そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

こりゃひどい開発だ!

2007-12-11 | 政治と金

根室平野の北を流れる標津川は河口近くに、見事な湿原を抱えた豊かな地域だった。数多く071211_4syukuの先史時代の遺跡も残っている。

ここが、国営の大型草地開発の手が入ったのは30年ほど前である。そして、事業が終わって20年経ち、こ草地が放棄されようとしている。草がロクにできないのである。誰も使わない舗装道路が空しい。

もともと湿原だったところである。、暗渠や明渠の溝を無数に入れて作られた071211_33syukuが、結局は牧草は出来ないのである。牧草は乾燥地のアルカリ性土壌の植物である。湿原は酸性土壌地でしかも水分が多い。たった20年で、写真のような湿原性の草に覆われてしまった。

加えて、酪農家が減少し最近では牛の頭数も減っている。公共牧場として、少しの間使われて いた牧場は、大きな環境破壊と、多大な利益を土建屋に残して終焉した。

これらに使われたお金は、すべて農業予算である。公共事業として使われる農業事業は「基盤整備事業」と呼ばれて、そのほとんどが土木事業である。農家に還元されることはほとん071211_35syukuどない。特に、ヨーロッパとはこの点が大きく異なる。

ここに今、湿原を破壊して川を真っ直ぐにた反省が何もなく、20億円の巨費を投じて河川を元に戻すと言うのである。直線化して排水路とした河川の、ほんのごく一部を元の川に戻すと言うのである。極めて一部である。

20億円もの投資をするのであれば、この牧草地にした場所を湿原に戻すことの方がよっぽど、土建事業にはならずその分金がかからない。第一、河川の保水力が増し水質が浄化される。

新たな環境破壊と、土建屋の儲け話である。財政破綻を訴えて、消費税の増額を訴えながらも、土建屋には食わす金はあるのだ。恐ろしい国である。


羅臼港

春誓い羅臼港