■令和3年5月26日(水)13時10分から前橋地裁2階第21号法廷で開かれた第3回口頭弁論で、4月に前任の渡邊裁判長と交替した田中裁判長は、「本事件は本日結審します」と宣言しました。11月16日に提訴してから半年たらずで判決に向けた審理を終えたことになります。これまで多数手がけてきた情報不開示処分取消訴訟のなかでも、画期的な速さで判決日が確定されたことになります。判決はお盆明けの8月18日13時30分に前橋地裁第21号法廷で言い渡されます。
この事件の出訴の経緯については、次のブログを参照ください。
○2020年11月29日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンに加えタゴに1万8526年ローンを許容中の安中市を提訴!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html
○2021年1月14日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンの公社理事会議録の不開示取消訴訟第1回弁論を前に安中市から答弁書↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3264.html
↑5月17日に原市に移転した群馬銀行旧安中支店の建物。右手の張り出し部分が支店長室。ここの応接間で、松井誠支店長(当時)はタゴが現金を下ろしに行くたびに、待ち時間に招き入れて接待をしていた。↑
↑群銀旧安中支店の駐車場。平成7年4月、巨額詐欺横領事件の発覚直前、ここで、板鼻の古城団地の土地ころがしをネタにタゴを恐喝していた夫婦の乗っていた車に、タゴが群銀で下したばかりの1000万円単位の現金を窓越しに渡していた。↑
↑ふたたび、兵どもが夢の跡に。↑
■安中市土地開発公社を舞台に今から26年前の1995年5月18日に安中市役所内部で密かに発覚した地方自治体では史上最大の巨額詐欺横領事件。警察の調べで総額51億円を超える犯罪にも拘らず単独犯とされた元職員タゴは1952年3月生まれで、今年69歳となり、現在高崎市内のT町に住んでいます。
この前代未聞、空前絶後の巨額詐欺横領事件により、現在公社は、群馬銀行に対して債務となる総額24億5000万円のうち、和解と同時に支払った4億円を除く20億5000万円を毎年2000万円ずつクリスマスに群銀に103年かけて支払中です。昨年12月25日に22回目の支払が行われました。
安中市長はいつも財政難を市民に説いていますが、群馬銀行は市土地開発公社のことを優良経営だと評価しています。なぜタゴの横領の尻拭いをしている公社に潤沢な資金が集まり、一般会計がピンチなのか、安中市から納税者市民への説明はありません。
■そのため、公社が群銀との和解20年後の対応のためにタゴからの債権回収をきちんと話し合ったのかどうか、経緯を確認すべく公社理事会の議事録を情報開示請求したところ、市・公社が相当な分量を黒塗りして出してきました。これでは26年前の教訓が全く生かされていません。なので、昨年11月16日に全面開示を求めて安中市を提訴しました。
その後、第1回口頭弁論が今年1月27日(水)10:20、第2回口頭弁論が3月17日(水)10:20、第3回口頭弁論が5月26日(水)13:40からそれぞれ前橋地裁第21号法廷で開かれました。
*****5/26開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
令和3年5月26日 水曜日
○開始/終了/予定:10:10/10:10/弁論
事件番号/事件名:令和元年(ワ)第396号/損害賠償請求事件
当事者:伊藤美津江/富士田貢 外
代理人;下山順/足立進
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:10:20/10:30/第1回弁論
事件番号/事件名:令和3年(ワ)第110号/地位確認等請求事件
当事者:佐藤彩/ケイ・ネクスト株式会社
代理人;高山雄介/木村仁美
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:10/13:20/弁論
事件番号/事件名:令和2年(ワ)第369号/損害賠償請求事件
当事者:亡吉野邦彦訴訟承継人吉野初美 外/木附整形外科医院こと木附哲
代理人;高山昇/岩崎茂雄
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:20/13:30/弁論
事件番号/事件名:令和3年(行ウ)第2号/ゴミ置き場利用請求事件
当事者:中村和夫/太田市
代理人;-/杉浦貴之
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:30/13:40/弁論
事件番号/事件名:令和2年(行ウ)第17号/行政文書不開示処分取消請求事件
当事者:小川賢/安中市
代理人;-/小坂景子
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
**********
5月26日(水)の第3回弁論は、前の裁判が長引いたため10分ほど遅れて開始されました。今回、裁判長がそれまでの渡邊和義判事から4月に田中芳樹判事に交替したため、新しい田中裁判長がどのような訴訟指揮をするのか注目されました。
冒頭、原告住民は、予め提出しておいた準備書面(1)を陳述し、甲号証2件を写しで提出する旨確認したあと、田中裁判長は、原告・被告双方に対して、「主張は出尽くしたと思うがどうか」と尋ねたので、原告住民として「はい、裁判長、原告としての主張はすべて陳述しました」と答えました。すると、裁判長は深く頷き、「では、本日これで結審します」と宣言しました。
■すると、被告訴訟代理人の小坂弁護士が「予定より早く原告準備書面が提出されたので、内容について、検討したところ、いちおう反論しておきたい」という趣旨の申出が裁判長に為されました。
被告安中市訴訟代理人いわく「法的な解釈で反論をしておきたい」とのこと。これを聞いた田中裁判長は、「本日結審とするが、反論するなら早めに願いたい」として3週間以内を指示しました。そのうえで、原告住民に対して「新たな事実関係でなく、法的解釈についてとのことだというが、いずれにしても本日結審します」と改めて宣言しました。
そして、判決は8月18日(水)13時30分であることを告げました。そして原告にむかい「小川さん、判決に際しては出頭しなくてもかまいません」と裁判長が言いました。そこで原告住民として「裁判長、よく存じております。ただし、私、もしくは私が主催する市民団体が提起した訴訟で判決言渡しの際には、できる限り出頭してここに着席しながら判決をお聞きし、直ちに判決文を受領することを、行動指針としております」と裁判長にお伝えしました。
■その後、6月9日付で、FAXにて被告安中市の訴訟代理人の小坂弁護士から、被告準備書面(2)が送信されてきました。
*****送付書兼受領書*****
From:安中法律事務所 027 393 6667 2021/06/09 10:46 #648 P.001/004
送 付 書
令和3年6月9日
送 付 先 前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中 (FAX027-233-0901)
原告 小川 賢 様 (FAX027-381-0364)
送 付 者 被告訴訟代理人
弁護士 小 坂 景 子 ㊞ (TEL027-386-6667)
(FAX027-393-6667)
事件の表示:事件番号 令和2年(行ウ)第17号
事 件 名 行政文書不開示処分取消請求事件
当 事 者 原告 小川 賢
被告 安中市
判決期日 令和3年8月18日(水)午後1時30分
下記受領書を裁判所及び当職迄ご送付くださいますようお願い申し上げます。
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受 領 書
前橋池方裁判所民事第1部合幾係 御中 (FAX027-233-0901)
被告訴訟代理人 弁護士 小坂畏子様行 (FAX027-393-6667)
令和3年6月10日
本日,上記書類を受領いたしました。
原 告 小 川 賢 ㊞
*****被告準備書面2*****
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川 賢
被告 安中市
準備書面2
令和3年6月9日
前橋地方裁判所民事第1部 御中
被告訴訟代埋人
弁護士 小 坂 景 子 印
原告の令和3年4月30日付け原告準備書面(1)に対する認否・反論は,以下のとおりである。
第1 第1項について
1 同1項は,争う。
2 同2項及び3項は,一般論であり認否不要。
3 同4項第1文のうち,103年ローンと呼ばれていることは不知,その余は認め,第2文は否認する。
説明会において,参加者から質問があった事項については,公社及び被告が回答している。そもそも,被告が公社の債務について連帯保証人となった和解については,市民の代表である議会の議決を得ており,当然,原告が主張しているような事情については説明を尽くしている。
4 同5項及び第6項は争う。
被告は,条例を執行する義務を負っており,条例を無視して全てを開示することはできない(地方自治法第138条の2参照)。
5 同7項及び第8項は,概ね認める(条例第7条第2項イ)。
6 同9項は,争う。連帯保証人が,主債務者の会議情報等を全て保有している場合などほとんどない。
第2 第2項について
1 同1項は争う。
2 同2項のうち,公社の職員が,被告の市長部局の職員が兼務していることは認め,その余は否認する。
3 同3項は,認める。
4 同4項のうち,「その業務時問に相当する給与は,すべて被告が支払っており」は否認し,「実質的にも被告と同体である」は争い,その余は概ね認める。
公社の業務に従事している時間は,被告の職務を免除されている。公社と被告は,法的にも実質的にも分けられた別組織である。
5 第5項は,争う。職員は立場を分けて職務を行っており,公社の職員として,公社の職務上作成した文書は,被告の職務上作成した文書ではなく、行政文書には該当しない。
第3 第3項は争う。
原告は、同2項から5項にわたり,仮定の事実に基づき原告の考えを述べているが,本件情報不開示処分と直接の関連性を有しない。
第4 第4項について
1 同1項は概ね認める。
2 同2項は不知。
3 同3項は否認する。
4 同4項については概ね認めるが,債権額は22.2億円である。
5 同5項については,「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)に記載されている内容については認める。
6 同6項は争う。
被告は,適切に公社から債務超過解消に向けた取組に関する情報を得ており,理事会の議論の詳細まで知っておく義務まではない。
第5 第5項について
1 同1項及び2項は認める。
2 同3項は争う。
被告が公社の連体保証人となったのは,訴訟上の和解においてであり,当然,議会の議決も経ている。
3 同4頃 ないし同6項は不知。
4 同7項は争う。公社は,安中市において今後予定している工業団地造成事業及び企業誘致の際の造成等を担っていく重要な責務を有している。
5 同8項のうち,全額完済までの期間は不知,その余は概ね認める。
6 同9項は,否認ないし争う。
7 同10項は争う。
原告が主張する事情は、本件情報不開示処分を取り消す理由とはならない。
以 上
**********
■これだけでは、原告住民の準備書面(1)に対してそれぞれ項目ごとにどのような認否・反論をしているのか分かりずらいため、以下に併記した形で記してみましょう。
*****原告準備書面(1)と被告準備書面(2)の対比*****
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川賢
被告 安中市
原告準備書面(1)
令和3年4月30日
前橋地方裁判所民事部第1部 御中
原告 小 川 賢 印
令和3年3月17日の第2回弁論における裁判長の指揮に基づき、原告は、被告が安中市土地開発公社(以下「公社」という)の理事会会議録の情報を共有していなければならない事由について、次のとおり陳述する。
第1 被告と公社の関係について
1 被告は、答弁書の3ページ目上から4行目で、「公社は、市と密接な関係で業務を行っているが、会計上も独立しており、市と独立した別の法人として位置づけられ、安中市情報公開条例においても同様に位置づけられており、市が公社の連帯保証人となっていたとしても、市が公社理事会の会議録情報を全て保有する義務はない」と主張する。
しかし、これは次の理由で失当である。
【被告認否・反論】同1項は,争う。
2 はじめに、連帯保証人の意味を、類似用語の保証人と比較してその違いを示す。
保証人と連帯保証人は、主債務者(この場合、公社)が返済できなくなった場合、代わりに返済する義務を負うという点では共通性があるものの、主に以下の3点で違いがある。
(1) 貸金業者(この場合、群馬銀行)が(連帯)保証人に対して請求をしてきた場合、保証人であれば「まずは主債務者(公社)に請求してください」と主張することができるが(催告の抗弁)、連帯保証人はそのような主張をすることができない。
(2) 主債務者(公社)が返済できる資力があるにもかかわらず返済を拒否した場合、保証人であれば主債務者に資力があることを理由に、貸金業者(群銀)に対して主債務者の財産に強制執行をするように主張することができるが(検索の抗弁)、連帯保証人はこのような主張をすることができず、主債務者(公社)に資力があっても貸金業者に対して返済しなければならない。
(3) (連帯)保証人が複数いる場合、保証人はその頭数で割った金額のみを返済すればよいのに対して、連帯保証人はすべての人が全額を返済しなければならない。この場合、もちろん、本来返済すべき額を超えて返済する必要があるわけではない。
3 以上のように、保証人に比べて連帯保証人にはより重い責任が課せられている。そのため現在では、保証人ではなく連帯保証人にすることがほとんどである。世間では、連帯保証人となり返済義務が生じたものの、返済できずに問題を抱える人が後を絶たないのが実情である。
【被告認否・反論】同2項及び3項は,一般論であり認否不要。
4 公社が抱えている和解金(市民の間では「103年ローン」とも呼ばれている)と称する群馬銀行への債務について、被告は公社の連帯保証人として、10年ごとに証文を書き換える際に、市民に対して説明会を開いている。しかし、なぜこのような債務が生じたのか、なぜ公社の連帯保証をしなければならないのか、さらには公社が債務をどのように相殺し、返済条件や担保設定、および連帯保証の効果等についての説明は、行われていない。
【被告認否・反論】同4項第1文のうち,103年ローンと呼ばれていることは不知,その余は認め,第2文は否認する。
説明会において,参加者から百問があった事項については,公社及び被告が回答している。そもそも,被告が公社の債務について連帯保証人となった和解については,市民の代表である議会の議決を得ており,当然,原告が主張しているような事情については説明を尽くしている。
5 被告は連帯保証人として、そうした事情説明を市民に対して行う義務があるのだから、当然に、公社から必要な情報を取得しなければならない。
6 今回、公社が黒塗りにした箇所の情報は、被告としても当然知っておかねばならない情報であり、ましてや、被告がさらに自ら追加で黒塗りにした箇所があってはならない。
【被告認否・反論】同5項及び第6項は争う。
被告は,条例を執行する義務を負っており,条例を無視して全てを開示することはできない(地方自治法第138条の2参照)。
7 仮に、安中市情報公開条例や公社情報公開規程に照らして非開示相当と判断される情報があったとしても、それが、安中市民の生命、健康、生活又は財産を保護するため公にすることが必要であれば、開示されなければならない。
8 また、原告開示の趣旨に照らして、開示請求文書の一部に非開示情報が記されている場合、非開示情報に係る部分を除いた残りの部分は開示されなければならない。
【被告認否・反論】同7項及び第8項は,概ね認める(条例第7条第2項イ)。
9 いずれにせよ、公社の連帯保証人である被告には、公社理事会の会議録情報を全て保有する責務があることは明らかであり、被告の主張は失当である。
【被告認否・反論】同9項は,争う。連帯保証人が,主債務者の会議情報等を全て保有している場合などほとんどない。
第2 条例に定める「行政文書」について
1 被告は、証拠説明書の乙1の立証趣旨として「①条例の開示の対象となる『行政文書』とは、実施機関の職員が組織的に用いるものとして、実施機関が保有しているものをいい、公社の職員が作成した文書については、条例上の行政文書には含まれない」と主張するが、失当である。
【被告認否・反論】同1項は,争う。
2 前項で述べた通り、公社の作成した文書は、全て被告が保有しているのが実態である。なぜなら、公社が別法人であるとしても、そこで勤務している職員は、理事長から担当まで、すべて被告の市長部局の職員が兼務しているからである。(甲11)
【被告認否・反論】同2項のうち,公社の職員が,被告の市長部局の職員が兼務していることは認め,その余は否認する。
3 条例第2条第2項(乙1)にも「この条例において『行政文書』とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう」と定めている。
【被告認否・反論】同3項は,認める。
4 そもそも、公社の実態として、その運営に携わる職員は、被告の市長部局の職員が全て兼務していることから、その業務従事時間に相当する給与は、すべて被告が支払っており、公社にはそもそも組織固有の総務や人事など存在せず、執務用の専用スペースもなく、電話もFAXもなく、公社の看板すら見当たらない。すべて被告の施設を共有しており、実質的にも被告と同体である。
【被告認否・反論】同4項のうち,「その業務時問に相当する給与は,すべて被告が支払っており」は否認し,「実質的にも被告と同体である」は争い,その余は概ね認める。
公社の業務に従事している時間は,被告の職務を免除されている。公社と被告は,法的にも実質的にも分けられた別組織である。
5 よって、被告のいう「公社の職員が作成した文書は、被告の職員が作成したのも同然であり、その時点で、被告が受領した文書としてみなすことができるから条例で定める「行政文書」であることは明らかである。
【被告認否・反論】第5項は,争う。職員は立場を分けて職務を行っており,公社の職員として,公社の職務上作成した文書は,被告の職務上作成した文書ではなく、行政文書には該当しない。
第3 被告の公社に対する立場について
1 被告は、証拠説明書の乙1の立証趣旨として「②実施機関としての処分庁には、公社から強制的に情報を提出させることができる権限が与えられているわけではないことなど」と主張するが、失当である。
2 仮に被告の主張するとおり、公社基本金が市の100%であったとしても、公社は市と独立した別法人として位置づけられるのであれば、被告は公社の連帯保証人になる必要がなく、巨額詐欺横領事件の単独犯とされた元職員に対する公社の債権についても、公社内部で処理すればよい話であるから、たとえ債権行使が焦げ付いて、公社が損失を被っても、被告や安中市民には被害が及ぶことはなく、公社の理事会の議事録が黒塗りであれなんであれ、非開示のままであっても、なんら問題は無い。
3 このような場合に限れば、被告の「②実施機関としての処分庁には、公社から強制的に情報を提出させることができる権限が与えられているわけではないことなど」とする主張が成り立つかもしれない。
4 しかし、被告が公社の連帯保証人である以上、公社の経営の観点から、とくに債権の行使については、経営健全化のためには必要不可欠な要素である。このことについて、群馬銀行に対して和解20年後の対応として、今後10年間の証文を連帯保証人として差し出すに当たり、数回にわたり、公社理事会で協議を繰り返してきた内容について、被告は無頓着であってはならず、しかるべき方策を公社がとっているのかどうか、知る必要がある。
5 よって、被告は実施機関として、公社から情報を取得する義務がある。
【被告認否・反論】第3項は争う。
原告は、同2項から5項にわたり,仮定の事実に基づき原告の考えを述べているが,本件情報不開示処分と直接の関連性を有しない。
第4 公社の財務状況について
1 公社の現状は、債務超過となっている。(甲12)
【被告認否・反論】同1項は概ね認める。
2 このため、群馬銀行は被告に連帯保証を求めているものと思われる。
【被告認否・反論】第2項は不知。
3 あるいは、被告が公社に対して積極的に連帯保証をする方針を打ち出しているのかもしれない。
【被告認否・反論】同3項は否認する。
4 しかし公社は、元職員に対する民事事件で勝訴したことにより、24億円あまりの債権を保有している。
【被告認否・反論】同4項については概ね認めるが,債権額は22.2億円である。
5 だが、不可思議なことに、被告は、公社に関する「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)の中で、「決算上債務超過となっている」として、その大きな要因を占めるのが16億5千万円(平成31年1月末現在)の貸金・保証債務履行請求事件訴訟上の和解に基づく解決金の固定負債である」と認識しているものの、元職員に対する債権について、触れていない。単に「固定負債であり、本業単体で見れば定期的な工業団地売却等による収入があり、健全経営ができている。今後も収益の見込める工業団地造成事業を予定しており、民事訴訟解決金以外の経営上の問題点はなく、着実に債務超過解消に向けた取組が行われている」と結論づけている。
【被告認否・反論】同5項については,「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)に記載されている内容については認める。
6 であれば、着実に債務超過解消に向けた取り組みの一環として、理事会でどのような取り組み方が議論されたのか、きちんと情報を得ておく義務があるはずである。
【被告認否・反論】同6項は争う。
被告は,適切に公社から債務超過解消に向けた取組に関する漬報を得ており, 理事会の議論の詳細まで知っておく義務まではない。
第5 公社の特殊性について
1 地方自治体が設立した公法人の中で土地開発公社が特別視されるのは、以下に述べる特徴を持っているからであると考えられる。
(1) 第1の特徴は、地方公共団体の出資割合が100%だという点である。上水道・下水道などの事業を担う地方公営企業や公立病院も地方公共団体による出資割合は100%であるが、それらの予算は地方公共団体の特別会計予算として地方議会における議決を経て初めて成立するのに対して、土地開発公社を含む外郭団体の予算・決算は議会へ報告されることはあっても、必ずしも議決を経た承認を必要とするものではないという点で大きな違いがある。
(2) 第2の特徴は、土地開発公社の基本業務は、母体となる地方自治体に代わって、公有地の先行取得を機動的に行うことにある。民間企業や第3セクター法人を対象とする事業も可能であり、1988年の法改正によって、その範囲が公社設立当初から拡大されたが、中心業務が母体のための公用地先行取得にあることは一貫して変わっていない。
(3) 第3の特徴は、土地開発公社が土地を取得するのに必要な資金は、主として、金融機関からの借入によって賄われ、その借入に対して、地方自治体が金融機関に対する債務保証を行うことである。
2 そもそも地方自治体が設立法人の借入に対して債務保証を行うことは、「法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」(財政援助責任法)によって、基本的には禁じられている。ところが、これには例外が2つあり、そのひとつが地方道路公社で、もうひとつが土地開発公社である。これを可能としているのが地方道路公社法第28条および公有地の拡大の推進に関する法律第25条である。
【被告認否・反論】同1項及び2項は認める。
3 だが、安中市の場合、公社の損失は、元職員による詐欺横領によるものであり、本来、公社は第3セクターであることから、このような場合は、公社は、まず元職員への債権行使を行うべきであり、被告は公社に対して、そちらを優先させれば債務保証をする必要もない。
【被告認否・反論】同3項は争う。
被告が公社の連体保証人となったのは,訴訟上の和解においてであり,当然, 議会の議決も経ている。
4 なお、公社のような第3セクター法人に対して、地方自治体が債務保証を行うことはできないが、損失補償については、債務保証には該当しないという解釈がなされている。なので、昨今の土地開発公社の解散に伴い、第3セクター債を地方自治体が発行して、実施的に、損失補償をしている事例が多々ある。
5 ただし、これは公有地の先行取得という公社の本来の事業を通して、最終的に塩漬け土地となり、土地の評価損を抱えた公社の解散にともない、その損失を補償するかたちである。この場合、地方自治体は公社と交わしている先行取得契約を解除し、買戻し履行義務を消滅させ、公社の債務を確定させる必要がある。
6 そのため、昨今の全国各地における公社解散の事例では、地方自治体が公社との先行取得契約を解除し、第3セクター債を発行し、金融機関に対する公社が抱える債務を地方自治体が代位弁済することで、公社に対して負担分の返還を求めることになり、金銭を持たない公社からは保有する土地による代物弁済を受けるしかなく、この場合、当然に簿価と代物弁済を受けた土地の時価には開きがあり、なお損失が生じるため、地方自治体は、不足する債権を放棄するため、議会定例会に「権利放棄」の議案を提案し、議決を受けることになる。
【被告認否・反論】同4項ないし同6項は不知。
7 ところが、被告安中市の場合、甲12にあるとおり、金融機関に対する公社が抱える借入はないかわりに、群馬銀行との間に和解金と称する債務があり、これが債務超過となっていることから、他の地方自治体のように公社の解散ができない状況になっている。つまり、被告の場合、公社は群馬銀行への和解金の支払い組織としての存在であり、債務超過の状況にありながら、103年ローンという異常な長期返済(しかも延滞金ゼロ)の条件により、存続し得ているのであり、被告にとって、公社本来の事業である先行取得の意義は既に失われている。
【被告認否・反論】同7項は争う。公社は,安中市において今後予定している工業団地造成事業及び企業誘致の際の造成等を担っていく重要な責務を有している。
8 一方、公社は22億2309万2000円を詐欺事件による損害と算定し、公社はこの損害を元職員による不法行為によるものとして元職員を相手取って損害賠償を請求し、公社の主張が全面的に認められて、平成11(1999)年5月31日に勝訴判決を得たが、これまでに、元職員から公社に対して、現在に至るまでに約1500万円程度返済したのみで、令和2年1月から元職員は毎月1万円ずつ公社に返済しているものの、令和2年8月26日現在の公社債権元金残額は、22億円777万1500円であり、この全額完済までには遅延損害金を除いてもあと1万8526年の歳月を要する。
【被告認否・反論】同8項のうち,全額完済までの期間は不知,その余は概ね認める。
9 元職員から公社が毎月1万円ずつ返済を受けるようになったのは、公社の理事会で協議のうえ決まったことなのかどうか、被告は、当然に、公社に経緯を確認する立場にあるはずだが、原告が質問しても答えようとしない。なので、公社の理事会の議事録に、元職員に対する債権回収の方針についてどのような記載があるのかどうか、被告は連帯保証人として公社から説明を受ける権利と義務がある。
【被告認否・反論】同9項は,否認ないし争う。
10 よって、被告の納税者市民の一人である原告には、不開示とされた原告請求の「(1)2018年7月以前を含め、これまでに安中市土地開発公社と群馬銀行との間で重ねてきた経緯が分かる一切の情報(群銀との協議録のみならず,公社における理事会・評議会など内部の会議録を含む。)」における平成30年度第3回から第7回、及び令和元年度第1回の公社理事会会議録の各文書の黒塗り箇所のうち、公社の債権・債務に関わる一切の記述の開示を求める権利と義務があるので、被告はすみやかにこれらの情報を開示されたい。
【被告認否・反論】同10項は争う。
原告が主張する事情は、本件情報不開示処分を取り消す理由とはならない。
以上
**********
■こうしてみると、私達住民がまじめに市民税を安中市に支払っていることが情けなくなります。これほど安中市が酷い行政とは、あらためて認識させられました。これでは、今から26年前に、我が国の地方自治体を舞台にした横領事件で史上空前絶後、前代未聞の51億円余の巨額横領事件を起こした当時の安中市の体質と全く変わっていないことが分かります。安中市土地開発公社は、タゴの豪遊の尻拭いのための群銀への和解金支払いのために存続する債務超過状態の特別法人であり、タゴ事件の温床となった伏魔殿状態に戻ってしまいました。
アニータ事件の倍以上の巨額横領事件にもかかわらず、元職員に対する元金だけで22.2億円、遅延損害金を含めると60億円以上の債権を持ちながら、それを公社の債権としてカウントせず、群馬銀行に対する債務のみを掲げて、債務超過の報告書を総務省に提出しているのですから、はじめかた元職員タゴに対して、損害金の回収をするつもりがないことはあきらかです。
なぜこれほどまでに、元職員に対してあたたかい配慮をしなければならないのでしょう。それは、現在の職員のなかには、親や親せきが安中市職員をしていたころ、元職員タゴにいろいろとお世話になった輩が、コネで市役所に就職している者が相当数いるためかもしれません。
■安中市政を揺るがし、群馬銀行に「103年ローンの和解に応じてやらなければ、安中市そのものが存続しえなかった」と嘯かせたタゴ51億円事件ですが、安中市役所に限って言えば、横領に加担した関係者の罪をひとりでひっかぶって千葉刑務所で勤めを終えたタゴ元職員の平穏な日常を乱さずにおくことが、至上命題となっているのです。
タゴ51億円事件は、安中市土地開発公社の金庫番だったタゴの素行を誰もチェックせず、むしろタゴから横領金の分け前に預かろうとするあまり、タゴのことを安中市の影の収入役などと持ち上げ、公社の財務会計上の情報について、長年にわたり、監査してこなかった結果、起きてしまいました。
その時の教訓が、もはや反故にされていることは、今回の被告安中市からの準備書面(2)からハッキリと示されています。
お盆明けの8月18日(水)13時30分に前橋地裁第21号法廷で言い渡される判決がどのような内容になるのか、司法判断が注目されます。
↑原市の国道18号線沿いのホテル・ルートインの西側に移転して営業を始めた群銀安中支店。磯部支店も併合したため、広くなった駐車場のスペースも早くも混雑気味。5月19日撮影。↑
↑こうしてみると、地元企業にとって群銀の存在感は大きいことがわかる。ならば、安中市の負の遺産である103年ローン解消に向けて、今こそ、大英断をすべき時ではないだろうか。↑
【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】
※参考資料「本件裁判資料」
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2020年11月16日 訴状+証拠説明書(甲1-10)+甲号証
URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html
2021年01月13日 答弁書+証拠説明書(乙1 )+乙号証
URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3264.html
2021年03月01日 被告準備書面1
2021年03月04日 被告準備書面1補充書面+別紙2
ZIP ⇒ 20210301iqmtysp.zip
2021年04月30日 原告準備書面(1)+証拠説明書(甲11・12)+甲号証
ZIP ⇒ 20210430ipj.zip
2021年06月09日 被告準備書面2
ZIP ⇒ 20210609siqj.zip
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この事件の出訴の経緯については、次のブログを参照ください。
○2020年11月29日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンに加えタゴに1万8526年ローンを許容中の安中市を提訴!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html
○2021年1月14日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンの公社理事会議録の不開示取消訴訟第1回弁論を前に安中市から答弁書↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3264.html
↑5月17日に原市に移転した群馬銀行旧安中支店の建物。右手の張り出し部分が支店長室。ここの応接間で、松井誠支店長(当時)はタゴが現金を下ろしに行くたびに、待ち時間に招き入れて接待をしていた。↑
↑群銀旧安中支店の駐車場。平成7年4月、巨額詐欺横領事件の発覚直前、ここで、板鼻の古城団地の土地ころがしをネタにタゴを恐喝していた夫婦の乗っていた車に、タゴが群銀で下したばかりの1000万円単位の現金を窓越しに渡していた。↑
↑ふたたび、兵どもが夢の跡に。↑
■安中市土地開発公社を舞台に今から26年前の1995年5月18日に安中市役所内部で密かに発覚した地方自治体では史上最大の巨額詐欺横領事件。警察の調べで総額51億円を超える犯罪にも拘らず単独犯とされた元職員タゴは1952年3月生まれで、今年69歳となり、現在高崎市内のT町に住んでいます。
この前代未聞、空前絶後の巨額詐欺横領事件により、現在公社は、群馬銀行に対して債務となる総額24億5000万円のうち、和解と同時に支払った4億円を除く20億5000万円を毎年2000万円ずつクリスマスに群銀に103年かけて支払中です。昨年12月25日に22回目の支払が行われました。
安中市長はいつも財政難を市民に説いていますが、群馬銀行は市土地開発公社のことを優良経営だと評価しています。なぜタゴの横領の尻拭いをしている公社に潤沢な資金が集まり、一般会計がピンチなのか、安中市から納税者市民への説明はありません。
■そのため、公社が群銀との和解20年後の対応のためにタゴからの債権回収をきちんと話し合ったのかどうか、経緯を確認すべく公社理事会の議事録を情報開示請求したところ、市・公社が相当な分量を黒塗りして出してきました。これでは26年前の教訓が全く生かされていません。なので、昨年11月16日に全面開示を求めて安中市を提訴しました。
その後、第1回口頭弁論が今年1月27日(水)10:20、第2回口頭弁論が3月17日(水)10:20、第3回口頭弁論が5月26日(水)13:40からそれぞれ前橋地裁第21号法廷で開かれました。
*****5/26開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
令和3年5月26日 水曜日
○開始/終了/予定:10:10/10:10/弁論
事件番号/事件名:令和元年(ワ)第396号/損害賠償請求事件
当事者:伊藤美津江/富士田貢 外
代理人;下山順/足立進
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:10:20/10:30/第1回弁論
事件番号/事件名:令和3年(ワ)第110号/地位確認等請求事件
当事者:佐藤彩/ケイ・ネクスト株式会社
代理人;高山雄介/木村仁美
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:10/13:20/弁論
事件番号/事件名:令和2年(ワ)第369号/損害賠償請求事件
当事者:亡吉野邦彦訴訟承継人吉野初美 外/木附整形外科医院こと木附哲
代理人;高山昇/岩崎茂雄
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:20/13:30/弁論
事件番号/事件名:令和3年(行ウ)第2号/ゴミ置き場利用請求事件
当事者:中村和夫/太田市
代理人;-/杉浦貴之
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:30/13:40/弁論
事件番号/事件名:令和2年(行ウ)第17号/行政文書不開示処分取消請求事件
当事者:小川賢/安中市
代理人;-/小坂景子
担 当:民事第1部合議係
裁判長 田中芳樹
裁判官 杉浦正典
裁判官 清水瑛夫
書記官 橋本勇一
**********
5月26日(水)の第3回弁論は、前の裁判が長引いたため10分ほど遅れて開始されました。今回、裁判長がそれまでの渡邊和義判事から4月に田中芳樹判事に交替したため、新しい田中裁判長がどのような訴訟指揮をするのか注目されました。
冒頭、原告住民は、予め提出しておいた準備書面(1)を陳述し、甲号証2件を写しで提出する旨確認したあと、田中裁判長は、原告・被告双方に対して、「主張は出尽くしたと思うがどうか」と尋ねたので、原告住民として「はい、裁判長、原告としての主張はすべて陳述しました」と答えました。すると、裁判長は深く頷き、「では、本日これで結審します」と宣言しました。
■すると、被告訴訟代理人の小坂弁護士が「予定より早く原告準備書面が提出されたので、内容について、検討したところ、いちおう反論しておきたい」という趣旨の申出が裁判長に為されました。
被告安中市訴訟代理人いわく「法的な解釈で反論をしておきたい」とのこと。これを聞いた田中裁判長は、「本日結審とするが、反論するなら早めに願いたい」として3週間以内を指示しました。そのうえで、原告住民に対して「新たな事実関係でなく、法的解釈についてとのことだというが、いずれにしても本日結審します」と改めて宣言しました。
そして、判決は8月18日(水)13時30分であることを告げました。そして原告にむかい「小川さん、判決に際しては出頭しなくてもかまいません」と裁判長が言いました。そこで原告住民として「裁判長、よく存じております。ただし、私、もしくは私が主催する市民団体が提起した訴訟で判決言渡しの際には、できる限り出頭してここに着席しながら判決をお聞きし、直ちに判決文を受領することを、行動指針としております」と裁判長にお伝えしました。
■その後、6月9日付で、FAXにて被告安中市の訴訟代理人の小坂弁護士から、被告準備書面(2)が送信されてきました。
*****送付書兼受領書*****
From:安中法律事務所 027 393 6667 2021/06/09 10:46 #648 P.001/004
送 付 書
令和3年6月9日
送 付 先 前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中 (FAX027-233-0901)
原告 小川 賢 様 (FAX027-381-0364)
送 付 者 被告訴訟代理人
弁護士 小 坂 景 子 ㊞ (TEL027-386-6667)
(FAX027-393-6667)
事件の表示:事件番号 令和2年(行ウ)第17号
事 件 名 行政文書不開示処分取消請求事件
当 事 者 原告 小川 賢
被告 安中市
判決期日 令和3年8月18日(水)午後1時30分
下記受領書を裁判所及び当職迄ご送付くださいますようお願い申し上げます。
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受 領 書
前橋池方裁判所民事第1部合幾係 御中 (FAX027-233-0901)
被告訴訟代理人 弁護士 小坂畏子様行 (FAX027-393-6667)
令和3年6月10日
本日,上記書類を受領いたしました。
原 告 小 川 賢 ㊞
*****被告準備書面2*****
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川 賢
被告 安中市
準備書面2
令和3年6月9日
前橋地方裁判所民事第1部 御中
被告訴訟代埋人
弁護士 小 坂 景 子 印
原告の令和3年4月30日付け原告準備書面(1)に対する認否・反論は,以下のとおりである。
第1 第1項について
1 同1項は,争う。
2 同2項及び3項は,一般論であり認否不要。
3 同4項第1文のうち,103年ローンと呼ばれていることは不知,その余は認め,第2文は否認する。
説明会において,参加者から質問があった事項については,公社及び被告が回答している。そもそも,被告が公社の債務について連帯保証人となった和解については,市民の代表である議会の議決を得ており,当然,原告が主張しているような事情については説明を尽くしている。
4 同5項及び第6項は争う。
被告は,条例を執行する義務を負っており,条例を無視して全てを開示することはできない(地方自治法第138条の2参照)。
5 同7項及び第8項は,概ね認める(条例第7条第2項イ)。
6 同9項は,争う。連帯保証人が,主債務者の会議情報等を全て保有している場合などほとんどない。
第2 第2項について
1 同1項は争う。
2 同2項のうち,公社の職員が,被告の市長部局の職員が兼務していることは認め,その余は否認する。
3 同3項は,認める。
4 同4項のうち,「その業務時問に相当する給与は,すべて被告が支払っており」は否認し,「実質的にも被告と同体である」は争い,その余は概ね認める。
公社の業務に従事している時間は,被告の職務を免除されている。公社と被告は,法的にも実質的にも分けられた別組織である。
5 第5項は,争う。職員は立場を分けて職務を行っており,公社の職員として,公社の職務上作成した文書は,被告の職務上作成した文書ではなく、行政文書には該当しない。
第3 第3項は争う。
原告は、同2項から5項にわたり,仮定の事実に基づき原告の考えを述べているが,本件情報不開示処分と直接の関連性を有しない。
第4 第4項について
1 同1項は概ね認める。
2 同2項は不知。
3 同3項は否認する。
4 同4項については概ね認めるが,債権額は22.2億円である。
5 同5項については,「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)に記載されている内容については認める。
6 同6項は争う。
被告は,適切に公社から債務超過解消に向けた取組に関する情報を得ており,理事会の議論の詳細まで知っておく義務まではない。
第5 第5項について
1 同1項及び2項は認める。
2 同3項は争う。
被告が公社の連体保証人となったのは,訴訟上の和解においてであり,当然,議会の議決も経ている。
3 同4頃 ないし同6項は不知。
4 同7項は争う。公社は,安中市において今後予定している工業団地造成事業及び企業誘致の際の造成等を担っていく重要な責務を有している。
5 同8項のうち,全額完済までの期間は不知,その余は概ね認める。
6 同9項は,否認ないし争う。
7 同10項は争う。
原告が主張する事情は、本件情報不開示処分を取り消す理由とはならない。
以 上
**********
■これだけでは、原告住民の準備書面(1)に対してそれぞれ項目ごとにどのような認否・反論をしているのか分かりずらいため、以下に併記した形で記してみましょう。
*****原告準備書面(1)と被告準備書面(2)の対比*****
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川賢
被告 安中市
原告準備書面(1)
令和3年4月30日
前橋地方裁判所民事部第1部 御中
原告 小 川 賢 印
令和3年3月17日の第2回弁論における裁判長の指揮に基づき、原告は、被告が安中市土地開発公社(以下「公社」という)の理事会会議録の情報を共有していなければならない事由について、次のとおり陳述する。
第1 被告と公社の関係について
1 被告は、答弁書の3ページ目上から4行目で、「公社は、市と密接な関係で業務を行っているが、会計上も独立しており、市と独立した別の法人として位置づけられ、安中市情報公開条例においても同様に位置づけられており、市が公社の連帯保証人となっていたとしても、市が公社理事会の会議録情報を全て保有する義務はない」と主張する。
しかし、これは次の理由で失当である。
【被告認否・反論】同1項は,争う。
2 はじめに、連帯保証人の意味を、類似用語の保証人と比較してその違いを示す。
保証人と連帯保証人は、主債務者(この場合、公社)が返済できなくなった場合、代わりに返済する義務を負うという点では共通性があるものの、主に以下の3点で違いがある。
(1) 貸金業者(この場合、群馬銀行)が(連帯)保証人に対して請求をしてきた場合、保証人であれば「まずは主債務者(公社)に請求してください」と主張することができるが(催告の抗弁)、連帯保証人はそのような主張をすることができない。
(2) 主債務者(公社)が返済できる資力があるにもかかわらず返済を拒否した場合、保証人であれば主債務者に資力があることを理由に、貸金業者(群銀)に対して主債務者の財産に強制執行をするように主張することができるが(検索の抗弁)、連帯保証人はこのような主張をすることができず、主債務者(公社)に資力があっても貸金業者に対して返済しなければならない。
(3) (連帯)保証人が複数いる場合、保証人はその頭数で割った金額のみを返済すればよいのに対して、連帯保証人はすべての人が全額を返済しなければならない。この場合、もちろん、本来返済すべき額を超えて返済する必要があるわけではない。
3 以上のように、保証人に比べて連帯保証人にはより重い責任が課せられている。そのため現在では、保証人ではなく連帯保証人にすることがほとんどである。世間では、連帯保証人となり返済義務が生じたものの、返済できずに問題を抱える人が後を絶たないのが実情である。
【被告認否・反論】同2項及び3項は,一般論であり認否不要。
4 公社が抱えている和解金(市民の間では「103年ローン」とも呼ばれている)と称する群馬銀行への債務について、被告は公社の連帯保証人として、10年ごとに証文を書き換える際に、市民に対して説明会を開いている。しかし、なぜこのような債務が生じたのか、なぜ公社の連帯保証をしなければならないのか、さらには公社が債務をどのように相殺し、返済条件や担保設定、および連帯保証の効果等についての説明は、行われていない。
【被告認否・反論】同4項第1文のうち,103年ローンと呼ばれていることは不知,その余は認め,第2文は否認する。
説明会において,参加者から百問があった事項については,公社及び被告が回答している。そもそも,被告が公社の債務について連帯保証人となった和解については,市民の代表である議会の議決を得ており,当然,原告が主張しているような事情については説明を尽くしている。
5 被告は連帯保証人として、そうした事情説明を市民に対して行う義務があるのだから、当然に、公社から必要な情報を取得しなければならない。
6 今回、公社が黒塗りにした箇所の情報は、被告としても当然知っておかねばならない情報であり、ましてや、被告がさらに自ら追加で黒塗りにした箇所があってはならない。
【被告認否・反論】同5項及び第6項は争う。
被告は,条例を執行する義務を負っており,条例を無視して全てを開示することはできない(地方自治法第138条の2参照)。
7 仮に、安中市情報公開条例や公社情報公開規程に照らして非開示相当と判断される情報があったとしても、それが、安中市民の生命、健康、生活又は財産を保護するため公にすることが必要であれば、開示されなければならない。
8 また、原告開示の趣旨に照らして、開示請求文書の一部に非開示情報が記されている場合、非開示情報に係る部分を除いた残りの部分は開示されなければならない。
【被告認否・反論】同7項及び第8項は,概ね認める(条例第7条第2項イ)。
9 いずれにせよ、公社の連帯保証人である被告には、公社理事会の会議録情報を全て保有する責務があることは明らかであり、被告の主張は失当である。
【被告認否・反論】同9項は,争う。連帯保証人が,主債務者の会議情報等を全て保有している場合などほとんどない。
第2 条例に定める「行政文書」について
1 被告は、証拠説明書の乙1の立証趣旨として「①条例の開示の対象となる『行政文書』とは、実施機関の職員が組織的に用いるものとして、実施機関が保有しているものをいい、公社の職員が作成した文書については、条例上の行政文書には含まれない」と主張するが、失当である。
【被告認否・反論】同1項は,争う。
2 前項で述べた通り、公社の作成した文書は、全て被告が保有しているのが実態である。なぜなら、公社が別法人であるとしても、そこで勤務している職員は、理事長から担当まで、すべて被告の市長部局の職員が兼務しているからである。(甲11)
【被告認否・反論】同2項のうち,公社の職員が,被告の市長部局の職員が兼務していることは認め,その余は否認する。
3 条例第2条第2項(乙1)にも「この条例において『行政文書』とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう」と定めている。
【被告認否・反論】同3項は,認める。
4 そもそも、公社の実態として、その運営に携わる職員は、被告の市長部局の職員が全て兼務していることから、その業務従事時間に相当する給与は、すべて被告が支払っており、公社にはそもそも組織固有の総務や人事など存在せず、執務用の専用スペースもなく、電話もFAXもなく、公社の看板すら見当たらない。すべて被告の施設を共有しており、実質的にも被告と同体である。
【被告認否・反論】同4項のうち,「その業務時問に相当する給与は,すべて被告が支払っており」は否認し,「実質的にも被告と同体である」は争い,その余は概ね認める。
公社の業務に従事している時間は,被告の職務を免除されている。公社と被告は,法的にも実質的にも分けられた別組織である。
5 よって、被告のいう「公社の職員が作成した文書は、被告の職員が作成したのも同然であり、その時点で、被告が受領した文書としてみなすことができるから条例で定める「行政文書」であることは明らかである。
【被告認否・反論】第5項は,争う。職員は立場を分けて職務を行っており,公社の職員として,公社の職務上作成した文書は,被告の職務上作成した文書ではなく、行政文書には該当しない。
第3 被告の公社に対する立場について
1 被告は、証拠説明書の乙1の立証趣旨として「②実施機関としての処分庁には、公社から強制的に情報を提出させることができる権限が与えられているわけではないことなど」と主張するが、失当である。
2 仮に被告の主張するとおり、公社基本金が市の100%であったとしても、公社は市と独立した別法人として位置づけられるのであれば、被告は公社の連帯保証人になる必要がなく、巨額詐欺横領事件の単独犯とされた元職員に対する公社の債権についても、公社内部で処理すればよい話であるから、たとえ債権行使が焦げ付いて、公社が損失を被っても、被告や安中市民には被害が及ぶことはなく、公社の理事会の議事録が黒塗りであれなんであれ、非開示のままであっても、なんら問題は無い。
3 このような場合に限れば、被告の「②実施機関としての処分庁には、公社から強制的に情報を提出させることができる権限が与えられているわけではないことなど」とする主張が成り立つかもしれない。
4 しかし、被告が公社の連帯保証人である以上、公社の経営の観点から、とくに債権の行使については、経営健全化のためには必要不可欠な要素である。このことについて、群馬銀行に対して和解20年後の対応として、今後10年間の証文を連帯保証人として差し出すに当たり、数回にわたり、公社理事会で協議を繰り返してきた内容について、被告は無頓着であってはならず、しかるべき方策を公社がとっているのかどうか、知る必要がある。
5 よって、被告は実施機関として、公社から情報を取得する義務がある。
【被告認否・反論】第3項は争う。
原告は、同2項から5項にわたり,仮定の事実に基づき原告の考えを述べているが,本件情報不開示処分と直接の関連性を有しない。
第4 公社の財務状況について
1 公社の現状は、債務超過となっている。(甲12)
【被告認否・反論】同1項は概ね認める。
2 このため、群馬銀行は被告に連帯保証を求めているものと思われる。
【被告認否・反論】第2項は不知。
3 あるいは、被告が公社に対して積極的に連帯保証をする方針を打ち出しているのかもしれない。
【被告認否・反論】同3項は否認する。
4 しかし公社は、元職員に対する民事事件で勝訴したことにより、24億円あまりの債権を保有している。
【被告認否・反論】同4項については概ね認めるが,債権額は22.2億円である。
5 だが、不可思議なことに、被告は、公社に関する「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)の中で、「決算上債務超過となっている」として、その大きな要因を占めるのが16億5千万円(平成31年1月末現在)の貸金・保証債務履行請求事件訴訟上の和解に基づく解決金の固定負債である」と認識しているものの、元職員に対する債権について、触れていない。単に「固定負債であり、本業単体で見れば定期的な工業団地売却等による収入があり、健全経営ができている。今後も収益の見込める工業団地造成事業を予定しており、民事訴訟解決金以外の経営上の問題点はなく、着実に債務超過解消に向けた取組が行われている」と結論づけている。
【被告認否・反論】同5項については,「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)に記載されている内容については認める。
6 であれば、着実に債務超過解消に向けた取り組みの一環として、理事会でどのような取り組み方が議論されたのか、きちんと情報を得ておく義務があるはずである。
【被告認否・反論】同6項は争う。
被告は,適切に公社から債務超過解消に向けた取組に関する漬報を得ており, 理事会の議論の詳細まで知っておく義務まではない。
第5 公社の特殊性について
1 地方自治体が設立した公法人の中で土地開発公社が特別視されるのは、以下に述べる特徴を持っているからであると考えられる。
(1) 第1の特徴は、地方公共団体の出資割合が100%だという点である。上水道・下水道などの事業を担う地方公営企業や公立病院も地方公共団体による出資割合は100%であるが、それらの予算は地方公共団体の特別会計予算として地方議会における議決を経て初めて成立するのに対して、土地開発公社を含む外郭団体の予算・決算は議会へ報告されることはあっても、必ずしも議決を経た承認を必要とするものではないという点で大きな違いがある。
(2) 第2の特徴は、土地開発公社の基本業務は、母体となる地方自治体に代わって、公有地の先行取得を機動的に行うことにある。民間企業や第3セクター法人を対象とする事業も可能であり、1988年の法改正によって、その範囲が公社設立当初から拡大されたが、中心業務が母体のための公用地先行取得にあることは一貫して変わっていない。
(3) 第3の特徴は、土地開発公社が土地を取得するのに必要な資金は、主として、金融機関からの借入によって賄われ、その借入に対して、地方自治体が金融機関に対する債務保証を行うことである。
2 そもそも地方自治体が設立法人の借入に対して債務保証を行うことは、「法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」(財政援助責任法)によって、基本的には禁じられている。ところが、これには例外が2つあり、そのひとつが地方道路公社で、もうひとつが土地開発公社である。これを可能としているのが地方道路公社法第28条および公有地の拡大の推進に関する法律第25条である。
【被告認否・反論】同1項及び2項は認める。
3 だが、安中市の場合、公社の損失は、元職員による詐欺横領によるものであり、本来、公社は第3セクターであることから、このような場合は、公社は、まず元職員への債権行使を行うべきであり、被告は公社に対して、そちらを優先させれば債務保証をする必要もない。
【被告認否・反論】同3項は争う。
被告が公社の連体保証人となったのは,訴訟上の和解においてであり,当然, 議会の議決も経ている。
4 なお、公社のような第3セクター法人に対して、地方自治体が債務保証を行うことはできないが、損失補償については、債務保証には該当しないという解釈がなされている。なので、昨今の土地開発公社の解散に伴い、第3セクター債を地方自治体が発行して、実施的に、損失補償をしている事例が多々ある。
5 ただし、これは公有地の先行取得という公社の本来の事業を通して、最終的に塩漬け土地となり、土地の評価損を抱えた公社の解散にともない、その損失を補償するかたちである。この場合、地方自治体は公社と交わしている先行取得契約を解除し、買戻し履行義務を消滅させ、公社の債務を確定させる必要がある。
6 そのため、昨今の全国各地における公社解散の事例では、地方自治体が公社との先行取得契約を解除し、第3セクター債を発行し、金融機関に対する公社が抱える債務を地方自治体が代位弁済することで、公社に対して負担分の返還を求めることになり、金銭を持たない公社からは保有する土地による代物弁済を受けるしかなく、この場合、当然に簿価と代物弁済を受けた土地の時価には開きがあり、なお損失が生じるため、地方自治体は、不足する債権を放棄するため、議会定例会に「権利放棄」の議案を提案し、議決を受けることになる。
【被告認否・反論】同4項ないし同6項は不知。
7 ところが、被告安中市の場合、甲12にあるとおり、金融機関に対する公社が抱える借入はないかわりに、群馬銀行との間に和解金と称する債務があり、これが債務超過となっていることから、他の地方自治体のように公社の解散ができない状況になっている。つまり、被告の場合、公社は群馬銀行への和解金の支払い組織としての存在であり、債務超過の状況にありながら、103年ローンという異常な長期返済(しかも延滞金ゼロ)の条件により、存続し得ているのであり、被告にとって、公社本来の事業である先行取得の意義は既に失われている。
【被告認否・反論】同7項は争う。公社は,安中市において今後予定している工業団地造成事業及び企業誘致の際の造成等を担っていく重要な責務を有している。
8 一方、公社は22億2309万2000円を詐欺事件による損害と算定し、公社はこの損害を元職員による不法行為によるものとして元職員を相手取って損害賠償を請求し、公社の主張が全面的に認められて、平成11(1999)年5月31日に勝訴判決を得たが、これまでに、元職員から公社に対して、現在に至るまでに約1500万円程度返済したのみで、令和2年1月から元職員は毎月1万円ずつ公社に返済しているものの、令和2年8月26日現在の公社債権元金残額は、22億円777万1500円であり、この全額完済までには遅延損害金を除いてもあと1万8526年の歳月を要する。
【被告認否・反論】同8項のうち,全額完済までの期間は不知,その余は概ね認める。
9 元職員から公社が毎月1万円ずつ返済を受けるようになったのは、公社の理事会で協議のうえ決まったことなのかどうか、被告は、当然に、公社に経緯を確認する立場にあるはずだが、原告が質問しても答えようとしない。なので、公社の理事会の議事録に、元職員に対する債権回収の方針についてどのような記載があるのかどうか、被告は連帯保証人として公社から説明を受ける権利と義務がある。
【被告認否・反論】同9項は,否認ないし争う。
10 よって、被告の納税者市民の一人である原告には、不開示とされた原告請求の「(1)2018年7月以前を含め、これまでに安中市土地開発公社と群馬銀行との間で重ねてきた経緯が分かる一切の情報(群銀との協議録のみならず,公社における理事会・評議会など内部の会議録を含む。)」における平成30年度第3回から第7回、及び令和元年度第1回の公社理事会会議録の各文書の黒塗り箇所のうち、公社の債権・債務に関わる一切の記述の開示を求める権利と義務があるので、被告はすみやかにこれらの情報を開示されたい。
【被告認否・反論】同10項は争う。
原告が主張する事情は、本件情報不開示処分を取り消す理由とはならない。
以上
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■こうしてみると、私達住民がまじめに市民税を安中市に支払っていることが情けなくなります。これほど安中市が酷い行政とは、あらためて認識させられました。これでは、今から26年前に、我が国の地方自治体を舞台にした横領事件で史上空前絶後、前代未聞の51億円余の巨額横領事件を起こした当時の安中市の体質と全く変わっていないことが分かります。安中市土地開発公社は、タゴの豪遊の尻拭いのための群銀への和解金支払いのために存続する債務超過状態の特別法人であり、タゴ事件の温床となった伏魔殿状態に戻ってしまいました。
アニータ事件の倍以上の巨額横領事件にもかかわらず、元職員に対する元金だけで22.2億円、遅延損害金を含めると60億円以上の債権を持ちながら、それを公社の債権としてカウントせず、群馬銀行に対する債務のみを掲げて、債務超過の報告書を総務省に提出しているのですから、はじめかた元職員タゴに対して、損害金の回収をするつもりがないことはあきらかです。
なぜこれほどまでに、元職員に対してあたたかい配慮をしなければならないのでしょう。それは、現在の職員のなかには、親や親せきが安中市職員をしていたころ、元職員タゴにいろいろとお世話になった輩が、コネで市役所に就職している者が相当数いるためかもしれません。
■安中市政を揺るがし、群馬銀行に「103年ローンの和解に応じてやらなければ、安中市そのものが存続しえなかった」と嘯かせたタゴ51億円事件ですが、安中市役所に限って言えば、横領に加担した関係者の罪をひとりでひっかぶって千葉刑務所で勤めを終えたタゴ元職員の平穏な日常を乱さずにおくことが、至上命題となっているのです。
タゴ51億円事件は、安中市土地開発公社の金庫番だったタゴの素行を誰もチェックせず、むしろタゴから横領金の分け前に預かろうとするあまり、タゴのことを安中市の影の収入役などと持ち上げ、公社の財務会計上の情報について、長年にわたり、監査してこなかった結果、起きてしまいました。
その時の教訓が、もはや反故にされていることは、今回の被告安中市からの準備書面(2)からハッキリと示されています。
お盆明けの8月18日(水)13時30分に前橋地裁第21号法廷で言い渡される判決がどのような内容になるのか、司法判断が注目されます。
↑原市の国道18号線沿いのホテル・ルートインの西側に移転して営業を始めた群銀安中支店。磯部支店も併合したため、広くなった駐車場のスペースも早くも混雑気味。5月19日撮影。↑
↑こうしてみると、地元企業にとって群銀の存在感は大きいことがわかる。ならば、安中市の負の遺産である103年ローン解消に向けて、今こそ、大英断をすべき時ではないだろうか。↑
【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】
※参考資料「本件裁判資料」
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2020年11月16日 訴状+証拠説明書(甲1-10)+甲号証
URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html
2021年01月13日 答弁書+証拠説明書(乙1 )+乙号証
URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3264.html
2021年03月01日 被告準備書面1
2021年03月04日 被告準備書面1補充書面+別紙2
ZIP ⇒ 20210301iqmtysp.zip
2021年04月30日 原告準備書面(1)+証拠説明書(甲11・12)+甲号証
ZIP ⇒ 20210430ipj.zip
2021年06月09日 被告準備書面2
ZIP ⇒ 20210609siqj.zip
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