そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

アメリカの選択に注目

2007-12-23 | 政治と金

米国下院が18日に、新たなエネルギー法案を圧倒的多数で可決した。この法案の骨子は、石油使用を減らすための効率アップと、バイオ燃料の開発である。This_hydrogen_fuel_cell_car_is_lead

まず乗用車の燃費効率を40%下げるというものである。現在、リットル当たり9.6キロのところを、15キロに2020年までに引き上げるというものである。この考え方は、順序として正しいがあまりにも短期間の実現は、技術的・経済的側面から見て、不可能なのは明白である。

また、バイオ燃料への比重を高め、2020年までに現在の5倍の360億ガロンにする目標をたてた。ただし、トウモロコシへの依存は、2015年までに、150億ガロンに止め残りを新たな原料にするとするのであ55 る。

新たな原料を、廃棄食料や産業廃棄物に求めるというのである。これまた順序として正しい。食糧市場を現在で再混乱させている、トウモロコシの大量使用に枠をはめる、この考え方は当然である。

しかしながら、最も力を入れようとしていたスウィッチグラスの依存は怪しいものがある。未肥料で無限の収量があるようなことを言っていたが、葦のようなこの作物が、無肥料無灌漑で永続的に採れるわけがない。エネルギー転換効率は、輸送も含め懐疑的である。

産廃や食糧廃棄物の収集についても、コストの問題が必ず浮上する。環境やエネルギーのことを考慮すると、それらのことは無視してでもやらなければならないことであるが、市場経済優先国家でどこまで可能であるか、はなはだ疑問である。

こうしてこの法案全般を俯瞰してみると、ブッシュの人気取りのパフォーマンスとしか思えない現実が見えてくるのである。

コメント (1)
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