五島は、椿の多く群生する島だ。
その原生林の生い茂る、凸凹の山道を歩き、丘に立ったとき、眼下に広がる東シナ海を望むことができた。あれは五島の一つ、久賀島(ひさがじま)だったと思う。
その丘には句碑があった。
落椿踏みつつ来れば海近し(内海朝生)
私の体験したとおり!
五島は、キリシタンと深い関わりを持つ島なので、当然教会の数が多い。また、大陸との貿易の中継地でもあったため、史跡の残る島でもあった。
海の美しさは言うまでもない。海水浴場にも恵まれている。
自然の美しさという点では、鬼岳のなだらかな山も忘れがたい。
島全体は素朴さを残し、のんびりとした空気に包まれていた。
異郷にありながら、ほっとした気分を味わえる島だったなあ――と、今は過ぎし日の旅の思いを懐かしむばかり。椿にちなんで……。
二年前、2005年の3月、五島列島を旅した。
椿鑑賞が一つの目的の旅であったが、椿の季節は、もう終わりに近かった。
現在ブログに、「この冬の椿」を投稿しているので、五島で見た椿のことを思い出し、アルバムを開いてみた。
写真の玉之浦という品種は、この地のものらしく、行く先々で、よく見かけた。
花弁の白い縁取りが特徴のようだ。
椿鑑賞が一つの目的の旅であったが、椿の季節は、もう終わりに近かった。
現在ブログに、「この冬の椿」を投稿しているので、五島で見た椿のことを思い出し、アルバムを開いてみた。
写真の玉之浦という品種は、この地のものらしく、行く先々で、よく見かけた。
花弁の白い縁取りが特徴のようだ。
<花作り名人>と、私が勝手に呼んでいる人の家にさしかかったとき、一点の華やぎが、右目に飛び込んできた。
椿? と思いながら立ち止まった。
主の姿は見えないので、断りなしに近づいてみた。
幾鉢か並んでいる、その一つの鉢に、ピンクの花弁に赤い斑の入った椿が、一輪だけ咲いていた。
なかなか可憐で品がいい。
他の鉢の椿は、まだ蕾を硬く閉ざしていた。
私の家の椿も、ほころびそうな気配さえない。
椿? と思いながら立ち止まった。
主の姿は見えないので、断りなしに近づいてみた。
幾鉢か並んでいる、その一つの鉢に、ピンクの花弁に赤い斑の入った椿が、一輪だけ咲いていた。
なかなか可憐で品がいい。
他の鉢の椿は、まだ蕾を硬く閉ざしていた。
私の家の椿も、ほころびそうな気配さえない。
朝の散歩で必ず通る道に、石垣を高く築いた家がある。民家の石垣にしては立派だと、いつもその技に感心しながら眺めて通る。
今朝も、その石垣を見上げた時、裏庭にピンクの椿が咲いているのを目にした。まだ低木だが、結構たくさんの花をつけている。(写真)
向かいの山から昇った朝日の光ををまともに受けて、ピンクを輝かせていた。
撮影は、崖下から。したがって、一輪の花を撮ることはできず、風景として収めるより仕方なかった。
左脇には、水仙の花も見える。
今日は全国的に荒れ模様の天気になると、昨夜来、予報はしばしば報じていたが、今朝は穏やかな冬の朝であった。
崖の上には、青い空も広がっている……。