分的な表現を楽しむに終わった感がある。
 かといって、芥川賞受賞作の価値は変わらない。
 私の能力不足を思い知らされるばかり。
 ただ、戦前に生まれ、戦時、戦後を生きたという共通項が、表現内容を納得する力にはなってくれた。
 そして、筐底にしまい忘れていた、遠い想い出が、作者のおぼろおぼろとした文体から、ふーんわりと浮き上がってくるのは、不思議な読後感であった。

 帯に記された蓮見重彦評の、<誰もが親しんでいる書き方とはいくぶん異なっているというだけの理由でこれを読まずにすごせば、人は生きていることの意味の大半を見失いかねない」には、首をかしげた。
 その点、川上未映子評「人はきっと、この匂い、この色、この感触のするところからきて、そして戻ってゆくのだ」には肯けた。    
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2月の月

2013-02-21 | 身辺雑記
 夜ふけの玄関に、ほのかな明かりがある。
 外に出てみると、10日ばかりの月が出ていた。
 冷え冷えと凍てつく空に。

 あたりにも、身を切るような冷えがあり、2月の月に挨拶だけして、引っ込んだ。 


     
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『陽子の一日』を読む

2013-02-20 | 身辺雑記
 本屋に入ると、いつものことだが、関心のある書棚の前を一巡する。
 本とのめぐり合いを楽しみながら。

 先日、山口で求めた2冊については、以前のブログに書いた。
 まずは、<史上最高齢75歳 第148回 芥川賞受賞作>として話題となった『a b さんご』を読み始めた。
 が、途中で読み続けることが難儀になって、南木佳士作『陽子の一日』を先に読むことにした。

 私は、南木佳士氏(1951~ 作家・医師)の愛読者である。
 『ダイヤモンドダスト』(1989年 第100回芥川賞受賞)以来の…。

 医師でもあり作家でもある作者によって描かれる作品世界は、生と死の問題が多い。
 作者の体験に裏付けられた、重い内容だが、筆者の味のある表現力で、読み手を作品世界に引き込んでしまう。
 
 今回の作品も、違和感を覚えることなく、読了した。
 60歳の女医・陽子の一日を丁寧に描きながら、南木佳士氏を思わせる元同僚黒田医師の<病歴要約>(①から⑦)と、それに対する研修医の記した<考察>を折り込むという、少々変わった構成になっている。
 しかし、それが、読む者の負担とはならない。
 南木佳士の作品世界に浸りながら、ひとりでに、自らの生(老いと死)を考えていた。
 やや医学書めいた一面を持つ作品だったが、<陽子>の一日を、几帳面すぎるほど時刻を追って、克明に描写する工夫もあり、小説の妙を味わうことができた。

           
          装画は、松本俊介「女」(3)<大川美術館蔵> 
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楽しい囲い塀(その4)

2013-02-19 | 身辺雑記
 昨日、草花舎からの帰り、建築中の保育所前で、足を止めた。
 囲い塀に、金子みすゞの新しい詩が加わっていたので。
 「郵便局の椿」と「あるとき」の2詩。

 そろそろ椿の季節である。前者の詩は、それに併せて選ばれたのであろう。
 椿の写真も添えてあった。

  

     郵便局の椿

    あかい椿の咲いていた、
    郵便局がなつかしい。

    いつもすがって雲を見た、
    黒い御門がなつかしい。

    ちいさな白い前かけに、
    赤い椿をひろっては、

    郵便さんに笑われた、
    いつかのあの日がなつかしい。

    赤い椿は伐られたし、 
    黒い御門もこわされて、

    ペンキの匂うあたらしい、
    郵便局ができました。

           金子 みすゞ 


 今は姿を消えてしまったけれど、心の片隅にはしっかり残っている想い出が、私の中にもたくさんある。

 保育所の建設工事は、着々と進んでいるようだ。
 いよいよ内装工事に入っているらしい。
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2月の庭 (梅花、クリスマスローズ)

2013-02-18 | 草花舎の四季
 <雨水>の今日は、雨となった。
 午後、郵便局での用事を済ませて、草花舎に寄った。

 現在、『櫻井はるみ 織りの服展』が開催中である。(3月10日まで)
 昨年の同展で、初めて櫻井はるみさんの作品(織りの服)にであった。
 同じ服は二つとないだけでなく、配色や形も、面白い。
 アンバランスでありながら、調和の妙がある。
 昨年は、今の季節、大変重宝しているベストを求めた。
 今日は、少々無理をして、コートをいただいた。
 薄くて軽いので、とても着易い。それでいて、暖かい。

 次回の展示は、再来年の予定という。
 二年先のことは想像しがたい。
 今日という一日を楽しむだけだ。

 下の写真は、展示の一部。

  

  


 コーヒーとケーキをいただいた。

    

 雨の止み間に、庭を歩いた。
 今年の梅花を、初めて見る。
 クリスマスローズも咲いていた。(が、今年は花が少ない。)

       

  


 Tちゃんは、明日から暫く、外のお仕事に出られるという。
 支援員として、M中学校に。
 様々な問題を抱える生徒を支援するという仕事のあることを知らなかった。
 Tちゃんの場合は、実力のある英語力を生かし、日本語の覚束ない生徒の援助されるのだという。
 Tちゃんの力が生かされるのはいいことだし、生徒にとっても幸せであろう。
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再び水仙公園へ

2013-02-17 | 散歩道
 急に思い立って、散歩に出かけた。
 風がなく、暖かい散歩日和であった。

 杖を頼って、勾配の多い径を歩く。
 私を追い越し、水仙公園に向かって、幾台もの車が走る。
 島根ナンバー以外に、広島、山口の車が多い。
 そのほか、福山や名古屋ナンバーも見かけた。

 月初めには、広島からの観光客が多かったらしい。(800人とか…)
 もっぱら車で来る人の多い中、私同様、徒歩で公園を目指す数人の若い女性があった。
 海辺のホテルに一泊しての見学らしい。

 私にとっては、散歩のつもりで出かけられる公園だが、遠路からの客の大方は、いきなり車で公園の駐車場へ向かわれる。そこで、途中は車中見学となる。空気のにおいや、波音などは聞こえないだろう。
 歩けば、径辺の水仙を仔細に観察したり、さりげない風景を眺めたりもできるのだけれど。

 今日、途中に、小さな赤い鳥居があるのに気づいた。
 それは、眼下の海に向かってなだれる深い崖に向け、不要になった電気製品などを、不法に投棄することを戒めるためのものであった。
 <捨てた貴方に罰が当たりませんように!>と、鳥居には記されてあった。
 ユーモアに頬が緩む。
 <捨てるな!>では、少しも面白くないけれど。
 山椿の落花に気づき、佇んで高々と伸びた木を見上げ、梢に咲く赤い花を眺めたり、裸木の疎林の侘しさを眺めたり…。
 歩くことには、歩くことでしか得られな楽しみがある。

 水仙は、いま、盛りである。
 唐音や下の公園まで降りれば、違う風景が眺められるだろう。
 しかし、80歳の足に、無理は禁物。
 往復4キロあまりを歩けたことを今日の幸せと思う。 


        

    

                   

     

               
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春の訪れ?

2013-02-14 | 身辺雑記
 いよいよ春!?
 青空が広がり、春めく雰囲気の感じられる今日だった。
 冬は好きだが、永遠に冬であっては困る。
 春の訪れが確実であればこそ、冬も楽しいのだ。

 椿やシデコブシの蕾も、時間をかけて開花への準備をしている。

          

               
                      シデコブシの蕾     

                
                       椿の蕾(白) 

               
                      同(ピンク)
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この冬一番の冷え

2013-02-08 | 身辺雑記
 7日から8日にかけ、この冬一番の冷えとなった。
 山口に出かけていて、凍てつくような冷えと吹雪にあった。
 暖かすぎる日の後に訪れた寒の戻りである。
 三寒四温の言葉通りの…。

 山口の書店で、2冊の本を求めた。

  南木佳士著『陽子の一日』
  黒田夏子著『a b さんご』
     いずれも文芸春秋社刊

 書店の一角には、老いに向かう生き方、死に向かう心得といった類の書籍がたくさん並んでいる。
 書店をのぞくごとに、新刊も加わっている。
 すべての人間が辿る老いから死へのプロセスは、各人にとって一回きりの体験であり、戸惑いが多いためだろう。
 しかし、そうした書が、いくらかは参考になるかもしれないけれど、結局、私は私のやり方で、老いゆく自分の間抜け具合と付き合い、それを楽しみながら、生きてゆくしか仕方ないと思っている。
 

 県境には雪が積もり、帰り着いたわが家の庭も、雪の名残りを留めていた。
 しかし、雪の愉しみも、そろそろおしまいかもしれない。
 風花の舞う日は、まだあるかもしれないけれど…。

    

           
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立春は雨

2013-02-04 | 身辺雑記
 雨の立春となった。
 雨の止み間に外に出て見ると、木々の枝々が雫を溜めていた。

    
          モミジの残り葉と雫 

 実は今日、ソコロシステムズのTさんが、パソコンの点検に来てくださった。
 その際、原稿の記入欄に、文字の大きさや色の選択をするためのバーがあるのに、それをうまく使用できないのはなぜかを尋ねた。
 そんなはずはないと思うとおっしゃって、点検終了後に、ブログを開いてテストしてくださった。

 すべて可能であった。
 さっそく、今日の投稿で、試みてみた。(ワード同様、文字を太くしたり線を入れたり、文字色を変えてみたり。)

 「歳時記」の<立春>の項から、俳句2句を引用する。

   あつさりと春は来にけり浅黄空    一  茶
   さざ波は立春の譜をひろげたり    渡辺水巴

         ★★★★★★★★★★★★★★★★

 昨日、確定申告の書類を作成した。
 今年も、自分の力で、記入できた。
 昨年より、少し時間がかかりすぎたけれど。
 まずは、ほっとする。
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