ぶらぶら人生

心の呟き

生きし日の記録

2011-04-30 | 身辺雑記
 月末に二人の方から書籍が届いた。
 いずれも、生きし日々の記録である。

 一つは、中田潤一郎遺稿集『ニワトリ柵を越えにけり』と『連禱 ― がんと末期医療を考える会の記録 ―』。
 上記の二冊は、故中田潤一郎さんの子息から贈られたものである。

 私は現在、5年連用日記を使っており、ひとりでに、前年の日記を読み返すことが多い。
 過日、中田潤一郎さんの訃報に接したのは、昨年の4月であったことを確認し、<あれから早くも一年が経ったのか!?>との感慨を新たにしたばかりであった。
 中田さんとは、同人雑誌の仲間として、若き日から長年付き合ってきた。私が脱会したあとも、折に手紙をもらったり、こちらからも書き送ったりしてきた。

 『ニワトリ柵を越えにけり』には、同題の小説を含め7作品のほか、随筆、俳句、詩・詩論などが掲載されている。
 生前、出版された3冊の小説『渦と暗礁』『柵のある風景』『あしび亭物語』は、私の書棚にあり、かつて読了した作品である。
 それに加え、400ページの内容の濃い作品は、故人を偲ぶよすがとなるであろう。
 折々に読みついでゆこう。

 『蓮禱』の方は、中田さんが事務局長を勤められた<がんと末期医療を考える会>の15年の記録である。生前、発行を計画しておられた出版を、子息が引き継がれたものである。
 やはり同人だった詩人・岡博さんが、がんを患われ、自ら同会を発起されたものである。
 岡さんの亡き後、その意思を継いで、中田さんが事務局長を勤め、活動を続けられた、その貴重な記録である。
 こちらも、重厚な本である。中田さんを始め、会員の方々の文章が、約300ページにまとめられている。
 寝転がっては読めない重い内容の本である。
 座右において、ゆっくり読んでゆくことにしたい。 

       



 もう一つは、神原徳茂さんから届けられた句集である。
 以前、いただいた『瑠璃蜥蜴』に次ぐ第二句集『マグレブの大地』、第三句集『バルカンの光と陰』、第四句集『はるけきトスカーナ』の三冊である。
 作者のあとがきによると、三冊に掲載された句の総数は、760句に及ぶ。

 松尾芭蕉に始まり、旅から生まれた句作品は多い。
 神原さんの三句集は、いずれも私にとって未踏の外国を旅し、そこで詠まれた作品を集められたものである。
 
 異国の旅先で嘱目した風景を前にし、作者の鋭くやわらかな心眼が捉えた世界を、俳句という短詩形に巧みに収められている。
 写真と句作の背景を紹介する散文が添えられていて、句の理解や味わいを深めてくれる。

 まだ全句を読み終えてはいない。
 作者の思いを一句一句に味わいながら、折々に読みすすめたい。

 神原さんは、俳句雑誌『遠嶺<TOONE とおね>』の会員で、2009年に、第十三回 新人賞を受け、句作を楽しんでおられる様子である。 

       
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年年歳歳の花々

2011-04-29 | 身辺雑記
 パソコンから遠ざかっている間にも、花々はあるべき位置に咲いている。
 年年歳歳の花々である。

 ジュウニヒトエ、ナルコラン、ハナモモ、ハナミズキ、シロヤマブキ、シャガなど。
 鉢植えのアマリリスも。

 生きて、花々に会える幸せ。

     

     

          

           
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4月の庭 (桜、満開)

2011-04-14 | 草花舎の四季
 郵便局に向かって歩き始めたとき、私の側に車が止まった。
 草花舎のYさんとTちゃんだった。
 韓国から今日帰ってこられ、スーザンさん宅へ行かれる途中だった。
 
 局からの帰りにコーヒーを飲みに寄って、と誘われた。
 お店はお休みなのだが、久しぶりに草花舎を訪れた。
 Tちゃんがコーヒーを入れてくださって、ご馳走になった。
 韓国で入手された、女性アーティスト作曲の弦楽を、CDで聞かせてもらいながら、旅のあれこれや、復興の見通しの立たない震災後の現状などについて、暫く雑談した。

 草花舎の庭も、すっかり春の装いとなった。


    

    
 
    

    

       
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郵便局へ

2011-04-14 | 身辺雑記
 うっかりすると、カタログの類がすぐたまる。
 その都度、さっさと片付ければいいのだが、ものぐさな私には、それができない。
 小山のできた郵便物を、そのまま処理しようかとも思ったが、一通り目を通すことにした。

 確かめてよかった。
 大事な書類が一つあった。
 入会している尊厳死協会から、送金用紙が届いていた。
 一年分の会費を収めるため、3時前、郵便局に出かけた。

 局の前に置かれたプランターに、チューリップが咲き満ちていた。
 笑みを誘う愛らしさで。
 昨年、郵便局の入り口に取り付けられた燕の巣に、親鳥が一羽止まっていた。
 巣づくりが始まるらしい。

 国道のコンクリートの割れ目に、スミレが咲いているのを見つけた。
 もっと伸び伸びと生きる場所もあろうにと思いつつ、場所を選ばず可憐に咲く花を眺めた。 


    

    
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陽気な日となり…

2011-04-13 | 身辺雑記
 春の日差しが暖かい。
 鶯の声も聞こえてのどかである。
 しかし、いいことばかりではない。
 庭の至る所に、雑草が満ちて鬱陶しい。
 春先、庭師に施肥してもらったせいか、草の伸び具合が尋常ではない。
 昨日来、気が向けば庭に下り、草取りに励んだ。
 抜くというより、手当たり次第に引きちぎったといった方がいい。
 その量がすごい。ゴミ袋が、すぐいっぱいになった。
 
 雑草除去で、庭の花々が美しさを増した感じである。
 海棠、ジューンベリー、ムスカリ、スノーフレーク、ニラバナなど。


 

      

      

      

        
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旅の帰りに (流鏑馬神事)

2011-04-11 | 身辺雑記
 津和野の流鏑馬神事は、4月の第2日曜日と決まっているようだ。
 5年ほど前に、友人の誘いで、鷲原公園で行われる神事を初めて見た。

 今年は、折よく公園の桜が咲き満ち、神事にふさわしい好日となった。
 四国からの帰りと重なったので、友人宅に立ち寄り、流鏑馬神事を見た。

 馬が走り、旗手の「いん、よう」という掛け声が響く。
 放たれた矢は、的に当たったり外れたり。
 そのたびに、観衆の歓声や落胆の声があがる。

 次に登場する旗手の名前が紹介されても、馬が走るのを拒否することもあった。
 乗り手と馬との対面は前日に行われたばかりで、意思の疎通が難しいようだ。
 <「馬が合う」という慣用句もありますように…>云々と、アナウンサーの臨機応変な説明があり、観衆の笑いを誘った。

 乗り手と馬との気持ちが一体となるのは、簡単なことではないらしい。
 意気投合することの難しさ! 

   


     

     
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四国へ 4 (雨の高知)

2011-04-09 | 旅日記
 高松を発つ時から、雨の降り出す気配があった。
 やがて、本格的な雨となった。
 土讃線の車窓には、雨に煙る満開の桜や大歩危・小歩危の渓谷美があった。
 沿線には平野が少ない。高い崖の上に建てられた家が多く、生活の苦労を想像する。
 住めば都、なのであろうか。

 高知も雨であった。
 ここは、幾度も訪れた街である。
 観光名所は、ほぼ巡っている。高知城、桂浜、牧野植物園、紙の博物館など。
 お天気さえよければ、五台山に上がり、再び牧野植物園に行ってみたいと思っていた。
 が、生憎の雨となり、観光ガイドタクシーを頼った。
 運転手は、雨のことも考慮し、坂本竜馬記念館に案内してくれた。
 途中、生誕の地を紹介してもらった。今あるのは、勿論、碑のみである。

         

 車を走らせながら、坂本竜馬の生い立ちや経済的に恵まれた家庭であったことなど話してもらった。運転手は高知の人であり、ひとりでに、テレビでなじんだ土佐弁が混じるのを楽しんだ。
 風土は、言葉だけでなく、そこに住む人々の人となりにも、大きな影響を及ぼすものであろう。
 
 坂本竜馬記念館を訪ねるのは初めてで、雨の日には好都合であった。
 関連の資料が、多く集められている。
 運転手は、龍馬像のある丘に案内し、その足で、雨が降り風もある桂浜をも歩くことになった。幾度か訪れている地なので、格別の感慨もなく、時間つぶしの感、無きにしも非ずであった。

 宿泊先のホテル、日航高知旭ロイヤルにタクシーを着けてもらった。

 翌朝は、天気が回復していた。
 ホテルの部屋から眼下を見ると、龍馬が子供時代に泳いだ川として、前日紹介された川が、市街地を貫いてゆったりと流れていた。

    
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四国へ 3 (猪熊弦一郎現代美術館)

2011-04-07 | 旅日記
 一度、ぜひ行ってみたいと思っていた、丸亀市にある美術館(猪熊弦一郎現代美術館)を訪れた。
 松山から高松に向かう途中、丸亀に下車した。
 過去に一度、丸亀に立ち寄ったことがる。しかし、その時はまだ、美術館は存在しなかった。
 1991年に設立され、そのユニークな美術館が紹介されるたびに、訪れたいとの思いを強くしていた。
 やっとその願いをかなえることができた。

  外観も、独特な雰囲気をかもしている。



 常設館で、猪熊弦一郎の一部の作品に接することができた。型にはまらない芸術作品が個性的である。
 企画展としては、<杉本博司アートの起源|建築>が、開催中であった。
 著名なアーティストらしい。が、その名を知らなかったし、作品に接するのも初めてであった。


 3階のレストランで昼食。
 <いのくま>の名をもつカレーライスも、なんだか猪熊風であった。
 その床には、画家の存在を感じさせる絵があった。
 
      

 高松には、夕方到着した。
 数年前、影絵画家・藤城清治展を観に行って以来の高松であった。
 宿泊先は、その時同様、全日空ホテルクレメント高松。
 窓辺に立つと、左手に高松港や屋島が、右手には玉藻公園が見えた。

      
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四国へ 2 (松山城)

2011-04-06 | 旅日記
 松山城を訪れるのも、久しぶりだった。
 咲き遅れていた桜が、折から満開となり、お城と桜の佇まいを楽しむことができた。

 正岡子規の句に、

   松山や秋より高し天守閣

 が、ある。

 子規の句として、格別優れているとは思わないが、天守閣への入場記念にもらったポストカードには、お城の写真に上句が添えてあったし、公園内に設けられた、俳句の投稿ポスト(句碑)にも、上句が刻んであった。明治24年の句である。
 投稿ポストの設置は、いかにも俳句の盛んな松山らしいし、同時に子規の存在を知らしめている。

 しかし、今、松山市では、<坂の上の雲>の宣伝が目立っている。私にとっては、依然として正岡子規や夏目漱石、種田山頭火などのゆかりの地として、親しみを感じるのだが…。

 お城の天守閣に上るのも、最後になるだろう。
 狭く急な階段は、老女には不安であった。
 ただ、高所から眺める風景は、格別であった。
 遠い山並み、眼下の市街地など眺めながら、時の移ろいを考えていた。

 公園内にはたくさんのソメイヨシノが植えられている。
 それに混じって、ひときわ紅い花があった。名札には、「ヨウコウ(陽光)」と記されてあった。


 道後温泉に宿泊した。
 「別邸 朧月夜」は、もてなし心の行き届いた宿であった。 


      

             

         

         
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四国へ 1 (船旅)

2011-04-06 | 旅日記
 久しぶりに船に乗った。
 四国へ渡るために。
 スーパージェット「瑞光」は、広島の宇品から松山港へ向かった。
 船窓から、波穏やかな海の青、静かに広がる空の青を眺める。
 
 過去、四国へは幾度も訪れた。
 しかし、余生を考えると、今回が、おそらく最後の旅になるだろう。
 松山・道後、丸亀・高松、高知を巡る旅。

 船は1時間で、松山港に着いた。

       

       
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