■もともとウラジオストクは、「金角湾(きんかくわん)」と呼ばれるブーメラン形に湾曲した入江を挟んで、街並みは南北に分かれています。
金角湾という名前の湾は、トルコのイスタンブールにもあります。キリスト教時代、コンスタンティノーブルと呼ばれた東ローマ帝国の中心地でしたが、東ローマ帝国の継承を自称するロシア帝国からソ連邦を経て、今またロシア連邦となったいまでも、東のコンスタンティノーブルとして、ウラジオストックにも金角湾という名前が付いていることは、ロシア人の想いと歴史の経緯を感じさせます。
↑ウラジオストク市中心部と金角湾を示す地図。↑
ロシア語の発音では「ヴラジヴォストーク」で、「ヴォストーク」は「東」、「ヴラジ-」は「領有・支配する」を意味しています。名前の意味の通り、ロシアの東方政策の拠点となる軍事・商業都市でした。
↑金角湾を囲む岸辺には、無数のクレーンが立ち並び、軍港、商業港、漁港、船の修理ドック、フェリーターミナルなどが、びっしりと並ぶ。写真左の青いコンテナクレーン2台を最近中国から輸入したが、寒冷地仕様になっていないため、使用許可が取れないという。↑
日本では明治時代に浦塩(潮)斯徳、略して浦塩(潮)と呼んでいました。ナマコが沢山獲れたことから、台湾では「ナマコの入り江」を意味する中国(清帝国)領時代の名称、海參崴(ハイシェンウェイ)と呼び、一方、中国ではロシア語のとおり符拉迪沃斯托克と呼びます。
■ウラジオストクは、日本の標準時のある明石市よりもずっと西の緯度にあるのに、時差は日本より1時間早く、夏時間(3月から10月)は2時間も早くなっています。従って、冬至に近い今頃では、午前8時でもまだ真っ暗です。
年平均気温は+4.6℃ですが、大陸から冷たく乾いた風が吹きつける冬季の1月はマイナス12.6℃、モンスーンの影響で湿った空気の流れ込む夏季の8月はプラス19.6℃になります。この中間の季節は、大陸と海の温度が同じくらいになるため、風が治まり穏やかな気候になります。
年間降水量は823.9mm(1971-2000年平均)ですが、年によって変動があり、雨量が少ないとすぐに水不足になるそうです。降雪は、山間部では10月末から、沿岸部では11月末から始りますが、ウラジオストク市内では降雪は少ないと言われています。しかし、先週末は、日本海を低気圧が通ったためか、風が強く大雪に見舞われています。
↑ウラジオストク市民によると、12年ぶりの大雪とのこと。空港も閉鎖され、ウラジオストク航空の機材のやりくりの不手際さで、結局45時間も空港に留め置かれた。写真は同航空が新規導入した6機のツポレフTu204-300型機のうちの1機。↑
■丘陵地帯のウラジオストクには坂道が多く、平坦な場所があまりありません。雪が降ると、除雪が間に合わず、あちこちで車が立ち往生し始めます。日本からの中古車で四輪駆動車がとりわけ人気がある理由は、坂道と雪道に強いことが、こちらにきてよくわかります。
↑この時期、ウラジオストクでは冬晴れの日が多いが、夜は風が強く、マイナス15度Cで風速20メートルの場合、体感温度はマイナス30度Cになる。写真は雪かきに精出す市民ら。↑
【ひらく会海外取材班・この項つづく】
金角湾という名前の湾は、トルコのイスタンブールにもあります。キリスト教時代、コンスタンティノーブルと呼ばれた東ローマ帝国の中心地でしたが、東ローマ帝国の継承を自称するロシア帝国からソ連邦を経て、今またロシア連邦となったいまでも、東のコンスタンティノーブルとして、ウラジオストックにも金角湾という名前が付いていることは、ロシア人の想いと歴史の経緯を感じさせます。
↑ウラジオストク市中心部と金角湾を示す地図。↑
ロシア語の発音では「ヴラジヴォストーク」で、「ヴォストーク」は「東」、「ヴラジ-」は「領有・支配する」を意味しています。名前の意味の通り、ロシアの東方政策の拠点となる軍事・商業都市でした。
↑金角湾を囲む岸辺には、無数のクレーンが立ち並び、軍港、商業港、漁港、船の修理ドック、フェリーターミナルなどが、びっしりと並ぶ。写真左の青いコンテナクレーン2台を最近中国から輸入したが、寒冷地仕様になっていないため、使用許可が取れないという。↑
日本では明治時代に浦塩(潮)斯徳、略して浦塩(潮)と呼んでいました。ナマコが沢山獲れたことから、台湾では「ナマコの入り江」を意味する中国(清帝国)領時代の名称、海參崴(ハイシェンウェイ)と呼び、一方、中国ではロシア語のとおり符拉迪沃斯托克と呼びます。
■ウラジオストクは、日本の標準時のある明石市よりもずっと西の緯度にあるのに、時差は日本より1時間早く、夏時間(3月から10月)は2時間も早くなっています。従って、冬至に近い今頃では、午前8時でもまだ真っ暗です。
年平均気温は+4.6℃ですが、大陸から冷たく乾いた風が吹きつける冬季の1月はマイナス12.6℃、モンスーンの影響で湿った空気の流れ込む夏季の8月はプラス19.6℃になります。この中間の季節は、大陸と海の温度が同じくらいになるため、風が治まり穏やかな気候になります。
年間降水量は823.9mm(1971-2000年平均)ですが、年によって変動があり、雨量が少ないとすぐに水不足になるそうです。降雪は、山間部では10月末から、沿岸部では11月末から始りますが、ウラジオストク市内では降雪は少ないと言われています。しかし、先週末は、日本海を低気圧が通ったためか、風が強く大雪に見舞われています。
↑ウラジオストク市民によると、12年ぶりの大雪とのこと。空港も閉鎖され、ウラジオストク航空の機材のやりくりの不手際さで、結局45時間も空港に留め置かれた。写真は同航空が新規導入した6機のツポレフTu204-300型機のうちの1機。↑
■丘陵地帯のウラジオストクには坂道が多く、平坦な場所があまりありません。雪が降ると、除雪が間に合わず、あちこちで車が立ち往生し始めます。日本からの中古車で四輪駆動車がとりわけ人気がある理由は、坂道と雪道に強いことが、こちらにきてよくわかります。
↑この時期、ウラジオストクでは冬晴れの日が多いが、夜は風が強く、マイナス15度Cで風速20メートルの場合、体感温度はマイナス30度Cになる。写真は雪かきに精出す市民ら。↑
【ひらく会海外取材班・この項つづく】
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