2015年・第68回カンヌ国際映画祭でグランプリ、第88回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したハンガリー映画。アウシュビッツ解放70周年を記念して製作され、強制収容所で死体処理に従事するユダヤ人のサウルが、息子の遺体を見つけ、ユダヤ教の教義に基づき葬ろうとする姿や、大量殺戮が行われていた収容所の実態を描いた。1944年10月、アウシュビッツ=ビルケナウ収容所。ナチスにより、同胞であるユダヤ人の死体処理を行う特殊部隊ゾンダーコマンドに選抜されたハンガリー系ユダヤ人のサウル。ある日、ガス室で生き残った息子と思しき少年を発見したものの、少年はすぐにナチスによって処刑されてしまう。サウルは少年の遺体をなんとかして手厚く葬ろうとするが……。ハンガリーの名匠タル・ベーラに師事したネメシュ・ラースロー監督の長編デビュー作。(映画.comより)
<2018年9月16日鑑賞>
悲惨な話なんだけれど、そこを敢えて追求せずに、努めて淡々とナチス時代を描いた作品。ここまで視点を引かせるのって難しかったんじゃないのかな。当事者だからそこできたことなのかな。時代背景を知識として知ってはいても、まるで何事も起きていないかのように、普通~~に人が死んでゆくのにとまどいました。
しんどかった。息が詰まるかと思うほど、しんどかった。でも、私は物語の進み方がわかりづらかったです。展開というか。はっきり描かない手法なのかもしれないけれど。
ところで、サウルの息子は本当に存在したのかな。極限の精神状態で、そう思わないと生きて行けなかったのかな。監督の意図はわからないけれど、私個人としては、存在しないんじゃないのかな、と思いました。