ブッシュがイラク侵攻に根も葉もない「大量破壊兵器」の存在を理由にしたことが、今ではすっかりばれてしまっている。そんなものがないばかりか、アル・カイダとの関連もなかった。その後、反発を食らって関係ができたようであるが、とにかく石油以外の理由は存在しなかったのである。
今度は、ペルシャ湾に空母を二隻も待たせ、いつイラン攻撃にブッシュが踏み切るかは時間 の問題と思われていた。
ところが、イランの核兵器開発に関する調査報告書が米中央情報局(CIA)などから3日に出された。報告書は、「イランは2003年から核兵器計画を停止している」と、機密文書を公開したのである。
ブッシュが何度も主張していた、イランの核兵器開発の疑惑など存在しなかったのである。昨日記者会見でこのことを、記者から突っ込まれると「イランはかつて~危険で、今後も危険な国家であることに変わりない」と返答している。この男の論理も何も通じないのである。
この報告書は、米国政府の各省庁をまたぐ形で16情報機関が「国家情報評価(National Intelligence Estimate) 」を結成し、報告書を作成した。要するに、イラクでもそうであったが、ブッシュの足元のものですらちゃんとした事実を突きつけても、彼は戦争をやりたかったのである。
ハドリー大統領補佐官は、「全体的には我々の政策の正しさが証明された良い報告書である」とよく解らない回答をしている。いずれにせよ、ブッシュの任期のこともあるが、イラン攻撃は当分理由を探せなくなったことも事実であり、朗報であろう。