市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

不正通行者を警察に通報して初めて逮捕した首都高の次の一手は?

2009-11-01 23:24:00 | 首都高炎上とタゴ運輸

■首都高速道路株式会社のホームページによると、同社は、平成21年10月20日に次の情報をプレスリリースしました。

**********
不正通行者の逮捕について
~首都高速道路株式会社は不正通行に毅然と対応します~
 警視庁は本日、通行料金を支払わず不正に首都高速道路を通行していた容疑者1名を詐欺罪(刑法第246条)の容疑で10月19日(月)に逮捕したと発表しました。
 今回の逮捕は、本来支払うべき通行料金を支払わずに不正に首都高速道路を通行していたため、弊社が警視庁に通報したことがきっかけになり、逮捕に結びついたものです。
 弊社はこれまでも、有料道路事業に対するお客様の信頼を損ねることがないよう、『不正通行は許さない』という強い姿勢で取り組んで参りましたが、今般、容疑者が逮捕されたことは、通行料金負担の公平性の確保及び不正通行抑止の観点で意義のあるものと考えています。
 今後も弊社は不正通行に対し、毅然とした態度で臨むとともに、警察の捜査に積極的に協力し、不正通行対策に取り組んで参ります。
>お問合わせ
首都高速道路株式会社
 営業部営業管理グループTEL:03-3539-9332
**********
■この伏線として、同社のホームページでは、インフォメーションとして、平成21年8月14日付けで、次の方針を表明していました。

**********
<不正通行に対する弊社の考え方>
 不正通行という行為は、車を凶器のように悪用して、料金を支払わずに力ずくで通行する極めて卑劣で許しがたい犯罪行為です。不正通行に対しては、今後とも全社一丸となって断固とした態度で臨んでいく所存です。
 不正通行者に対しては、警察への積極的な通報や、割増金を含めた通行料金の請求・督促及び回収を今後も継続して行ってまいります。
 首都高の料金所を未払いのまま通過し、その後お支払いのご連絡をいただかなかった場合は不正通行として取り扱い、レーンに設置してある不正通行対策監視カメラ等を活用し、割増金も含めた通行料金を請求させていただきますのでご注意ください。
<不正通行に対する取組み>
・全料金所において不正通行車両の特定が可能となる整備が完了
・不正通行対策監視カメラを活用した不正通行等車両の捕捉の強化
・戸別訪問による通行料金・割増金の回収の強化
・他会社との情報共有等による連携強化
・道路整備特別措置法違反による警察への通報
**********

 今回の不正通行者の逮捕は、首都高のこの方針が決してコケ脅しではないことをアピールしたものです。

■ご承知の通り、平成20年8月3日午前5時50分頃、首都高速5号池袋線(下り)熊野町ジャンクション付近で、多胡運輸(群馬県高崎市)所有のタンクローリーの横転炎上による火災事故が発生しました。この事故は、首都高として、かつてない大事故であっただけに、同社としても早期復旧に向け、昼夜兼行の作業を進めた結果、平成20年10月14日正午に都心方面への上り線が全面開通し、これをもって5号池袋線上下線とも全面的な開通の運びとなりました。同日行われた同社による記者会見では、「今後、交通開放をしながら、上層の橋桁の裏面吸音板の設置、下層の橋桁の補修等を実施する予定です。また、復旧工事費や本事故による通行料金の減収額については、今後精査の上、原因者に請求していく予定です。」と、多胡運輸や、その元請の運送会社などへの損害賠償請求を示唆していました。

 しかし、事故から既に1年3カ月、記者会見から1年以上経過しましたが、依然として首都高では、原因者に損害賠償を請求した形跡がありません。

■今回の不正通行者の逮捕について、首都高は、次の方針と決意を公言しています。
「有料道路事業に対するお客様の信頼を損ねることがないよう、『不正通行は許さない』という強い姿勢で取り組んできた」
「今般、容疑者が逮捕されたことは、通行料金負担の公平性の確保及び不正通行抑止の観点で意義のあるものと考えている」
「今後も不正通行に対し、毅然とした態度で臨むとともに、警察の捜査に積極的に協力し、不正通行対策に取り組む」

■これらの方針と決意によれば、多胡運輸に対する損害賠償請求についても、「泣き寝入りはしない」「逃げ得は許さない」「道交法違反のような違法通行に対し、毅然とした態度で臨む」「警察の捜査に積極的に協力し、道交法違反対策に取り組む」という対応がとられてしかるべきと考えます。

 国交省が、多胡運輸やそれを支える自民党のチョー大物政治家の息のかかったファミリー会社の影響力を吹き飛ばし、首都高にきちんとしたケジメをつけさせることができるかどうか・・・八ッ場ダム問題で利権温存にすがる群馬県の自民党勢力が最後の足掻きをしているなかで、本件についても、年末に向けてなんらかの動きがあるものと注目されます。

【ひらく会情報部】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする