「九条の会」の第2回全国交流会が、東京都で開かれる。大江健三郎、小田実、井上ひさし、澤地久枝、三木睦子、奥平康弘、加藤周一、鶴見俊輔、梅原猛が呼び掛け発足して、3年半になる。集会には、1000名を超える人たちが集るとのことでる。
この3年半の間に、全国で6817もの「九条の会」が結成されている。当地のような田舎でも「九条の会」を結成して、東京の事務局に登録している。参加の要請もあったが、当会の活動内容と連帯を表明して、会の発展を祈念した。
九条の会は、憲法九条を守るとする一点で結成されている。護憲派は当然のことながら、日米安保支持者までと幅が広い。会の多様性と、草の根的な市民活動はユニークで強力なものがある。
就任早々憲法改正を打ち出し着々と、世情とはかけ離れた復古的国粋主義者の安倍晋三が迷走して、危機感が高まったおかげで、更に九条の会は全国に広がった。7月の選挙では、自民党の政策のトップに据え置かれていた、憲法改正は事実上お蔵入りになっている。
政治的には、自衛隊恒久法や防衛省の昇格などで、改憲派は当面の看板を下げたに過ぎず、着々と軍事力の強化を行っている。改憲のためには、民主党の協力が必要ようである。改憲は、形を変えより巧妙になって来るものと思われる。
私たちの九条の会では、戦争の恐さもさることながら平和の意味を様々な形で確認し合うことで、戦争をしないことの大切さを確認している。戦前に、忠臣愛国少年で自ら国家のために立ち上がりながら、終戦で隠蔽されていた多くのことを知り、九条の大切さを語ってくれる人や、平和学を教える人たちに話をいただいたりしている。
どんな理屈を並べても、戦争は人殺しである。私の父も戦争で死んだ。東条英機の、戦陣訓を忠実に守って自害したのである。
本当の意味での平和は、戦争がないことではなく多くの人たちが、自らの権利を守りながら豊かに暮らせることである。決して他人や他国の権利や存在を侵害することではないのである。”平和”を”安全保障”に言い替えて、自国の権利や利権を主張することではないのである。