■ジブチ観光で外せないのは、首都のジブチ市から西へ約100キロのところにある「ラカッサル」と呼ばれる塩湖ツアーです。今回で3度目のジブチ取材ですが、毎回訪れています。
ツアーといっても、現地で運転手つきの4輪駆動車を1日1万4千円で借り上げて、自分達で行かなければなりません。今回は、いつもはミニバスとして使われている8人乗り(うち2名は運転手と助手)のトヨタランドクルーザーを借り上げて、往復6時間の塩湖及び地熱地帯ツアーをしました。
↑ランクルの後部座席を改造して、左右にロングシートをしつらえ、3人ずつ計6名の乗客をのせて遠方の町まで運ぶミニバス。
↑眠気予防に運転手が噛み始めたKhat(カット)という覚醒作用のある草。日本では麻薬の一種として禁止。↑
↑途中、雲が垂れこめて雨滴がポツポツとウインドウガラスを叩いたが、じきに止んだ。↑
「ラカッサル」とはアッサル湖(Lake Assal)をフランス語読みで発音したものです。海抜マイナス153mにあるアフリカでもっとも低い標高の地点としても知られています。
↑塩湖に向かって坂道を下り続ける。前方に塩湖が見える。↑
日本では美しい海岸の風景を例えて「白砂青松」と言いいますが、ジブチでは、真っ青な空を映しだした青い水に映える真っ白な砂浜、と思いきやこれが全部塩なのですから、いつ見ても不思議な光景です。さしずめ、「青空白塩」とでも言いましょうか。
↑塩湖の波打ち際。↑
■今回、1年3カ月ぶりにアッサル湖を訪れてみると、塩浜が20mほど沖合に伸びていました。それだけ塩が析出して固まったようです。とにかく、何もしなくても、湖の水が蒸発して、塩が自然にできてしまうのです。しかし、水面は一定です。雨が全然降らず、水がどんどん蒸発しているのに、なぜ湖は干上がらないのでしょうか。
↑岸辺に寄せる波かと思いきや、盛りあがった塩の結晶群。↑
それは、湖から等年部に10キロほど離れたタジュラ湾から海水が地層を浸み渡って、湖に流入しているからです。この地層は、地熱地帯にあるため、浸み込んできた海水は地熱で熱せられてから湖に湧きだします。
■湖自体も海面下の擂り鉢状になっていて、気温が高くなっており、水分がどんどん蒸発します。こうして、天然の大規模な製塩システムが誰の手も借りずに日々稼働しているのです。
↑塩浜の波打ち際の様子。↑
以前は、この塩を掘りとってラクダに積んで、塩のない内陸国のエチオピアに大量の塩が販売されていました。ところが最近、エチオピアでも岩塩が発見されたため、塩の需要が減ってしまいました。それも、余計に塩浜が沖に向かって広がっている原因の一因かもしれません。
↑日々成長する塩の結晶。↑
↑最近誰かが落としたペットボトルのキャップにもこのとおり塩が付着して真っ白に。↑
↑成長した塩の結晶はこのようにポキッと折って収穫できるが、素手だと塩の結晶の角で手を傷つけないように注意が必要だ。↑
■地学的データによりますと、アッサル湖はアフリカ大地溝帯の北端に位置する火口湖で、湖面は長さ10 km、幅7 kmあり、表面積は54 km2あります。平均水深は7.4mしかなく、貯水量は4億m³あります。湖の集水域面積は900 km2ですが、肝心の雨が降りません。前述のように水源はタジュラ湾から浸み出す海水ですので、無尽蔵と言えます。
↑高温の海水が湧出している場所。この辺りは踏みしめる砂も熱くなっていて裸足ではつらい。↑
↑源泉が湧き出る場所を示す運転手。↑
地熱で熱せられるため、湖水は地球上で最も塩濃度が高い34.8%であり、これは死海よりも高濃度です。最大水深部である深さ20mの湖底では、なんと39.8%もの塩濃度が測定されたそうです。
■今回はたまたま、珍しく塩を採取している光景に出くわせました。海水がそのまま蒸発して塩になっているため、ミネラルが豊富です。食卓用の塩として、日本で「ジブチの天然塩」で売り出せば人気商品間違いないと思われます。
↑塩を採取中のラクダ隊。↑
↑作業が終わり帰途につくラクダ隊。無尽蔵の塩湖の塩に比べて、手作業で収穫した塩は余りにも少ない。↑
この他、海水が熱湯として湧きだしている場所や、マグマが固まった石がごろごろ散らばっている広大なジブチ版「鬼押し出し」には、「風穴」ならぬ「熱穴」とでも証したくなるような、熱風の噴き出す場所もあちこちにあります。そうでなくても暑い気候なのに、「熱穴」付近では、まるでサウナに入っているかのようです。外国の援助機関が、ジブチに対して地熱発電計画を真剣に提案している理由も容易に理解できます。
↑塩湖の近くの地熱地帯にある「熱風穴」。↑
↑石を拾ってみると火山石だ。↑
↑さながらジブチ版“鬼押出し”といった風情。↑
【ひらく会情報部海外取材班・この項つづく】
ツアーといっても、現地で運転手つきの4輪駆動車を1日1万4千円で借り上げて、自分達で行かなければなりません。今回は、いつもはミニバスとして使われている8人乗り(うち2名は運転手と助手)のトヨタランドクルーザーを借り上げて、往復6時間の塩湖及び地熱地帯ツアーをしました。
↑ランクルの後部座席を改造して、左右にロングシートをしつらえ、3人ずつ計6名の乗客をのせて遠方の町まで運ぶミニバス。
↑眠気予防に運転手が噛み始めたKhat(カット)という覚醒作用のある草。日本では麻薬の一種として禁止。↑
↑途中、雲が垂れこめて雨滴がポツポツとウインドウガラスを叩いたが、じきに止んだ。↑
「ラカッサル」とはアッサル湖(Lake Assal)をフランス語読みで発音したものです。海抜マイナス153mにあるアフリカでもっとも低い標高の地点としても知られています。
↑塩湖に向かって坂道を下り続ける。前方に塩湖が見える。↑
日本では美しい海岸の風景を例えて「白砂青松」と言いいますが、ジブチでは、真っ青な空を映しだした青い水に映える真っ白な砂浜、と思いきやこれが全部塩なのですから、いつ見ても不思議な光景です。さしずめ、「青空白塩」とでも言いましょうか。
↑塩湖の波打ち際。↑
■今回、1年3カ月ぶりにアッサル湖を訪れてみると、塩浜が20mほど沖合に伸びていました。それだけ塩が析出して固まったようです。とにかく、何もしなくても、湖の水が蒸発して、塩が自然にできてしまうのです。しかし、水面は一定です。雨が全然降らず、水がどんどん蒸発しているのに、なぜ湖は干上がらないのでしょうか。
↑岸辺に寄せる波かと思いきや、盛りあがった塩の結晶群。↑
それは、湖から等年部に10キロほど離れたタジュラ湾から海水が地層を浸み渡って、湖に流入しているからです。この地層は、地熱地帯にあるため、浸み込んできた海水は地熱で熱せられてから湖に湧きだします。
■湖自体も海面下の擂り鉢状になっていて、気温が高くなっており、水分がどんどん蒸発します。こうして、天然の大規模な製塩システムが誰の手も借りずに日々稼働しているのです。
↑塩浜の波打ち際の様子。↑
以前は、この塩を掘りとってラクダに積んで、塩のない内陸国のエチオピアに大量の塩が販売されていました。ところが最近、エチオピアでも岩塩が発見されたため、塩の需要が減ってしまいました。それも、余計に塩浜が沖に向かって広がっている原因の一因かもしれません。
↑日々成長する塩の結晶。↑
↑最近誰かが落としたペットボトルのキャップにもこのとおり塩が付着して真っ白に。↑
↑成長した塩の結晶はこのようにポキッと折って収穫できるが、素手だと塩の結晶の角で手を傷つけないように注意が必要だ。↑
■地学的データによりますと、アッサル湖はアフリカ大地溝帯の北端に位置する火口湖で、湖面は長さ10 km、幅7 kmあり、表面積は54 km2あります。平均水深は7.4mしかなく、貯水量は4億m³あります。湖の集水域面積は900 km2ですが、肝心の雨が降りません。前述のように水源はタジュラ湾から浸み出す海水ですので、無尽蔵と言えます。
↑高温の海水が湧出している場所。この辺りは踏みしめる砂も熱くなっていて裸足ではつらい。↑
↑源泉が湧き出る場所を示す運転手。↑
地熱で熱せられるため、湖水は地球上で最も塩濃度が高い34.8%であり、これは死海よりも高濃度です。最大水深部である深さ20mの湖底では、なんと39.8%もの塩濃度が測定されたそうです。
■今回はたまたま、珍しく塩を採取している光景に出くわせました。海水がそのまま蒸発して塩になっているため、ミネラルが豊富です。食卓用の塩として、日本で「ジブチの天然塩」で売り出せば人気商品間違いないと思われます。
↑塩を採取中のラクダ隊。↑
↑作業が終わり帰途につくラクダ隊。無尽蔵の塩湖の塩に比べて、手作業で収穫した塩は余りにも少ない。↑
この他、海水が熱湯として湧きだしている場所や、マグマが固まった石がごろごろ散らばっている広大なジブチ版「鬼押し出し」には、「風穴」ならぬ「熱穴」とでも証したくなるような、熱風の噴き出す場所もあちこちにあります。そうでなくても暑い気候なのに、「熱穴」付近では、まるでサウナに入っているかのようです。外国の援助機関が、ジブチに対して地熱発電計画を真剣に提案している理由も容易に理解できます。
↑塩湖の近くの地熱地帯にある「熱風穴」。↑
↑石を拾ってみると火山石だ。↑
↑さながらジブチ版“鬼押出し”といった風情。↑
【ひらく会情報部海外取材班・この項つづく】
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