田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ふたつの部屋、ふたりの暮らし(Deux)

2023年08月03日 22時39分53秒 | 日記

Deux - Films - Quai10

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 「ハンナ・アーレント」のバルバラ・スコバが主演を務め、長年密かに愛を育んできた2人の女性が社会の障壁の中で闘う姿をサスペンスフルに描いたドラマ。南仏モンペリエに建つ眺めの良いアパルトマン。最上階の向かい合う部屋を行き来して暮らすニナとマドレーヌは世間的には仲の良い隣人だが、実際は長年愛し合う恋人同士だった。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫を亡くし、現在は子どもたちも独立、家族との思い出の品に囲まれながら穏やかに過ごしている。2人は部屋を売ったお金でローマへ移住する計画を立てていたが、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えられずにいた。そんな中、マドレーヌを悲劇が襲い、2人は選択を迫られる。共演は、フランスの名門国立劇場コメディ・フランセーズの団員でもあるベテラン女優マルティーヌ・シュバリエ、「ジュリアン」のレア・ドリュッケール。監督は本作が長編デビューとなる新鋭フィリッポ・メネゲッティで、2021年・第46回セザール賞で新人監督賞を受賞した。(映画.comより)

 

 

<2023年7月21日 録画鑑賞>

 少し前に都会でのみ上映されていて、見逃してしまった作品。wowowで放映されていたので、録画したのでした。結論から言います。とても素敵な映画でした。主演を演じていた女優さんが「ハンナ・アーレント」のハンナさんだとは最後まで気づきませんでしたが、少し歳の差のあるレズビアンカップル、お互いを深く愛していて、愛情表現がちょっと過激だと思う節もありましたが、自分が何に対してもあれほどの情熱がない分、美しいと思いました。

 彼女たちは、若い頃から深く愛し合ってきました。しかし、年長の方の女性は結婚していたのです。夫は優しい人ではなかったようですが、娘と息子にも恵まれ、夫が亡くなるまで家庭を維持していました。しかし、お互いに残りの人生が限られて来るなか、ここから先は、アパルトマンなどすべてを売ってお金に換え、一緒に余生をローマで過ごす計画を立てていました。しかし、ここまで来て、もうアパルトマンの見積もりまで出してもらっているのに、年長の女性が家族に「レズビアンだったこと」「これから先は余生をローマで過ごしたいこと」をどうしても切り出せないんですね。「同じことの繰り返し!」と怒る相手女性ニナ(若いほうの女性。こちらがアンナ・ハーレントを演じた女優さん)。こんなおしゃれなおフランスでも、ここ保守的なのね、と思いながら見ていると、年長の女性が体調を崩します。細かいことは忘れましたが、脳梗塞とかそんな感じで、急に動けなくなり、言葉を発することもできなくなるのです。

 私なら諦めたかも、のシチュエイションで、ニナは諦めません。それどころか、彼女を取り戻すためなら、犯罪まがい(いや犯罪だと思います)のことまで次々にやってのけます。なんという行動力。凄まじいまでの愛情です。私、そばにいたらドン引きするかも。しかし、ある意味羨ましくもありました。これほど、人に愛されたことがあるでしょうか?また、愛したことがあるでしょうか。答えはNoです。素晴らしいと思いました。

 私は、この年長女性の娘の目線で見ていたのですが、繰り返されるドタバタに「さっさと言ってくれれば、こんな無用な誤解を生まずに済んだのに」とちょっと思いました。環境にもよるでしょうが、本人の嗜好は変えられません。ましてや、長年愛し合っていたのならそれでOKです。今後面倒見てくれるのなら、お任せしますし(笑)。そういうい話じゃないか。すみません。

 ともかく、とても心に残る映画でした。これほど愛されるって、素晴らしい!

 

コメント
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