明治26年に川越の街は大火に見舞われたとか。その復興に際して耐火建築にしようと決めて、煉瓦造りにせず江戸伝統の蔵造りにしたということが現在の繁栄をもたらしているという。この通りを見たときにまず感じたのは空が広いと言うことなのだ。江戸も明治26年も電気はなかったのだろうから電信柱やましてや電線などというものもなかったのは当然だが、空を細かく切り刻んでいる電線というものがない空は広いのだ。もちろん現在でも電線などを地中の共同溝に埋設して、電柱のない街並みというのはあるのだが、蔵造りの街並みはここだけだろう。この空を刻んだのは正月の子供達の凧揚げだけだったろうと思うと、気持ちがタイムスリップして着流し雪駄履きで歩くか、はたまた尻っ端折りしてぼてふり(棒手振)などしてみようかなどと空想が広がったものだ。まあ、千葉から電車4本乗り継いで3時間近くかけて行った甲斐があったというものだ。
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