■群馬高専の電子情報工学科を舞台に発生した陰湿極まるアカデミックハラスメント(アカハラ)事件。この忌まわしい事件に関連する情報公開請求に対して、群馬高専側が存否応答拒否を含む完全不開示決定をしたため、当会は異議申立てを経て1年ほどかかってようやく群馬高専側の存否応答拒否を引っ込めさせました。そこで再度、群馬高専側にアカハラに関する情報開示請求をしたのですが、またもや全面不開示処分とされてしまいました。当会は現在、群馬高専の上級機関である国立高等専門学校機構を被告として、不開示処分取消請求のための行政訴訟を行っています。その第5回口頭弁論が、2017年7月7日(金)14時25分から東京地裁5階の522号法廷で開かれ、7月14日(金)に、被告が口頭でコメントした結果をまとめた仕訳表(ヴォ―ン・インデックス)が東京地裁からFAXで当会事務局あてに送られてきました。
↑地裁から送られてきた仕訳表。↑
**********PDF ⇒ 20170714_fax_from_tokyo_chisai.pdf
<P1>
事件番号 平成28年(行ウ)第499号
法人文書不開示処分取消請求事件
原告 市民オンブズマン群馬
被告 独立行政法人国立高等専門学校機構
ファクシミリ送信書
平成29年7月14日
原告 市民オンブズマン群馬
小川賢 様
FAX番号 00-0000-0000
〒100-8920 東京都千代田区霞が関1-1-4
東京地方裁判所民事第3部B2係
裁判所書記官 佐 藤 春 徳
電話03-3581-0497
FAX 03-3580-5706
頭書の事件について,下記の文書を送付します。
送信枚数3枚(本書を含む。)
記
(通信欄)裁判所整理案
<P2>
平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件(被告の主張)
1●ハラスメント行為を行ったとされている者(申告の対象者):氏名
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告の対象者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
2●ハラスメント行為を行ったとされている者(申告の対象者):所属(属性)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告の対象者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
3●ハラスメント行為を受けたと申告した者(申告者):氏名
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
4●ハラスメント行為を受けたと申告した者(申告者):所属(属性)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
5●申告の経緯
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査担当者,調査対象者。なお,開示請求①の文書(以下,開示請求①ないし③の文書を「①」ないし「③」という。)には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人【調査担当者,調査対象者も含むか。】が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告者,申告の対象者のプライバシー
6●申告された事実:ハラスメントとされる行為に至った経緯
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎〇法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
7●申告された事実:申告者と申告の対象者との関係
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
8●申告された事実:ハラスメントとされる行為の具体的内容,時期、頻度
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
9●申告された事実:申告者が説明する被害の内容
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
10●申告された事実:申告者が見聞きした,申告者以外を対象とするハラスメントとされる行為の内容
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告者,申告の対象者,関係する教職員,及び学生のプライバシー
11●申告された事実:申告者以外のハラスメントの相手方の氏名,所属(属性)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○(属性のみ)
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒ハラスメントとされる行為の相手方(教職員及び学生)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○
・誰のどのような権利利益か等⇒ハラスメントとされる行為の相手方(教職員及び学生)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
<P3>
12●同校において行った調査:期間・概要・方法
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒調査対象者(申告者,申告の対象者を含む)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料を照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○法5条4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
・誰のどのような権利利益か ⇒調査対象者(申告者,申告の対象者を含む)のプライバシー
13●同校において行った調査:調査に至った経緯,調査担当者,調査結果(いずれも関係当事者からの具体的な聴取内容,関係当事者の実名を含む)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒調査対象者(申告者,申告の対象者を含む)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料を照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者,ハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)及び調査対象者のプライバシー
14●申告の対象者への対応の概要
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒―
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒―
・誰の個人識別情報か等⇒―
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
15●学校としての今後の対応方針
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒―
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒―
・誰の個人識別情報か等⇒―
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
16●文書の作成者の氏名・肩書
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○(②)
・誰の個人識別情報か等⇒申告者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
17●文書の作成年月日
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒―
・誰の個人識別情報か等⇒―
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
18●文書の表題
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒【被告が主張を補充予定】
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
■※ 1~4行目の申告の対象者及び申告者の氏名・所属・属性は,それ以下の行に記載されている他の情報(11,16,17,1行を除く。)に含まれている。
■※ 11行目の申告者以外のハラスメントの相手方の氏名,所属(属性)は,「申告された事実」の6,8~10行の情報に含まれている。
**********
■当会は原告として、7月7日の第5回口頭弁論で陳述した主張、及び、裁判所が作成した関連文書の仕訳表案について、被告側が同日陳述した内容をもとに裁判所が改めてまとめて7月14日付で当会に送られてきた上記ヴォーン・インデックスの内容の妥当性について検討を加えました。
被告側主張を反映したヴォーン・インデックスを分析した結果について、その内容を注意深く見ると、被告側は開示請求対象文書①、つまり、アカハラについて学校側から学生およびその保護者向けに配布された文書について、その主張を大幅に後退させていることが分かります。
すなわち、学校として行った調査の期間及び概要、およびその結果については法6条2項にあたらないとする主張を撤回しているとともに、申告の対象者への対応の概要については不開示の主張を完全に放棄しているのです。
言い換えれば、すでに開示が確定している箇所(学校としての対応、作成年月日、作成者(西尾前校長))も含め、①対象文書のうち半分以上については開示されることがほぼ確定したということです。
この背景としては、被告側としても、保護者への説明文書までもを全面不開示とするのはさすがに苦しいと判断し、守るべきところを固めるために不開示の主張を一部放棄したのでしょうが、このようなトカゲのしっぽに惑わされることなく、粛々と全文書の開示に向けて主張していきたいと考えます。
■上述の分析結果等をもとに、当会は原告として次の原告準備書面(4)を、7月19日付で、東京地裁と被告訴訟代理人弁護士事務所宛に簡易書留にて郵送で提出しました。
*****送付書兼受領書*****PDF ⇒ tei4j2017.7.19.pdf
送付書・受領書
〒104-0061
東京都中央区銀座5丁目7番1号 江島屋ビル7階
被告訴訟代理人
弁護士 木 村 美 隆 殿
平成29年7月19日
〒371-0801
前橋市文京町一丁目15-10
原 告 市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢
TEL 027-224-8567 / FAX 027-224-6624
送 付 書
事件の表示 : 御 庁 平成28年(行ウ)第499号
当 事 者 : 原 告 市民オンブズマン群馬
被 告 独立行政法人 国立高等専門学校機構
次回期日 : 平成29年9月1日(金)午後3時00分
下記書類を送付致します。
1 原告準備書面(4) 1通
2 証拠説明書(甲14) 1通
3 甲第14号証 1通
以 上
--------------------切らずにこのままでお送り下さい--------------------
受 領 書
上記書類、本日受領致しました。
平成29年 月 日
被 告 独立行政法人 国立高等専門学校機構
被告訴訟代理人
弁護士
東京地方裁判所民事第3部B2係(佐藤春徳書記官殿)御中 :FAX 03-3580-5706
市民オンブズマン群馬事務局(事務局長 鈴木庸)あて :FAX 027-224-6624
*****原告準備書面(4)*****PDF ⇒ i4j20170719opr2.pdf
<P1>
事件番号 平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件
原告 市民オンブズマン群馬
被告 独立行政法人国立高等専門学校機構
平成29年7月19日
東京地方裁判所民事第3部B2係 御中
原告準備書面(4)
原告 市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢
平成29年7月7日の第4回口頭弁論期日における貴裁判所の指揮に基づき、同7月14日に被告の主張としてFAXにて送られてきた法人文書不開示対象文書の仕訳表、いわゆるヴォーン・インデックスについて、原告は次のとおり主張を追加する。
1 審理全般に関わる原告側の主張
(1)被害者・関係者の文書開示に対する意思及びそのヴォーン・インデックス(以下「整理欄」という。)への反映について
行政機関の保有する情報の公開に関する法律、ならびに独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)およびそれに類する法律・条例により成るわが国の情報公開制度においては、開示請求先の文書は「不開示情報が記載されている場合を除き」原則として開示されることが規定されている。この但し書きは字面通りに、文書の隅に一片でも不開示情報あるいは不開示情報と解釈できてしまえるような情報が入っていれば、機械的に文書全体を不開示とするものを認めるものではなく、当然のことながらそ
<P2>
のような運用(消極的開示・積極的不開示)は法の理念あるいは趣旨に著しく反したものである。つまり、文書保有側の機関が開示に際して可能な限りの検討と努力を払い、なお且つそれでも不開示とせざるを得ないと認められる場合にのみ行政機関は法に沿って必要最小限の箇所を不開示(積極的開示・消極的不開示)とすることが許されるのである。
ここで、被告側による本件開示対象文書に係る関係者・被害者に対する文書開示への意思確認の必要性については、原告準備書面(2)第3の1において説示したとおりである。しかしながら、被告側は原告側のこの主張について黙殺し、本来なすべき作業である意思確認を行わず、法の趣旨にそぐわない積極的不開示を為そうとしており、これは明らかに開示すべく可能な限りの検討と努力を払ったとは言えず、不開示とする権利の濫用に他ならない。
また、被告は平成29年6月30日付被告準備書面においても、引き続き乙6(長崎地裁判決)を引用し、関係者らのプライバシー保護のための不開示の正当性を主張するが、原告準備書面(2)第3の1において説明した通り、当該判決は「当該被告高専が被害者に開示に関する意思確認を行い、それが開示を強く拒絶するものであった」ことを前提にしてなされたものであり、被害者・関係者への意思確認が未だなされていない本事件にそのまま適用するのは著しく失当である。
むしろ、乙6に係る事件においてすらその被告がなした意思確認行為を、未だに不作為とし、審理に際してすら被害者・関係者の意思を不透明なままにして、主体者の権利・利益から離れた「プライバシー」を理由に積極的に不開示としている被告の主張の奇異さを際立たせるものでしかないと言ってよい。
ここで、原告として改めて、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「保護法」という。)第9条2項の1、および消極的開示・積極的不開示を認めない法の行政文書原則公開の趣旨に則り、各開示請求先文書に関して、開示に同意ないしは開示を
<P3>
希望する関係者の有無や、関係者のうち全体何名が開示に同意ないし開示を希望しているのかを反映する欄を、本事件に関わる整理欄に追記することを強く求める。
また、被告に対しては、同様に保護法第9条2項の1、および消極的開示・積極的不開示を認めない法の行政文書原則公開の趣旨に則って、開示請求先文書に係る関係者・被害者への開示に対する意思確認、およびその結果の整理欄への反映を求める。仮に行う必要がないと主張する場合は、被告による関係者・被害者への意思確認義務を積極的に否定するような法的根拠の提示を強く求める。
(2)インカメラ審理の導入について
整理欄に記載された被告側の不開示事由について、原告においては次節で個々に詳細な検討を行うが、結論だけをこの項に書けば、実際に原告が入手している文書と被告主張との比較検討、あるいは各主張の妥当性の検討を通じて、被告側が文書や事件の実態を整理欄に正確に反映しているとは言い難い箇所が非常に多く、被告側の主張は客観的に見ても信用のおけるものであると見ることが困難である。
したがって、本事件に関しては、裁判所による直接的な証拠調べを経た最終的な開示・不開示の妥当性判断(インカメラ審理)の導入を強く求める。
2 整理欄に記載された被告側主張の妥当性に関する個別検討
(1)整理欄1および2(申告の対象者の氏名・属性)について
申告の対象者の氏名・属性の開示が許されうることは、原告準備書面(3)の第2にて反論した通りであるが、被告側はこれに対して実効的な反論を本準備書面提出日に至るま
<P4>
で何らなしていない。依然として不開示の主張を続けるのであれば、意味のある説明を行うことを原告として強く求めるものである。
(2)整理欄3および4(申告者の氏名・属性)について
被告は不開示事由として法5条1号(個人識別情報の開示による個人の権利利益の侵害)を挙げるが、被告が当該申告者に対し開示の諾否を確認したという事実はない。また、被告は同様に不開示事由として法5条4号を挙げるが、原告準備書面第3の2の(2)において説示した通り、そもそも文書開示によって人事に悪影響が及ぼされる場合というのは、申告者あるいは調査対象者の意思に反して文書開示が行われる場合を仮定したものなのであって、申告者の意思確認をなしていないにも関わらず法5条4号に基づき不開示を主張するのは失当と言うほかない。
(3)整理欄5(申告の経緯)について
被告はこの欄、法5条1号に関わる不開示事由について、「申告者、申告の対象者、調査担当者(ママ)、調査対象者。なお、開示請求①の文書(以下、開示請求①ないし③の文書を『①』ないし『③』という。)には、特定の個人の氏名の記載はないが、本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると、上記の個人が識別され得る。」と説明する。また、さらに不開示事由として法5条4号を挙げ、さらに法6条2項に関しても申告者、申告対象者のプライバシーを不開示事由に挙げている。
これに関する原告としての反論は、基本的には訴状及び原告準備書面(1)~(3)で示した通りであるが、被告はこれに対して有意な反論をほとんどなしていない。
ここで、さらに具体的に被告の主張の妥当性を確かめるため、関係者より原告に提供された開示請求①対象文書のうちの1つ(アカデミックハラスメント事件に関して、当時学
<P5>
校長が保護者向けに発した文書)を証拠甲14号として提出のうえ、検証のためのサンプルとして用いる。なお、甲14号はプライバシー保護、およびに核心的な個人情報を除いては文書記載内容に個人識別情報がなく、開示可能であることを証明するため、原告の手により関係者の氏名・属性等の核心的な個人情報を黒塗りしている。
さて、当該文書を見ると、記載されている「申告の経緯」は以下のとおりである。
(引用はじめ)
「まず、このことに関するこれまでの経緯をご説明します。平成26年12月24日付けで、XXXX(所属学科)科工学科の教員からハラスメントについての申立書が提出されました。事案の性質にかんがみ、詳細について触れることは差し控えさせていただきたいと思いますが、主たる内容は、XXX(申告の対象者の属性)が当該教員及び同学科の他の教員1名、及び複数の学生に対し、ハラスメントとみなされる行為を行っていることを指摘し、それへの対応を求めるものです。」
(引用おわり)
これを見る限り、属性を黒塗りにした上であれば個人の識別が不可能であるのは明らかであり、まして、該当箇所をどのように見ても、調査担当者や調査対象者の個人識別情報は見当たらない。
原告準備書面(3)第3の1(1)に示したとおり、すでに被告(群馬高専)の教員が少なくとも他の教員や学生に対しハラスメントとみなされる行為を行っていたこと、およびそれに対して告発がなされたことは存否応答より公的にすでに明らかになっているのだから、この箇所を開示することによってかかる人物に特段の不利益が生じるとは到底認めることはできない。加えて言えば、被告は開示請求対象①の文書について、整理欄12~17に該当する箇所は最低でも部分開示が可能であることをすでに認めているが、これらの箇所と「該当高専の教員の誰かによりアカデミックハラスメントと見做される行為がな
<P6>
され、それに対し告発がなされ、該当高専において調査がなされた」という事実は表裏一体なのであるから、ことさらにこの箇所だけを法6条2項に該当しないことを根拠に不開示とする理由が見当たらない。
さらに、すでに開示請求①にかかる文書自体が、百世帯以上、つまり学生とその保護者合わせて数百人に対して配布され、すでに内容が認知されているのだから、ことさらに不開示とする理由はなく、被告の主張は明らかに失当である。
(4)整理欄6~8(ハラスメントとされる行為に至った経緯、申告者と申告の対象者との関係、ハラスメントとされる行為の具体的内容、時期、頻度)について
これらについても被告は法5条1号および同4号、さらに法6条2項にあたらないことを不開示事由としているが、これらについては原告側としてすでに原告準備書面(1)~(3)において反論をなしている。しかし被告側はほとんど有意な反論をすることなく同様の主張を継続しており、原告として甚だ遺憾である。同様の主張を継続するのであれば、当を得た反論を行うことを強く被告に要求するものである。
(5)整理欄9~11(申告者が説明する被害の内容、申告者が見聞きした申告者以外を対象とするハラスメントとされる行為の内容、申告者以外のハラスメントの相手方の氏名、所属(属性))について
これらについても被告は法5条1号および同4号、さらに法6条2項にあたらないことを不開示事由としているが、これらについては原告側としてすでに原告準備書面(1)~(3)において反論をなしている。しかし被告側はほとんど有意な反論をすることなく同様の主張を継続しており、原告として甚だ遺憾である。同様の主張を継続するのであれば、当を得た反論を行うことを強く被告に要求するものである。
<P7>
また特に、原告準備書面(2)第3の2の(1)において説示したとおり、申告の対象者の具体的行動から離れた、申告者や他のハラスメント被害者の被害状況単体については、当然申告の対象者のプライバシーとは見なされ得ないのであり、これについて「申告の対象者のプライバシー」を法6条2項に関わる不開示事由に含める被告の主張は著しく失当であり、半ば虚偽ですらあると指摘せざるを得ない。
(6)整理欄12~13(同校において行った調査の期間・概要・方法、および調査に至った経緯、調査担当者、調査結果(いずれも当事者からの具体的な聴取内容、関係当事者の実名を含む。))について
これらについても被告は法5条1号および同4号、さらに法6条2項にあたらないことを不開示事由としているが、これらについては原告側としてすでに原告準備書面(1)~(3)において反論をなしている。しかし被告側はほとんど有意な反論をすることなく同様の主張を継続しており、原告として甚だ遺憾である。同様の主張を継続するのであれば、当を得た反論を行うことを強く被告に要求するものである。
また特に、被告自身が認める通り、文書①の当該箇所については部分開示が可能であったのであり、被告が行った全面文書不開示処分は当然失当だったのであるから、原告準備書面(3)第3の1の(1)に引き続き、被告の答弁書における「請求の趣旨に対する答弁」の2について、却下を求める。
(7)整理欄14~17(申告の対象者への対応の概要、学校としての今後の対応方針、文書の作成者の氏名・肩書、文書の作成年月日)について
<P8>
被告は法5条1号および同4号を根拠に開示請求②文書の作成者(申告者)の氏名・肩書を不開示としているが、この判断は申告者本人に対する意思確認が前提なのであって、この処分は失当であると言わざるをえない。
その他についての不開示事由については、被告は従来の主張を大幅に撤回しているため、原告として行う反論はないが、被告に対し迅速かつ加工なき開示を強く求める。
また特に、被告自身が認める通り、文書①~③の当該箇所については開示が可能であったのであり、被告が行った全面文書不開示処分は当然失当だったのであるから、原告準備書面(3)第3の1の(1)に引き続き、被告の答弁書における「請求の趣旨に対する答弁」の2について、却下を求める。
(8)整理欄18(文書の表題)について
仮にすべての文書表題に学科名といった識別情報が含まれており、法5条を理由に不開示が認められるとして、その部分のみを墨塗りすれば開示可能なのであるから、あまり議論の余地があるようには思われないが、しかしこの点については、被告が主張を補充予定であるということで、被告の反論をまって原告として再反論を行うかどうか決定することとする。
以上
*****証拠説明書*****PDF ⇒ ib14j20170719.pdf
事件番号 平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件
原告 市民オンブズマン群馬
被告 独立行政法人国立高等専門学校機構
平成29年7月19日
東京地方裁判所民事第3部B2係 御中
証 拠 説 明 書(甲14)
原告 市民オンブズマン群馬
代表 小 川 賢 ㊞
●号証:甲14
〇標目:■■■■工学科■年生の保護者の皆様へ
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成27年4月1日
〇作成者:被告群馬高専
〇立証趣旨:プライバシー保護、およびに核心的な個人情報を除いては文書記載内容に個人識別情報がなく、開示可能であることを証明するため。なお、原告の手により関係者の氏名・属性等の核心的な個人情報を黒塗りしている。
以上
*****甲第14号証*****
PDF ⇒ b14iflj20170719.pdf
**********
■この事件の次回第6回口頭弁論期日は9月1日(金)の午後3時から東京地裁5階522号法廷で開かれます。
それまでの間、本日送った原告準備書面(4)を踏まえて、8月18日(金)までに被告から反論の準備書面(4回目)が提出されてくることになります。この反論の内容次第では、原告として、さらに原告準備書面(5)を8月25日(金)までに提出することにしています。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
↑地裁から送られてきた仕訳表。↑
**********PDF ⇒ 20170714_fax_from_tokyo_chisai.pdf
<P1>
事件番号 平成28年(行ウ)第499号
法人文書不開示処分取消請求事件
原告 市民オンブズマン群馬
被告 独立行政法人国立高等専門学校機構
ファクシミリ送信書
平成29年7月14日
原告 市民オンブズマン群馬
小川賢 様
FAX番号 00-0000-0000
〒100-8920 東京都千代田区霞が関1-1-4
東京地方裁判所民事第3部B2係
裁判所書記官 佐 藤 春 徳
電話03-3581-0497
FAX 03-3580-5706
頭書の事件について,下記の文書を送付します。
送信枚数3枚(本書を含む。)
記
(通信欄)裁判所整理案
<P2>
平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件(被告の主張)
1●ハラスメント行為を行ったとされている者(申告の対象者):氏名
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告の対象者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
2●ハラスメント行為を行ったとされている者(申告の対象者):所属(属性)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告の対象者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
3●ハラスメント行為を受けたと申告した者(申告者):氏名
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
4●ハラスメント行為を受けたと申告した者(申告者):所属(属性)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
5●申告の経緯
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査担当者,調査対象者。なお,開示請求①の文書(以下,開示請求①ないし③の文書を「①」ないし「③」という。)には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人【調査担当者,調査対象者も含むか。】が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告者,申告の対象者のプライバシー
6●申告された事実:ハラスメントとされる行為に至った経緯
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎〇法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
7●申告された事実:申告者と申告の対象者との関係
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
8●申告された事実:ハラスメントとされる行為の具体的内容,時期、頻度
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
9●申告された事実:申告者が説明する被害の内容
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者及びハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)のプライバシー
10●申告された事実:申告者が見聞きした,申告者以外を対象とするハラスメントとされる行為の内容
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒―
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒申告者,申告の対象者,調査対象者,関係する教職員及び学生
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告者,申告の対象者,関係する教職員,及び学生のプライバシー
11●申告された事実:申告者以外のハラスメントの相手方の氏名,所属(属性)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○(属性のみ)
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒ハラスメントとされる行為の相手方(教職員及び学生)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○
・誰のどのような権利利益か等⇒ハラスメントとされる行為の相手方(教職員及び学生)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
<P3>
12●同校において行った調査:期間・概要・方法
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒調査対象者(申告者,申告の対象者を含む)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料を照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○法5条4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
・誰のどのような権利利益か ⇒調査対象者(申告者,申告の対象者を含む)のプライバシー
13●同校において行った調査:調査に至った経緯,調査担当者,調査結果(いずれも関係当事者からの具体的な聴取内容,関係当事者の実名を含む)
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒調査対象者(申告者,申告の対象者を含む)。なお,①には,特定の個人の氏名の記載はないが,本件高専が公表している他の資料を照らし合わせると,上記の個人が識別され得る。
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(③)
・誰のどのような権利利益か ⇒申告の対象者,ハラスメントとされる行為の相手方(申告者を含む)及び調査対象者のプライバシー
14●申告の対象者への対応の概要
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒―
◎不開示事由(法5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒―
・誰の個人識別情報か等⇒―
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
15●学校としての今後の対応方針
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒―
・開示請求③の文書 ⇒―
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒―
・誰の個人識別情報か等⇒―
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
16●文書の作成者の氏名・肩書
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○(②)
・誰の個人識別情報か等⇒申告者
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒○(②③)
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
17●文書の作成年月日
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒―
・誰の個人識別情報か等⇒―
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
18●文書の表題
◎各文書の記載内容:
・開示請求①の文書(3通全て)⇒○
・開示請求②の文書(2通全て)⇒○
・開示請求③の文書 ⇒○
◎不開示事由(第5条):
○1号本文前段
・主張の有無 ⇒○
・誰の個人識別情報か等⇒【被告が主張を補充予定】
○4号へ
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
◎○法6条2項に係る主張
・主張の有無(括弧内は主張する文書)⇒―
・誰のどのような権利利益か ⇒―
■※ 1~4行目の申告の対象者及び申告者の氏名・所属・属性は,それ以下の行に記載されている他の情報(11,16,17,1行を除く。)に含まれている。
■※ 11行目の申告者以外のハラスメントの相手方の氏名,所属(属性)は,「申告された事実」の6,8~10行の情報に含まれている。
**********
■当会は原告として、7月7日の第5回口頭弁論で陳述した主張、及び、裁判所が作成した関連文書の仕訳表案について、被告側が同日陳述した内容をもとに裁判所が改めてまとめて7月14日付で当会に送られてきた上記ヴォーン・インデックスの内容の妥当性について検討を加えました。
被告側主張を反映したヴォーン・インデックスを分析した結果について、その内容を注意深く見ると、被告側は開示請求対象文書①、つまり、アカハラについて学校側から学生およびその保護者向けに配布された文書について、その主張を大幅に後退させていることが分かります。
すなわち、学校として行った調査の期間及び概要、およびその結果については法6条2項にあたらないとする主張を撤回しているとともに、申告の対象者への対応の概要については不開示の主張を完全に放棄しているのです。
言い換えれば、すでに開示が確定している箇所(学校としての対応、作成年月日、作成者(西尾前校長))も含め、①対象文書のうち半分以上については開示されることがほぼ確定したということです。
この背景としては、被告側としても、保護者への説明文書までもを全面不開示とするのはさすがに苦しいと判断し、守るべきところを固めるために不開示の主張を一部放棄したのでしょうが、このようなトカゲのしっぽに惑わされることなく、粛々と全文書の開示に向けて主張していきたいと考えます。
■上述の分析結果等をもとに、当会は原告として次の原告準備書面(4)を、7月19日付で、東京地裁と被告訴訟代理人弁護士事務所宛に簡易書留にて郵送で提出しました。
*****送付書兼受領書*****PDF ⇒ tei4j2017.7.19.pdf
送付書・受領書
〒104-0061
東京都中央区銀座5丁目7番1号 江島屋ビル7階
被告訴訟代理人
弁護士 木 村 美 隆 殿
平成29年7月19日
〒371-0801
前橋市文京町一丁目15-10
原 告 市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢
TEL 027-224-8567 / FAX 027-224-6624
送 付 書
事件の表示 : 御 庁 平成28年(行ウ)第499号
当 事 者 : 原 告 市民オンブズマン群馬
被 告 独立行政法人 国立高等専門学校機構
次回期日 : 平成29年9月1日(金)午後3時00分
下記書類を送付致します。
1 原告準備書面(4) 1通
2 証拠説明書(甲14) 1通
3 甲第14号証 1通
以 上
--------------------切らずにこのままでお送り下さい--------------------
受 領 書
上記書類、本日受領致しました。
平成29年 月 日
被 告 独立行政法人 国立高等専門学校機構
被告訴訟代理人
弁護士
東京地方裁判所民事第3部B2係(佐藤春徳書記官殿)御中 :FAX 03-3580-5706
市民オンブズマン群馬事務局(事務局長 鈴木庸)あて :FAX 027-224-6624
*****原告準備書面(4)*****PDF ⇒ i4j20170719opr2.pdf
<P1>
事件番号 平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件
原告 市民オンブズマン群馬
被告 独立行政法人国立高等専門学校機構
平成29年7月19日
東京地方裁判所民事第3部B2係 御中
原告準備書面(4)
原告 市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢
平成29年7月7日の第4回口頭弁論期日における貴裁判所の指揮に基づき、同7月14日に被告の主張としてFAXにて送られてきた法人文書不開示対象文書の仕訳表、いわゆるヴォーン・インデックスについて、原告は次のとおり主張を追加する。
1 審理全般に関わる原告側の主張
(1)被害者・関係者の文書開示に対する意思及びそのヴォーン・インデックス(以下「整理欄」という。)への反映について
行政機関の保有する情報の公開に関する法律、ならびに独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)およびそれに類する法律・条例により成るわが国の情報公開制度においては、開示請求先の文書は「不開示情報が記載されている場合を除き」原則として開示されることが規定されている。この但し書きは字面通りに、文書の隅に一片でも不開示情報あるいは不開示情報と解釈できてしまえるような情報が入っていれば、機械的に文書全体を不開示とするものを認めるものではなく、当然のことながらそ
<P2>
のような運用(消極的開示・積極的不開示)は法の理念あるいは趣旨に著しく反したものである。つまり、文書保有側の機関が開示に際して可能な限りの検討と努力を払い、なお且つそれでも不開示とせざるを得ないと認められる場合にのみ行政機関は法に沿って必要最小限の箇所を不開示(積極的開示・消極的不開示)とすることが許されるのである。
ここで、被告側による本件開示対象文書に係る関係者・被害者に対する文書開示への意思確認の必要性については、原告準備書面(2)第3の1において説示したとおりである。しかしながら、被告側は原告側のこの主張について黙殺し、本来なすべき作業である意思確認を行わず、法の趣旨にそぐわない積極的不開示を為そうとしており、これは明らかに開示すべく可能な限りの検討と努力を払ったとは言えず、不開示とする権利の濫用に他ならない。
また、被告は平成29年6月30日付被告準備書面においても、引き続き乙6(長崎地裁判決)を引用し、関係者らのプライバシー保護のための不開示の正当性を主張するが、原告準備書面(2)第3の1において説明した通り、当該判決は「当該被告高専が被害者に開示に関する意思確認を行い、それが開示を強く拒絶するものであった」ことを前提にしてなされたものであり、被害者・関係者への意思確認が未だなされていない本事件にそのまま適用するのは著しく失当である。
むしろ、乙6に係る事件においてすらその被告がなした意思確認行為を、未だに不作為とし、審理に際してすら被害者・関係者の意思を不透明なままにして、主体者の権利・利益から離れた「プライバシー」を理由に積極的に不開示としている被告の主張の奇異さを際立たせるものでしかないと言ってよい。
ここで、原告として改めて、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「保護法」という。)第9条2項の1、および消極的開示・積極的不開示を認めない法の行政文書原則公開の趣旨に則り、各開示請求先文書に関して、開示に同意ないしは開示を
<P3>
希望する関係者の有無や、関係者のうち全体何名が開示に同意ないし開示を希望しているのかを反映する欄を、本事件に関わる整理欄に追記することを強く求める。
また、被告に対しては、同様に保護法第9条2項の1、および消極的開示・積極的不開示を認めない法の行政文書原則公開の趣旨に則って、開示請求先文書に係る関係者・被害者への開示に対する意思確認、およびその結果の整理欄への反映を求める。仮に行う必要がないと主張する場合は、被告による関係者・被害者への意思確認義務を積極的に否定するような法的根拠の提示を強く求める。
(2)インカメラ審理の導入について
整理欄に記載された被告側の不開示事由について、原告においては次節で個々に詳細な検討を行うが、結論だけをこの項に書けば、実際に原告が入手している文書と被告主張との比較検討、あるいは各主張の妥当性の検討を通じて、被告側が文書や事件の実態を整理欄に正確に反映しているとは言い難い箇所が非常に多く、被告側の主張は客観的に見ても信用のおけるものであると見ることが困難である。
したがって、本事件に関しては、裁判所による直接的な証拠調べを経た最終的な開示・不開示の妥当性判断(インカメラ審理)の導入を強く求める。
2 整理欄に記載された被告側主張の妥当性に関する個別検討
(1)整理欄1および2(申告の対象者の氏名・属性)について
申告の対象者の氏名・属性の開示が許されうることは、原告準備書面(3)の第2にて反論した通りであるが、被告側はこれに対して実効的な反論を本準備書面提出日に至るま
<P4>
で何らなしていない。依然として不開示の主張を続けるのであれば、意味のある説明を行うことを原告として強く求めるものである。
(2)整理欄3および4(申告者の氏名・属性)について
被告は不開示事由として法5条1号(個人識別情報の開示による個人の権利利益の侵害)を挙げるが、被告が当該申告者に対し開示の諾否を確認したという事実はない。また、被告は同様に不開示事由として法5条4号を挙げるが、原告準備書面第3の2の(2)において説示した通り、そもそも文書開示によって人事に悪影響が及ぼされる場合というのは、申告者あるいは調査対象者の意思に反して文書開示が行われる場合を仮定したものなのであって、申告者の意思確認をなしていないにも関わらず法5条4号に基づき不開示を主張するのは失当と言うほかない。
(3)整理欄5(申告の経緯)について
被告はこの欄、法5条1号に関わる不開示事由について、「申告者、申告の対象者、調査担当者(ママ)、調査対象者。なお、開示請求①の文書(以下、開示請求①ないし③の文書を『①』ないし『③』という。)には、特定の個人の氏名の記載はないが、本件高専が公表している他の資料と照らし合わせると、上記の個人が識別され得る。」と説明する。また、さらに不開示事由として法5条4号を挙げ、さらに法6条2項に関しても申告者、申告対象者のプライバシーを不開示事由に挙げている。
これに関する原告としての反論は、基本的には訴状及び原告準備書面(1)~(3)で示した通りであるが、被告はこれに対して有意な反論をほとんどなしていない。
ここで、さらに具体的に被告の主張の妥当性を確かめるため、関係者より原告に提供された開示請求①対象文書のうちの1つ(アカデミックハラスメント事件に関して、当時学
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校長が保護者向けに発した文書)を証拠甲14号として提出のうえ、検証のためのサンプルとして用いる。なお、甲14号はプライバシー保護、およびに核心的な個人情報を除いては文書記載内容に個人識別情報がなく、開示可能であることを証明するため、原告の手により関係者の氏名・属性等の核心的な個人情報を黒塗りしている。
さて、当該文書を見ると、記載されている「申告の経緯」は以下のとおりである。
(引用はじめ)
「まず、このことに関するこれまでの経緯をご説明します。平成26年12月24日付けで、XXXX(所属学科)科工学科の教員からハラスメントについての申立書が提出されました。事案の性質にかんがみ、詳細について触れることは差し控えさせていただきたいと思いますが、主たる内容は、XXX(申告の対象者の属性)が当該教員及び同学科の他の教員1名、及び複数の学生に対し、ハラスメントとみなされる行為を行っていることを指摘し、それへの対応を求めるものです。」
(引用おわり)
これを見る限り、属性を黒塗りにした上であれば個人の識別が不可能であるのは明らかであり、まして、該当箇所をどのように見ても、調査担当者や調査対象者の個人識別情報は見当たらない。
原告準備書面(3)第3の1(1)に示したとおり、すでに被告(群馬高専)の教員が少なくとも他の教員や学生に対しハラスメントとみなされる行為を行っていたこと、およびそれに対して告発がなされたことは存否応答より公的にすでに明らかになっているのだから、この箇所を開示することによってかかる人物に特段の不利益が生じるとは到底認めることはできない。加えて言えば、被告は開示請求対象①の文書について、整理欄12~17に該当する箇所は最低でも部分開示が可能であることをすでに認めているが、これらの箇所と「該当高専の教員の誰かによりアカデミックハラスメントと見做される行為がな
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され、それに対し告発がなされ、該当高専において調査がなされた」という事実は表裏一体なのであるから、ことさらにこの箇所だけを法6条2項に該当しないことを根拠に不開示とする理由が見当たらない。
さらに、すでに開示請求①にかかる文書自体が、百世帯以上、つまり学生とその保護者合わせて数百人に対して配布され、すでに内容が認知されているのだから、ことさらに不開示とする理由はなく、被告の主張は明らかに失当である。
(4)整理欄6~8(ハラスメントとされる行為に至った経緯、申告者と申告の対象者との関係、ハラスメントとされる行為の具体的内容、時期、頻度)について
これらについても被告は法5条1号および同4号、さらに法6条2項にあたらないことを不開示事由としているが、これらについては原告側としてすでに原告準備書面(1)~(3)において反論をなしている。しかし被告側はほとんど有意な反論をすることなく同様の主張を継続しており、原告として甚だ遺憾である。同様の主張を継続するのであれば、当を得た反論を行うことを強く被告に要求するものである。
(5)整理欄9~11(申告者が説明する被害の内容、申告者が見聞きした申告者以外を対象とするハラスメントとされる行為の内容、申告者以外のハラスメントの相手方の氏名、所属(属性))について
これらについても被告は法5条1号および同4号、さらに法6条2項にあたらないことを不開示事由としているが、これらについては原告側としてすでに原告準備書面(1)~(3)において反論をなしている。しかし被告側はほとんど有意な反論をすることなく同様の主張を継続しており、原告として甚だ遺憾である。同様の主張を継続するのであれば、当を得た反論を行うことを強く被告に要求するものである。
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また特に、原告準備書面(2)第3の2の(1)において説示したとおり、申告の対象者の具体的行動から離れた、申告者や他のハラスメント被害者の被害状況単体については、当然申告の対象者のプライバシーとは見なされ得ないのであり、これについて「申告の対象者のプライバシー」を法6条2項に関わる不開示事由に含める被告の主張は著しく失当であり、半ば虚偽ですらあると指摘せざるを得ない。
(6)整理欄12~13(同校において行った調査の期間・概要・方法、および調査に至った経緯、調査担当者、調査結果(いずれも当事者からの具体的な聴取内容、関係当事者の実名を含む。))について
これらについても被告は法5条1号および同4号、さらに法6条2項にあたらないことを不開示事由としているが、これらについては原告側としてすでに原告準備書面(1)~(3)において反論をなしている。しかし被告側はほとんど有意な反論をすることなく同様の主張を継続しており、原告として甚だ遺憾である。同様の主張を継続するのであれば、当を得た反論を行うことを強く被告に要求するものである。
また特に、被告自身が認める通り、文書①の当該箇所については部分開示が可能であったのであり、被告が行った全面文書不開示処分は当然失当だったのであるから、原告準備書面(3)第3の1の(1)に引き続き、被告の答弁書における「請求の趣旨に対する答弁」の2について、却下を求める。
(7)整理欄14~17(申告の対象者への対応の概要、学校としての今後の対応方針、文書の作成者の氏名・肩書、文書の作成年月日)について
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被告は法5条1号および同4号を根拠に開示請求②文書の作成者(申告者)の氏名・肩書を不開示としているが、この判断は申告者本人に対する意思確認が前提なのであって、この処分は失当であると言わざるをえない。
その他についての不開示事由については、被告は従来の主張を大幅に撤回しているため、原告として行う反論はないが、被告に対し迅速かつ加工なき開示を強く求める。
また特に、被告自身が認める通り、文書①~③の当該箇所については開示が可能であったのであり、被告が行った全面文書不開示処分は当然失当だったのであるから、原告準備書面(3)第3の1の(1)に引き続き、被告の答弁書における「請求の趣旨に対する答弁」の2について、却下を求める。
(8)整理欄18(文書の表題)について
仮にすべての文書表題に学科名といった識別情報が含まれており、法5条を理由に不開示が認められるとして、その部分のみを墨塗りすれば開示可能なのであるから、あまり議論の余地があるようには思われないが、しかしこの点については、被告が主張を補充予定であるということで、被告の反論をまって原告として再反論を行うかどうか決定することとする。
以上
*****証拠説明書*****PDF ⇒ ib14j20170719.pdf
事件番号 平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件
原告 市民オンブズマン群馬
被告 独立行政法人国立高等専門学校機構
平成29年7月19日
東京地方裁判所民事第3部B2係 御中
証 拠 説 明 書(甲14)
原告 市民オンブズマン群馬
代表 小 川 賢 ㊞
●号証:甲14
〇標目:■■■■工学科■年生の保護者の皆様へ
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成27年4月1日
〇作成者:被告群馬高専
〇立証趣旨:プライバシー保護、およびに核心的な個人情報を除いては文書記載内容に個人識別情報がなく、開示可能であることを証明するため。なお、原告の手により関係者の氏名・属性等の核心的な個人情報を黒塗りしている。
以上
*****甲第14号証*****
PDF ⇒ b14iflj20170719.pdf
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■この事件の次回第6回口頭弁論期日は9月1日(金)の午後3時から東京地裁5階522号法廷で開かれます。
それまでの間、本日送った原告準備書面(4)を踏まえて、8月18日(金)までに被告から反論の準備書面(4回目)が提出されてくることになります。この反論の内容次第では、原告として、さらに原告準備書面(5)を8月25日(金)までに提出することにしています。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】