市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

ぐんま赤い糸プロジェクト参加費の男女差について、群馬県に公開質問した回答結果…!?

2024-06-13 11:54:54 | 県内の税金無駄使い実態

ぐんま赤い糸プロジェクト(通称:あいぷろ)/ぐんまスマイルライフのロゴ・マーク

■4月下旬に当会事務局に、県内在住の40代男性の方から電話を頂きました。

 男性の話によると、群馬県が提供している行政サービスで「ぐんま赤い糸プロジェクト」というサービスを利用し、婚活パーティに参加しようと考えて、先日「群馬県デジタル窓口」内で「LINE版あいぷろ通信」に登録し、その婚活パーティの開催日程などを通知してもらえるようにしたそうです。

 そして、その後、パーティ開催の通知が男性に届いたので、さっそく内容を確認し、参加しようと思ったところ、そのパーティの詳細を確認すると、男性と女性の間で参加費用に差があることに疑問を抱き、男性は参加するのを断念したとのことです。

 男性は、参加を断念した理由について、次の考えを示しました。

(1)公では法の元に平等で、公では性別による差別はされないと謳っていること。
(2)すなわち、憲法の第14条「国民は法の下に平等で性別などの社会的関係において差別されない」に基づいた関連法令に関する基本理念であること。(3)また、群馬県でもその関係法令に基づき群馬県男女共同参画推進条例が制定されていること。
(4)にも関わらず、県(公)の名前のお墨付きの婚活事業なのに、男女間で参加費用に差がある民間のサービスを提供しているのは、矛盾しており、強い違和感を禁じ得ないこと。
(5)実際に、婚活の参加費が男子6000円で女子4000円とか。男子3000円で女子2000円というふうに男女差を設けていること。
(6)群馬県の担当者に理由を尋ねたところ、「女子の参加が少ない傾向があるので、少し安くして女子の参加を促している」という趣旨の説明をしていること。

 そして「ついては、この婚活サービス提供事業に関して、調査していただき、サービスを是正するよう、当局と話していただけますと幸いです」という要請をいただきました。

■この相談事案について、当会会員の皆さんの間でも、以下に示す通り、さまざまな意見が示されました。

・憲法14条には「絶対的平等」の他に「相対的平等」がある。相対的平等とは何が何でも平等にするのではなく、各人の性別、能力、年齢、財産、職業などの種々の差異を前提として、同一の事情と条件の下では均等に取り扱うことである。

・これを婚活パーティに当てはめて考えた場合、いわゆる「かわいい」女子の参加料は500円で、そうでない女子の参加料は1000円とするのはダメだが、婚活パーティのニーズの差からくる男女間の参加人数の違いから、女子1000円で、男子3000円という差を設けることには合理性があるので、群馬県の説明は一概に違憲性は問えないのではないか。

・例えば、趣旨目的は異なるかもしれないが、「学割」や「60歳以上無料」などと同類という気がしないでもない。

・確かに、この問題については、民間業者が婚活パーティを主催する場合は、それぞれの主催者がターゲットとする男子、女子のカップル成立の戦略により、相対的平等でもよいと思われる。

・しかし、行政が主導して行う場合は、やはり会費を同じにする方が合理的である。なぜなら、相談者が言うように「県が群馬県男女共同参画推進条例を制定しているにも関わらず、県(公)の名前のお墨付きで男女間で参加費用に差がある民間のサービスを提供しているのは矛盾している」という主張は、筋が通っていると思われるからだ。

・実際に、下記のURLなどで調べてみると、男女間で参加費用に差のない婚活パーティを開催しているケースもある。
※参考にしたURL↓
○男女平等なのに…? 「婚活パーティー」の参加費、なぜ男性の方が高い? | オトナンサー (otonanswer.jp)
○婚活パーティーで男性の参加費が高いのは男性差別?その理由や弊害は?|アラフォー男性の結婚応援団~うまくいかない婚活にサヨナラ (arafour-kekkon.com)
○婚活パーティーの参加費が女性より男性が高い理由(男性差別、少子化)<生きる知恵ブログ> - 生きる知恵 (ikiruchie.com)
他多数。

・したがって、行政が主導するからには、行政が定めた条例の趣旨に反するような形での婚活パーティ等のサービスを提供する業者を行政自身が県民に対して紹介する事業は、矛盾しているという相談者の指摘には一定の合理性があると思える。

 こうした当会会員の忌憚のない見解をまとめた結果、群馬県には、行政が主体となって婚活サービスを行う場合はもとより、業務委託のかたちで「赤い糸」事業を民間の力を借りて推進するのであれば、婚活男女間で参加費用に差のない婚活イベントやサービスを提供する業者を対象にすべきだというふうに申し入れるのがよいのではないか、という方針を当会として確認しました。

 なぜなら、当会のオンブズマン活動の行動規範に照らして、活動目的である①税金の無駄遣い、②行政の不当な権限の行使による県民の不利益の是正の観点に合致すると考えられるからです。そのため、知事あてに次の公開質問を行い、県側の見解を問い、その結果を公表することにしました。

*****5/2県知事宛公開質問*****
                       令和6年5月2日
〒371-8570群馬県前橋市大手町1丁目1-1
群馬県知事 山本一太 様
(群馬県生活こども課少子化対策係 御中)
Tel:027-223-1111(代表) 027-226-2392(あいぷろ窓口) FAX:027-226-2100(生活こども課)

            〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
            市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢
            TEL: 090-5302-8312(代表・小川)
            FAX: 027-224-6624(事務局)

   男女間差別のある群馬県の行政サービス是正について(公開質問)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。
 さて、本年4月24日に当会事務局に、県内在住の40代男性のかたから、次の内容の相談が寄せられました。
  「私は、群馬県の行政サービスで『ぐんま赤い糸プロジェクト』)、というサービスを利用し婚活パーティに参加しようと考えています。先日『群馬県デジタル窓口』内で『LINE版あいぷろ通信』、というものに登録し、その婚活パーティの開催日程などを通知してもらえるようにしました。
   ある日、その通知内容を確認し参加しようと思ったところ、そのパーティの詳細を確認すると男性と女性の間で参加費用に差があることに疑問を抱き、参加するのをやめました。理由は以下となります。
   ①公では法の元に平等で、公では性別による差別はされないと謳っております。
   ②憲法第14条も「国民は法の下に平等で性別などの社会的関係において差別されない」と定めており、その関連法令もあります。
   ③群馬県でもその関係法令に基づき群馬県男女共同参画推進条例というものが制定されています。
   ④にも関わらず、県(公)の名前のお墨付きで、男女間で参加費用に差がある民間のサービスを提供しているのは如何なものなのか?矛盾しているのではないか?」
 この相談内容について、当会で協議した結果、群馬県に行政サービスの適否や改善の要否について、確認が必要との結論に至りました。つきましては、本件行政サービスに関する以下の質問に係る貴殿の見解をお聞かせください。なお公務多忙の折、誠に恐縮ですが、令和6年5月17日(金)必着で、上記連絡先まで文書あるいはFAXでご回答ください。
【質問1】当該行政サービスは、憲法や条例の趣旨に照らして是正する必要があるとお考えですか?必要の有無およびその理由をご教示ください。
【質問2】出会いの場の企画・実施に際して、男女の参加費を同等に設定している企業・店舗等業者も少なからず存在していますが、こうした業者を「協賛団体」として選定することへの賛否およびその理由をご教示ください。
                               敬具
**********

 すると、5月22日付で、次の回答が届きました。

*****5/17県からの回答FAX*****
05.17 17:19 群馬県こども政策課  0272262100 #9683 P 1/3    1

       FAX送信票
               群馬県生活こども部生活こども課
                TEL 027-226-2392
                FAX O27-226-2100
令和6年5月17日  送信枚数 3(送信票を含む)
宛先:市民オンブズマン群馬代表 小川 賢 様 (027-224-6624)
発信者:群馬県生活こども部生活こども課 政策推進室少子化対策係
件名:当課へお寄せいただいた御質問への回答について
内容:
 日頃より、群馬県行政にご理解ご協力を賜り、ありがとうございます。
 さて、過日当課あてにFAXにてお送りいただきました御質間について、別添のとおり回答いたしますので、ご査収の程よろしくお願いします。


=====別添=====




                        (公印省略)
                        生こ第30094-2号
                        令和6年5月17日

市民オンプズマン群馬 代表 小川 賢 様

             群馬県生活こども部生活こども課長  富澤 恵子

      ぐんま赤い糸プロジェクトに関する御質問について(回答)

 令和6年5月2日付けで御質問いただきました件につきまして、下記の通り回答いたします。

【質問1】当該行政サービスは、憲法や条例の趣旨に照らして是正する必要があるとお考えですか?必要の有無及びその理由をご教示ください。

【回答1】
・ぐんま赤い糸プロジェクト(通称「あいぷろ」)は、少子化の要因の一つである未婚化、晩婚化に社会全体で対応するため、結婚を希望しながらも出会いの機会の少ない独身の方に対し、出会いの機会を提供する事業として実施しています。
・本事業は、事業趣旨に賛同する協賛団体(民間企業や団体)がイベントを主催し、県がその情報を「群馬県結婚・子育て応援ポータルサイト『ぐんまスマイルライフ』」で広報するものであり、官民が連携して事業実施しています。
・具体的なイベント内容については、協賛団体において、多くの方に出会いの機会を提供できるよう、試行錯誤の上、決定されています。
・特に、近年は女性のイベント参加者が減少傾向であることから、出会いの機会を等しく参加者に提供するためには、女性の参加率を上げることが大きな課題となっています。イベント参加者へのアンケート調査によると、参加黄用に対する考えについて男女間に差があるため、女性の参加者を増やす1つの方策として、女性の参加費用の軽減措置が講じられています。こうした協賛団体による対応については、効果的なイベント実施の観点から一定の合理性があるものと考えられます。
・男女の参加費用に著しい差が生じないよう配慮しながら、効果的な実施のために、やむを得ず男女で異なる参加費を設定したイベントをあいぷろ事業として実施することは、男女に等しく出会いの機会を提供することや、より多くの出会いの機会を提供する点からも適当と考えています。

【質問2】出会いの場の企画・実施に際して、男女の参加費を同等に設定している企業・店舗等業者も少なからず存在していますが、こうした業者を「協賛団体」として選定することへの賛否およびその理由をご教示ください。

【回答2】
・あいぷろ事業の趣旨に賛同していただける協賛団体につきましては、毎年期間を設け募集を行っており、一定の基準に華づき協賛団体として登録しています。協賛団体において、婚活イベントをあいぷろ事業として実施する際には、男女の参加費用に著しい差が生じないよう参加費の設定をお願いしておりますので、同等に設定していただくことについては当然問題はございません。

                      生活こども課政策推進室
                      少子化対策係
                      TEL: 027-226-2392
**********

■ご覧の通り、生活こども課長名の文書は、当会の質問に対して面と向かおうとしない歯切れの悪い回答となっています。

 このため、5月22日付で、あらためて群馬県としての婚活サービス事業におけるジェンダーの観点から、参加費の男女差についての見解を求めるべく、次の再質問書を提出しました。

*****5/22県宛再質問書*****
                          令和6年5月22日
〒371-8570群馬県前橋市大手町1丁目1-1
群馬県知事 山本一太 様
(群馬県生活こども課少子化対策係 御中)
Tel:027-223-1111(代表) 027-226-2392(あいぷろ窓口) FAX:027-226-2100(生活こども課)

            〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
            市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢
            TEL: 090-5302-8312(代表・小川)
            FAX: 027-224-6624(事務局)

   男女間差別のある群馬県の行政サービス是正について(再質問書)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。弊団体は、税金の無駄使いや行政の不正を追及する市民団体です。
 さて、本年5月2日付で表記に関する公開質問書を貴殿に提出したところ、5月17日付の生こ第30094-2号で「ぐんま赤い糸プロジェクトに関する御質問について(回答)」をFAXにて受信いたしました。
 当会の質問1「当該行政サービスは、憲法や条例の趣旨に照らして是正する必要があるとお考えですか?」について貴殿の回答は「協賛団体において、試行錯誤の上、イベント内容が決定されている」「女性の参加費用の軽減措置は、効果的なイベント実施の観点から一定の合理性がある」「異なる参加費を設定したイベントを(県の)事業として実施することは、より多くの出会いの機会を提供する点からも適当である」というものです。
 また当会の質問2「男女の参加費と同等に設定している業者も少なからず存在しているが、こうした業者の選定についてどういうお考えですか?」について、貴殿の回答は「男女の参加費用に著しい差が生じないように参加費の設定をお願いしており、同等に設定することは当然問題ない」というものです。
 貴殿の回答の意味するところは、「協賛団体に任せている」というものであり、群馬県の定めた「男女共同参画推進条例」の視点からの貴殿の見解を問うた当会の質問の要旨に照らして、違和感を禁じ得ません。
 たまたま5月14日から17日かけて、LINEの「群馬県デジタル窓口」から、直近の「あいぷろイベントの案内」を確認したところ、以下の企画すべてで、男女の参加料が異なっていました。
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23090/ 男性:4,000円 女性:2,000円
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23101/ 男性:2,000円 女性:1,000円
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23118/ 男性:6,000円 女性:3,000円
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23113/ 男性:2,000円 女性:1,000円
 そこで質問です。貴殿は、群馬県男女共同参画推進条例を自ら無視しているのではないでしょうか?そのため、直ちに条例に照らして、本件行政サービスの参加料を男女平等とすべきではないでしょうか?
 この質問に係る貴殿の見解をあらためてお聞かせください。なお公務多忙の折、誠に恐縮ですが、令和6年5月31日(金)必着で、上記連絡先まで文書あるいはFAXでご回答ください。
                             敬具
**********

 この再質問書の回答期限は5月31日とさせていただいておりましたが、こちらへの回答は、現時点で未だに届いておりません。

 群馬県には、今回の婚活にかかる行政サービスにおいても男女間に差別のないものを選定してもらうよう、引き続き申し入れてまいりたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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