■きょうの東京新聞の群馬版に、安中市の中後閑地区の約240mの市道新設工事が、事業費約1.2億円で2002年度に着工されたにもかかわらず、約5千万円を注ぎ込んで、02、03年度に部分的に切り土工事が行われただけで、その後6年間も放置状態にされているという報道記事が掲載されました。
■記事を書いたのは、安中市の東京新聞販売店主で、岡田市長に以前、長年にわたり多額の政治献金を行ってきた「記者」のかたです。従って、市長選直後に、なぜこのような記事が書かれたのか、背景を十分調査した上で、分析する必要があります。
東京新聞に掲載された記事はつぎのとおりです。
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安中 市道整備、6年間放置 住民「ずさんすぎる」
安中市中後閑で、市が2002年度に着工した市道バイパス施設工事が、事業全体の約1割に当たる切り土工事が行われただけで、04年度以降、6年間も放置されていることが分かった。厳しい財政状況から休止を余儀なくされた格好で、再開のめどは立っていない。地元住民から不満の声が上がる一方で、当初の計画を疑問視する声も出ている。(樋口聡)
<投資無駄に?/財政厳しく再開できず>
事業は、同市中後閑長足の市道の一部が狭いことから、新たに丘陵地を切り土し、幅7メートル、総延長約240メートルのバイパスを新設する工事。事業費は約1億2千万円の予定だった。市西部地域から長野新幹線・安中榛名駅などへのアクセス道として、また通学などバス路線に利用できる道路として地元の陳情を受けて計画された。
1999年度から測量や用地買収などを行い、02年度に着工、約5年後には完成予定だったが、工事は03年度を最後に休止。これまでに約5千万円が投じられ、部分的に切り土工事などが行われたが、放置された状態が続いている。
市建設部は休止について、大量の残土発生などで事業費が今後、約1億5千万円必要となり、当初計画を大幅に上回る事を挙げ、「費用対効果や財政状況を考慮して休止せざるを得なかった」と説明している。
こうした状況に、陳情に加わった地元の男性(87)は「予算が厳しいことは分かるが、中断のまま放置するのではずさんすぎる」と市の対応を批判。一方、事業について、市監査委員が03年度の監査で「計画段階から慎重に検討するべきだった」と指摘するなど疑問視する声もある。
06年度の市長就任以来、休止を続けている岡田義弘市長は「放置は税金の無駄遣い」と地元住民の批判を認めた上で、「十分に検討せずに事業着手した結果だ。厳しい財政状況が続いており、すぐに工事再開とはいかない」と話している。
(2010年4月21日東京新聞)
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この記事から窺えることは、次の疑問です。
1)事業全体の約1割に当たる切り土工事が行われただけなのに、なぜ事業費約1.2億円のうち約0.5億円もの公金が投入されたのか。
2)なぜ、約240mのバイパスを新設するのに、約1億2千万円もの事業費(1mあたり約50万円)がかかることになっていたのか。
3)なぜ、市建設部は、大量の残土が発生するからとして、今後の事業費が約1.5億円必要になるとしているのか(当初の事業費と合わせると、約2.7億円に上る)。
4)なぜ、陳情を受け付けて、事業に至ったのか、その間の経緯が不明であること。
■その性格からすると、前市長の事業をすべて否定してきた岡田市長のことですので、本件についてどのような思惑があるのか、また、前市長当時の関係者の思惑についても、併せて分析すべく、当会としても情報公開で資料を入手し、検討を進めてゆく所存です。
それにしても、口利きで人通りのない場所に立派な道路を作ったり、自分のウラにある檀家の寺の所有地をネコババして自分のうちの敷地にしたり、岡田市長のやることには目が離せません。岡田市長が安中市土地開発公社の理事監事時代に、土地不正取引方法の師と仰いでいた元職員タゴが、昨年秋にめでたく出所したことから、今後はさらに、こうして捻じ曲げられた公共事業の事例の増えることが懸念されています。
【ひらく会情報部】