市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【安中タゴ51億円事件】会議録不開示取消訴訟で原告完全敗訴!…土地公社の伏魔殿化を追認した前橋地裁

2021-08-18 23:18:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■令和3年8月18日(水)13時30分に前橋地裁2階第21号法廷で開かれた第4回弁論の判決言渡しで、4月に前任の渡邊裁判長(現・東京高裁判事)と交替した田中芳樹裁判長は、冒頭、橋本書記官が「令和2年(行ウ)第17号事件」と読み上げた後、「それでは判決を言い渡します。主文、本件訴えのうち,別紙不開示情報目録記載以外の不開示部分の取消しを求める部分を却下する。原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。理由は判決文を見てください」と宣言しました。

 4月に前橋地裁に赴任した田中裁判長が、前任者から引き継いだ事件で初めて判決を出すということで、その内容が注目され、オンブズマン関係者3名と大手新聞記者1名が傍聴していましたが、やはり行政にモノ申す判決内容とは程遠く、行政におもねる事なかれ主義の判決でした。現在、当会で係争中の数件の行政を相手取った住民訴訟事件を同裁判長が担当していますが、この判決文からすると、その他の事件の行方にも影響は大きいと思わざるを得ません。さっそく判決文を見てみましょう。

6日間続いた雨天からようやく日差しを見せた8月18日午前11時ごろの前橋地裁。

 この事件の出訴からこれまでの経緯については、次のブログを参照ください。
○2020年11月29日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンに加えタゴに1万8526年ローンを許容中の安中市を提訴!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html
○2021年1月14日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンの公社理事会議録の不開示取消訴訟第1回弁論を前に安中市から答弁書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3264.html
○2021年6月11日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンの公社理事会議録の不開示取消訴訟が結審!8/18に判決
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3325.html

■判決文の全文は次のとおりです。

*****8/18判決文*****ZIP ⇒ 20210818isjj.zip
令和3年8月18日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官橋本勇一
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
口頭弁論終結日 令和3年5月26日
           判    決
   群馬県安中市野殿980
       原        告   小  川     賢
   群馬県安中市安中一丁目23番13号
       被        告   安   中   市
       同代表者兼処分行政庁   安中市長 茂木英子
       同訴訟代理人弁護士    小  坂  景  子
           主    文
    1 本件訴えのうち,別紙不開示情報目録記載以外の不開示部分の取消しを求める部分を却下する。
    2 原告のその余の請求を棄却する。
    3 訴訟費用は原告の負担とする。
           事実及び理由
第1 請求
 処分行政庁が原告に対して令和元年8月6日付けでした行政文書部分開示決定(安企発第826号。以下「本件決定」という。)のうち,別紙文書目録記載の各文書中の黒塗り箇所を不開示とした部分を取り消す。
第2 事案の概要
 原告は,処分行政庁に対し,安中市情報公開条例(以下「本件条例」という。)6条1項に基づき,「2018年7月以前を含め,これまでに公社と群馬銀行との間で協議を重ねてきた経緯がわかる一切の情報(群銀との協議録のみならず,公社における理事会・評議会など内部の会議録を含む。)」等が記載された行政文書の開示を請求した(以下「本件開示請求」という。)。処分行政庁が同請求について本件決定をしたことから,原告は,被告に対し,本件決定のうち,別紙文書目録記載の各文書中の不開示部分の取消しを求めた。
 1 本件に関する法令等の規定
 (1) 本件条例の定め(抜粋)
ア 本件条例において,「実施機関」とは,市長,教育委員会,選挙管理委員会, 公平委員会,監査委員,農業委員会,固定資産評価審査委員会及び議会をいい,「行政文書」とは,実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画及び電磁的記録であって,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの をいう(2条1項,2項)。
 イ 何人も,本件条例の定めるところにより,実施機関に対し,当該実施機関の保有する行政文書の開示を請求することができる (5条)。
 ウ 実施機関は,開示請求に係る行政文書に次に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない(7条2号,3号)。
 (ア) 個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。
 (イ) 法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。
 エ 実施機関は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において,不開示情報が記録されている部分を容易に,かつ,開示請求の趣旨を損なわない程度に区分することができるときは,当該部分を除いて行政文書の開示をしなければならない(8条1項)。
 オ 実施機関は,法人の設立に当たり,市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって,実施機関が保有していないものについて,当該情報の公開の申出があったときは,当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる(24条2項)。
 (2) 公有地の拡大の推進に関する法律(以下「法」という。)の定め(抜粋)
 地方公共団体は,地域の秩序ある整備を図るために必要な公有地となるべき土地等の取得及び造成その他の管理等を行わせるため,単独で,又は他の地方公共団体と共同して,土地開発公社を設立することができ,土地開発公社は,法人とされる(10条1項,11条)。
 2 前提事実
 以下の事実は,当事者間に争いがないか,本文中に掲記の証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認めることができる。
 (1) 安中市土地開発公社(以下「本件公社」という。)は,法10条1項に基づき,被告が全額を出資して設立した土地開発公社である。(甲4)
 (2) 本件公社では,昭和62年から平成7年にかけて,当時の職員が,約3億4490万円の公金を着服し,また,群馬銀行から融資金約48億円を騙し取るなどして,約51億1250万円を横領するという事件(以下「安中市土地開発公社不祥事件」という。)が発生した。
 (3) これを受けて,群馬銀行は,平成7年10月19日,本件公社及び本件公社の保証人であった被告に対し,貸金の支払及び保証債務の履行を求める訴訟を提起した。
 (4) 上記訴訟において,平成10年12月9日,本件公社及び被告が,群馬銀行に対して連帯して24億5000万円を分割して支払う内容の和解(以下「本件和解」という。)が成立した。(甲7,10)
 (5) 原告は,令和元年6月10日,処分行政庁(安中市長。以下「市長」という。)に対し,「広報あんなか2019年6月1日号のP9下半分にある「安中市士地開発公社不祥事件 和解20年後の対応について」という記事に関する次の情報」として,「2018年7月以前を含め,これまでに公社と群馬銀行との間で協議を重ねてきた経緯がわかる一切の情報(群銀との協議録のみならず,公社における理事会・評議会など内部の会議録を含む)。」等が記載された行政文書の開示を求める本件開示請求をした。(甲1)
 (6) 市長は,本件公社に対し,本件開示請求の対象となる情報のうち本件公社が保有しているものについて,本件条例24条2項に基づき,情報を提出するよう求めたところ,本件公社は,別紙文書目録中別紙不開示情報目録記載以外の黒塗り部分(以下「本件公社黒塗り部分」という。)を黒塗りした文書(以下「本件各文書」という。)等を提出した。
 市長は,本件各文書のうち,個人の氏名及び地位については本件条例7条2号に,法人の印影については同条3号に該当するとして,該当箇所を黒塗りした上で,本件決定をし,これを原告に通知した。(甲2,5~10)
 (7) 原告は,令和元年11月7日,本件決定を不服として,市長に対し,審査請求をした。(甲3)
 (8) 市長は,令和2年5月15日付けで上記審査請求を棄却するとの裁決をし,同月16日,原告に対してこれを通知した。(甲4)
 (9) 原告は,令和2年11月16日,本件訴訟を提起した。(当裁判所に顕著な事実)
第3 争点
 1 本件各文書のうち,本件公社黒塗り部分について,市長の不開示決定が存在するか(争点1)
 2 本件決定の適法性(争点2)
第4 争点に関する当事者の主張
 1 争点1(本件各文書のうち,本件公社黒塗り部分について,市長の不開示決定が存在するか)
 (1) 原告の主張
 被告が本件公社の群馬銀行に対する本件和解に基づく債務について連帯保証人である以上,市長は,本件公社理事会の会議録情報を全て保有していなければならない。
 また,本件公社は,その運営に携わる職員は被告の市長部局の職員が全て兼務し,その業務従事時間に相当する給与は全て被告が支払っている。本件公社には組織固有の総務や人事など存在せず,執務用の専用スペースもなく,電話もFAXもなく,本件公社の看板すらない。本件公社は,その施設の全てを被告と共有しており,実質的に被告と同体である。
 さらに,被告は,本件公社の連帯保証人である以上,本件公社理事会で繰り返し行われてきた本件和解に関する協議の内容について,無頓着であってはならず,しかるべき方策を本件公社が取っているか知る必要があるから,本件公社から情報を取得する義務がある。
 したがって,市長は,本件各文書について,黒塗りしていないものを保有しているはずである。
 (2) 被告の主張
 市長は,本件開示請求を受け,本件公社に対し,本件条例24条2項に基づき,情報の提出を求めた。これに対して,本件公社が,本件公社黒塗り部分を黒塗りした文書(本件各文書)等を提出したため,市長は,本件条例7条2号又は3号に該当する部分を黒塗りした上で,本件決定をした。
 本件公社は,被告と密接な関係で業務を行っているが,法人格はもとより会計上も被告から独立しており,本件条例においても同様に位置付けられている。そのため,被告が本件公社の連帯保証人となっていたとしても,市長は,本件公社理事会の会議録情報を保有しておらず,また,保有する義務もない。
 したがって,本件各文書のうち本件公社黒塗り部分について,市長による不開示決定は存在しない。
 2 争点2(本件決定の適法性)
 (1) 被告の主張
 前記のとおり,本件公社黒塗り部分の不開示決定は存在しない。また,別紙不開示情報目録記載部分は,個人の氏名及び地位又は法人の印影であるから,本件条例7条2号又は3号に該当する。
 したがって,本件決定は適法である。
 (2) 原告の主張否認ないし争う。
第5 当裁判所の判断
 1 争点1(本件各文書のうち,本件公社黒塗り部分について,市長の不開示決定が存在するか)について
 原告は,被告が本件公社の群馬銀行に対する本件和解に基づく債務について連帯保証人であること及び被告と本件公社が実質的に同体であること等から,市長は,本件各文書について,黒塗りしていないものを保有しているはずである旨主張する。
 確かに,前記前提事実(4)のとおり,被告と本件公社は,群馬銀行に対し,本件和解に基づく連帯債務を負担している。しかし,そうであるからといって,市長が本件公社理事会の情報を全て保有していることにはつながらないし,本件公社は,法に基づいて被告が設立した土地開発公社であり(前提事実(1)),被告からは独立した法人格を有するものであるところ,本件全証拠によっても,被告と本件公社が実質的に同体であるとの事実は認められない
 また,本件条例24条2項は,実施機関は,市が2分の1以上を出資している法人に対して,実施機関が保有していない情報を提出するよう求めることができると規定するものの,市長において,本件公社が本件公社黒塾り部分を黒塗りして提出した文書について,さらに本件公社に対して黒塗りのないものの提出を強制することまではできないものと解される
 したがって,原告の主張は採用することができない。そして,本件全証拠によっても,市長が,本件決定当時,本件各文書について黒塗りしていないものを保有していたことは認められないから,本件公社黒塗り部分について,市長による不開示決定は存在しないというべきである
 2 争点2(本件決定の適法性)について
 上記のとおり,本件公社黒塗り部分について,市長による不開示決定は存在しない。
 ところで,前記前提事実(6)及び弁論の全趣旨によれば,別紙不開示情報目録記載部分のうち,議事録本文中の黒塗り部分は個人の氏名及び地位が記載された部分であり,議事録添付資料中の黒塗り部分は法人の印影が記載された部分であることが認められる。
 個人の氏名及び地位が記載された部分は,「個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」として本件条例7条2号に該当する。法人の印影が記載された部分は,法人の印影が,記載事項の内容が真正なものであることを示す認証的機能を有する性質のものであり,これを公開すると,偽造等によって当該法人に損害を及ぼすおそれがあるから,「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」 として同条3号に該当する。
 したがって,不開示情報部分を除いて開示をした本件決定は適法である。
 3 結論
 以上によれば,本件訴えのうち,本件公社黒塗り部分の不開示の取消しを求める 部分は不適法であるから却下し,その余の請求は理由がないから棄却することとす る。

    前橋地方裁判所民事第1部
       裁判長裁判官  田 中 芳 樹
          裁判官  杉 浦 正 典
          裁判官  清 水 瑛 夫

=====別紙1=====
(別紙)
           文 書 目 録
1 平成30年度第3回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録
2 平成30年度第4回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録
3 平成30年度第5回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録
4 平成30年度第6回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録
5 平成30年度第7回公社理事会安中市士地開発公社理事会会識録
6 令和元年度第1回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録

=====別紙2=====
(別紙)
      不 開 示 情 報 目 録
1 平成30年度第3回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録のうち,6枚目の5,6,11,16,18行目の黒塗り部分
2 平成30年度第4回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録のうち,5枚目の7,8,29,30行目,6枚目の16,17,28,29行目,7枚目の9行目,資料 7及び参考資料(「証」書式)の黒塗り部分
3 平成30年度第5回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録のうち,12枚目の35行目,14枚目の14,22行目,資料3及び資料4の黒塗り部分
4 平成30年度第7回公社理事会安中市士地開発公社理事会会議録のうち,6枚目の16行目及び13枚目の35行目の黒塗り部分
5 令和元年度第1回公社理事会安中市土地開発公社理事会会議録のうち,6枚目の36行目,7枚目の1行目,資料1-3及び資料1-4の黒塗り部分


これは正本である。

令和3年8月18日
  前橋地方裁判所民事第1部
   裁判所書記官 橋 本 勇 一
*********

■裁判所が判決文を書く時、よく使う言い回しがあります。それは、判決文の文中に赤字で示したとおり、「しかし,そうであるからといって,○○していることにはつながらないし,○○であるとの事実は認められない。」「○○することができると規定するものの,(ただちに)○○することまではできないものと解される。」「したがって,○○しないというべきである。」という文章構成に如実に表れています。

 公社の事業実態を市民の目から遠ざけたことにより、地方自治体では史上最高額の51億円余りの横領事件が26年前に起きました。

 ところが当時、市民団体である当会の前身の「市政をひらく安中市民の会」が提起した、元職員をはじめ公社の歴代の理事幹事らの責任追及と損害賠償を求める住民訴訟事件において、当時の一審の前橋地裁も、二審の東京高裁も、そして上告審の最高裁判所も、「公社は安中市とは別法人だから、安中市民には被害がなく、よって訴えの利益がないから訴訟資格もない」として、市民団体の請求を棄却しました。

 本当に市民に損害がないのであれば、安中市は土地開発公社に対して連帯保証をする必要がないことになります。しかし、田中芳樹裁判長ら判事は、その点について「しかし,そうであるからといって,○○していることにはつながらないし,○○であるとの事実は認められない。」として、直視した判断をすることはありませんでした。

■24年前に上記の判断をした裁判官に対して、24年後の現在の裁判官が、全く同じ理屈で「公社別法人だから」という判断を最優先にしたのです。その結果、今後とも、安中市=安中市土地開発公社は、自ら損害を被った元職員に対して、損害賠償を求める努力もせず、そのことを市民に対して情報開示する熱意もなく、群馬銀行に対してのみ、あと81年間にわたり、元職員の尻拭いの為の和解金を毎年2000万円ずつ支払うためだけに、公社だけは存続させようという方針を、ますます助長させることになってしまいました。

 しかし、安中市=公社が、高崎市に在住する元職員が、毎月1万円の自主返済をしている現状に満足して、今後も約1万8000年にわたり、返済してくれると思っているのでしょうか。

 あと8年後に、和解後30年目の対応の次期がやがて巡ってきます。次回までに、この忌まわしい負の遺産を次の世代に残さないように、筆者は命の続く限り、尽力してまいる所存です。

【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】

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【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンの公社理事会議録の不開示取消訴訟が結審!8/18に判決

2021-06-11 23:16:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■令和3年5月26日(水)13時10分から前橋地裁2階第21号法廷で開かれた第3回口頭弁論で、4月に前任の渡邊裁判長と交替した田中裁判長は、「本事件は本日結審します」と宣言しました。11月16日に提訴してから半年たらずで判決に向けた審理を終えたことになります。これまで多数手がけてきた情報不開示処分取消訴訟のなかでも、画期的な速さで判決日が確定されたことになります。判決はお盆明けの8月18日13時30分に前橋地裁第21号法廷で言い渡されます。

 この事件の出訴の経緯については、次のブログを参照ください。
○2020年11月29日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンに加えタゴに1万8526年ローンを許容中の安中市を提訴!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html
○2021年1月14日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンの公社理事会議録の不開示取消訴訟第1回弁論を前に安中市から答弁書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3264.html

5月17日に原市に移転した群馬銀行旧安中支店の建物。右手の張り出し部分が支店長室。ここの応接間で、松井誠支店長(当時)はタゴが現金を下ろしに行くたびに、待ち時間に招き入れて接待をしていた。



群銀旧安中支店の駐車場。平成7年4月、巨額詐欺横領事件の発覚直前、ここで、板鼻の古城団地の土地ころがしをネタにタゴを恐喝していた夫婦の乗っていた車に、タゴが群銀で下したばかりの1000万円単位の現金を窓越しに渡していた。↑



ふたたび、兵どもが夢の跡に。

■安中市土地開発公社を舞台に今から26年前の1995年5月18日に安中市役所内部で密かに発覚した地方自治体では史上最大の巨額詐欺横領事件。警察の調べで総額51億円を超える犯罪にも拘らず単独犯とされた元職員タゴは1952年3月生まれで、今年69歳となり、現在高崎市内のT町に住んでいます。

 この前代未聞、空前絶後の巨額詐欺横領事件により、現在公社は、群馬銀行に対して債務となる総額24億5000万円のうち、和解と同時に支払った4億円を除く20億5000万円を毎年2000万円ずつクリスマスに群銀に103年かけて支払中です。昨年12月25日に22回目の支払が行われました。

 安中市長はいつも財政難を市民に説いていますが、群馬銀行は市土地開発公社のことを優良経営だと評価しています。なぜタゴの横領の尻拭いをしている公社に潤沢な資金が集まり、一般会計がピンチなのか、安中市から納税者市民への説明はありません。


■そのため、公社が群銀との和解20年後の対応のためにタゴからの債権回収をきちんと話し合ったのかどうか、経緯を確認すべく公社理事会の議事録を情報開示請求したところ、市・公社が相当な分量を黒塗りして出してきました。これでは26年前の教訓が全く生かされていません。なので、昨年11月16日に全面開示を求めて安中市を提訴しました。

  その後、第1回口頭弁論が今年1月27日(水)10:20、第2回口頭弁論が3月17日(水)10:20、第3回口頭弁論が5月26日(水)13:40からそれぞれ前橋地裁第21号法廷で開かれました。

*****5/26開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
令和3年5月26日 水曜日
○開始/終了/予定:10:10/10:10/弁論
 事件番号/事件名:令和元年(ワ)第396号/損害賠償請求事件
 当事者:伊藤美津江/富士田貢 外
 代理人;下山順/足立進
 担 当:民事第1部合議係
     裁判長 田中芳樹
     裁判官 杉浦正典
     裁判官 清水瑛夫
     書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:10:20/10:30/第1回弁論
 事件番号/事件名:令和3年(ワ)第110号/地位確認等請求事件
 当事者:佐藤彩/ケイ・ネクスト株式会社
 代理人;高山雄介/木村仁美
 担 当:民事第1部合議係
     裁判長 田中芳樹
     裁判官 杉浦正典
     裁判官 清水瑛夫
     書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:10/13:20/弁論
 事件番号/事件名:令和2年(ワ)第369号/損害賠償請求事件
 当事者:亡吉野邦彦訴訟承継人吉野初美 外/木附整形外科医院こと木附哲
 代理人;高山昇/岩崎茂雄
 担 当:民事第1部合議係
     裁判長 田中芳樹
     裁判官 杉浦正典
     裁判官 清水瑛夫
     書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:20/13:30/弁論
 事件番号/事件名:令和3年(行ウ)第2号/ゴミ置き場利用請求事件
 当事者:中村和夫/太田市
 代理人;-/杉浦貴之
 担 当:民事第1部合議係
     裁判長 田中芳樹
     裁判官 杉浦正典
     裁判官 清水瑛夫
     書記官 橋本勇一
○開始/終了/予定:13:30/13:40/弁論
 事件番号/事件名:令和2年(行ウ)第17号/行政文書不開示処分取消請求事件
 当事者:小川賢/安中市
 代理人;-/小坂景子
 担 当:民事第1部合議係
     裁判長 田中芳樹
     裁判官 杉浦正典
     裁判官 清水瑛夫
     書記官 橋本勇一

**********

 5月26日(水)の第3回弁論は、前の裁判が長引いたため10分ほど遅れて開始されました。今回、裁判長がそれまでの渡邊和義判事から4月に田中芳樹判事に交替したため、新しい田中裁判長がどのような訴訟指揮をするのか注目されました。

 冒頭、原告住民は、予め提出しておいた準備書面(1)を陳述し、甲号証2件を写しで提出する旨確認したあと、田中裁判長は、原告・被告双方に対して、「主張は出尽くしたと思うがどうか」と尋ねたので、原告住民として「はい、裁判長、原告としての主張はすべて陳述しました」と答えました。すると、裁判長は深く頷き、「では、本日これで結審します」と宣言しました。

■すると、被告訴訟代理人の小坂弁護士が「予定より早く原告準備書面が提出されたので、内容について、検討したところ、いちおう反論しておきたい」という趣旨の申出が裁判長に為されました。

 被告安中市訴訟代理人いわく「法的な解釈で反論をしておきたい」とのこと。これを聞いた田中裁判長は、「本日結審とするが、反論するなら早めに願いたい」として3週間以内を指示しました。そのうえで、原告住民に対して「新たな事実関係でなく、法的解釈についてとのことだというが、いずれにしても本日結審します」と改めて宣言しました。

 そして、判決は8月18日(水)13時30分であることを告げました。そして原告にむかい「小川さん、判決に際しては出頭しなくてもかまいません」と裁判長が言いました。そこで原告住民として「裁判長、よく存じております。ただし、私、もしくは私が主催する市民団体が提起した訴訟で判決言渡しの際には、できる限り出頭してここに着席しながら判決をお聞きし、直ちに判決文を受領することを、行動指針としております」と裁判長にお伝えしました。

■その後、6月9日付で、FAXにて被告安中市の訴訟代理人の小坂弁護士から、被告準備書面(2)が送信されてきました。

*****送付書兼受領書*****
From:安中法律事務所 027 393 6667 2021/06/09 10:46 #648 P.001/004

              送  付  書

                              令和3年6月9日
送 付 先 前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中 (FAX027-233-0901)
      原告 小川 賢 様          (FAX027-381-0364)
送 付 者 被告訴訟代理人
      弁護士 小 坂 景 子   ㊞    (TEL027-386-6667)
                         (FAX027-393-6667)
事件の表示:事件番号 令和2年(行ウ)第17号
      事 件 名 行政文書不開示処分取消請求事件
      当 事 者 原告 小川 賢
           被告 安中市
      判決期日 令和3年8月18日(水)午後1時30分

 下記受領書を裁判所及び当職迄ご送付くださいますようお願い申し上げます。

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             受  領  書

前橋池方裁判所民事第1部合幾係 御中 (FAX027-233-0901)
被告訴訟代理人 弁護士 小坂畏子様行 (FAX027-393-6667)

 令和3年6月10日
 本日,上記書類を受領いたしました。

               原 告  小 川  賢   ㊞


*****被告準備書面2*****
令和2年(行ウ)第17号  行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川 賢
被告 安中市

             準備書面2

                       令和3年6月9日
前橋地方裁判所民事第1部 御中

                   被告訴訟代埋人
                   弁護士 小 坂 景 子   印

 原告の令和3年4月30日付け原告準備書面(1)に対する認否・反論は,以下のとおりである。

第1 第1項について
 1 同1項は,争う。
 2 同2項及び3項は,一般論であり認否不要。
 3 同4項第1文のうち,103年ローンと呼ばれていることは不知,その余は認め,第2文は否認する。
   説明会において,参加者から質問があった事項については,公社及び被告が回答している。そもそも,被告が公社の債務について連帯保証人となった和解については,市民の代表である議会の議決を得ており,当然,原告が主張しているような事情については説明を尽くしている。
 4 同5項及び第6項は争う。
   被告は,条例を執行する義務を負っており,条例を無視して全てを開示することはできない(地方自治法第138条の2参照)。
 5 同7項及び第8項は,概ね認める(条例第7条第2項イ)。
 6 同9項は,争う。連帯保証人が,主債務者の会議情報等を全て保有している場合などほとんどない。

第2 第2項について
 1 同1項は争う。
 2 同2項のうち,公社の職員が,被告の市長部局の職員が兼務していることは認め,その余は否認する。
 3 同3項は,認める。
 4 同4項のうち,「その業務時問に相当する給与は,すべて被告が支払っており」は否認し,「実質的にも被告と同体である」は争い,その余は概ね認める。
   公社の業務に従事している時間は,被告の職務を免除されている。公社と被告は,法的にも実質的にも分けられた別組織である。
 5 第5項は,争う。職員は立場を分けて職務を行っており,公社の職員として,公社の職務上作成した文書は,被告の職務上作成した文書ではなく、行政文書には該当しない。

第3 第3項は争う。
   原告は、同2項から5項にわたり,仮定の事実に基づき原告の考えを述べているが,本件情報不開示処分と直接の関連性を有しない。

第4 第4項について
 1 同1項は概ね認める。
 2 同2項は不知。
 3 同3項は否認する。
 4 同4項については概ね認めるが,債権額は22.2億円である。
 5 同5項については,「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)に記載されている内容については認める。
 6 同6項は争う。
   被告は,適切に公社から債務超過解消に向けた取組に関する情報を得ており,理事会の議論の詳細まで知っておく義務まではない。

第5 第5項について
1 同1項及び2項は認める。
2 同3項は争う。
   被告が公社の連体保証人となったのは,訴訟上の和解においてであり,当然,議会の議決も経ている。
 3 同4頃 ないし同6項は不知。
 4 同7項は争う。公社は,安中市において今後予定している工業団地造成事業及び企業誘致の際の造成等を担っていく重要な責務を有している。
 5 同8項のうち,全額完済までの期間は不知,その余は概ね認める。
 6 同9項は,否認ないし争う。
 7 同10項は争う。
   原告が主張する事情は、本件情報不開示処分を取り消す理由とはならない。
                            以 上
**********

■これだけでは、原告住民の準備書面(1)に対してそれぞれ項目ごとにどのような認否・反論をしているのか分かりずらいため、以下に併記した形で記してみましょう。

*****原告準備書面(1)と被告準備書面(2)の対比*****
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川賢
被告 安中市
             原告準備書面(1)
                           令和3年4月30日
前橋地方裁判所民事部第1部 御中
                    原告 小 川   賢     印

 令和3年3月17日の第2回弁論における裁判長の指揮に基づき、原告は、被告が安中市土地開発公社(以下「公社」という)の理事会会議録の情報を共有していなければならない事由について、次のとおり陳述する。

第1 被告と公社の関係について
 1 被告は、答弁書の3ページ目上から4行目で、「公社は、市と密接な関係で業務を行っているが、会計上も独立しており、市と独立した別の法人として位置づけられ、安中市情報公開条例においても同様に位置づけられており、市が公社の連帯保証人となっていたとしても、市が公社理事会の会議録情報を全て保有する義務はない」と主張する。
   しかし、これは次の理由で失当である。
【被告認否・反論】同1項は,争う。
 2 はじめに、連帯保証人の意味を、類似用語の保証人と比較してその違いを示す。
   保証人と連帯保証人は、主債務者(この場合、公社)が返済できなくなった場合、代わりに返済する義務を負うという点では共通性があるものの、主に以下の3点で違いがある。
  (1) 貸金業者(この場合、群馬銀行)が(連帯)保証人に対して請求をしてきた場合、保証人であれば「まずは主債務者(公社)に請求してください」と主張することができるが(催告の抗弁)、連帯保証人はそのような主張をすることができない。
  (2) 主債務者(公社)が返済できる資力があるにもかかわらず返済を拒否した場合、保証人であれば主債務者に資力があることを理由に、貸金業者(群銀)に対して主債務者の財産に強制執行をするように主張することができるが(検索の抗弁)、連帯保証人はこのような主張をすることができず、主債務者(公社)に資力があっても貸金業者に対して返済しなければならない。
  (3) (連帯)保証人が複数いる場合、保証人はその頭数で割った金額のみを返済すればよいのに対して、連帯保証人はすべての人が全額を返済しなければならない。この場合、もちろん、本来返済すべき額を超えて返済する必要があるわけではない。
 3 以上のように、保証人に比べて連帯保証人にはより重い責任が課せられている。そのため現在では、保証人ではなく連帯保証人にすることがほとんどである。世間では、連帯保証人となり返済義務が生じたものの、返済できずに問題を抱える人が後を絶たないのが実情である。
【被告認否・反論】同2項及び3項は,一般論であり認否不要。
 4 公社が抱えている和解金(市民の間では「103年ローン」とも呼ばれている)と称する群馬銀行への債務について、被告は公社の連帯保証人として、10年ごとに証文を書き換える際に、市民に対して説明会を開いている。しかし、なぜこのような債務が生じたのか、なぜ公社の連帯保証をしなければならないのか、さらには公社が債務をどのように相殺し、返済条件や担保設定、および連帯保証の効果等についての説明は、行われていない。
【被告認否・反論】同4項第1文のうち,103年ローンと呼ばれていることは不知,その余は認め,第2文は否認する。
   説明会において,参加者から百問があった事項については,公社及び被告が回答している。そもそも,被告が公社の債務について連帯保証人となった和解については,市民の代表である議会の議決を得ており,当然,原告が主張しているような事情については説明を尽くしている。

 5 被告は連帯保証人として、そうした事情説明を市民に対して行う義務があるのだから、当然に、公社から必要な情報を取得しなければならない。
 6 今回、公社が黒塗りにした箇所の情報は、被告としても当然知っておかねばならない情報であり、ましてや、被告がさらに自ら追加で黒塗りにした箇所があってはならない。
【被告認否・反論】同5項及び第6項は争う。
   被告は,条例を執行する義務を負っており,条例を無視して全てを開示することはできない(地方自治法第138条の2参照)。

 7 仮に、安中市情報公開条例や公社情報公開規程に照らして非開示相当と判断される情報があったとしても、それが、安中市民の生命、健康、生活又は財産を保護するため公にすることが必要であれば、開示されなければならない。
 8 また、原告開示の趣旨に照らして、開示請求文書の一部に非開示情報が記されている場合、非開示情報に係る部分を除いた残りの部分は開示されなければならない。
【被告認否・反論】同7項及び第8項は,概ね認める(条例第7条第2項イ)。
 9 いずれにせよ、公社の連帯保証人である被告には、公社理事会の会議録情報を全て保有する責務があることは明らかであり、被告の主張は失当である。
【被告認否・反論】同9項は,争う。連帯保証人が,主債務者の会議情報等を全て保有している場合などほとんどない。

第2 条例に定める「行政文書」について
 1 被告は、証拠説明書の乙1の立証趣旨として「①条例の開示の対象となる『行政文書』とは、実施機関の職員が組織的に用いるものとして、実施機関が保有しているものをいい、公社の職員が作成した文書については、条例上の行政文書には含まれない」と主張するが、失当である。
【被告認否・反論】同1項は,争う。
 2 前項で述べた通り、公社の作成した文書は、全て被告が保有しているのが実態である。なぜなら、公社が別法人であるとしても、そこで勤務している職員は、理事長から担当まで、すべて被告の市長部局の職員が兼務しているからである。(甲11)
【被告認否・反論】同2項のうち,公社の職員が,被告の市長部局の職員が兼務していることは認め,その余は否認する。
 3 条例第2条第2項(乙1)にも「この条例において『行政文書』とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう」と定めている。
【被告認否・反論】同3項は,認める。
 4 そもそも、公社の実態として、その運営に携わる職員は、被告の市長部局の職員が全て兼務していることから、その業務従事時間に相当する給与は、すべて被告が支払っており、公社にはそもそも組織固有の総務や人事など存在せず、執務用の専用スペースもなく、電話もFAXもなく、公社の看板すら見当たらない。すべて被告の施設を共有しており、実質的にも被告と同体である。
【被告認否・反論】同4項のうち,「その業務時問に相当する給与は,すべて被告が支払っており」は否認し,「実質的にも被告と同体である」は争い,その余は概ね認める。
   公社の業務に従事している時間は,被告の職務を免除されている。公社と被告は,法的にも実質的にも分けられた別組織である。

 5 よって、被告のいう「公社の職員が作成した文書は、被告の職員が作成したのも同然であり、その時点で、被告が受領した文書としてみなすことができるから条例で定める「行政文書」であることは明らかである。
【被告認否・反論】第5項は,争う。職員は立場を分けて職務を行っており,公社の職員として,公社の職務上作成した文書は,被告の職務上作成した文書ではなく、行政文書には該当しない。

第3 被告の公社に対する立場について
 1 被告は、証拠説明書の乙1の立証趣旨として「②実施機関としての処分庁には、公社から強制的に情報を提出させることができる権限が与えられているわけではないことなど」と主張するが、失当である。
 2 仮に被告の主張するとおり、公社基本金が市の100%であったとしても、公社は市と独立した別法人として位置づけられるのであれば、被告は公社の連帯保証人になる必要がなく、巨額詐欺横領事件の単独犯とされた元職員に対する公社の債権についても、公社内部で処理すればよい話であるから、たとえ債権行使が焦げ付いて、公社が損失を被っても、被告や安中市民には被害が及ぶことはなく、公社の理事会の議事録が黒塗りであれなんであれ、非開示のままであっても、なんら問題は無い。
 3 このような場合に限れば、被告の「②実施機関としての処分庁には、公社から強制的に情報を提出させることができる権限が与えられているわけではないことなど」とする主張が成り立つかもしれない。
 4 しかし、被告が公社の連帯保証人である以上、公社の経営の観点から、とくに債権の行使については、経営健全化のためには必要不可欠な要素である。このことについて、群馬銀行に対して和解20年後の対応として、今後10年間の証文を連帯保証人として差し出すに当たり、数回にわたり、公社理事会で協議を繰り返してきた内容について、被告は無頓着であってはならず、しかるべき方策を公社がとっているのかどうか、知る必要がある。
 5 よって、被告は実施機関として、公社から情報を取得する義務がある。
【被告認否・反論】第3項は争う。
   原告は、同2項から5項にわたり,仮定の事実に基づき原告の考えを述べているが,本件情報不開示処分と直接の関連性を有しない。


第4 公社の財務状況について
 1 公社の現状は、債務超過となっている。(甲12)
【被告認否・反論】同1項は概ね認める。
 2 このため、群馬銀行は被告に連帯保証を求めているものと思われる。
【被告認否・反論】第2項は不知。
 3 あるいは、被告が公社に対して積極的に連帯保証をする方針を打ち出しているのかもしれない。
【被告認否・反論】同3項は否認する。
 4 しかし公社は、元職員に対する民事事件で勝訴したことにより、24億円あまりの債権を保有している。
【被告認否・反論】同4項については概ね認めるが,債権額は22.2億円である。
 5 だが、不可思議なことに、被告は、公社に関する「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)の中で、「決算上債務超過となっている」として、その大きな要因を占めるのが16億5千万円(平成31年1月末現在)の貸金・保証債務履行請求事件訴訟上の和解に基づく解決金の固定負債である」と認識しているものの、元職員に対する債権について、触れていない。単に「固定負債であり、本業単体で見れば定期的な工業団地売却等による収入があり、健全経営ができている。今後も収益の見込める工業団地造成事業を予定しており、民事訴訟解決金以外の経営上の問題点はなく、着実に債務超過解消に向けた取組が行われている」と結論づけている。
【被告認否・反論】同5項については,「第三セクター等経営健全化方針」(甲11)に記載されている内容については認める。
 6 であれば、着実に債務超過解消に向けた取り組みの一環として、理事会でどのような取り組み方が議論されたのか、きちんと情報を得ておく義務があるはずである。
【被告認否・反論】同6項は争う。
   被告は,適切に公社から債務超過解消に向けた取組に関する漬報を得ており, 理事会の議論の詳細まで知っておく義務まではない。


第5 公社の特殊性について
 1 地方自治体が設立した公法人の中で土地開発公社が特別視されるのは、以下に述べる特徴を持っているからであると考えられる。
  (1) 第1の特徴は、地方公共団体の出資割合が100%だという点である。上水道・下水道などの事業を担う地方公営企業や公立病院も地方公共団体による出資割合は100%であるが、それらの予算は地方公共団体の特別会計予算として地方議会における議決を経て初めて成立するのに対して、土地開発公社を含む外郭団体の予算・決算は議会へ報告されることはあっても、必ずしも議決を経た承認を必要とするものではないという点で大きな違いがある。
  (2) 第2の特徴は、土地開発公社の基本業務は、母体となる地方自治体に代わって、公有地の先行取得を機動的に行うことにある。民間企業や第3セクター法人を対象とする事業も可能であり、1988年の法改正によって、その範囲が公社設立当初から拡大されたが、中心業務が母体のための公用地先行取得にあることは一貫して変わっていない。
  (3) 第3の特徴は、土地開発公社が土地を取得するのに必要な資金は、主として、金融機関からの借入によって賄われ、その借入に対して、地方自治体が金融機関に対する債務保証を行うことである。
 2 そもそも地方自治体が設立法人の借入に対して債務保証を行うことは、「法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」(財政援助責任法)によって、基本的には禁じられている。ところが、これには例外が2つあり、そのひとつが地方道路公社で、もうひとつが土地開発公社である。これを可能としているのが地方道路公社法第28条および公有地の拡大の推進に関する法律第25条である。
【被告認否・反論】同1項及び2項は認める。
 3 だが、安中市の場合、公社の損失は、元職員による詐欺横領によるものであり、本来、公社は第3セクターであることから、このような場合は、公社は、まず元職員への債権行使を行うべきであり、被告は公社に対して、そちらを優先させれば債務保証をする必要もない。
【被告認否・反論】同3項は争う。
   被告が公社の連体保証人となったのは,訴訟上の和解においてであり,当然, 議会の議決も経ている。

 4 なお、公社のような第3セクター法人に対して、地方自治体が債務保証を行うことはできないが、損失補償については、債務保証には該当しないという解釈がなされている。なので、昨今の土地開発公社の解散に伴い、第3セクター債を地方自治体が発行して、実施的に、損失補償をしている事例が多々ある。
 5 ただし、これは公有地の先行取得という公社の本来の事業を通して、最終的に塩漬け土地となり、土地の評価損を抱えた公社の解散にともない、その損失を補償するかたちである。この場合、地方自治体は公社と交わしている先行取得契約を解除し、買戻し履行義務を消滅させ、公社の債務を確定させる必要がある。
 6 そのため、昨今の全国各地における公社解散の事例では、地方自治体が公社との先行取得契約を解除し、第3セクター債を発行し、金融機関に対する公社が抱える債務を地方自治体が代位弁済することで、公社に対して負担分の返還を求めることになり、金銭を持たない公社からは保有する土地による代物弁済を受けるしかなく、この場合、当然に簿価と代物弁済を受けた土地の時価には開きがあり、なお損失が生じるため、地方自治体は、不足する債権を放棄するため、議会定例会に「権利放棄」の議案を提案し、議決を受けることになる。
【被告認否・反論】同4項ないし同6項は不知。
 7 ところが、被告安中市の場合、甲12にあるとおり、金融機関に対する公社が抱える借入はないかわりに、群馬銀行との間に和解金と称する債務があり、これが債務超過となっていることから、他の地方自治体のように公社の解散ができない状況になっている。つまり、被告の場合、公社は群馬銀行への和解金の支払い組織としての存在であり、債務超過の状況にありながら、103年ローンという異常な長期返済(しかも延滞金ゼロ)の条件により、存続し得ているのであり、被告にとって、公社本来の事業である先行取得の意義は既に失われている。
【被告認否・反論】同7項は争う。公社は,安中市において今後予定している工業団地造成事業及び企業誘致の際の造成等を担っていく重要な責務を有している。
 8 一方、公社は22億2309万2000円を詐欺事件による損害と算定し、公社はこの損害を元職員による不法行為によるものとして元職員を相手取って損害賠償を請求し、公社の主張が全面的に認められて、平成11(1999)年5月31日に勝訴判決を得たが、これまでに、元職員から公社に対して、現在に至るまでに約1500万円程度返済したのみで、令和2年1月から元職員は毎月1万円ずつ公社に返済しているものの、令和2年8月26日現在の公社債権元金残額は、22億円777万1500円であり、この全額完済までには遅延損害金を除いてもあと1万8526年の歳月を要する。
【被告認否・反論】同8項のうち,全額完済までの期間は不知,その余は概ね認める。
 9 元職員から公社が毎月1万円ずつ返済を受けるようになったのは、公社の理事会で協議のうえ決まったことなのかどうか、被告は、当然に、公社に経緯を確認する立場にあるはずだが、原告が質問しても答えようとしない。なので、公社の理事会の議事録に、元職員に対する債権回収の方針についてどのような記載があるのかどうか、被告は連帯保証人として公社から説明を受ける権利と義務がある。
【被告認否・反論】同9項は,否認ないし争う。
 10 よって、被告の納税者市民の一人である原告には、不開示とされた原告請求の「(1)2018年7月以前を含め、これまでに安中市土地開発公社と群馬銀行との間で重ねてきた経緯が分かる一切の情報(群銀との協議録のみならず,公社における理事会・評議会など内部の会議録を含む。)」における平成30年度第3回から第7回、及び令和元年度第1回の公社理事会会議録の各文書の黒塗り箇所のうち、公社の債権・債務に関わる一切の記述の開示を求める権利と義務があるので、被告はすみやかにこれらの情報を開示されたい。
【被告認否・反論】同10項は争う。
   原告が主張する事情は、本件情報不開示処分を取り消す理由とはならない。
                           以上
**********

■こうしてみると、私達住民がまじめに市民税を安中市に支払っていることが情けなくなります。これほど安中市が酷い行政とは、あらためて認識させられました。これでは、今から26年前に、我が国の地方自治体を舞台にした横領事件で史上空前絶後、前代未聞の51億円余の巨額横領事件を起こした当時の安中市の体質と全く変わっていないことが分かります。安中市土地開発公社は、タゴの豪遊の尻拭いのための群銀への和解金支払いのために存続する債務超過状態の特別法人であり、タゴ事件の温床となった伏魔殿状態に戻ってしまいました。

 アニータ事件の倍以上の巨額横領事件にもかかわらず、元職員に対する元金だけで22.2億円、遅延損害金を含めると60億円以上の債権を持ちながら、それを公社の債権としてカウントせず、群馬銀行に対する債務のみを掲げて、債務超過の報告書を総務省に提出しているのですから、はじめかた元職員タゴに対して、損害金の回収をするつもりがないことはあきらかです。

 なぜこれほどまでに、元職員に対してあたたかい配慮をしなければならないのでしょう。それは、現在の職員のなかには、親や親せきが安中市職員をしていたころ、元職員タゴにいろいろとお世話になった輩が、コネで市役所に就職している者が相当数いるためかもしれません。

■安中市政を揺るがし、群馬銀行に「103年ローンの和解に応じてやらなければ、安中市そのものが存続しえなかった」と嘯かせたタゴ51億円事件ですが、安中市役所に限って言えば、横領に加担した関係者の罪をひとりでひっかぶって千葉刑務所で勤めを終えたタゴ元職員の平穏な日常を乱さずにおくことが、至上命題となっているのです。

 タゴ51億円事件は、安中市土地開発公社の金庫番だったタゴの素行を誰もチェックせず、むしろタゴから横領金の分け前に預かろうとするあまり、タゴのことを安中市の影の収入役などと持ち上げ、公社の財務会計上の情報について、長年にわたり、監査してこなかった結果、起きてしまいました。

 その時の教訓が、もはや反故にされていることは、今回の被告安中市からの準備書面(2)からハッキリと示されています。

 お盆明けの8月18日(水)13時30分に前橋地裁第21号法廷で言い渡される判決がどのような内容になるのか、司法判断が注目されます。


原市の国道18号線沿いのホテル・ルートインの西側に移転して営業を始めた群銀安中支店。磯部支店も併合したため、広くなった駐車場のスペースも早くも混雑気味。5月19日撮影。






こうしてみると、地元企業にとって群銀の存在感は大きいことがわかる。ならば、安中市の負の遺産である103年ローン解消に向けて、今こそ、大英断をすべき時ではないだろうか。

【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】

※参考資料「本件裁判資料」
**********
2020年11月16日 訴状+証拠説明書(甲1-10)+甲号証
         URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html
2021年01月13日 答弁書+証拠説明書(乙1 )+乙号証
         URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3264.html
2021年03月01日 被告準備書面1
2021年03月04日 被告準備書面1補充書面+別紙2
         ZIP ⇒ 20210301iqmtysp.zip
2021年04月30日 原告準備書面(1)+証拠説明書(甲11・12)+甲号証
         ZIP ⇒ 20210430ipj.zip
2021年06月09日 被告準備書面2
         ZIP ⇒ 20210609siqj.zip
**********

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【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンの公社理事会議録の不開示取消訴訟第1回弁論を前に安中市から答弁書

2021-01-14 20:46:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■安中市土地開発公社を舞台に今から25年半前の1995年5月18日に安中市役所内部で密かに発覚した地方自治体では史上最大の巨額詐欺横領事件。警察の調べで総額51億円を超える犯罪にも拘らず単独犯とされた元職員タゴは1952年3月生まれで、今年68歳となり、現在高崎市内のT町に住んでいます。
 この前代未聞、空前絶後の巨額詐欺横領事件により、現在公社は、群馬銀行に対して債務となる総額24億5000万円のうち、和解と同時に支払った4億円を除く20億5000万円を毎年2000万円ずつクリスマスに群銀に103年かけて支払中です。昨年12月25日に22回目の支払が行われました。
 安中市長はいつも財政難を市民に説いていますが、群馬銀行は市土地開発公社のことを優良経営だと評価しています。なぜタゴの横領の尻拭いをしている公社に潤沢な資金が集まり、一般会計がピンチなのか、安中市から納税者市民への説明はありません。
 そのため、公社が群銀との和解20年後の対応のためにタゴからの債権回収をきちんと話し合ったのかどうか、経緯を確認すべく公社理事会の議事録を情報開示請求したところ、市・公社が相当な分量を黒塗りして出してきました。これでは25年前の教訓が全く生かされていません。なので、昨年11月16日に全面開示を求めて安中市を提訴しました。
 その第1回口頭弁論が今月1月27日(金)午前10時20分から前橋地裁で開かれます。この度、被告安中市の訴訟代理人の弁護士から、1月13日にFAXで答弁書が送られてきました。

元職員タゴが、毎週のように1000万単位で現金を窓口で払い戻して受け取っていた群馬銀行安中支店。群銀は2021年5月を目途に安中支店を市内原市地区の国道18号線に面したホテルルートイン安中の西側に新築・移転する予定。またひとつ、タゴ事件発覚後26年目に、重要な「遺構」のひとつが消失してしまうことになる。

 この事件の出訴の経緯については、次のブログを参照ください。
○2020年11月29日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンに加えタゴに1万8526年ローンを許容中の安中市を提訴!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html

■送付書を含め11ページにわたる答弁書等は次のとおりです。

※2020年1月13日:被告からの答弁書・証拠説明書・乙1号証 ZIP ⇒ 202101131.zip

*****1/13送付書・受領書******
              送 付 書
                               令和3年1月13日
送付先   原告 小川 賢 様 (FAX027-381-0364)
送付者   被告訴訟代理人 弁護士 小 坂 景 子 (TEL027-386-6667)(FAX027-393-6667)
事件の表示 事件番号 令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
      当 事 者 原告 小川 賢
           被告 安中市
      次回期日 令和3年1月27日(水)午前10時20分
送付書類  ・答弁書 1通
      ・証拠説明書 1通
      ・乙第1号証 1通
                  【枚数(本紙含む)11枚】

 下記受領書を裁判所及び当職迄ご送付くださいますようお願い申し上げます。


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              受 領 書
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中 (FAX027-233-0901)
被告訴訟代理人 弁護士 小坂景子 様 (FAX027-393-6667)

 令和3年1月13日
 本日、上記書類を受領いたしました。
                    原告 小川 賢   印

*****1/13答弁書*****
<P1>
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川 賢
被告 安中市
           答 弁 書
                     令和3年1月13日
前橋地方裁判所民事第1部 御中
        〒379-0112 群馬県安中市岩井2470番地3戸田ビル1F西
              安中法律事務所(送達場所)
              TEL. 027-386-6667 FAX. 027-393-6667
              被告訴訟代理人
              弁護士 小 坂 景 子

第1 請求の趣旨に対する答弁
 1 原告の讀求を棄却する。
 2 訴訟費用は原告の負担とする。
との判決を求める。

第2 請求の原因に対する認否
 1 同1項について
  (1) 同(1)ないし(4)は,概ね認める。
  (2) 同(5)記載と概ね同じ内容の審査諸求を原告が行ったことは認める。

<P2>
  (3) 同(6)記載と概ね同じ内容を原告が審査請求の際に主張したことは認める。
  (4) 原告が,本件処分が条例第7条の開示義務に違反するとして本件処分の取消しを求めたことは認める。
  (5) 同(8)ないし(10)は,概ね認める。
  (6) 原告が,木件処分が失当として,本件処分の取り消し訴訟を提起したことは認める。
 2 同2項について
  (1) 同(1)のうち,「住民は」から「呼ぶことが多い」までは不知,その余は概ね認める。
  (2) 同(2)ないし(4)は,概ね認める。
  (3) 同(5)のうち,「小川市長は」から「知られていた」までは不知,「現在は」から「同居している」までは不知,その余は概ね認める。
  (4) 同(8)のうち,「毎 月1万円ずつ」は否認し,「この全額完済まで」から「要する」 までは不知,その余は概ね認める。
    元職員の返済額は,1万円を超える額の返済もあるため,全額完済までの期間は確定していない。
  (5) 同(9)及び(10)は,概ね認める。
    10年ごとに支払方法を協議しており.支払額等が変更となる可能性があり,支払期間は確定していない。
  (6) 同(11)のうち,「前項(7)のように」から「消極的であり」までは否認し,その余は概ね認める。なお,「前項(7)」は「前項(8)」の誤記だと思われる。
 3 同3項について
  (1) 同(1)のうち.第1文のうち「当然ながら」から「うかがえる」まで,第2文及び第3文は否認し,その余は認める。
    元職員に対する債権回収に関る記戴は,原告が口頭意見陳述において行

<P3>
った「元職員からの債権回収にかかる議事の箇所について」の質問に対して,被告が記載箇所を同答し明らかになったものである。
    裁決書第4項2(令和2年裁決第1号)(中4号)(以下,「本件裁決書」という。)記載のとおり,公社は,市と密接な関係で業務を行っているが,会計上も独立しており.市と独立した別の法人として位置づけられ,安中市情報公開条例(以下,「条例」という。)(乙1) においても同様に位置づけられており,市が公社の連帯保証人となっていたとしても,市が公社理事会の議事録情報をすべて保有する義務はない。
    さらに,本件裁決書第4項1(1)イ記載のとおり,条例第2条第2項には、条例の開示の対象となる行政文書とは,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機閑が保有しているものをいい,公社の職員が作成した文書については,条例上の行政文書には含まれない。
  (2) 同(1)ないし(3)は,概ね認める。
  (3) 同(4)のうち,「返済は」から「要する」までは不知,その余は概ね詔める。なお,2013年は誤記だと思われる。
  (4) 同(5)について,原告を含む市民が,被告に対して,群銀との和解20年後の対応について,どのような内容で債務・債権について協議したのか.きちんと説明責任を果たすことを求めていることは認める。
  (5) 同(6)のうち,第1文は概ね認め、第2文は否認する。
  (6) 同(7)は.否認する。
    本件裁決書第2項2記載のとおり,公社が「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報であることを理由に公社が定める安中市土地開発公仕情報公開規程に基づいて内容 の一部を黒塗りにした文書(以下,「公社提出文書」という。)(甲5ないし甲10)を提出し,処分庁は,公社提出文書のうち,個人の氏名,地位及び印影については条例第7条第2号に規定される個人に

<P4>
関する情報,法人の印影及び口座番号については条例第7条第3号に規定される法人その他の団体に関する情報に該当するものとして,それらの情報を処分庁として黒塗りした上で本件処分を行った。
  (7) 同(8)及び(9)は,否認する。
  (8) 同(10)及び(11)は,争う。
    被告が公社の債務を連帯保証人となった和解については,議会の議決を得ており(地方自治法第96条第1項第12号),利益相反行為に該当しない。
    本件処分は,本件裁決書第4項3記載のとおり,条例の規定に基づき適正に行われたものである。
  (9) 同(12)は,「原告が審査請求の過程で」から「条例に抵触しない」までは認め,その余は不知ないし否認する。
                        以 上.

=====証拠説明書=====
令和2年(行ウ)第17号 行政文書不開示処分取消請求事件
原告 小川 賢
被告 安中市
           答 弁 書
                     令和3年1月13日
前橋地方裁判所民事第1部 御中
              被告訴訟代理人
               弁護士 小 坂 景 子
●号証(乙):1
○標目(原本・写しの別):安中市情報公開条例・写し
○作成年月日:H18.3.18
○作成者:安中市(印刷者:被告訴訟代理人、印刷日:R3.1.12)
○立証趣旨:①条例の開示の対象となる「行政文書」とは,実施機関の職員が組織的に用いるものとして,実施機関が保有しているものをいい、公社の職員が作成した文書については,条例上の行政文書には含まれないこと。
②実施機関としての処分庁には,公社から強制的に情報を提出させる権限が与えられているわけではないことなど。

=====乙1号証=====
安中市情報公開条例
https://www1.g-reiki.net/annaka/reiki_honbun/r354RG00000061.html

○安中市情報公開条例
                           平成18年3月18日
                           安中市条例第18号
 (目的)
第1条 この条例は、行政文書の開示を請求する権利を明らかにするとともに、市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市政に対する理解と信頼を深め、市の説明責務が全うされるようにするとともに、公正で民主的な市政の推進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「実施機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
2 この条例において「行政文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 官報、県報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
(2) 安中市ふるさと学習館その他これに類する市の施設において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの
(3) 市の図書館等において、一般の利用に供することを目的として管理されているもの
(利用者の責務)
第3条 この条例の定めるところにより行政文書の開示を受けたものは、これによって得た情報をこの条例の目的に則して適正に使用しなければならない。
(実施機関の責務)
第4条 実施機関は、行政文書の開示を請求する権利が十分に尊重されるようこの条例を解釈し、及び運用するとともに、行政文書の適切な保存及び迅速な検索をするために、行政文書の適正な管理に努めなければならない。
2 実施機関は、市民への積極的な情報の提供及び自主的な広報手段の充実に努めなければならない。
3 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、通常他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる個人に関する情報を公にすることのないよう、最大限の配慮をしなければならない。
(開示請求権)
第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。
(請求の方法)
第6条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、実施機関に対し、次に掲げる事項を記載した請求書を提出してしなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項
2 実施機関は、前項に規定する請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(行政文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に次に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の定めるところにより、公にすることができない情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。次条第2項において同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により、又は慣行として公にされ、若しくは公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び氏名(当該公務員等の氏名を公にすることにより、当該公務員等の個人の権利利益を不当に侵害するおそれがある場合又はそのおそれがあると認めて実施機関が定める職にある公務員等の氏名を除く。)並びに当該職務遂行の内容に係る部分
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
(4) 公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報
(5) 市、国及び他の地方公共団体の機関、独立行政法人等並びに地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 市、国若しくは他の地方公共団体の機関、独立行政法人等又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市、国若しくは他の地方公共団体、独立行政法人等又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 独立行政法人等、市若しくは他の地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(平25条例13・平27条例6・平29条例4・一部改正)
(部分開示等)
第8条 実施機関は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に、かつ、開示請求の趣旨を損なわない程度に区分することができるときは、当該部分を除いて行政文書の開示をしなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
2 開示請求に係る行政文書に前条第2号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。
3 実施機関は、不開示情報であっても、期間の経過により前条各号のいずれにも該当しなくなったときは、当該情報の公開をしなければならない。
(公益上の理由による裁量的開示)
第9条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該情報を開示することができる。
(行政文書の存否に関する情報)
第10条 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を公開することとなるときは、実施機関は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第11条 実施機関は、開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関して必要な事項を書面により速やかに通知しなければならない。ただし、緊急を要する場合で、かつ、開示請求に係る行政文書の全部を開示する決定が直ちに行われ、即時に開示することができる場合は、口頭により通知することができる。
2 実施機関は、開示請求に係る行政文書の全部を公開しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき、及び開示請求に係る行政文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により速やかに通知しなければならない。
3 実施機関は、行政文書の一部を開示する旨の決定又は行政文書の全部を開示しない旨の決定をした旨の通知をするときは、当該通知にその理由を付記しなければならない。この場合において、当該理由が消滅する期日をあらかじめ明示できるときは、当該通知に当該期日を付記しなければならない。
(開示決定等の期限)
第12条 前条第1項及び第2項の決定(以下「開示決定等」という。)は、開示請求があった日から起算して15日以内にしなければならない。ただし、第6条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、前項の規定にかかわらず、開示請求があった日から起算して60日(第6条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、60日に当該補正に要した日数を加えた日数)を限度として、前項に規定する期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、遅滞なく当該延長の期間及び理由を書面により通知しなければならない。
(開示決定等の期限の特例)
第13条 実施機関は、開示請求に係る行政文書が著しく大量であるため、開示請求があった日から起算して60日(第6条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、60日に当該補正に要した日数を加えた日数)以内にその全てについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがあるときは、前条の規定にかかわらず、当該開示請求に係る行政文書のうち、相当の部分について当該期間内に開示決定等をし、残りの行政文書については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。この場合において、実施機関は、同条第1項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
(1) 本条を適用する旨及びその理由
(2) 残りの行政文書について開示決定等をする期限
(平25条例13・一部改正)
(事案の移送)
第14条 実施機関は、開示請求に係る行政文書が他の実施機関により作成されたものであるとき又は他の実施機関において公開決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした実施機関は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案の移送を受けた実施機関は、当該開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。
3 前項の場合において、移送を受けた実施機関が第11条第1項の決定(以下「開示決定」という。)をしたときは、当該実施機関は、開示の実施をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関は、当該開示の実施に必要な協力をしなければならない。
(第三者保護に関する手続)
第15条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に市、国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人及び開示請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る行政文書の内容その他必要な事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者に対し、開示請求に係る行政文書の内容その他必要な事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(1) 第三者に関する情報が記録されている行政文書を開示しようとする場合であって、当該情報が第7条第2号イ又は第3号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。
(2) 第三者に関する情報が記録されている行政文書を第9条の規定により開示しようとするとき。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該行政文書の開示に反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において、開示決定をしようとするときは、当該開示決定の日と開示を実施する日との間に14日以上の期間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。
(平25条例13・一部改正)
(開示の実施及び方法)
第16条 実施機関は、開示決定したときは、開示請求者に対し、速やかに当該行政文書の開示をしなければならない。
2 行政文書の開示は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による行政文書の開示にあっては、実施機関は、当該行政文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
(費用の負担)
第17条 行政文書の開示に係る手数料は、無料とする。ただし、行政文書の写しの交付(電磁的記録について規則で定める方法を含む。)を受ける場合の当該写しの作成及び送付に要する費用は、開示を受ける者の負担とする。
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第18条 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しない。
(平28条例8・全改)
(審査会への諮問)
第19条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく、安中市情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その議を経て、当該審査請求に対する裁決を行わなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る行政文書の全部を開示することとする場合(当該行政文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)
2 前項の規定により諮問をした実施機関は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る行政文書の開示について、反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(平28条例8・全改)
(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)
第20条 第15条第3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る行政文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る行政文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該行政文書の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
(平28条例8・一部改正)
(情報の提供)
第21条 実施機関は、開示請求をしようとする者が容易かつ的確に開示請求をすることができるよう、当該実施機関が保有する行政文書の特定に資する情報の提供に努めなければならない。
(実施状況の公表)
第22条 市長は、毎年度各実施機関におけるこの条例の実施状況を取りまとめ、公表するものとする。
(法令等との調整)
第23条 実施機関は、他の法令等の規定により、何人にも開示請求に係る行政文書が第16条第2項本文に規定する方法と同一の方法で開示することとされている場合(開示の期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る。)には、同項本文の規定にかかわらず、当該行政文書については当該同一の方法による開示を行わない。ただし、当該他の法令等の規定に一定の場合には開示をしない旨の定めがあるときは、この限りでない。
2 他の法令等の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を第16条第2項本文の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。
(平25条例13・一部改正)
(出資団体等の情報)
第24条 市が出資し、又は運営費を助成している公共的団体(以下「出資団体等」という。)は、その保有する情報を公開するよう努めなければならない。
2 実施機関は、法人の設立に当たり、市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、当該情報の公開の申出があったときは、当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる。
(委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月18日から施行する。
(適用)
2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に実施機関が作成
【当会注:訴訟代理人の安中法律事務所からFAXで送られてきたのは、ここで途切れていた。FAXには、同じく11枚の受信データが残されていたが、同じものをまたプリントアウトすると、カーボン紙が無駄に費消されてしまうため、消去した。おそらく安中法律事務所は、FAX送信中、最後の11ページ目でトラブルの信号が出た為、再度送信したものと見られる。幸い、安中市のHPからダウンロードできるので実害はない。】
し、又は取得した行政文書について適用する。
3 前項の規定にかかわらず、この条例は、合併前の安中市若しくは松井田町又は解散前の碓氷上水道企業団、安中松井田医療事務組合若しくは安中・松井田衛生施設組合から承継された行政文書(次項及び第5項においてこれらを「承継行政文書」という。)については、適用しない。
(承継行政文書の任意的公開)
4 実施機関は、承継行政文書の公開の申出があったときは、これに応ずるよう努めるものとする。
5 第17条の規定は、前項の規定による承継行政文書の公開について準用する。
6 施行日の前日までに、合併前の安中市情報公開条例(平成10年安中市条例第15号)又は松井田町行政情報公開条例(平成12年松井田町条例第45号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。
附 則(平成25年3月21日条例第13号)
この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月20日条例第6号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成28年3月18日条例第8号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(安中市情報公開条例の一部改正に伴う経過措置)
2 この条例の施行前にされた安中市情報公開条例第11条第1項及び第2項の決定(第4項において「情報公開条例による決定」という。)又はこの条例の施行前にされた開示請求に係る実施機関の不作為に係る不服申立てについては、なお従前の例による。
附 則(平成29年3月17日条例第4号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成29年5月30日から施行する。

**********

■答弁書だけでは、訴状との対比が分かり難いため、以下に訴状と答弁書の各項目ごとに対比してみましょう。

*****訴状と【答弁書】の対比*****
第1 請求の趣旨
1 被告が原告に対し、令和元年8月6日付安企発第259号行政文書部分開示決定(以下「本決定」)において不開示とした箇所のうち、別紙に示す情報について不開示を取消せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。

第2 請求の原因
1 請求に至る経緯
(1)原告は,安中市情報公開条例(以下「条例」)第5条の規定に基づき、被告に対し、令和元年6月10日付で、広報あんなか2019年6月1日号に掲載された記事「安中市土地開発公社不祥事件 和解20年後の対応について」に関連する次に掲げる情報の開示請求(以下「本件開示請求」)を行った。
   (1) 2018年7月以前を含め、これまでに安中市土地開発公社(以下「公社」)と群馬銀行(以下「群銀」)との間で重ねてきた経緯が分かる一切の情報(群銀との協議録のみならず,公社における理事会・評議会など内部の会議録を含む。)
   (2) 2019年3月に「公社が毎年12月25日に2,000万円を支払うことで合意した」ことを示す一切の情報
   (3) 「これまで20年間で合計8億円を支払ったが、この支払は公社の土地造成販売による利益の中から行われ、連帯保証人の安中市からの支払は発生していない」としているが、土地造成事業の利益の中からどのように支払ってきたのか、公社の財務諸表をもとに一般住民が理解できるような一切の情報
   (4) これまで20年間に合計8億円を支払ったというが、その公金を捻出するために公社が行ってきた土地造成等で金融機関から資金を借り入れる際に、安中市が債務保証をしてきたはずであり、それらの債務保証の履歴が一般市民にも分かるような一切の情報
   (5) 公社の事業と経営が順調に推移していることが一般市民にも分かるような一切の証拠
   (6) 今後とも公社には、群銀への返済資金が十分あるとすることが一般指印にも用紙に分かるような一切の根拠
   (7) 6月市議会定例会で本件に関する説明に使用する予定の情報
【答弁書】概ね認める。
(2)処分庁である被告は、本件開示請求の対象となる情報のうち、公社が保有しているものについて条例第24条第2項の規定に基づいて被告に提出するよう公社に求めたところ、「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報」であることを理由に公社が定める安中市土地開発公社情報公開規程(以下「公社規程」)に基づいて内容の一部を黒塗りにした文書(以下「公社提出文書」)が公社から被告に提出された。
【答弁書】概ね認める。
(3)被告は、公社提出文書のうち、個人の氏名、地位及び印影については条例第7条第2号に規定される個人に関する情報、法人の印影及び口座番号については同条第3号に規定される法人その他の団体に関する情報に該当するものとして、それらの情報を被告として黒塗りにした上で本件処分を行い、その旨を令和元年8月6日付で行政文書部分開示決定通知書により原告に通知した。
【答弁書】概ね認める。
(4)原告は、公社提出部分及び被告がさらに黒塗りにした箇所が多いことを理由に本件処分の内容を不服とし、令和元年11月7日付で本件処分の取消しを求めるため、行政不服審査法第2条の規定に基づいて審査請求を行った。
【答弁書】概ね認める。
(5)原告は審査請求において、本件処分により黒塗りにされた部分について、条例第24条第2項において「実施機関は、法人の設立に当たり、市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、当該情報の公開の申出があったときは、当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる」と規定されており、被告が資本金の全額を出資して設立された公社は同項に規定する法人に該当することから、処分庁である被告は、公社が保有する情報について、条例に基づく開示請求があった場合は、公社に対し、当該開示請求に該当する公社が保有する全ての情報を同項の規定に基づいて適切に提出するように指導すべきであり、被告が公社に対するその指導を怠ることにより納税者としての市民である原告に本件処分を行ったことは、原則開示という条例の趣旨に反する、と主張した。
【答弁書】記載と概ね同じ内容の審査請求を原告が行ったことは認める。
(6)また原告は、本件処分において、公社提出文書における公社が黒塗りにした理由が「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報」と記されているのみで、「公社の経営に支障を及ぼすおそれ」に関する具体的な理由が記載されていないことは、条例に基づく情報公開制度の適切な運用に反している、と主張した。
【答弁書】記載と概ね同じ内容を原告が審査請求の際に主張したことは認める。
(7)上記のことから原告は、本件処分が条例第7条の規定による開示義務に反する処分であるため、本件処分の取消しをあらためて求めた。
【答弁書】原告が、本件処分が条例第7条の開示義務に違反するとして本件処分の取消しを求めたことは認める。
(8)だが、被告は、「公社に対して、条例第24条第2項の規定に基づく情報の提出の求めについては強制力がない」と主張し、さらに「公社が保有する情報は行政文書に含まれていないため、公社に任意に情報の提供を求めるほかない」とし、「公社自身が経営に支障を及ぼす恐れと判断し、黒塗りをした箇所を被告が条例の規定に基づき強制的に開示を行うことはできない」などと主張した。
【答弁書】概ね認める。
(9)加えて、被告は「公社は市と独立した別法人であるとの位置付けであるため、公社提出文書の作成は、公社の裁量権の範囲内である」として条例には抵触しないと主張した。
【答弁書】概ね認める。
(10)その結果、処分庁である被告は審査庁として令和2年裁決第1号で、原告の審査請求を棄却し、令和2年5月15日付安行発第259号で、採決結果を原告に配達証明郵便で送付し、被告は翌5月16日に裁決書を受け取った。
【答弁書】概ね認める。
(11)この「安中市土地開発公社不祥事件 和解20年後の対応について」にかかる公社における協議情報不開示処分は、法に照らして明らかに失当とみられるため、行政事件訴訟法第12条の規定に基づき、その取消を求める訴えを提起する。
【答弁書】原告が、本件処分が失当として、本件処分の取り消し訴訟を提起したことは認める。

2 請求の前提となる事実
(1)被告安中市が基本金500万円全額を出資する公社では、安中市都市計画課員を兼務していた元職員多胡邦夫が、1978年に公社設立以降、一貫して同一職場に配置され、1982年以降公金を着服するようになり、公社の契約書類を偽造するなどして1987年から1995年にかけて、群馬銀行から約48億円を騙し取ったほか、約3億4490万円の公金も横領しており、着服金の合計は約51億1250万円に上った。この事件について、被告は「安中市土地開発公社不祥事件」と呼ぶが、住民は「タゴ51億円事件」あるいは「タゴ事件」ないし「51億円事件」と呼ぶことが多い。ここでは「公社事件」という。
【答弁書】上記のうち、「住民は」から「呼ぶことが多い」までは不知、その余は概ね認める。
(2)元職員が1995年4月に異動となり、同年5月18日の監査で、元職員の不正が発覚した。そして元職員は同年5月31日付で懲戒免職となり、同年6月7日に詐欺罪と有印公文書偽造同行使罪で逮捕された。
【答弁書】概ね認める。
(3)元職員は公印を無断で持ち出して開設しておいた「安中市土地開発公社特別会計」名義の裏口座に、逮捕時には約2億円しか残っておらず、元職員の預金残高や骨董品の売却で6億1267万8575円返したが、公社が既に群馬銀行に返済した約7億円を除いても、約35億円の損害が残った。
【答弁書】概ね認める。
(4)元職員は騙し取った金のうち、骨とう品購入に約4億6810万円(供述では約10億円)使ったほか、自宅や店舗の不動産やゴルフ会員権、海外リゾート会員権、外車、貴金属、背広・小物等の購入に約5億円、ギャンブルに約1億円、妻や愛人に約1.5億円など費やしていたが、警察の捜査の結果、確認できず仕舞いの使途不明金は14億3445万円に上る。
【答弁書】概ね認める。
(5)1995年10月13日には公社理事長を兼任する安中市長の小川勝寿が引責辞職をしたが、小川市長は元職員とはゴルフ仲間として知られていた。元職員は32億3000万円を騙し取ったとして詐欺罪で訴追され、1995年8月21日の初公判を皮切りに、計7回の公判が開かれ、検察は元職員に対して有印公文書偽造・同行使、有印公文書変造・同行使、詐欺罪の併合罪としては最高刑に当たる懲役15年を求刑し、1996年4月8日に前橋地裁は元職員に懲役14年の実刑判決を言い渡した。元職員は千葉刑務所に服役していたが、既に刑期を終え出所し、現在は高崎市T町で親族と同居している。
【答弁書】上記のうち、「小川市長は」から「知られていた」までは不知、「現在は」から「同居している」までは不知、その余は概ね認める。
(6)群銀は1995年10月19日に公社、および公社の債務保証をしている被告安中市を相手に、貸金の返済と保証債務の履行を求める民事訴訟を前橋地裁に起こした。群銀は被告と公社の使用者責任を主張して元金39億9886万1000円とこれに対する約定利息の支払いを求め、被告と公社は元職員が不正に借り入れたもので公社に支払い義務はないとして全面的に争っていた。その後、上記(3)による返済があり、最終的には元金が33億8618万2425円に縮減された、
【答弁書】認否の言及なし。
(7)1995年12月22日から被告と群銀との間で計21回の弁論が行われ(途中から非公開)、1998年12月9日に和解が成立。この中で群銀が9億3618万2425円および発生した利息損害金全額相当額の支払を免除し、最終的に群銀に対して主債務者を公社、連帯保証人を被告として、24億5000万円の債務が確定した。
【答弁書】認否の言及なし。
(8)公社は正当に借りていた金額を除く22億2309万2000円を詐欺事件による損害と算定し、公社はこの損害を元職員による不法行為によるものとして既に千葉刑務所に服役中の元職員を相手取って損害賠償を請求した。元職員は裁判で争わなかったため、公社の主張が全面的に認められて、1999年5月31日、前橋地裁は損害金全額を支払うように命じた。ところが、これまでに、元職員から公社に対して、現在に至るまでに約1500万円程度返済したのみで、今年1月から元職員は毎月1万円ずつ公社に返済しているものの、2020年8月26日現在の公社債権元金残額は、22億円777万1500円であり、この全額完済までには遅延損害金を除いてもあと1万8526年の歳月を要する。
【答弁書】上記のうち、「毎月1万円ずつ」は否認し、「この全額完済まで」から「要する」までは不知、その余は概ね認める。
(9)公社と連帯保証人の被告は、群銀との和解条項に基づき、1998年12月25日に4億円、1999年12月25日から毎年12月25日に2000万円ずつ、公社が群銀に支払いを行った。そして和解条項第4項第3号に基づき和解10年後に当たる2008年12月25日までに、2009年から10年間の支払方法を協議し、2008年12月26日に公社と被告が群銀に「証」(合意書に沿った様式)を提出し、引き続き公社が10年間にわたり、毎年12月25日に群銀に2000万円を支払うことになった。
【答弁書】概ね認める。
(10)その後、和解20年後となる2018年12月25日までに、2018年から10年間の支払方法を協議することになり、2019年3月までに、公社と被告が群銀に「証」を提出し、引き続き公社が10年間にわたり、毎年12月25日に群銀に2000万円を支払うことになり、今年12月25日に、22回目の和解金支払い日が迫っており、この支払を終えても、このままの状況では、あと81年間支払い続けることになる。
【答弁書】概ね認める。
(11)被告は、このような現状にありながら、広報あんなか2019年6月1日号のページ9において「現在、公社の事業および経営は順調に推移しており、返済を続けていくための資金が十分ありますので、安中市が債務保証による弁済をする必要はありません。今後も市民の皆様にご迷惑をかけないよう努めて参ります」などと、依然として連帯保証人として公社の債務を保証し続けることを市民に表明している。他方で、前項(7)のように、元職員多胡邦夫に対する債権回収には極めて消極的であり、原告は被告安中市の住民および納税者として、公社の債務および債権に関する情報開示を受ける権利と義務がある。
【答弁書】上記のうち、「前項(7)のように」から「消極的であり」までは否認し、その余は概ね認める。なお、「前項(7)」は「前項(8)」の誤記だと思われる。
3 請求の理由
(1)別紙に示す公社理事会会議録情報は,群銀との和解20年後の対応について協議された際に記録されたもので,この中には、被告が連帯保証人となっている公社が、群銀への債務履行について縷々協議をしているほか、当然ながら元職員多胡邦夫に対する債権回収についても協議されていることがうかがえる。よって、被告は、公社理事会の会議録情報をすべて保有していなければならない。であれば、当然に条例の対象となることは容易に理解し得る。
【答弁書】上記のうち、第1文のうち「当然ながら」から「うかがえる」まで、第2文及び第3文は否認し、その余は認める。元職員に対する債権回収に関する記載は、原告が口頭意見陳述において行った「元職員からの債権回収にかかる議事の箇所について」の質問に対して被告が記載箇所を回答し明らかになったものである。
 裁決書第4項2(令和2年裁決第1号)(中4号)(以下,「本件裁決書」という。)記載のとおり,公社は,市と密接な関係で業務を行っているが,会計上も独立しており.市と独立した別の法人として位置づけられ,安中市情報公開条例(以下,「条例」という。)(乙1) においても同様に位置づけられており,市が公社の連帯保証人となっていたとしても,市が公社理事会の議事録情報をすべて保有する義務はない。
 さらに,本件裁決書第4項1(1)イ記載のとおり,条例第2条第2項には、条例の開示の対象となる行政文書とは,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機閑が保有しているものをいい,公社の職員が作成した文書については,条例上の行政文書には含まれない

(2)特に昨今、地方分権の進展に伴い地方公共団体の行政の自己決定権・自己責任が拡大されることに対応し、総力を挙げて行財政改革に取り組むだけでなく、行政手続の公正を確保するとともに透明性の向上を図り、適切に説明責任を果たしていくことが求められている。
【答弁書】概ね認める。
(3)とりわけ、近年一部の地方公共団体における不適切な支出が住民の厳しい批判を受ける中で、適正な財政運営に資するためにも、財政状況に関して的確にその実情を伝え、住民の理解と協力を得ることの重要性が高まっている。また、地方債の引受けや購入により資金を提供している住民や引受機関に対しても、財政状況の開示に係る透明性を確保することが求められている。
【答弁書】概ね認める。
(4)このような観点から、しかも、公社事件は、地方自治体では空前絶後、前代未聞の巨額詐欺横領事件であり、和解条項による群銀への返済はこのままでいくと2013年まで続き、他方、元職員からの債権回収は、遅延損害金を除外してもなお、あと1万8526年まで要するのであるから、公社は連帯保証人である被告に対して、債権・債務状況の透明化に努める義務を有する。
【答弁書】上記のうち、「返済は」から「要する」までは不知、その余は概ね認める。なお、2013年は誤記だと思われる。(当会注:2103年が正しい)
(5)よって、原告を含む市民に対しても、群銀との和解20年後の対応について、どのような内容で債務・債権について協議したのか、きちんと説明責任を果たすことが求められる。
【答弁書】上記について、原告を含む市民が、被告に対して、群銀トン和解20年後の対応について、どのような内容で債務・債権について協議したのか、きちんと説明責任を果たすことを求めていることは認める。
(6)これまで、被告は公社の財政状況について、毎年予算・決算、活動実績・計画、財務諸表は開示しているが、公社事件については、簿外債務扱いとして、10年ごとの群銀への和解金支払い合意に関する「証」の差し入れの際に、広報あんなかで、1頁の半分にも満たない記事で、事後報告するのみである。これでは、公社の連帯保証人である被告の責任と義務は到底果たされているとは言えない。
【答弁書】上記のうち、第1文は概ね認め、第2文は否認する。
(7)被告は、公社及び被告自身が黒塗りした箇所について、条例第7条に規定する不開示情報のうち、同条第2号に規定する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(個人の氏名、地位及び印影)及び同条第3号に規定する法人その他の団体に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの(法人の印影及び口座番号)が記載されていたため、とした。だが、黒塗りの箇所は、そうした限定的な不開示情報とは到底思えないほど、広い範囲に及んでおり、これらが個人の氏名、地位及び印影や、法人の印影および口座番号だけとは極めて考えにくい。
【答弁書】否認する。
 本件裁決書第2項2記載のとおり,公社が「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報であることを理由に公社が定める安中市土地開発公仕情報公開規程に基づいて内容 の一部を黒塗りにした文書(以下,「公社提出文書」という。)(甲5ないし甲10)を提出し,処分庁は,公社提出文書のうち,個人の氏名,地位及び印影については条例第7条第2号に規定される個人に関する情報,法人の印影及び口座番号については条例第7条第3号に規定される法人その他の団体に関する情報に該当するものとして,それらの情報を処分庁として黒塗りした上で本件処分を行った。

(8)公社が黒塗りした範囲は、明らかに被告が主張する理由ではカバーできないほど広範囲にわたっており、あきらかに被告は、条例の趣旨をはき違え、公社の親組織としての管理監督責任を怠り、公社の債権・債務について被告はあまりにも無関心すぎる。
【答弁書】否認する。
(9)公社事件は、公有地の拡大の推進に関する法律(通称「公拡法」)により被告が公社を設立手続きの段階から担当させてきた元職員を「真面目だ。有能だ」などと勝手に評価し、その業務の実態の管理監督責任を長年にわたり怠ってきたことから、前代未聞、空前絶後の巨額不祥事件を招いたものである。その当時の体質が現在でも続いていることは、第2の公社事件の温床となりうるため、被告の公社経営状況を把握し市民に公表しようとしない姿勢は、極めて許し難い。
【答弁書】否認する。
(10)にもかかわらず、被告は「別法人の公社のみが保有する情報を、条例に基づく開示請求により公社に提出させることには強制力がない」とか、「公社を条例上の実施機関として被告安中市と同列に扱うべきだとする考え方は、原告個人の独自の考え方である、採用できない」とか、「公社が黒塗りした箇所は、公社自身が経営に支障を及ぼすおそれがある情報だと判断したのだから、説明不足の感は否めないものの、別法人である公社の意向を尊重すべきだ」などとする被告の本件処分は失当というほかない。
【答弁書】争う。
 被告が公社の債務を連帯保証人となった和解については,議会の議決を得ており(地方自治法第96条第1項第12号),利益相反行為に該当しない。
 本件処分は,本件裁決書第4項3記載のとおり,条例の規定に基づき適正に行われたものである。

(11)原告が審査請求の過程で主張した「公社の連帯保証人である被告安中市の市長が指名することで就任した被告安中市の副市長が連帯保証先の公社の理事長に就任し、その人物との間で、事業に関連した取引(債務保証)を行っていることは利益相反行為に当たる」ことも、被告の本件処分、すなわち条例の不適切な運用の背景となっていることも指摘しておく。
【答弁書】争う。
 被告が公社の債務を連帯保証人となった和解については,議会の議決を得ており(地方自治法第96条第1項第12号),利益相反行為に該当しない。
 本件処分は,本件裁決書第4項3記載のとおり,条例の規定に基づき適正に行われたものである。

(12)おなじく原告が審査請求の過程で口頭意見陳述として被告に行った「元職員からの債権回収にかかる議事の箇所について」の質問に対して、「別紙1-1及び1-2として、僅か7行のみである」との被告の主張を受けて、「被告は公社が保有する原本を確認したうえで、開示非開示の判断をしたのか、それとも既に黒塗りされた文書を渡されてそれをもとに開示非開示の判断をしたのか、どちらなのか」を質問したところ、被告は「原本を基に公社から説明を受けたが、その際、公社側が部分的に隠しながら説明した。その際、見えている部分もあったので、そこの部分は開示するべきではないか、と公社側に問い質したが、結局公社側から最終的に提出されてきたのは黒塗りされた情報であった。したがって被告が公社から見せられたのは原本だが、まるまる全部そのまま見せられたという訳ではない」と言う回答を行った。そこで、原告は、元職員に対する債権回収にかかる起債は、上記の7行以外にも黒塗りされた箇所に含まれていると認識できると主張したが、「被告は公社の裁量権によるもので、条例に抵触しない」と一蹴したことは、公社事件の温床である「公社の伏魔殿化」を被告が自ら積極的に容認していることを示しており、被告が公社事件の真相に目をつぶり、責任の所在の明確化をしないまま、事件発覚から25年6ヶ月が経過した今、時間の経過による公社事件の風化に伴い、再発防止のタガがすっかり緩んでいることに、原告は市民納税者として戦慄を禁じ得ない。
【答弁書】「原告が審査請求の過程で」から「条例に抵触しない」までは認め、その余は不知ないし否認する。

第3 むすび
 以上のとおり、本決定のうち別紙に示す情報について不開示とした処分が違法であることは明らかであるから、すべて取消を求める。
**********

■驚きました。上記の答弁書は、おそらく原稿は安中市職員らが作成して、体裁や文章の組み立て方などを弁護士が監修したのだと思われますが、いずれにしても、安中市がタゴ51億円事件について、事件発覚後25年余り経過する現在、どのように見ているかが分かる、貴重な資料とも言えます。

 そして、現在の安中市行政が、この空前絶後、前代未聞の破廉恥な不祥事件に対して、今なお特別な配慮を続けており、市民の目から事件の痕跡を隠そうとしていることが、今回の答弁書からうかがえます。

 いずれにせよ、1月27日(水)10時20分から、前橋地裁第21号法廷で第1回の口頭弁論が開かれ、タゴ事件の痕跡を隠そうとする安中市と、当会の攻防の火ぶたが切られることになります。

【ひらく会情報部と市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


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令和に引き継がれた平成の負の遺産…群銀への103年ローンで安中市・公社が22回目の和解金支払い

2021-01-13 23:25:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■安中市土地開発公社を舞台にした巨額詐欺横領事件、通称「タゴ51億円事件」が1995年5月に発覚してから25年8ヶ月が経ちました。1995年は1月17日に阪神淡路大震災、3月20日に地下鉄サリン事件と立て続けに発生し、騒乱の納まらない中、5月18日に安中市役所内で、間違いなく我が国の公務員による不正行為では空前絶後、前代未聞の最大級の不祥事件が発生したのでした。そして、なぜか警察により単独犯とされたタゴ以外、事件に関わった大勢の関係者は誰一人責任を取ることなく、平成が終わって令和に入ってもなお、安中市と公社はタゴ51億円事件の尻拭いである和解金24億5千万円を103年ローンで群馬銀行に払い続けています。その22回目の支払いが昨年のクリスマスの12月25日に実行されました。
 そのため、この事実を確認すべく、昨年12月25日同日に茂木英子安中市長に行政文書開示請求書を提出していたところ、本年1月7日に電話で開示通知の連絡があり、同8日に開示資料の交付を受けました。

タゴ51億円事件の尻拭い和解金として群銀の指定口座に103年ローンの22回目支払としての公金2000万円を振り込んだ安中市役所。12月25日(金)16時2分撮影。

 なお、一昨年末のタゴ事件の尻拭い和解金支払いに関する市民向け報告会の様子は次のブログをご覧ください。
○2019年12月26日:安中公社51億円事件…タゴのタゴによるタゴの為の和解20年後の市民向け報告会一部始終(その1)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3097.html
○2019年12月29日:安中公社51億円事件…タゴのタゴによるタゴの為の和解20年後の市民向け報告会一部始終(その2)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3100.html

■当会が今回、安中市に開示請求をした情報は次のとおりです。

*****12/25行政文書開示請求書*****ZIP ⇒ 20201225ssjis22xj.zip
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
(1) 安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺横領事件により、安中市が同公社の保証人として、令和2年12月25日ごろに群馬銀行に対して支払った民事訴訟の和解条項に基づく2000万円の支出にかかわる一切の情報。
(2) 市が保証人として、同公社が元職員に対して平成11年に損害賠償請求を起こし、同年5月に勝訴した判決に基づき、元職員及びその親族からこれまでに財産差押や寄贈等を通じて損害金を回収してきた経緯のうち、令和2年8月27日以降、現在に至るまでに為された損害金回収に関わる一切の情報。
**********

■1月8日(金)午前9時00分に開示を受けた情報は次のとおりです。今回は、公社と市は別法人だとして、わざわざ起案用紙でやりとりした経緯を示す文書は無く、いきなり、公社が群銀にタゴの尻拭いのための和解金を公金として群馬銀行の指定口座に振り込んだ情報と、タゴから毎月下旬に1万円ずつ返済を受けていることを示すやり取りの文書が開示されてきました。

※2021年1月7日行政文書部分開示決定通知書 ZIP ⇒ 20210108sqaxjm.zip

 開示された公文書は次のとおりです。

*****12/25資金支払請求書・預金口座振替による振込受付書(兼払込手数料受取書)*****ZIP ⇒ 20210108sqaxijj.zip
(当会注:なぜか前年までの口座振替の群馬県信用組合(けんしん)の用紙のタイトルだった「総合振込依頼書(兼受取書)」に二重取消線が引かれ、上記の長い名称に替えられています)


=====12/17公社の令和2年度一般会計支出(決裁)伝票=====


*****10/2公社⇒タゴへの領収書・債務承認書*****ZIP ⇒ 20210108sqaxijj.zip
                   安士開発第 15 号
                   令和2年10月2日
債務者
■■■■■■■■■■■■■■
  ■ ■ ■ ■ 様
              債権者 安中市安中一丁目23番13号
                    安中市役所内
                  安中市土地開発公社
                    理事長  粟 野 好 映

      領収書及び債務承認書の送付について

 標記の件について、前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠債請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として、貴殿より金10,000 円受領しましたので、別紙領収書をご査収ください。
 また上記により債権元金残額が金2, 207,761,500円となりましたので、「債務承認書」に住所氏名を記名し、押印のうえ安中市土地開発公社宛ご提出ください。

●債権金額の現在までの経緯
平成11年 5月31日 損害賠償請求訴訟判決      2,223,092,000円
平成11年11月26日 債権差押命令申立(市税還付金)  △■■■■■円
平成18年12月 6日 不動産強制競売配当        △3,808,300円
平成29年 1月16日 一部納付               △30,000円
平成29年 5月16日 絵画一点売却            △100,000円
平成29年12月25日 一部納付               △50,000円
平成30年 3月 5日 一部納付               △50,000円
平成30年12月17日 一部納付               △50,000円
令和 元年12月13日 一部納付               △50,000円
令和 2年 1月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 2月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 3月30日 一部納付               △10,000円
令和 2年 4月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 5月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 6月26日 一部納付               △40,000円
令和 2年 7月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 8月26日 一部納付               △10,000円
令和 2年 9月25日 一部納付               △10,000円
                   連絡先 安中市土地開発公社
                     (安中市役所都市整備課内)
                   担当:中里見、水口
                   Tel 027-382-1111(内線1217、1218)

=====9/25タゴへの領収書=====
            領 収 書
                        令和2年9月25日
■■■■ 様

          金10,000円

(但し;前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として)

                  安中市安中一丁目23番13号
                   安中市役所内
                   安中市土地開発公社
                    理事長 粟野好映

=====10/5タゴからの債務承認書=====
           債務承認書
                    令和2年10月5日
債権者 安中市安中1-23-13 安中市役所内
     安中市土地開発公社
      理事長 粟野 好映   様

            債務者 住 所 ■■■■■■■■■■■■■
                氏 名  ■ ■ ■ ■ 印

 私は、貴公社に対し下記債務を負担していることを承認いたします。
            記
 前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務

(1)残元金2,207,761,500円
(2)平成10年12月9日から完済まで年5分の割合による遅延損害賠償金

             収受第 号2-10.-6安中市土地開発公社

*****10/30公社⇒タゴへの領収書・債務承認書*****ZIP ⇒ 20210108s10.zip
                   安士開発第 17 号
                   令和2年10月30日
債務者
■■■■■■■■■■■■■■
  ■ ■ ■ ■ 様
              債権者 安中市安中一丁目23番13号
                    安中市役所内
                  安中市土地開発公社
                    理事長  粟 野 好 映

      領収書及び債務承認書の送付について

 標記の件について、前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠債請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として、貴殿より金10,000 円受領しましたので、別紙領収書をご査収ください。
 また上記により債権元金残額が金2, 207,751,500円となりましたので、「債務承認書」に住所氏名を記名し、押印のうえ安中市土地開発公社宛ご提出ください。

●債権金額の現在までの経緯
平成11年 5月31日 損害賠償請求訴訟判決      2,223,092,000円
平成11年11月26日 債権差押命令申立(市税還付金)  △■■■■■円
平成18年12月 6日 不動産強制競売配当        △3,808,300円
平成29年 1月16日 一部納付               △30,000円
平成29年 5月16日 絵画一点売却            △100,000円
平成29年12月25日 一部納付               △50,000円
平成30年 3月 5日 一部納付               △50,000円
平成30年12月17日 一部納付               △50,000円
令和 元年12月13日 一部納付               △50,000円
令和 2年 1月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 2月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 3月30日 一部納付               △10,000円
令和 2年 4月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 5月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 6月26日 一部納付               △40,000円
令和 2年 7月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 8月26日 一部納付               △10,000円
令和 2年 9月25日 一部納付               △10,000円
令和 2年10月26日 一部納付               △10,000円
                   連絡先 安中市土地開発公社
                     (安中市役所都市整備課内)
                   担当:中里見、水口
                   Tel 027-382-1111(内線1217、1218)

=====10/26タゴへの領収書=====
            領 収 書
                        令和2年10月26日
■■■■ 様

          金10,000円

(但し;前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として)

                  安中市安中一丁目23番13号
                   安中市役所内
                   安中市土地開発公社
                    理事長 粟野好映

=====11/2タゴからの債務承認書=====
           債務承認書
                    令和2年11月2日
債権者 安中市安中1-23-13 安中市役所内
     安中市土地開発公社
      理事長 粟野 好映   様

            債務者 住 所 ■■■■■■■■■■■■■
                氏 名  ■ ■ ■ ■ 印

 私は、貴公社に対し下記債務を負担していることを承認いたします。
            記
 前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務

(1)残元金2,207,751,500円
(2)平成10年12月9日から完済まで年5分の割合による遅延損害賠償金

             収受第 号2-11.-4安中市土地開発公社

*****12/1公社⇒タゴへの領収書・債務承認書=====ZIP ⇒ 20210108s11.zip
                   安士開発第 18 号
                   令和2年12月1日
債務者
■■■■■■■■■■■■■■
  ■ ■ ■ ■ 様
              債権者 安中市安中一丁目23番13号
                    安中市役所内
                  安中市土地開発公社
                    理事長  粟 野 好 映

      領収書及び債務承認書の送付について

 標記の件について、前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠債請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として、貴殿より金10,000 円受領しましたので、別紙領収書をご査収ください。
 また上記により債権元金残額が金2, 207,741,500円となりましたので、「債務承認書」に住所氏名を記名し、押印のうえ安中市土地開発公社宛ご提出ください。

●債権金額の現在までの経緯
平成11年 5月31日 損害賠償請求訴訟判決      2,223,092,000円
平成11年11月26日 債権差押命令申立(市税還付金)  △■■■■■円
平成18年12月 6日 不動産強制競売配当        △3,808,300円
平成29年 1月16日 一部納付               △30,000円
平成29年 5月16日 絵画一点売却            △100,000円
平成29年12月25日 一部納付               △50,000円
平成30年 3月 5日 一部納付               △50,000円
平成30年12月17日 一部納付               △50,000円
令和 元年12月13日 一部納付               △50,000円
令和 2年 1月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 2月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 3月30日 一部納付               △10,000円
令和 2年 4月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 5月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 6月26日 一部納付               △40,000円
令和 2年 7月27日 一部納付               △10,000円
令和 2年 8月26日 一部納付               △10,000円
令和 2年 9月25日 一部納付               △10,000円
令和 2年10月26日 一部納付               △10,000円
令和 2年11月26日 一部納付               △10,000円
                   連絡先 安中市土地開発公社
                     (安中市役所都市整備課内)
                   担当:中里見、水口
                   Tel 027-382-1111(内線1217、1218)

=====11/26タゴへの領収書=====
            領 収 書
                        令和2年11月26日
■■■■ 様

          金10,000円

(但し;前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として)

                  安中市安中一丁目23番13号
                   安中市役所内
                   安中市土地開発公社
                    理事長 粟野好映

=====12/2タゴからの債務承認書=====
           債務承認書
                    令和2年12月2日
債権者 安中市安中1-23-13 安中市役所内
     安中市土地開発公社
      理事長 粟野 好映   様

            債務者 住 所 ■■■■■■■■■■■■■
                氏 名  ■ ■ ■ ■ 印

 私は、貴公社に対し下記債務を負担していることを承認いたします。
            記
 前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務

(1)残元金2,207,741,500円
(2)平成10年12月9日から完済まで年5分の割合による遅延損害賠償金

             収受第 号2-12.-4安中市土地開発公社
**********

■この通り、安中市・公社は、群馬銀行に対して和解条項に基づく「証」を10年ごとに差し入れて、毎年12月25日に2000万円ずつきちんと支払っているのに、タゴからは裁判で勝訴して確定した損害賠償金額の22億2309万2000円と25年分の遅延損害賠償金の債権に対して、毎月1万円しか回収していません。

 筆者は、かねてより公社の連帯保証人の安中市に対して、タゴからの債権回収業務の一部を担わせてほしいと申し入れており、公社理事長を兼務する粟野副市長にも、当該業務にかかる委任状の発出を要請しており、先日、1月8日にもあらためて委任状の交付をお願いしました。

 しかし、粟野副市長は「ご要望は承知しています」と答えるものの、一向に実行に向けた気配が見えません。

 きたる1月27日(水)に前橋地裁で開かれる、タゴ事件の尻拭いの和解金支払いを群銀に10年ごとに約束する債務保証のための「証」の差し入れについて、公社議事録におけるタゴに対する債権回収計画の記述の有無を確認するための情報非開示取消訴訟が2週間後に迫っていますが、タゴからきちんと債権を回収したうえで、103年ローンの即時完済に向けて引き続き安中市に対して、法廷の場でも、強く申し入れていく所存です。

【ひらく会情報部及び市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローン第22回支払日に市を訪れ1.27第1回弁論についてヒヤリング

2020-12-27 21:01:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■安中市土地開発公社を舞台に今から25年半前の1995年5月18日に安中市役所内部で密かに発覚した地方自治体では史上最大の巨額詐欺横領事件。警察の調べで総額51億円を超える犯罪にも拘らず単独犯とされた元職員タゴは1952年3月生まれで、今年68歳となり、現在高崎市内のT町に住んでいます。

安中土地開発公社51億円横領事件の群馬銀行との和解20年後の報告会(安中市役所本庁) URL https://www.youtube.com/watch?v=3nqECnwg31Q
1:20:46あたりで筆者が安中市に対して「本件法廷で争う」と意思表明済み。


 この前代未聞、空前絶後の巨額詐欺横領事件により、現在公社は、群馬銀行に対して債務となる総額24億5000万円のうち、和解と同時に支払った4億円を除く20億5000万円を毎年2000円ずつクリスマスに群銀に103年かけて支払中です。そして今年も12月25日に22回目の支払が実行されてしまいました。このままでいくと、今年生まれた市民の赤ちゃんが、81歳になった時に、和解金が完済されることになります。安中市は公社のこの債務の連帯保証人になっています。

 一方、公社は、元職員タゴに対して損害賠償請求訴訟(事件番号:平成11年(ワ)第165号)を提起し、1999年(平成11年)5月31日付で22億2309万2000円の債権が確定しました。その結果、判決確定後、今年8月26日の約21年間で、タゴから1532万500円が返済されましたが、依然として22億771万1500円の債権元金が残っています。しかも、これには遅延損害金年利5分は含まれていません。

 そこで筆者が試算したところ、遅延損害金は今年5月31日現在で、39億4864万9945円となります。タゴからは、それまでの21年間に1526万500円が返済されているので、公社にとって債権元金残高は22億783万1500円となり、遅延損害金と合わせたタゴに対する公社の債権総額は、61億5648万445円となります。

 さて、12月25日は前述のとおり、103年ローンの22回目の支払が行われました。そのため、当会ではさっそく安中市長宛に次の行政文書開示請求書を提出しました。

*****安中市公文書開示請求書*****ZIP ⇒ 20201225ssjis22xj.zip
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
(1) 安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺横領事件により、安中市が同公社の保証人として、令和2年12月25日ごろに群馬銀行に対して支払った民事訴訟の和解条項に基づく2000万円の支出にかかわる一切の情報。
(2) 市が保証人として、同公社が元職員に対して平成11年に損害賠償請求を起こし、同年5月に勝訴した判決に基づき、元職員及びその親族からこれまでに財産差押や寄贈等を通じて損害金を回収してきた経緯のうち、令和2年8月27日以降、現在に至るまでに為された損害金回収に関わる一切の情報。
**********

 これは毎年恒例で、安中市長に対して開示請求を行っており、新年1月8日までに部分開示決定通知が為されるものとみられます。

■ところで、タゴ51億円事件の単独犯とされている元職員に対して、安中市は上記の通り、群銀へ支払う和解金総額とほぼ同額の債権を持っていますが、その履行は遅々として進んでおりません。

 筆者は、こうした市・公社の体たらくを懸念して、市・公社が2019年3月末に群馬銀行に対して、和解後20年目の対応として、今後さらに10年間、和解金の支払いを継続する旨を約した「証」の提出に関連して、公社でどのような協議が行われていたのかを債務保証人である安中市民納税者として確認すべく、昨年6月10日に安中市長に行政文書開示請求書を提出しました。

 ところが、多くの箇所が黒塗りにされた公社議事録が開示されたため、昨年8月6日付で行政不服審査法に基づく審査請求を行いました。しかし、安中市は2020年5月15日付で棄却通知をよこしました。

 その後も安中市に対して、群銀への債務履行ばかり重視している市・公社の姿勢を問題視して、なぜタゴへの債権行使をもっと厳しく行わないのか、もし市・公社だけでは腰が引けるのであれば、本件をライフワークとしている当会に委任状を発行してもらい、市民納税者として直接タゴおよびその関係者らに債務履行を求めたいと、申し入れてきました。

 ところが、安中市にいくら申し入れても、「委任状は弁護士でない者には出せない」などとして、一向に当会の提案に応じようとする気配はありません。

■そのため、やむやく審査請求結果の裁決通知を受け取った翌日から6ヶ月間が経過しようとする直前の2020年11月16日に、公社の連帯保証人である安中市に対して、タゴからの債権回収の本気度を確認するために不可欠な公社議事録の内容についての非開示部分の開示を求めて、前橋地裁に提訴しました。この経緯については、当会の次のブログを参照ください。
○2020年11月29日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンに加えタゴに1万8526年ローンを許容中の安中市を提訴!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html

 その後、前橋地方裁判所から11月27日にFAXで事務連絡として、第1回口頭弁論期日の候補日の照会が来たため、「来年1月27日(水)午前10時20分を希望する」旨、同月30日に回答しました。
※前橋地裁からの事務連絡と回答書 ZIP ⇒ 20201130nai1_j.zip

 その結果、12月8日(火)10時22分に地裁から電話があり、当該日時での第1かい弁論期日が確定したとの連絡を受け、同日、地裁に期日請書をFAXで送信しました。
※前橋地裁あて第1回口頭弁論の宛期日請書 ZIP ⇒ 20201208isjj.zip

■このことについて、12月25日に安中市役所を訪れた際、総務部の阿部部長と面談した際、安中市は訴訟代理人として、同市岩井地区に事務所を構える小坂景子弁護士に相談中であることが判明しました。


小坂景子(おさか けいこ)弁護士
安中法律事務所:群馬県安中市岩井2470-3 戸田ビル1F西)
電話(FAX兼用):027-386-6667
所属弁護士会:群馬弁護士会
弁護士登録年:2011年(2010年新司法試験合格)
司法修習:第64期(平成23年12月14日終了)
登録番号:44682
その他:安中ロータリークラブ会員


■安中市に対しては従前より「本件、安中市として弁護士を付けずに、直に本件について当事者同士で、法廷で決着を付けましょう」と提案してきましたが、結局、安中市は、安中市民の血税を投入して、訴訟代理人を起用するつもりです。

 それよりもなお、訴訟代理人を起用するつもりだということは、本件について安中市はどうやら争うつもりのようです。

 小坂弁護士に支払う着手金は、これまでの事例からするとおよそ30万円程度と目されます。しかも、この着手金は、公社から支出するのではなく、どうやら安中市の一般会計から支出される模様です。

■タゴから債権を回収するのは消極的ですが、タゴに関わる情報の非開示には積極的に公金を使ってまで、裁判所の法廷で争うという、現在の安中市の体質は、まさに25年前の巨額詐欺横領事件を起こした当時の安中市の体質を彷彿とされると言えましょう。

 来年1月27日水曜日、朝10時20分から前橋地裁本館2階第21号法廷で、安中市がどのような答弁書を出してくるのか、注目したいと思います。

【市政をひらく安中市民の会情報部及び市民オンブズマン群馬事務局からの連絡】

※関連情報「小坂景子弁護士」
**********高橋三兄弟法律事務所FB 2016年9月5日
URL ⇒ https://www.facebook.com/takahashi3kyoudai/posts/1096321043748253/
このたび,平成28年8月31日をもって,小坂景子弁護士が当事務所を退所し,9月1日から安中市内にて独立開業いたしました。
小坂弁護士は,平成23年12月に当事務所に入所後,数々の難事件を担当され,特に家事事件では当事務所トップクラスの受任数を誇っておりました。
今後,益々のご活躍を祈念いたします。
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