市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有害スラグ問題を斬る!・・・渋川市の遊園地スカイランドパーク駐車場工事は官業挙げての産廃不法投棄事件!

2016-10-11 23:02:00 | スラグ不法投棄問題
■大同特殊鋼渋川工場がある渋川市では、渋川市総合計画第5期を策定しています。
http://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/seisaku_keikaku/sogokeikaku/p002149_d/fil/jisshikeikaku_5.pdf
いろんな事が計画されていますが、その中身を見ていくことにしましょう。


スカイランドパーク第2駐車場の様子です。遊園地との間の道が市道金井大野線であるようです。
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1.道路・公共交通などの都市基盤整備
第2節生活に身近な道路の整備
10.【新規】市道金井大野線改良事業
スカイランドパークへの進入路において、路盤材の原因と思われる路面損傷が激しいための舗装補修
平成24年 21,399千円
平成25年 21,500千円
平成26年 21,500千円

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 以上のように、「路盤材の原因と思われる路面損傷が激しいための舗装補修」であるにもかかわらず、路盤材製造メーカーに責任を取らせるべきところ、3期にわたり公金を使って補修することになっています。路盤材とは平成8年頃に施工された大同特殊鋼の超有毒鉄鋼スラグのことです。平成8年と言えばすでに六価クロムの環境基準値が規定されていると思われますが、間違いないでしょうか?

 この工事は面積3,000㎡を超えるため、土壌汚染対策法で所定の分析調査を行ったところ、発がん性物質である六価クロムやフッ素が検出されて工事が中止になっています。次のやり取りをご覧ください。

○渋川市議会【平成25年6月定例会(第2回)】06月13日-一般質問-05号
(当会注:駐車場とはスカイランドパーク第2第6駐車場のことです。道路とは市道金井大野線のことです)
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◆25番(角田喜和議員) 駐車場の部分はしていないと。道路については調査をしたと。その土壌分析、その結果はもしわかればぜひとも公表してください。やはり安心、安全な水を供給する渋川市としてのこれは見解を求めておきたいと思います。いかがでしょうか。
◎建設部長(吉田久) 道路においては3カ所実施いたしました、路盤部分。その結果、六価クロム化合物の基準が0.05ミリグラムパーリッター以下に対して、0.55ミリグラムから1.0ミリグラムパーリットルであります。また、フッ素化合物については、基準値が0.8ミリグラムパーリッター以下に対して4.0ミリパーリットルから4.7ミリグラムパーリットルと基準を超える形となっております。ただいまは路盤であります。スラグの部分でありますので、よろしくお願いいたします。
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 何と、環境基準値の20倍もの六価クロムが検出されてしまったのです。道路補修工事は中止となったので、この防毒スラグが道路から外部に運び出されず、廃棄物の処理に関しては環境を二次汚染することがなく不幸中の幸いでしたが、この市道金井大野線に埋設されたスラグと同じ超有害スラグがスカイランドパーク駐車場にも埋設されています。同じ平成8年に渋川市が建設した駐車場だからです。


黄色の線の上に、大蛇がのたうち回るかのようにアスファルトが隆起しているのがご覧いただけますでしょうか? スラグの膨張によりできたアスファルト隆起です。スカイランドパークでは至る所でアスファルトが隆起していたのです。


閉鎖されているスカイランドパークの駐車場には、今でも六価クロムやフッ素が含まれている超猛毒デカスラグを見ることができます。真っ赤にさびているデカスラグもあります。

 市道金井大野線道路改良工事は有害スラグの影響で中止になりましたが、困ったことに、道路工事に先行する形でスカイランドパーク第2第6駐車場舗装補修工事が施行されています。当会では、この程、この駐車場工事の工事設計書を入手いたしましたので、考察してまいりましょう。



※PDFはこちら。 ⇒ 45xjchpnv.pdf

 これらの設計書鏡から次のことが分かります。

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工事名:平成24年度 単独公共 渋川スカイランドパーク第2第6駐車場舗装補修工事
工事概要:上層路盤 スラグ混合上層路盤材(材料支給)
     下層路盤 再生砕石(RC40-0)
工事起工日:平成25年1月9日

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 ここで特徴的なのが、上層路盤にスラグ混合上層路盤材が材料支給により使用されていることです。


※PDFはこちら。 ⇒ 6xowhexghij20130104.pdf
大同特殊鋼渋川工場長から、平成25年1月4日に、渋川市長あてに発出された依頼状。平成25年と言えば道路用鉄鋼スラグに環境安全性試験が盛り込まれた年だが、これを無視するように市に出されたこの依頼書には、環境安全性の記載がなく、JIS違反材料である疑いがある。
※大同から渋川市長への依頼書はこちら。↓
applicationletterfromdaidoresubbasecoursemateriaincltoxicslug.pdf

 この材料支給は、大同特殊鋼から渋川市にテスト施工の依頼があって、工事設計書に盛り込まれたものです。

 その内容は、過去に施工した鉄鋼スラグによる膨張でガタガタになったスカイランドパークの道路や駐車場を入れ替える工事の際には、使用していた有害スラグは大同特殊鋼が責任を持って引き取る代わりに、「大同特殊鋼の新製品『スラグ混合上層路盤材』を使用させてくれ」という、なんとも虫のいい話なのです。

 本来なら使用済み路盤材製造メーカーとして責任を取らなければならないところ、その反対に、新たなスラグ混合砕石の実績造りを兼ねたテスト施工工事の依頼書だったのですから、無責任の極みであり、呆れてモノも言えません。もちろん下層路盤材にも「再生砕石RC40」としながら、実際には「スラグ混合砕石」が納入されたのです。



※PDFはこちら。 ⇒ 78xjchpnh.pdf
工事費内訳書の一部。

 具体的に工事内訳書を見ていくと、舗装版を破砕し、アスファルト(As)殻を運搬処分し、有害スラグを20㎝掘削し、下の土砂も5㎝掘削して、下層・上層路盤を施工し表層としてアスファルト舗装を4㎝施工する内容となっています。有害スラグの掘削を産廃掘削積込と工事内訳書では記載しています。

 なんと!渋川市はスラグを産業廃棄物と認識していたのです。


※PDFはこちら。 ⇒ skylandpark_shukeihyo.pdf
集計表(渋川スカイランドパーク第2第6駐車場舗装補修工事)。

 設計書に添付されている集計表にも「取り壊し鉱さい」との記載が見られます。「鉱さい」とは廃棄物処理法上の分類名ですので、鉄鋼スラグが廃棄物であると渋川市が認識していることが読み取れます。また「上層路盤工 再生粒度調整砕石M-30 材料支給」とあり再生粒度調整砕石としてスラグ混合上層路盤材を使用したことが分かります。

 大同特殊鋼および佐藤建設工業は「再生」という文字が付く「砕石」を作ることができるのでしょうか?もちん無許可ですから製造販売することなど通常はできません。法律など守らなくても良いとするブラック企業ならではの悪行といえるでしょう。


※PDFはこちら。 ⇒ 10xjchpnh.pdf
施工条件の明示 工事名:渋川スカイランドパーク第2第6駐車場舗装補修工事。

 添付されている施工条件の明示を見ると残土・産業廃棄物関係として驚くべき内容が記載されています。

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「・産業廃棄物について
 本工事で発生するスラグ入り砕石の運搬・処分については、大同特殊鋼(株)が渋川市中村地内(運搬距離L=7.3km)の大同特殊鋼(株)工場内へ運搬・処分する。」

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 上記のとおり記載されており、スラグを産業廃棄物と認識していることが分かります。

 具体的に施工条件を明示する書類ではわかりやすく「産業廃棄物について」と前置きしながら、本文では“スラグ入り砕石”と標記しています。廃棄物処理法上の分類である「鉱さい」と“スラグ”という言葉を使い分けていることが分かります。

 また、「その他」として「スラグ混合上層路盤材」という名称のスラグをM30相当品として材料支給することが重ねて記載されています。他の材料が入らないよう、念には念を入れて指示が為されている様子が分かります。



※PDFはこちら。 ⇒ 1111axjchpnvz.pdf
第6および第2駐車場の「表層工(As)計算書」および「鉱さい撤去計算書」です。

 ここでは、一般的なスラグ砕石という言葉でなく、「鉱さい」撤去計算書など、敢えて呼んでいます。廃棄物処理法上の分類である「鉱さい」という分類名を使用しているのです。設計担当者はスラグ入り砕石を「廃棄物である」と認識していたはずだったのではないでしょうか?この設計担当者は廃棄物処理法までも理解する優秀な人材であると推測できます。しかし、悲しいかな、幹部の皆さまが愚鈍では、いかに優秀な人材もストレスが溜まるばかりでしょう。

■ここまで見ていただいた工事設計書のポイントを整理してみましょう。

1.スラグ不法投棄先の拡大のため、新たなスラグ混合砕石の実績づくりにテスト施工を実施する工事であること。(1カ所でも実績を作っておくことにより、「市場に流通していた」ということにして群馬県に申告すれば、県土整備部が「県の公共工事に使ってもよい」とお墨付きを出してくれる手筈だったことがうかがえます。)

2.テスト施工のお礼として、駐車場に使用されていた使用済みスラグを大同特殊鋼が運搬・処分を行うこと。
(使用済みスラグの再生処理をカモフラージュするための「テスト施工」だったのかもしれません。)

3.渋川市の設計担当者が、駐車場のスラグを、廃棄物処理法上の「鉱さい」に分類されると認識していたこと。

 以上の3点が注目すべき事項として挙げられます。

 特にポイント3について、渋川市の設計担当者はよくお勉強をしていることがわかります。

 なぜなら、駐車場のアスファルトやその下の路盤材を掘削して外部に持ち出す際には、廃棄物処理が必要になるからです。例えそれが天然石であっても不要物として外部に出すからには廃棄物処理しなければなりません。

 今回のスカイランドパーク駐車場工事でもアスファルト殻は廃棄物処理法所定の手続きがとられているようです。

 しかし路盤材として使用されている猛毒スラグに関しては、いったんは廃棄物処理法上「鉱さい」に分類され廃棄物処理が必要であると判断されている形跡があるのに、建設部の幹部から“大同特殊鋼様のご負担で使用済みスラグは運搬・処分してくださるからマニフェスト伝票の手配や、処理費等は設計に盛り込まなくてよい”と指示された可能性?が想像できるからです。

 結果として廃棄物処理法を無視して、無許可業者により外部に持ち出され、廃棄物処理法で定めれれているルールを破り不法処理した疑いが指摘されるのです。

■では実際に、駐車場から無許可で掘削・積込をして、建設工業が運んだ超有害スラグはどうなったのでしょうか?

 渋川市より公開された超有害スラグ仮置き場の写真を入手しましたので、さっそく見ていきましょう。


※PDFはこちら。 ⇒ 12qxo200xcmf.pdf
角田市会議員が渋川市職員と大同特殊鋼の社員から説明を聞きながら、置き場を視察した様子ということです。


※PDFはこちら。 ⇒ 13svgfjq.pdf
重機の幅が約3m、L型擁壁の幅が1.5mくらいであるようです。

 角田市会議員の一般質問では、「(置き場のスペースは)200~250㎥ぐらいにしか見えない」と話しています。


※PDFはこちら。 ⇒ 145jxoxgbnp.pdf
約600㎥運び込まれたうち残りはどこにあるのか質問したところ、「こちらのストックヤードがそうだ」と大同社員から説明を受けたとのことです。既に細かく砕かれて処理済みとなっています。特殊鋼を生産するたびに副産物として発生するスラグですので、細かく砕かれた後ではスカイランドパークの超有毒スラグなのかどうかはわかりません。説明は苦し紛れですので、この細かいスラグは別物と思ってよいでしょう。

■以上の状況を踏まえた上で、【渋川市議会議事録】<平成25年6月定例会一般質問-05号>の中から一部を抜粋して見ていきましょう。

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◆25番(角田喜和議員) いいですか。法に違反していると、そういう状況で今進んでいるのです。現在進行形なのです。それで、大同特殊鋼の仮保管とありましたけれども、大同特殊鋼では中間処理、保管する資格は持っているのですか。そこをまずお願いします。
○議長(入内島英明議員) 建設部長。
◎建設部長(吉田久) 中間処理の資格は持っておりません。
◎建設部長(吉田久) 運搬した業者でありますけれども、株式会社佐藤建設工業であります。量は、598立米であります。大同特殊鋼の敷地内に保管してあります。
◆25番(角田喜和議員) それだって違反ではないですか。それだってだめではないですか。私きのう許可を得て見させてもらいました。この中では、先ほど598立方メートルと言いましたけれども、私があそこを見てきた中では、約200立方でしょうか、あれトンではないです、がさですから。200立方からあっても250立米ぐらいにしか見えないのです。
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 渋川市建設部長が話しているとおり、大同特殊鋼は「鉱さい」を中間処理する許可を得ていません。大同特殊鋼は細かく砕いて、佐藤建設工業にまた売り渡してしまおうとしたのです。いや、それどころか、実際に350㎥ほど出回ってしまったかもしれません。

■その後平成25年9月の渋川市議会で、この超有害スラグの処分について質疑がありました。

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◎建設部長(吉田久) ストックヤードにどのくらいあったかということでありますが、市としてはスカイランドパーク第2、第6駐車場の舗装工事から出たスラグ砕石、延べ101台のダンプによって大同特殊鋼へ搬入いたしました。それについては、車両の入場記録、受領帳等から確認しております。ただ、それは598立米に相当する量が運ばれたものと思われます
◆25番(角田喜和議員) 重大なことが今説明された中にありました。当初101台を大同に運んだと。1台1台チェックしていないけれども、101台ということで今説明がありました。この101台、重要なのです。ただの砕石ではないのです。ここには20倍にも及ぶ六価クロムが含まれているスラグが砕石の中入っているのです。わかります。それが101台がそこに行ったということでありますが、実際にそれでは再度確認しますが、大同特殊鋼から長野の処理業者を使って搬出して埋め立てられた、それについては何台で、何トンなのか詳細にそのところ。それから、金額についてもお示しいただければ、何に、どんなものでお金の支出を計画しているのか、予定しているのか、そのところも含めてお示しをいただきたいと思います。
◎建設部長(吉田久) 何台ということでありますが、先ほども答弁させていただいたかと思いますけれども、70台で、816トンであります。金額は2,452万8,000円であります。
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 このやり取りで101台の有害スラグが大同特殊鋼に運ばれたことが分かりました。運搬した佐藤建設工業のスラグ運搬車は10トン車が多い(中には12トン車もある)ようなので、約1,010トン運ばれたことが分かります。

 最終的には、仮置き場の有害スラグを処理する許可を持っている長野の業者を使って最終処分したようですが、その量が816トンだったことから、差額の194トンが行方不明になっています。行方不明のスラグは環境基準値の20倍もの超猛毒スラグです。実際には、どれだけの超有害スラグが最終処分場に処分されたか、は分らないというふうに想像されます。渋川市の一般質問の様子から、少なくとも194トンの有害産業廃棄物が、長野の最終処分場以外に不法投棄されたことが断定できます。これは廃棄物処理法が定めたルールを破り「みだりに廃棄物を投棄してはならない」(廃棄物処理法第16条)との定めに違反する行為です。

■大同特殊鋼と渋川市が組んで行った不法投棄ですが、これが初犯ではありません。過去にも同じ有害スラグの再処理を行っています。


※PDFはこちら。 ⇒ http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/html/3c1129.pdf
これは大同特殊鋼・大同エコメット・佐藤建設工業が2011年11月29日に行った三者会議と呼ばれる内部資料です。表の下に「*8,9月処分場道路工事発生スラグを再処理、佐藤建設へ出荷(約600㎥)」と記載されているのがご覧いただけますでしょうか。

 処分場とは小林製鋼運送名義で、実質、大同が運営している最終処分場のことです。その処分場の進入路を渋川市の土地を一部使って拡幅する工事を行った際に、埋設されていた六価クロムを含む超有害スラグを掘削運搬し、細かく砕いて、蒸気でエージングという再処理を行って佐藤建設工業に出荷してしまったのです。大同特殊鋼は不法投棄の常習犯だったのです。

■最後に工事設計書をよく見ると、上層路盤工として再生粒調砕石M30を使用するよう指示されています。スラグ混合上層路盤材という怪しい資材は再生粒度砕石の同等品として設計に組み込まれているのです。

 佐藤建設工業は再生粒調砕石M30や再生砕石RC40をこのスカイランドパーク第2・第6駐車場補修工事に出荷していますが、佐藤建設工業は再生砕石を製造する許可を得ていません。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料:【渋川市議会議事録】<平成25年6月定例会一般質問-05号>
PDFはこちら。⇒ 16yascczdqtnuot.pdf
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1426.html#readmore
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/html/shibukawacitycounsilqajune2013.pdf

※参考資料:【渋川市議会議事録】<平成25年9月定例会一般質問-07号>
PDFはこちら。⇒ 17yascczdqtnxov.pdf
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